前世の記憶を思い出したポンズは、生き残る為に尽力する 作:ちいさな魔女
ポンズ。ハンター試験編にて登場し、キメラアント編で悲惨な末路を迎えたキャラクター。職業はアマチュアハンター。毒蜂を操る能力を持ち、その蜂はメッセージを運ぶことも出来る汎用性がある。ハンター試験編で初登場し、ポックルとは同期のような関係性である。
キメラアント編でキメラアントの出現を知り、ハンター協会にその危険を伝えようとした。しかし、キメラアント兵隊長のギョガンに射殺され、捕食されてしまう。
登場回数は少ないものの、彼女は割と人気がある。読者の印象に残る最期を遂げた事から、尚更人気があり、退場を惜しむ声も多い。
何故この話をするのか?それは、試験会場へ向かう際に起きたある出来事が原因だった。
―――――――――――――――――――――――
ポンズ「ハッ!?」
ポンズは倒れていたが、目を覚ました。前世の記憶、知識、そして経験してきた事。
彼女は帽子が脱げて、後頭部の痛みと共に目を覚まし、起き上がる。
ポックル「おいポンズ!大丈夫か!?」
ポンズ「え、ええっ……大丈夫……」
同期のポックルが声を掛けてきた。彼はビジネスパートナーであり、共に試験を受けに向かう途中で、ポンズは足を踏み外して背後へ転んだ。そして、頭を打って気を失ったのだ。
その後、近くの病院で診察を受けたが、ポンズには何の異常も無し。頭にコブが出来たが、少し時間を掛ければ自然に治るらしい。もし仰向けに寝るなら、少し不便かもしれないとの事だ。
ポンズは病室の鏡に映る自分を見て、自分の前世の知識から来る自らの最期を知る。
ポンズ(私は……キメラアント編であんな死に方をするのね………でもそんな事にならないわ!)
未来の知識がある以上、ゴン達と行動を共にするのが一番良いだろう。ポックルも合格してる以上、彼とは離れて行動するべきだろう。合格したら、ゴン達と行動を共にさせてみるのも良いかもしれない。
それに、ハンターになるには念能力も必要になる。ポンズは恐らく、生まれつき念能力を身に着けている。前世の記憶を持った事で、操作系の能力で毒蜂達を操れるのは念能力由来だと分かったのだ。
ポンズは病棟の部屋で、退院前に水見式を行う事に。念の系統を確認する儀式だ。葉っぱを浮かべた水の入ったコップに念を『練』で送り、コップに起きる異変で大方の系統を確認するのだ。
すると、ポックルが部屋の扉をノックしてポンズが返事を返す。
ポンズ「どうぞ」
ポックル「よお、案内人が案内を……って、何してんだ?」
ポンズ「まあ気にしないで。これは、ハンターになる為の必要な確認よ」
ポンズはそう言うと、念を解放した。練で念をコップに向けて送る。
その時、思いがけない事が起きた。
最初は葉っぱが動いたので操作系の特徴だと理解したが、問題はその後だった。コップの中に、不純物が出現した。具体的な例として、蜂の巣のような固形物が出現したのだ。これは、具現化系を示す現象である。
つまり、今のポンズには二つの系統に適性がある。それは原作には本来存在しない、謎の体質だった。前世の記憶を思い出した影響なのかと一瞬考えたポンズだが、理性でも中々事実を受け止め切れない。
ポンズ「えっ!?な、なんで……?」
だから混乱を起こした。
ポックル「な、なんだそりゃ!?葉っぱが動いたかと思ったら、コップの水の中に蜂の巣が出たぜ!?」
ポックルにも見られた。
ポンズ「……ポックル、貴男にも話す必要があるわ。これは念能力。ハンターなら誰もが発現する能力よ。私は生まれつき持っていたけど、本来なら系統は一つしか適性は無いの………これは何故かしら?」
ポンズは誤魔化した。実際前世の知識があるなんて死んでも言えないし、何よりポンズ自身も何が起きてるか分からないのだ。それに、今言っても混乱させるだけだ。ならば、今はハンター試験に集中するべきだろう。
ポックル「念能力か………良いな!益々ハンターになるべきかもな!」
