安全地帯の草原、夜闇の中をヘッドライトすら点けずに走る車が1台。運転席には羂索キン、助手席にはエッチキン、その後ろには郎サックマニア、バングラデシュキン。「ウワハハハハ!奇跡だ!トミカを掴まされたと思ったら、本物の車を手に入れちまった!」郎サックマニアは歓喜の表情。実際、この4人が車を手に入れたのはほとんど奇跡であった。荒野の真ん中、道路沿いにポツンと建っていた一軒家。そこに郎サックマニア、バングラデシュキン、羂索キンが侵入し、隠れていたエッチキンと協力関係に。リビングで休んでいる途中に突如老朽化したガレージの扉が倒壊、燃料が入ったままのハンヴィーを発見したのだ。「あまり気を抜くなよ?エンジン音で遠距離から察知される可能性もある」バングラデシュキンは窓の外を見張る。「まぁ、機銃も付いてるし、大丈夫だと思いますよ」と羂索キン。「厳密には機銃じゃなくてグレネードランチャーだけどね」エッチキンは屋根の上の旋回砲塔に目を向けた。
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「ハハハ!お前ら楽しんでるか?新しいイベントを用意した!安全地帯中央のガラス張りの建物で一騎打ちイベントを開催する!」スピーカーから響く邪悪な声!「ルールは簡単。二人がガラス張りの部屋の中に入り、殺し合う。勝った方はとんでもなく強い武器を得られる。ちなみに、一度入ったらどちらかが死ぬまで出られないぞ!」気象操作塔内部でそれを聞いていた応接_mania、ヒロヒト_mania、ナミアリの3人。「行こう」Poland_maniaが遺した騎兵刀を携え、応接_maniaは力強く言った。度重なる仲間の死や裏切りを経て、彼の心は完全に戦士の心となっていた。「僕達が生き残って、この戦いの勝者となるために」「そうだね」ナミアリも毒針とスタンガン、モシン・ナガンを持って立ち上がる。「侍の心意気を見せる時……!」ヒロヒト_maniaは床に落ちていたグロック19とC4爆弾、遠隔起爆スイッチを拾い上げ、二人に続く。
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島の各所にある地図モニターを参考に、一騎打ちが行われる建物へとやってきた3人。サッカーコート並みの大きさを持つ、壁が防弾ガラスでできた横長の建物が目の前にある。建物自体にドアは無く、周囲に地下へ続く階段と『入場口』と表示された電光掲示板が2つある。片方の階段を下ると内部には、準備室と思わしきコンクリートの部屋。足を踏み入れた瞬間、スピーカーから音声。「早速入ってきたかゴミ共!改めてルール説明だ!闘技場に入れるのは二人だけ。どちらかが死ぬまで出られない。勝った方にはプレゼント。飛び道具の持ち込みは禁止。こっそり持ち込んだら毒ガス放出だ」「飛び道具禁止!?」応接_maniaは目を見開く。これでは狙撃銃が役に立たず、ヒロヒト_maniaからグロック19を借りて使うこともできない。「なら、遠隔起爆できる爆弾はどうなんだ!?」ナミアリは壁のスピーカーに向かって訊ねるが、答えは帰ってこない。「接近戦しか許されないということか……」ヒロヒト_maniaはトンファーを2本とも応接_maniaに差し出した。「騎兵刀とフォークだけでは足りないだろう」「ありがとう」応接_maniaはテーブルの上にあったバイオコーラを飲み干すと、壁の『参加』ボタンを押した。「挑戦者を確認。相手が来るまで待て」スピーカーから響く声。
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廃墟の一角。ぎめい、磯野の二人は、110弱と激しい戦いを繰り広げていた。「イヤーッ!」ぎめいがレンガを振り下ろす!110弱はマチェットで受け止めるが、腕力は相手の方が上、殴り倒される。続けざまに振り下ろされるレンガを転がって避けると、今度は額に石が衝突!「グワーッ!」磯野の投石である!割れたら終わりのボトルシップを鈍器として使うのは駄目だと判断し、投石による援護に徹しているのだ。ぎめいの打撃をギリギリで回避すると、110弱は敵に背を向けて走りながら首輪のボタンを押して叫ぶ!「俺を助けろ〜!!」「ザザッ……敵の名前を入力ザザザ…下さい」「ぎめいと磯野だ!!」「あいつ、誰と話してんだ!?」磯野は疑問を浮かべつつ追いかける!「起爆コマンドの発信ザザ…現在不具合がザザッしザザザー…のでザザ粒子砲狙撃に切り替えザザッ……衛星の射角を調整ザザザザますので少々おまザザッ……」「早くしろよ!!」