ダンジョン中毒から抜け出したい【書籍化&コミカライズ決定】   作:1パチより4パチ派

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おくすり飲ませろ

「今日は患者さん少ないですね」

 

「まぁそもそもウチにはあまり患者さん自体来ないけどねぇ」

 

「それは先生の腕が良いからですよ! すぐ治るから通院回数が少なくて良いって評判ですよ!」

 

「ははは……いちいち病院来るの大変だしね、通院なんて無いなら無い方が良いのさ」

 

 骨の体を鳴らしながら笑う先生。

たまに魔族だからと心無い事を言われるが、それでも献身的な対応でうちの病院はかかりつけにしている人が多い。

と言っても魔法や回復薬などがある世の中で病院に来る理由は、何故か回復魔法が効かないギックリ腰と、精神病など。

どんな患者でも決して見捨てない、素晴らしいお医者様だ。

 

「何もしないのあれですので、窓拭きでもしてきますね」

 

「ありがとう、私はデスクの整理をしておくよ」

 

 受付から出て待合室の窓を拭く。

病院は清潔が第一だ。綺麗にし過ぎなんて事は無い。

 

「今日はいい天気だなぁ……」

 

 雲一つない空、非常に気持ちがいい日だ。

今日は穏やかな1日になりそう……。

そう思っていたら病院の入り口から音がする。

患者さんが来たみたいだ。

 

「こんにちわ、今日はどうされましたか?」

 

 入り口に近づいて声を掛ける。

するとそこには──。

 

「薬……薬くれぇぇぇぇぇ……」

 

「きゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 目が気持ち悪いくらいバキバキになりながら這って来た男性に、私は悲鳴を上げざるを得なかった。

 

◇ ◇ ◇

 

「ダメですよ加藤さん、治療途中で通院辞めてしまうのは。他の人と違って加藤さんは重症なんですから」

 

「すいません先生……」

 

「まぁ来てくれて良かったです。それで……薬をくれですか」

 

「はい……」

 

 俺は以前通っていた病院に来ていた。

ギアススクロールに血判を押してしまった俺は迷宮探索者としての生活を余儀なくされた。

と言っても常にダンジョンに潜らないといけない訳ではない。

スクロールの契約内容を事細かに高木に問いただすと……。

・死ぬまで迷宮探索者を続ける

・ダンジョンに潜る頻度は最低1週間に1度

・他の職業に就くことは制限しない

この3つだった。

他のメンバーは元から探索者以外の仕事をしているのも居たので、こう言う緩めの契約になったのだろう。

 

 頻度がそんなに高くないのは良かった。

だが問題はそこではない。

一度潜れば我慢出来ず、満足するまで宝箱を漁り続ける事なのだ。

それも1日で終わる訳が無い、どうせ俺の事だからまた2日3日と徹夜してまで暴走するだろう。

それを薬で抑えようと思って病院に来たのだ。

 

「先生が処方してくれた薬、しっかり効いてくれたんです。禁断症状を抑えてくれた薬を飲んだ時、ダンジョンへの欲求が凄く減ったのであれさえあれば……」

 

「うーん……あの薬なんだけど……ちょっと処方するのは難しいかなぁ」

 

「え!? 何でですか!?」

 

「あれめちゃくちゃ強い薬でね……体に非常に負担をかけてしまうんだ。加藤さんがどうしてもと言うから処方したけど……正直あまり渡したく無いな……」

 

「マジか……」

 

 何てこった、確かに効き目は良かったがそんなに負担をかける奴だったのか。

 

「ちなみに使い続けるとどうなるんですか?」

 

「あの薬の本質は本人の欲望を強く抑えるものなんだ。でも抑えられたものは爆発する……この薬をもし、毎週ダンジョンに潜るたびに服用すると……」

 

「す、すると……?」

 

「ダンジョンに常に居ないと震えが止まらなくなるかもしれないね」

 

「ああ、詰んだ……」

 

 何てこった。薬に頼ってひとまず凌いで新しいギアススクロールを手に入れるまで耐えようと思ってたのに……。

 

「俺はどうしたら……」

 

「……加藤さん、少し私の話を聞いて欲しいんだけどいいかな?」

 

「あ、はい」

 

 スケルトンの先生は骨の指を立てながら優しい声色で語り始める。

 

「前回ここに来てくれたのが大体一年くらい前だったよね」

 

「そう……ですね。探索者辞めて、自力で色々やってた時だったかな」

 

「その頃の加藤さんの顔、すっごい酷い顔をしてたんだよ」

 

「酷い顔……ですか?」

 

「うん、骨の私が言うのも何だけど死人みたいな顔してたよ。明日には同類になるのかなとか思ってた」

 

「そんなに!?」

 

「でも今の加藤さんは結構元気そうに見えるね。ダンジョンに潜ったからかな」

 

「ええ……どう考えてもダンジョンアタックしてる方が体に悪そうなんですけど……」

 