ポンズ「ええっ。ポックルもきっと立派なハンターになるわ」
2人は病室を出て、案内人の案内を受けて例の定食屋へ辿り着く。ハンター試験を受ける会場への入り口を担っている定食屋で、案内人が注文を行う。
案内人「奥の部屋でお願い」
店主「注文は?」
案内人「ステーキ定食、2人前」
店主「焼き加減は?」
案内人「弱火でじっくりコトコト」
店主「……奥の部屋へどうぞ」
そして、奥の部屋へ案内される。案内人が二人の健闘を祈ると言葉を残し、部屋を去る。
ポックル「ホントにここか?」
ポンズ「案内人の情報よ。私達が合格を貰えた以上、偽の場所を案内するなんて手間はしないわ」
すると、部屋が動いてエレベーターの降りるような感覚が2人を襲う。
ポンズ「ホントに凝ってるわね……」
ポンズは前世の記憶で知っていたが、まさかこうしてハンター試験を受けられると思うと心が躍る。幸いにも体力には自信があるし、いざという時には念能力を使えばいい。操作系なら兎も角、具現化系もあるのは好都合だ。戦略の幅も広がるだろう。
ポンズ「具現化系もあるとしたら…………蟲を生み出す能力が良いわね。帽子を蜂の巣みたいにして蟲を生み出すとか」
ポックル「お前らしいけど、想像したら怖えな」
ポンズ「失礼ね」
ポンズは具現化系の能力を決めた後、部屋が一瞬揺れる。扉が開き、試験会場へ繋がった。
其処は無数のランプで照らされたトンネルで、多くの受験者が自分達を見ている。
全員が合格を狙っているのか、ピリピリとした雰囲気だ。
しかし、ポックルもポンズも、その雰囲気に負けはしない。覚悟の上で此処に来たのだから。
暫くすると、新たなメンバーが次々とやって来る。その中に、ポンズが前世で知る原作キャラ達も居た。
255番、レスラーのトードー。力もあるし頭もキレるが、第二試験で落ちた男。103番、蛇使いのバーボン。ポンズ脱落の切っ掛けである男で、大量の蛇を操る蛇使いの男だ。191番、武術家のボドロ。確かに強そうだが、キルアに殺されてしまう哀れな男。実に惜しい人材だ。384番、猟師ゲレタ。吹き矢と棍棒であらゆる生き物を狩る凄腕。原典の物語ではゴンのプレートを狙い、ヒソカに殺された男だ。
そして、ポンズはとある少年を見つけた。
ポンズ(やっぱり居るわね。キルア。スケボーがホントに似合うわね。それから、トンパ………やっぱり下剤入りジュース持ってきてるわね)
ポンズは周りを見る。99番のキルアはトンパの下剤入りジュースを飲んで平気そうだ。
ポンズ(ギタラクル……キルアの兄イルミが変身した姿ね。それからハンゾー………今は念能力者じゃないけど、実力は高いわね)
294番のハンゾー。確かに強いのは分かる。301番のギタラクル。全身に針を刺しまくっているのは、別人に成りすましてるイルミだ。ハンゾーは例えポンズが念能力を使ったとしても、直接戦うのは避けたい相手だ。
ポンズは周りを見渡すが、遂に見つけた。
ヒソカ=モロウ。ハンターハンターでも屈指の実力を持つ奇術師で、トランプを武器にする戦闘異常者。念能力はバレても問題があまりない厄介な『
ポンズ(ホントに嫌な気配ね……)
すると、ヒソカと目が合った。ポンズはヒソカの視線と目が合ってしまい、顔が青ざめてしまう。
ポンズ「ひぃぃっ」
ポンズは視線を逸らすが、ヒソカからの視線は消えない。
ヒソカ「っふ♥」
ヒソカはポンズを見て笑う。
ポンズはポックルの傍に来た。息が荒いポンズの様子に、ポックルも不安になる。
ポックル「お、おい。大丈夫か?」
ポンズ「だ、大丈夫よ……ヒソカって奴と目が合って怖かったから………」
すると、そんな2人に話し掛ける者が居た。
トンパ「そうそう。迂闊に関わらない方が良いぜ」
小太りの男、トンパが2人に話しかけて来た。
トンパ「彼奴は44番のヒソカ。前のハンター試験で試験官を半殺しにして失格になった、異常な奇術師だ。変なことして目を付けられないようにな」