半泣きで逃げる110弱!彼と二人の距離は徐々に縮まり、110弱は焦り故に躓いて転倒!「今がチャンスだ!行くぞぎめい!」「うん!」二人が得物を振り上げた瞬間、閃光!「「グワーッ!」」突如目の前で起こった爆発で、ぎめいと磯野は仰向けに転倒!「今のは一体何!?」怖気づくぎめい。「雷か!?嵐でもあるまいに……」磯野が青黒い夜空を見上げると、異質な光点を視認!「危ない!」ぎめいを突き飛ばして跳躍回避!一瞬前にいた地面に光線が着弾!爆発!「なんなんだ!?」磯野は混乱した。110弱は地面に座り込んだまま笑みを浮かべている。「とにかく逃げようよ!」ぎめいが磯野の手を引き、駆け出す!その後を追うように光線は降り注ぎ続ける。二人が夜闇の中に遠ざかり、街灯の光にも映らなくなったのを確認し、110弱は首輪のボタンを押して不平を漏らす。「ちゃんと仕留めろよ!一発も当たってないじゃないか!」「申し訳ザザザざいません。衛星は常に動き続けていザザ…ため、遠い目標への狙撃ザザザ…困難を極めます」「チッ、役立たずが」110弱はそう言うと、通信を切って歩き出す。(俺は生き残ることが保証されている……バカ共を利用して、平民共を蹴散らして、せいぜい最後まで楽しんでやるぜ……!)
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ヒカ島から遠く離れた日本本土。暗雲立ち込める首都の空を突くように聳え立つタカシマダイラ・タワー。その内部にある行政施設の一角にて。コンピュータに向き合う多数の職員と、それを見回す一人の男あり。「システム復旧はまだか!?」「あいえっ、もう少しで終わると思われます……!」目をつけられた職員は死に物狂いでキーボードを叩く。「トラブルがないようにしたまえ!この『オールスターダストプログラム』は国家にとって軍事的に非常に重要な意味を持つ!失敗は許されん!」欺瞞!国家が大人数の国民を拉致して無人島で殺し合いをさせる『オールスターダストプログラム』。それに軍事的な意味などは微塵も無い。政府が『生きる価値がない』と決めつけた人々を閉鎖環境で戦わせ、権力者がそれを見て各々の動きを予想し賭博に利用したりして娯楽とする。それが『オールスターダストプログラム』の真の目的である。そして、そのような邪悪な計画を発案し実行させているのがこの男、現総理大臣『鯣 岩男』なのだ!!「鯣さん、ちょっといいですか?」政府高官『素破 摩打男』が近づき、岩男を廊下に連れ出す。「私の息子……牛碩との無線通信にも不具合が生じていると聞いたのですが……」「安心したまえ。彼は最後まで生き延びることが確定している。心配は要らんよ」「はぁ……そもそもですが、この計画に私の息子を参加させる必要はあったのでしょうか……?」摩打男は心配そうな表情だ。「仕方がないのだ。オールスターダストプログラムは表向きは、無作為に選んだ国民に対する軍事訓練への強制参加という体になっている。『下級国民だけ参加させられるのは不公平だ!』という不満の噴出を防ぐため、数人の上流階級……例えば君の息子である牛碩くんなどを参加させねばならんのだ。その代わり、生存は保証されるがの」岩男は平然と言ってのけた。「そういえば、小川なんとかとかいう刑事が参加させられてたような……」「ああ、あ奴はオールスターダストプログラムの真実を暴き、愚民共に知らしめようと暗躍しておったからな。いくら警察上層部とは言え看過はできん。捕えて殺し合いに参加させることにしたのだ」
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「対戦相手の入場を確認。入れ」スピーカーからのアナウンスが流れ、応接_maniaの目の前の扉が開く。「じゃあ、行ってくるよ」「気をつけて。君の勝利を祈ってる」「敵が来ないか見張っておく。全力を出して来い」ヒロヒト_maniaは狙撃銃を構える。応接_maniaが扉をくぐると、エレベーターが上昇。ドアが開き、ガラス張りの部屋の中へ。そこは、白一色の床に天井のLED照明があるだけのだだっ広い殺風景な部屋だった。背後でドアが閉まり、前方にあるもう一つのドアから入場する影。遠目に見てもわかるその姿に、応接_maniaは衝撃を受けた。筋骨隆々の肉体に、ヤクザめいたサングラス、口には煙を燻らせるタバコ、右手にはタオル。ヒカマーなら誰もが知る、偉人の姿がそこにあった。「嘘……ニコチンTVさん……!?」