「じゃあ最近の体調はどんな感じかな? ダンジョンへの欲求や禁断症状以外でね」

 

「以外? えーっと……」

 

 ……あれ? 特に無いな。

そりゃダンジョンに定期的に行かないと震えは出るけど……逆に他の体調は良いくらいだ。

その事を先生に伝えると、うんうんと頷く。

 

「前に受診した時は常に体調が良くないって言ってたからもしかしたらって思ったんだけど……加藤さんは定期的にダンジョンアタックした方が良いと思うんだ」

 

「で、でも先生! 俺は──」

 

「どうして加藤さんがそこまで探索者から離れたいのかは私には分からない。個人的にはマトモな人間になりたいってだけじゃないと思ってるけど……これに関しては今はやめておこう」

 

「…………」

 

「何にせよ事実としてダンジョンアタックを完全に禁止していた時より、多少なりてダンジョンアタックしている今の方が加藤さんに合っている気がするな」

 

「……やっぱり俺のダンジョン中毒は……治らないんですかね」

 

「そうとは言っていないよ。要は少しずつ減らしていけば良いんだよ、一度に完全にダンジョン断ちするから加藤さん本人にも負担が掛かる。1日ダンジョンに入る日が減らせたからもう1日。そんな感じでゆっくり治していきましょう。前より弱いお薬出しておきますので、飲みつつダンジョンに行ってください」

 

「少しずつ……」

 

「頑張って治療していきましょう、出来る限りサポートしますから」

 

「──先生、貴方はなんて素晴らしい医者なんだ……俺頑張ります!!!」

 

「良かった、ではまた1ヶ月後を目安に来院してください。お大事に」

 

「あざす! また来ます!」

 

 何だ、ここにも俺の味方が居たんだ!

俺の中毒を治すのを肯定してくれる人が!

人じゃなくてスケルトンだけど!

味方してくれるなら種族なんざどうでもええわ!

当面はギアススクロールを探しつつ、契約内容のダンジョンアタックを服薬しながら頑張ろう!

 

「絶対に治してみせる!!!」

 

 

 

 

 

「流石です先生! あんな簡単に説得しちゃうなんて……加藤さん、よくなると良いですね!」

 

「うん、これで少しは高レアアイテムが出回るかな。医療系の物って中々手に入らないんだよねぇ……」

 

「……え?」

 

「加藤さん達のチームが探索辞めちゃった影響って医療方面にも出ちゃっててさ、世の中がダンジョンのアイテムに頼り過ぎてたんだろうね。難しい手術とかも【医神のメス】とかの激レアアイテムがあれば成功率爆上げだし……少しは混乱が収まればいいけど」

 

「……あの、先生。もしかして加藤さんの治療をする気って……」

 

「いやいや、ちゃんと治療の方は真摯にやるよ。でも加藤さんには探索者続けて欲しいんだよねぇ……彼等と【勇者の集い】くらいだもの。手に入れたレアアイテムを独占しないのって。流石に【勇者の集い】だけじゃ需要に追いつけないからね〜」

 

「……加藤さん、頑張って!」

 

 

◇ ◇ ◇

 

「ええ!? エリクサー無いんですか!?」

 

「申し訳ありません、既に市場には……」

 

「そんなぁ、前は沢山あったのに……」

 

「頼むよ! どうしても必要なんだ! このままだと妻が……!」

 

「落ち着いてください! 今はこちらの方の対応をしておりますので……!」

 

「おーい! なんでこんなに武器の品揃えが悪いんだ!? 少し前はランクSSくらいならそこそこあっただろ!」

 

「申し訳ありません。最近資産家が探索者になる事が多く、その際に買い占めてしまって……」

 

「この素材用アイテムどうしてこんなに高いの!? ぼったくりじゃない!」

 

「それは現在仕入れの予定が全く立っておりませんので……何卒……」

 

 毎日飛び交う怒声や文句。

それもその筈、取引所の品揃えが悪過ぎるからだ。

取引所は国が管理しているダンジョンのアイテムの売買をする場所。

本来であればここの取引所は、国中から集まったレアアイテムがこれでもかと置いてある。

だがそれは2年前の話。

現在国中でレアアイテムの価値が暴騰、完全に奪い合いになってしまっている。

 

「(毎日毎日勘弁してよぉ……無いものは無いんだから仕方ないでしょ……? 上位の探索チームがレアアイテム溜め込んで放出してくれないんだもの……)」

 

 職員が弱音を吐くが、当たり前と言えば当たり前なのだ。

現在ランクAからSSSのアイテムが枯渇している。

ならば市場に流さず持ち続けていれば、更に価値が上がり続ける。

最大まで上がったところで少しだけ放出すれば、アイテムを欲しがる人々が群がり金で殴り合う。

儲ける為に探索者をやっているのだから、最大限の利益を求めるのは当然なのだ。

そんな中、たった1チームだけ。

供給が枯渇しきった市場にアイテムを流してくれる救世主が居た。

 