トンパの言葉には同意するが、それはそれで彼に関わりたくないポンズ。
ポンズ「……そうね」
トンパ「そうだ。俺はトンパってんだ。どうだい?お近付きの印に――」
ポンズ「ポックル。前に無味無臭の下剤を試して、飲んだ時に3日もトイレ行きになったのよね。つまり、この試験会場に来てる受験者の中には、贈り物に仕掛けを施して新人潰しを狙ってる奴も居るわ。ポックルも気を付けて」
すると、発言の意味を悟ったポックルが、話を合わせてくれた。
ポックル「当たり前だろ?こんな空間で親切にしてくる奴は大抵信用出来ないしな。ポンズは俺と行動してる仲間だから信用出来るが、他は他人だ。トンパだっけか?俺達飲みもんなら持ってるから良いよ」
トンパ「そ、そうか。まあそうだよな。悪かったよ」
ポックル「いやぁ〜ポンズの奴が3日もトイレから出なかったと知る前は、何かあったのかと慌てたもんだ。知った後は笑っちまったなぁ!アッハハハハ!」
ポンズ「失礼ね!デリカシーの無い発言するんじゃあ無いわよ!貴男にも一服盛ってやろうかしら?」
ポックル「止めとけ。俺も薬に詳しいから気付くぜ」
トンパ「…………………………………ちっ!」
ポンズとポックルは、男女の幼馴染みがふざけ合うような会話をしながらトンパから離れて行った。トンパは2人が離れた後に舌打ちをしたが、内心焦っていた。
トンパは飲んでないにも関わらず、自分の渡そうとした缶ジュースに下剤が入ってるのを知っていたポンズに違和感を感じていた。会話は他愛のない幼馴染みのようなものに聴こえるが、トンパは気付いていた。あの二人はふざけてるように見えて、分かっていたのだ。特にポンズは、まるで知っていたかのようだった。
トンパ(彼奴、なんで俺が缶ジュースに下剤を盛ってるとかだけでなく、ましてや下剤の種類まで知ってやがったんだ!?)
そんなトンパの意志を露知らず、ポンズは試験開始を待つ。
すると、エレベーターの扉が開いて新たな参加者が現れた。
そう。ゴン=フリークスとクラピカ、そしてレオリオの三人だ。
ビーンズというネテロの秘書にしてハンター協会の事務員が、番号札を3人に渡す。頭には毛が一本もなく、文字通り豆のような形をしている。非常に小柄で三頭身程しかない。
ゴン達はトンパにジュースを渡されるが、ゴンの超人的な味覚で下剤の味(下剤だと思わず腐ってると誤解)に気付き、それを聞いたレオリオが飲み込みかけたジュースを吐き出した。クラピカは開けた後に捨てた。
ポンズ(無味無臭は確かに完璧に味が無くなるわけじゃ無いけど、それでも見極められる味覚なんて………トリコの味覚マスター並におかしな味覚してるわね)
前世の知識にあった作品の中に、大きなプールに少量の砂糖を混ぜてもその味に気付ける味覚マスターが居た。
ゴンの味覚はそれに近いなと感じたポンズであった。
すると、ベルが鳴り響いた後にトンネルの壁が上に動き、新たな通路が現れる。そして、スーツを身に纏った細身の口ひげが特徴的男性が現れた。
ポンズ(サトツ。この第一試験の試験官ね)
サトツ「大変お待たせいたしました。現時刻を持ちまして、受験者受付時間を終了致します。ではこれより、ハンター試験を開始致します」
サトツはその後にハンター試験は大怪我したり、死ぬかもしれないという警告を言った後、もし覚悟が失われたならば引き返す事も勧めてきた。しかし、誰も引かない。
サトツ「では、第一次試験、404名ですね」
第一試験は、ただひたすらにサトツについて行くだけ。サトツは歩いているのかと思いきや、歩いているだけでまるで走っているかのように進み続けている。
ポンズ「あのハンター、中々の身のこなしね」
ポックル「ヤバいな。ペース上げないと置いてかれるぞ」
その途中で、背後で悲鳴が聞こえる。過去のデータを計算していたという太った男、187番のニコル。彼は、新人潰しのトンパから依頼された三兄弟、アモリ、イモリ、ウモリによる言葉責めで、心がへし折れてしまったのだ。トンパの間接的なある復讐もあるのだが、流石に哀れだ。
