ヒカマーズバトルロワイヤル続編   作:開發 雅人

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第44章: 合一

安全地帯の移動が迫る午後のヒカ島。

 

るぽめだ、ねずまに、Cenaキン、あおまにの4人は、雑居ビルの一室で殺人ドローンに対する対策を考えていた。

 

「そもそもドローンって飛ぶのに膨大な電力を消費するから、すぐ電池切れになるものだよね? ひょっとしたら、あれらも放っておけば勝手に墜落してくれるんじゃ……」

 

Cenaキンの楽観的意見に、るぽめだは首を振る。

 

「そうとも限らない。 アレの大きさや外見、飛ぶときに出る音から察するに、内燃機関……つまりヘリコプターとかと同じようにガソリン等の燃料で動いているエンジンドローンの可能性が高いよ。 そうでもないと、機関銃なんて重いものをぶら下げて長時間飛べるとは思えない」

 

それを聞いて3人の顔は曇る。

 

「一体どうすりゃいいんだ? 俺達は飛び道具なんか持ってねぇし、仮にぶっ壊す事が出来たとしても、あの数を相手にするのは無理がある。あと、ドローンだけじゃなくて110弱も警戒しないといけないんだよな……」

 

あおまには手元のパイプレンチに目をやり、それからねずまにを見る。

 

110弱の脅威をその身でもって経験し、片腕を失った女ヒカマー、ねずまにが口を開く。

 

「やっぱり私達は」

 

言いかけた瞬間、音。

 

「なんだ? 今ガラスが割れたような?」

 

「しっ、静かに」

 

るぽめだはあおまにを黙らせ、尖った石のついたロープをもって立ち上がる。

 

「私が確認してくる」

 

小声でそう言って静かに扉を空け、廊下に出る。

非日常の環境下で多少の不安や恐怖を抱えてはいるが、本来るぽめだは極めて勇敢な女性である。

なにせ彼女は昔、ヒカキンの実の娘であるミニキンの素顔をネット上に何度も拡散し、その上開示請求のリスクにも決して屈しなかったことがあるのだ。

そして運命の悪戯か、当のヒカキンと同じ無人島に集められ殺し合いを強制されることとなった。それでも、彼女の心が恐怖に屈することはないだろう。

 

足音を立てないようにして階段を下り、1階へと到着。

そこで目に入ったものに、るぽめだは思わず息を呑む。

 

雑居ビルの入口に立つ影。それは侍の衣装を身に纏い、片手には刀。双眸には、煮えたぎるコールタールのような怒りを浮かべている。

 

「誰がはやおを殺したんだ……!」

 

その男は呪詛のような言葉を吐いた。身の危険を感じたるぽめだは咄嗟にロープを構えて戦闘態勢。

 

「貴方は一体誰? 爆弾首輪もついてないし、私達が拉致される前のヒカマーズオフ会にも居なかったし、最初に集められた廃校にも居なかったよね? まさか、私達を戦わせている政府側の人間!?」

 

「俺はカタナキン。俺ははやお……ネオミドを殺した奴を探してるだけだ。お前こそ名乗れ。そして説明しろ。この島は何なのか……ここで何が起きているのか……誰が俺の親友、はやおを殺したのか!!」

 

カタナキンと名乗った男はるぽめだに真剣の切っ先を向ける。

 

「私はるぽめだ。とにかくこれだけは言える。私は貴方の敵じゃないし、ネオミドを殺したことなんてない。あいつの生死なんか知らない」

 

るぽめだは息を整える。

 

「本当に何も事情を知らないなら教えてあげる。私達は数日前、渋谷のロフトで開催されたヒカマーズオフ会に参加した。でも、いつの間にか眠らされて、気づけば首輪を付けられてこの島の廃校の大きな教室に集められてた」

 

るぽめだは忌々しげに、自身の首に巻かれた金属の輪に触れる。

 

「ヒカマーズオフ会ははやおも参加していたはずだ。それに参加したヒカマーが皆この島に拉致されたってことだな?」

 

「そう。そして教室のスピーカーから声が聞こえてきて、私達ヒカマーはこの国にとって不要な人間だから、ここで最後の一人になるまで殺し合いをしてもらう。安全地帯の外に出たら首輪が爆発するって言われた……」

 

それを聞き、カタナキンは足元に目を落とす。

 

「じゃあネオミド……はやおは国に殺し合いをさせられて死んだってことなのか……? ヒカマーが社会に不要だからって……そんなふざけた理由で……? あいつは悪い奴じゃなかったというのに……!」

 

ネオミドは普通に悪い奴だったでしょ、とるぽめだは突っ込もうとして、やめた。刃物を持っている相手を怒らせても良いことはない。

 

「ネオミドは……ジャングルの中で首を斬られて死んでた……。今でもあいつの死体が脳裏にこびり付いて離れねぇんだ……。俺は数日前のヒカマーズオフ会に参加したっきり行方不明になったネオミドの身を案じてここに来た。なのにその真相がこれだなんてあんまりだと思わないか!?」

 

カタナキンの目には、友を失った哀しみと、理不尽への怒りが渦を巻いて燃え上がっていた。

顔を上げ、真っ直ぐに目の前の女ヒカマーを見据える。

 

「協力しろ。ネオミドを殺した奴と、俺の友達をこんな所に集めて殺し合わせてる政府への復讐に!」

 

その言葉には、いいえとは言わせない気迫があった。

 

「……協力するよ。仲間は多いほうがいいしね。但し条件がある。貴方もきらっちというヒカマーを探すのに協力して。お互い助け合えばWin-Winでしょ?」

 

るぽめだの言葉に、カタナキンは首を縦に振る。

 

「あと一つ聞きたいんだけど、拉致されたわけでもないのに君はどうやってこの島に入ったの? まさかこの島の原住民であるわけではないだろうし……」

 

「知り合いの大学教授の力を借りたんだよ。あと、お前は単独で行動してるのか? 他に仲間は?」

 

「居るよ。上の階に。言っとくけど、他の仲間に対して変なことはしないでよ?」

 

「そんなこと、言われなくてもわかってる。俺だってこう見えて普通のヒカマーのつもりだ。誰彼構わず刀を振る狂犬じゃない」

 

二人は階段を上っていく。この男の加入がるぽめだ達の運命をどのように変えるのか、まだ誰にも分からない。

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