ダンジョン中毒から抜け出したい【書籍化&コミカライズ決定】   作:1パチより4パチ派

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シリアス難しい……変な文章になってたらすいません


発覚

「ではまた明日頼むぞ!」

 

「うす! 疲れを癒してください魔王様!」

 

 魔王様に部屋を案内した後、警備の者を扉の外に着かせる。

ホテルの周囲も俺の部下が警備している為、問題無いだろう。

ある程度離れ、廊下にあったソファに深く座り込む。

 

「はぁぁぁぁ危ねぇぇぇ……何やってんだあの馬鹿」

 

 加藤が本気でキレた事は今まで何回かあった。

その都度抑えるのがマジで大変なくらい、アイツがキレると止まらない。

その際抑える事になるのはいつも俺だった。

 

「久々にガチギレしてたな……」

 

 まぁ気持ちは分からんでも無い。

別に俺だって子供が嫌いな訳じゃないし、あの対応は流石にドン引きした。

王族ってあんな感じなんかね? 冷血が過ぎて冷蔵庫がベッドなんじゃないか?

 

「はー……肝が冷えたぜ。まぁ気にして無さそうだったからギリセーフか」

 

 少し休むか。あの一瞬で馬鹿みたいに疲れた。

ソファだと疲れ取れねぇし、自部屋に行って──。

 

「ん? 電話?」

 

 スマホを見ると加藤の文字。

何だアイツ。謝罪の電話でもしてきたか。

 

「もしもし?」

 

『いや遅いぞ。ワンコールで出ろや』

 

「お前前に出んなって言ってなかったか?」

 

『覚えてない』

 

「クソがよ……!」

 

 謝罪どころか文句言ってきやがった。

何だコイツ、何様だよ。

 

「で? 血が上りまくった頭は冷えたか?」

 

『ぼちぼちな。それじゃ今から俺の家来いよ』

 

「は?」

 

『10分以内な。行けるだろお前風足あるし。じゃ』

 

「は!? おい待てって! 俺今休もうと──切れたし!」

 

 何だアイツ!? キレすぎて頭おかしくなったか!?

 

「……仕方ねぇ。行くか」

 

 魔王様は取り敢えず問題無い。先にあの歩く地雷原を何とかした方が良いな。

 

「来るなだったり、来いだったり我儘な奴だなぁ」

 

 魔法で移動速度を上げて走る。

10分とか言ってたが距離的にどう足掻いても無理だ。

だってアイツの家完全に郊外だし。

静かだからってあんなとこに一軒家買うなよな。

 

「よーし5分遅刻っと」

 

 普通に遅刻した。まぁ加藤が無理難題ふっかけてきたのが悪い。

玄関の鍵は開いてる様なので勝手に入る。

 

「来たぞ加藤ー」

 

「おっせぇんだよハゲ」

 

「デッコピィィィィィィィィィン!!!」

 

 入った瞬間、加藤にデコピンをかまされる。

衝撃で外に吹っ飛ばされる俺。

 

「呼んだらすぐ来いよ。呼んでも無い時は勝手に居るんだから」

 

「ちょ! 煙出てんだけど! お前のケラチンが俺の皮膚と摩擦して燃えてんだけど!」

 

「爪って言えや。どうせ中身にメロンパンしか入ってないんだから良いだろ」

 

「お前もドラツもだけど何でメロンパン確定してるの? トリビアの泉で金の脳獲得してないからね?」

 

「ただでさえ時間無いんだよ。早く入って手伝え」

 

「手伝う? 何を」

 

「料理に決まってんだろ。早く上がれ」

 

「……は?」

 

 

 

 

 

 

「セラフィナ、冷蔵庫から卵取って」

 

「ほらよ」

 

「あれ? 胡椒って買いませんでしたっけ」

 

「ああ、場所足りなくて居間の方のレジ袋に入ってますよ」

 

「加奈子さん、オーブン俺使いますね」

 