しかし、ポンズやポックルは同情しない。ましてや、彼が覚悟の無い男である事は2人から見ても一目瞭然だったからだ。
ポンズ「ハンター試験の過去のデータなんか参考にすらならないし、あんな言葉に負けてしまうんじゃ、ハンターは無理ね」
ポックル「可哀想だが、俺達はハンターにならなきゃいけないもんな」
ハンター試験は辞めるも進むも自己責任。他人の言葉に負けて立ち止まる者では到底不可能だ。勿論助け合う事も必要だが、最終的には一人でなんとかしなくてはならない。
ポンズも知識があるとはいえ、それに頼り切りになる程愚かではない。
現にこうして自分の足で走り続け、サトツや受験者達の背後をついてきているのだ。
軈て階段に辿り着くと、先の見えない階段を登っていく。
すると、レオリオが上半身裸となり、上着のスーツを腰に巻き付けて気合いで駆け上がる。
自分達の元へ迫って行くのを、ポンズとポックルは振り返らずとも感じた。特にポンズは、知っていたとは言えレオリオの凄さを改めて感じたのだ。
ポンズ(ヒソカが合格としたわけね)
ポンズは階段を駆け上がると、二人の少年が自分達を追い抜かすのを見た。ゴンとキルアだ。
ポンズ「ポックル、負けられないわね!」
ポックル「ああっ!そうだな!」
二人も全力で駆け上がる。
ゴン「うわっ!?早いね!お兄さんとお姉さん!」
キルア「ま、負けねーけど!」
ゴンとキルアも駆け上がる。2人は息一つ乱れていない。ゴンとキルアの体力に2人は対抗心を燃やす。
ハンゾー「おっ?んじゃ、俺も全力出すか!」
ヒソカ「へぇ」
同じく対抗心を燃やす者や、その光景を見届けて微笑む者も居る。
そして、サトツは軽やかに階段を駆け上がり、出口へ到達した後に、後ろを振り返ろうとした。どれくらいついてきたかを確認しようとしたからだ。後ろを振り返った、その時。
5人『『ゴオオオオオォォォル!!!!』』
サトツ(ほう)
サトツは心の中で感心の声をあげる。ゴン、キルア、ハンゾー、ポンズ、ポックルはほぼ同時にゴールしたのだ。サトツから見た様子では、ゴンとキルアが同時にゴールし、その後に僅差でハンゾー、その後もハンゾーと僅差でポンズとポックルが同時にゴールした。
ゴン「やった!俺の勝ちぃ!」
キルア「何言ってんだ!俺の方が速かっただろ?」
ポンズ「ふう……他の受験者が揃うまで休みましょうか」
ポックル「ハァ…ハァ………だな!」
ハンゾー「へぇ。お前等中々やるじゃねえか!」
ゴンとキルアはまだ元気そうで、ハンゾーも他の4人の体力に関心を示す。ポンズとポックルは、扉の横にある壁に寄りかかって休む。
軈て他の受験者達も到達する中、サトツは受験者達の前に移動し、残りの受験者達の到着を待つ。レオリオとクラピカも遅れて到着。残り名になった段階でトンネルへ続く出入り口が閉ざされる。
サトツ「さて皆さん。まだ第一次試験は終わりではありません。この『ヌメーレ湿原』を越えて第二次試験会場に向かいます。この湿原は、『詐欺師の塒』と呼ばれており、獲物を騙す為に無数の獣達が日夜騙し合いを行っております。くれぐれも惑わされる事がありませぬよう、ご用心ください。騙されると、死にますよ?」
サトツがそう言った途端、受験者達の顔が強張る。緊張が支配する中、「騙されるな!」と声が響く。
一人の男が、建物の裏手から出現した。
男「騙されるな!そいつは偽者だ!俺が本物の試験官だ!」
ボロボロの体に切れた服を身に着けた男は、サトツを指差してそう言った。
男はサトツそっくりの人面猿を持って来て、サトツの正体が人面猿と説明するが、ヒソカに攻撃される。但し、サトツも攻撃されたが、サトツはヒソカの攻撃を全て防いだ。
その理由はポンズも知ってる。ハンターならば今の攻撃は避けられる筈だ。だからヒソカの簡易な攻撃も避けられる。しかしサトツは、しっかりと次は無い事をヒソカに忠告した。
ポンズ(知ってたから助かったけど、ホントに油断も隙もないわね)
ポンズはその光景を静観する。
そして、サトツについて行く受験者達。サトツが改めてついて来るよう注意を促し、湿地帯にも関わらず軽やかに歩いていく。
ポンズ(これがヌメーレ湿原……霧が濃いわね)
ポンズは念能力者でもあるが、流石に視力を高める『凝』や気配を捉える『円』を使える程の応用力はまだ無い。
よって、目の前の人をついて行くのがやっとである。
ポンズは走り続けていくが、湿地帯でも難なく走れる自分が恐ろしくなる。とはいえ、ハンター試験の為に鍛えていても、元々直接戦闘は苦手な方だ。運動が出来る事と戦える事はイコールではない。
すると、目の前に3匹の蝶が飛んできた。その蝶の鱗粉を浴びた、というより吸った受験者がその場で眠り始めた。『サイミンチョウ』という蝶が地味に厄介だと知っているポンズは、蝶の鱗粉に当たらないように避けていき、霧の奥へ進んでいく。
遠くで『ジライダケ』というキノコを踏んだ受験者達の悲鳴が聞こえてくる。見るのもおぞましい光景だ。
ポンズは暫く走り続けると、声が前方から聴こえてきた。霧の奥にある影が揺れているように動いている。
サトツ?『いーいーですかー?しっかりとー、私の後をついてきてくださいねー』
声はサトツにそっくりだが、間延びし過ぎている。
ポンズ「待って!何かおかしい!」
ポックル「ああっ、あの男の声だが、なんか変だぜ」
しかし、周りの受験者達は声の方角へ向かう。
受験者『あっちだ!行くぞ!』
こんな深い霧の中だ。方角を見失い、方向感覚が分からなくなると、正常な判断を失うだろう。
ポンズ「そっち行っちゃ駄目よ!!」
ポンズが立ち止まって叫ぶも、もう手遅れだ。
霧の中の受験者達が、突然何かに釣り上げられたように上へ上がり、悲鳴と肉や骨が潰れて噛み砕かれる音も響いた。
霧の中から現れたのは、先程の人のような影の正体であり、人の形をした花だった。花の下には人の口のようなものが胴体に付いており、血や臓物、骨の破片が付着している。
『モノマネプラント』。獲物の声を真似て獲物を誘い、蔦で捕らえた後に捕食する肉食植物だ。
ポンズ「なる程!人の声を真似るのね!」
ポックル「回り道をするぞ!」
2人は他の受験者達と共に、別の道を進み始める。下手に戦えば体力の無駄となる。生き残る事を優先するべきだ。
ポンズ達は霧の中を進み続けると、深い霧が段々と晴れていく。先頭集団と合流したポンズ達は、周りを警戒しつつ先頭集団について行く。まだ油断は出来ないからだ。
そして、進む内に霧の外へ出た。
第二次試験会場である森林公園の門前だ。
ポンズとポックルは、再び一息入れる。
ポンズ「でも………問題はここなのよね……」
ポンズはボソリと呟いた。この第二次試験会場の試験官たるメンチとブハラ。美食ハンターである彼等の試験は、受験者側の態度も問題点だった。とはいえ、メンチを
しかし、ポンズは本気で挑むつもりだ。原作改変みたいになってでも、本気で挑むつもりだ。でなければ今後ハンターとしてやっていけないのである。
ポンズは前世でハンターハンターの事は選挙編以降読んで無かった為、その後の物語は朧気にしか覚えてない。しかし、知ってる範囲で出来る事がある筈だ。
そして、ヒソカがレオリオを運んで来て木の麓で寝かせる。その後、ゴンとクラピカが到着する。
サトツ「では皆様。ここビスカ森林公園が第二次試験会場となります。皆様は此処で第二次試験を受けて頂きます。では、私はこれで」
サトツは再び軽やかな歩き方でその場から去っていく。そして、二次試験会場の扉が開き、多数の調理場が設けられた自然公園が現れた。
ポンズ(さて、原作だとブハラが豚の丸焼きで、メンチが寿司を要求してたわね。アニメだと豚の料理で統一してた。果たしてどっちかしら?)