「はーい。あ、高木さんこれ切っといてください」

 

「あ、OKす。じゃねぇけど!?」

 

「ベタ過ぎるツッコミだな」

 

「5点」

 

「ざけんな!」

 

 家の中に入るとそこではルロ様護衛メンバーが何故か料理をせっせと作ってた。

しかも馬鹿みたいに豪華な材料。

何だこれ。

 

「いや何してんの? 割とマジで」

 

「悪口大会」

 

「え?」

 

「スロカス魔王の悪口大会やるんだよ」

 

「何を四天王!?」

 

「アタシらちょうど4人だしな」

 

「幻の5人目は高木さんですね」

 

「5人目だと加速するパス(イグナイトパス)出来ないな、増えろ高木」

 

「プラナリアじゃないしテツヤでも無いけど!?」

 

 俺のツッコミをガン無視しながら料理を作り続ける加藤達。

 

「何? お前らストレス発散の為にそんなに作ってんの?」

 

「それも無くは無いけど、単にルロ様の好きなもん分からないから片っ端から作ってるだけだぞ」

 

「あ、なーるほどなぁ。……お前ら父親の悪口大会に娘参戦させる気なん!?」

 

「はい」

 

「エグいって!」

 

「何がエグいんだよ、あんな奴の悪口なんて無限に量産出来るだろ。クソ対応されたルロ様も『あーあの無駄にデカい角折って密猟者に売り払いてぇー』とか思ってるよ知らんけど」

 

「魔王はサイじゃねぇんだぞ! てかそんな事考える様な娘には見えないけど!?」

 

「お前に何が分かるんだよ、会話すらしてないくせに。俺らは1日ずっと一緒に居たんだぞ。理解度は俺らのが高い」

 

「どんな解釈してんの!? ネットに投稿したら解釈違いで叩かれるわ!」

 

「さっきから喋くってばかりで手動いてねぇじゃねぇか。働けよ高木」

 

「ダンジョン運営で荒稼ぎ&職権濫用し過ぎて包丁の握り方忘れたのでは? ダメですよ高木さん、富は分け与えないと。今すぐ資産の半分くらい募金してきてください」

 

「何で俺来いって命令された上こんなに罵倒浴びせられて働かされるんだ? 何でだ?」

 

「あ、これも切ってくれますか?」

 

「はーい……いや加奈子さん止めてくれません?」

 

 馬鹿3人の暴走を唯一止めてくれそうな人に助けを求めよう。

そんな期待は彼女の顔を見た瞬間に霧散した。

 

「早くしてくださいね? 開催時間なんて早ければ早い程良いですから」

 

 顔に血管を浮かべながら笑顔で話す加奈子さんは、普段のギャップも相まってクソ怖かった。

 

「……誠心誠意頑張ります」

 

「はい、お願いします」

 

 結局俺はこの笑顔に屈し、材料切りに従事する事になった。

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

「加藤、どこ行くの?」

 

「俺の家っすよ、しっかり捕まっててください」

 

「左手のは何? ピーターパン? 自転車はどうしたの?」

 

「いや、あのシーンやってみたくて……バイク持ってねぇから自転車持ってったけど邪魔だったから置いて来ました。後で高木に回収してもらお」

 

「?」

 

 加藤におんぶされながら建物の屋上を飛んで移動する。

ぴょんぴょん跳ねてウサギみたい。

 

「……どうして来たの?」

 

「来たかったから」

 

「何の為に?」

 

「一緒に飯食いながら魔王の悪口言おうかなーって」

 

「……どうして優しくしてくれるの?」

 

「どうして、か……」

 

 疲れた様子も見せないで飛び回る加藤に聞いてみた。

少し困った様な声が、風を切る音と一緒に聞こえてくる。

 

「魔族も同じだと俺は思ってるんすけど……自分の事を良く思ってくれてる人には、良くしてあげたいってほんのり思ってますね」

 

「良く思ってくれてる……好きって事?」

 

「何だろう、信頼だったり愛情だったり友情だったり尊敬だったり。多少の違いはあれど全部その相手を好意的に思ってるから出てくる感情な訳で。そんな相手を嫌いにはなれないし、こっちも良くしてやりたいな、優しくしてやりたいなって思いますね。ルロ様俺に指輪くれたじゃないすか」

 

「……でも、私あの指輪は褒められたくて渡した。褒めてくれるって言ってたから、それ目的で……」

 

「別に良いじゃないすか。見返り求めて何が悪いって話ですよ。その結果、俺はルロ様に良くしてあげたいって勝手に思っただけなんで」

 

「勝手?」

 

「ぜーんぶ俺の自分勝手。俺がやりたいから今こうしてるだけ。俺がやりたかったから魔王の胸ぐら掴んだだけ。元々自分勝手のカスなんですよ、俺って」

 

 笑いながらそう言う加藤の目は、とても優しかった。

 

「だから気にしないで下さい。好きでやってるだけです」

 

「……加藤のやりたい事?」

 

「そうそう」

 

「そっか……」

 

 大きな背中にしがみ付きながら長いようで短い時間、夜を駆けた。

街から少し離れた場所にある1つの家。

家の前に手を振ってる人が居る。

 

「……加奈子?」

 

「皆も中に居ますよ」

 

 そう言って加奈子の近くに降りる加藤。

背中から下ろされるとすぐに加奈子に抱きしめられた。

 

「むぐぅ?」

 

「大丈夫ですか!? あんのアホボケカス魔王に酷い事されてたのに何にも出来なくてごめんなさい!」

 

「むぐぐ〜?」

 

「何ですかアレ! アレが自分の娘にする態度ですか!? 脳味噌絶対入ってないですよあれ! ダンゴムシのフンでも入ってるんじゃないんですか!?」

 

「???」

 

「……加奈子さん、酔ってます?」

 

「ウルトラシラフですけど! マジ許せねぇあのスロカス! さぁ中に入ってください! 美味しいもの沢山ありますからね!」

 

「プハッ ……美味しいもの?」

 

 加藤の家の中に入るといろんな良い匂いがしてくる。

……人の家に入ったの初めて。

 

「お、姫さん来たか」

 

「高木さん、これなんですか?」

 

「やめろ鶴岡! こっそり材料くすねて作った俺のなめろうを奪うな!」

 

「ちゃっかり自分の分だけ作ってんじゃねぇよハゲ。しかもなめろうとか飲む気満々じゃねぇか」

 

「強制労働の疲れを癒すには飲むしか選択肢が無いね。俺は飲むよ」

 

「アタシも加藤も飲まねぇから酒なんて置いてないぞ」

 

「ああ、大丈夫大丈夫。床下収納に隠してるから」

 

「人ん家に勝手に酒を保管すんじゃねぇ!」

 

「残念だったな加藤! お前がボケるターンは終わったんだよ! ここからは俺のターンだ! 精々次のターンが回るまで俺に振り回されるんだな!」

 

「お前当然の権利かの如くAI4回行動くらいしてくんだろ! 不平等過ぎるわ!」

 

「こっちに座ってください、座布団ありますからね。あれは無視して良いですから」

 

 加奈子に座る様言われた場所に座る。

目の前には大きいテーブルに沢山の料理が並んでいる。

 

「これ……作ったの?」

 

「全員料理出来て本当良かったわ。1人じゃ絶対無理だった」

 

「私ピザなんて初めて作ったんですけど……大丈夫ですかね」

 

「んな事言ったらアタシだってローストチキンなんざ初めてだぞ」

 

「寿司やら刺身やらもあって全く統一性ありませんね」

 

「こんなに沢山……」

 

「まぁ好きなの食べてください。……そんで一応聞きますけど、ルロ様はあの時どう思いました?」

 

「どう? ……悲しかった」

 

「そうすか。じゃあそれは魔王のせいっすね」

 