ポンズは二次試験会場に入り、二次試験の試験官2人と邂逅する。
メンチ「二次試験会場にようこそ。アタシが試験官のメンチよ」
ナイスバディかつ特徴的な髪型をした女性メンチ。満足させられる料理人は世界で数人という確かな舌を持つ女性だ。
ブハラ「同じくブハラ〜」
丸々と太った、大きな体格に反して動きは素早い男ブハラ。彼が満腹になるのが実質時間切れである。
すると、ブハラのお腹が鳴り、彼が空腹を訴える。
ブハラ「お腹ペコペコだよ〜」
メンチ「そんな訳で、二次試験は『料理』よ!」
受験者達が困惑する。すると、受験者達が何故料理なのか問い掛ける前に、ポンズが「はい」と声を上げながら挙手する。
それを見ていたメンチは、ポンズを指差して問い掛ける。
メンチ「はいそこ、246番。何か質問あるのね?」
ポンズ「料理をするのは何の為ですか?」
メンチ「それは……私達が美食ハンターだから」
メンチとブハラが自信に満ちた顔を浮かべる。周りの受験者達が美食ハンターを軽んじて笑う間も、ポンズは彼等に構わず質問を行う。
ポンズ「2つ目の質問。さっき美食ハンターだからと言いましたが、他にも何かこの二次試験に求めていますか?例えば………あらゆる状況や未知なるもの、新しい挑戦に対して工夫する事、とか?」
それを聞いたメンチは、ポンズの洞察力に感心する。受験者達は美食ハンターを軽んじる発言には苛立ったものの、ポンズの真摯な姿勢や素直に聞く姿勢を見て、彼女のような受験者がいた事を嬉しく思った。
メンチ「いい質問ね。でも、これ以上は答えられないわ。一つ答えられるとすれば、未知なる環境や新しい挑戦で必ず質問に答えてくれる訳では無いわ」
ポンズ「…………分かりました」
これ以上の質問は答えないという事だろう。
果たしてお題は分けるのか?統一か?
ブハラが裸足で立ち上がり、お題を出す。
ブハラ「指定する食材は『豚』だよ。このビスカの森に生息する豚なら、種類は自由。それを、ここにある調理器具や材料を使って調理して、俺とメンチが美味しいと言えば合格だよ」
メンチ「料理は美味しいだけじゃ駄目よ。見た目に匂い、下味や仕込みもキチンとしているか、ブハラは兎も角私はそういう所、厳しいわよ。私を少しでも美味しいと言わせたら、合格よ」
メンチの態度が、自分の知る様子より少しマイルドになっていた。ポンズはメンチの機嫌を少しは直せたようで安心した。
ブハラ「それじゃあ二次試験………開始!」
ブハラがお腹を叩いて音を鳴らす。受験者達がビスカの森に向かって走り出した。
ビスカの森に生息する豚は、世界一凶暴な豚『グレイトスタンプ』。大きな鼻は硬く、突撃されたらお陀仏だ。更に、豚は本来雑食なのだがグレイトスタンプは肉食に特化した豚だ。
ブハラ「逃げ遅れたら、自分が豚の餌食になるぜ」
メンチ「アンタも性格悪いわね〜」
ブハラ「死ななきゃいいけど」
こうして始まる二次試験。これは、前世の記憶を得て生まれ変わったポンズが、運命を回避する為に生き延びる事を優先して行動する物語である。
念能力はまた後日出したいと思います。そして、制約と誓約もかなり重めにしたいと思います。ポンズのキャラ大幅に変わるかも。