「お父さんのせい?」

 

「そう、だからルロ様のせいじゃ無い。だからあんま思い詰めないでくださいよ。はいパエリア」

 

「……うん。ありがとう」

 

「じゃあ食べましょうか。冷めたらあれですし……」

 

「初手酒ですか高木さん」

 

「パチスロは楽しかったが太鼓持ちは普通にストレスだわ! 飲むしかねぇ!」

 

「食べたい物があったら言ってくださいね。私取りますから」

 

「うん、加奈子ありがとう」

 

 色々食べたけど全部美味しくて楽しくて、悲しい気持ちが薄くなった。

……それから大体2時間後くらい。

 

「ほんっっっっっとあのスロカスおかしいでしょ! なにあのへらへらしたかお! はらたつわぁ! ねぇ! かとうさん!」

 

「そ、そっすね……あのヘラヘラ顔腹立ちますよね……その話もう10回目ですけど……」

 

「おぉいかとぉう、おまえまじさぁいつまでまたせんだよてめぇ。いいかげんにしろや、なんだ? あれか? おまえのパソコンにはいってるエロほんのかっこうすればいいのかぁ? あ?」

 

「いやいらないです……」

 

「いらない!? かとうさんわたしのつくったりょうりいらないんです!? しまいにゃしばきますよ!」

 

「言ってない言ってない」

 

「いやいっただろおまえ。もっとうすぎがいいってよぉ。だからわざわざあんなみじけぇふくきてやってんのによぉ」

 

「おいお前ら助けろや! 俺さっきから身動き取れてねぇぞ! つーか2人に飲ませんなや!」

 

「いや違うって。勝手に飲まれたんだって。俺のお気に入りの酒だったのにもう空だぞ。泣きたいのはこっちだぞ」

 

「色が烏龍茶と似てたのが不味かったですね。この酒そんなに酔う物なんですか?」

 

「常人が一口飲んだら酔い潰れるかな。2人は強い方なんじゃね? 知らんけど」

 

「ちょ、マジで碌に食ってねぇ! ふざけんな今日マトモに食ってないのに!」

 

「もうお前も飲んでめちゃくちゃになった方良いんじゃね? ほれ」

 

「俺まで飲んだらマジで何起きるかわからないから死んでも飲まない」

 

 加奈子とセラフィナがお酒飲んじゃって酔っ払ってる。

ずっと加藤に絡んでて楽しそう。

 

「ルロ様、魔王様はー?」

 

「……アホんだら」

 

「もひとつー?」

 

「……パチカス」

 

「最後に〜?」

 

「クソ親父……!」

 

「perfect! これで君も反抗期突入だ! 家を出る時に『うっせクソ親父!!!』と言う事で君の反抗期レベルが上がるぞ!」

 

「やった……!」

 

「いやそこ喜ぶとこ違うし! つーか訳分かんない事教えんなハゲ!」

 

「何でだよ。悪口大会なんだからガンガン言わないとダメだろ。んじゃ次俺な、普通に口が臭い。ほい次」

 

「そうですね、ダンジョンで儲けてるくせにお前の国スラムあるよなwですかね。分け与えろ以外の感情が出て来ません」

 

「お前さっきから似たようなのばっかじゃね? これアリ?」

 

「私としては全く別なのでアリですね」

 

「じゃあ良いかー。唐揚げもらお」

 

「目の前で拘束されてる親友が居るんだが、お前の取るべき行動が何か分かるよな?」

 

「指を指して笑うだろ? ギャハハハハハハハ!」

 

「ブチ殺す!!!」

 

「その状態でどうやって殺すトローが目にぃぃぃぃぃ!」

 

「成程、口は空いていた故出来たストロー吹き矢ですか。大した物ですね」

 

 皆ずっとワイワイ話してる。

魔王城だと私と話してくれるのケルロスくらい。

賑やかで良いなぁ……この家凄くあったかい。

 

「あれ……?」

 

 気配がする。とっても薄い気配。

普通の人だと気付けないくらい希薄。

 

「ちょ、2人離れて。ルロ様なんかあったすか?」

 

「ん? ……何も感じないが?」

 

「何か……近くにいる」

 

 辺りを見回して、違和感のある場所を見つける。

そこに魔力の流れをぶつけてみた。

 

「!?」

 

「え……嘘」

 

「は? 誰そいつ」

 

「お、おい鶴岡!」

 

「クォーツ……!」

 

 そこに居たのは白い髪、白い肌。そして全身が魔力で構成されている女の子。

初めて見たけど、間違いない。

 

「【道具喰い】……!」

 

「え、マジ!? コイツが!? やば初めて見た」

 

「おい鶴岡! あの扉は飾りかよ!? 何でここに居る!」

 

「クォーツ、貴方何故……」

 

 反応からして、加藤と鶴岡は知ってて高木は知らないみたい。

【道具喰い】は驚いた顔を笑顔に変えて鶴岡に近づいていく。

 

「♪」

 

「……確かに長時間留守にはしていましたが……このような事は一度も……」

 

「……【道具喰い】は一度取り入れたアイテムの力を使える。きっと今まで取り入れたアイテムの中に、透明化出来るのがあったんだと思う。それですり抜けて来たんじゃないかな……」

 

「!? そ、そうなの、ですか……?」

 

「うん、歴代魔王の書いた日記に書いてた。……【道具喰い】は必ず殺せとも」

 

「「!!!」」

 

「え? 何、もしかして加藤と鶴岡の知り合いなん? この【道具喰い】」

 

「……私が助けた後、匿っていました。数年間の間ですが」

 

「……まぁじでぇ?」

 

 【道具喰い】は人族と魔族の全ての国で討伐対象になっている。

嫌と言うほどやった勉強で、ちゃんと覚えてる。

だって本来【消滅(ロスト)】は【道具喰い】を確実に仕留める為に生み出された魔法だから──。

やらないといけない、人や魔族の為に【駆除】を。

それが魔族の王の血を引く者の使命。

でも──。

 

「?」

 

「……ルロ様、クォーツは……」

 

「……この子は……鶴岡の大切な存在?」

 

「……はい。消えそうだった彼女を、私は助けたいと思った。誰も手を差し伸べないのなら、私がと」

 

「そっか……」

 

 使命……やらなきゃいけない事。

でも、それは──私のやりたい事?

 

『ならば私も! やりたい事をやらせてもらう!』

 

 無意識に【道具喰い】に向けていた手を下げる。鶴岡と加藤が安心したのか長い息を吐いた。

 

「!」

 

「え、ちょ、クォーツ! 何で俺に来る!?」

 

「どうやら前に遊んだのが楽しかったから、もう一度と言っているようです」

 

「いやそれイカサマのカモ見つけただけじゃねぇか! 待て! 3人は流石に無理だ!」

 

「かとぉさぁん!?」

 

「おぉいかとぉうぅ」

 

「だぁぁぁぁ! 離れろぉぉぉ!」

 

 クォーツと呼ばれた【道具喰い】は、どうやら加藤と仲が良かったみたい。

加藤達は……私に良くしてくれた。

だから、私も彼らに良くしたい。

……やりたい事ってこれで良いのかな。

 

「……ふふ」

 

 騒がしい家の中。

静かな自分の部屋とは真反対。

静かなのは嫌いでは無いけど……今はこの騒がしさが、楽しい。

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「部屋で寛いでいたらまさかこの気配がするとはな……。しかし今出れば警備の者たちに苦労をかけるか。ならば明日か」

 

 無駄に人族と荒波立てたくは無いしな。

何、今すぐどうこうと言うわけでは無い。

数は1匹。明日でも十分間に合う。

 

「やはりどこでも湧いてくるな【道具喰い】よ。──駆除をせねばな」

 

 人族と魔族、お互いの未来の為に。

我は使命を果たすのみ。

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