「失礼します。買取の方をお願いしたく……」

 

「!!! 【勇者の集い】様!」

 

 迷宮探索者の中でも現在頂点に位置する、この国最強最優の探索チーム、【勇者の集い】。

そのリーダー、ハイエルフのリファルが救いの手を伸ばした。

 

「今回手に入れたアイテムです。消耗品の高ランクが大半ですが……」

 

「エ、エリクサーが1ダース!? それ以外も沢山……! い、今すぐに代金をご用意します!」

 

 一気に慌ただしくなる職員達。

取引に来た客達の視線を一身に受けるリファルは、長い金髪を輝かせながら全く動じていなかった。

 

「お待たせしました! こちらになります!」

 

「……本来の相場より多いように思えますが」

 

「現在高ランクのアイテムは供給が枯渇しておりまして、価値が跳ね上がっております。ですので、この金額が妥当と判断しました」

 

「そうですか……ではこれで充分です」

 

 そう言ってリファルは透き通るような肌の手で、提示された金の一部を取った。

それは暴騰する前の価格よりも少ない、明らかに価値と合っていない金額だった。

 

「お、お待ち下さい! 前回も前々回もですが、どうして受け取ってくださらないのですか!? 皆様方のお陰で何とか市場は回っているのに……」

 

「今のような状態は不健全もいいところです。本来であれば手に入るような金額でも、資産を多く持つ者が独占し、そうで無い者は切り捨てられている……それに便乗して溜め込む者達。こんな負の連鎖は止めるべきなのです。ですので今回も私達が売ったアイテムは、平等に、本来の価格で、本当に必要な方にお売りください。受け取らない金銭は、その手間賃としてです。どうかお願い致します」

 

「……! は、はい! 必ず! 必ず必要な方にお届けします!」

 

 感銘を受けた職員達は、リファルの言葉通りに動き始める。

周りで見ていた客、特に資産家で金の暴力でアイテムを独占していた者は居心地悪そうにその場を去っていった。

 

「リ、リファル様……なんて素晴らしい……入って良かった……」

 

「相変わらずねぇ……まぁ良いんだけど。元よりそのつもりでダンジョンアタックしてたから」

 

「ガッハッハ! リファ嬢はこうじゃなければなぁ!」

 

「……ブレない」

 

 リファルの後ろを付き従うように、【勇者の集い】のメンバーが待機している。

全員この決定に文句は無く、いつもの事だと笑い合うのだった。

 

「皆、いつもすいません」

 

「なぁに気にすんな! 実際今の状況はよろしくないからなぁ。何とかしたいって思うリファ嬢の気持ちは間違いじゃねぇぜ!」

 

 バンバンとリファルの肩を叩きながら豪快に笑うオーガの男。

そんな彼の言葉に、精霊族の魔法使いと季節にそぐわない程着込んだ少女が続く。

 

「ちょーっと不健全よねぇ……他の探索者も欲を出さないで売って欲しいのだけど……」

 

「連中がめつい……マトモなのは私らだけ……」

 

「仕方ありません、彼等も苦労して高みにたどり着いた者達。その努力で良い思いをしたいと言うのは必然ですから」

 

「欲張り過ぎた結果ぜーんぶ共倒れになったら終わりだがな! ガッハッハ!」

 

 そんな話をしながら取引所を後にする【勇者の集い】。

しかし途中で新人の人族の少女が疑問を口にする。

 

「そう言えば……リファル様はどうしてこの様な事を?」

 

「どうして、ですか」

 

「あ、いえ! リファル様の行いにケチを付けている訳ではございません! 寧ろ私も賛成です! ただ、本来の価格くらいは受け取っても良いのではと愚行した次第です。ダンジョンに行く以上、資金自体はあった方が良いので……申し訳ありません」

 

「謝る必要はありませんよ、セーリス。そうですね、貴方にはまだ言ってなかった。丁度いい、教えましょう。私が何故、この様な事をしているのか……」

 

 懐かしむ様に目を細めるリファルは、とても嬉しそうだった。

 

◇ ◇ ◇

 

 あれはまだ、私が探索者になって間もない頃でした。

当時は今より酷い市場でして……探索者自体が新しい職業という事もあり、人手が足りなかったのです。

今でこそ、上位も中堅も育っていますが昔は中位のダンジョンで精一杯と言う探索者ばかりでした。

私は当然駆け出し、初心者ダンジョンですら四苦八苦して何とか踏破出来るくらいでした。

当時は私1人でしたしね。

 

「1人で初心者ダンジョン踏破出来るのは相当凄いんだけどな!」

 

「普通死ぬわよね、アリに囲まれて」

 

「……あのでかいアリはクソ。懐かしい」

 

「…………」←深追いしてアリに囲まれて死んだ

 

 そんなある日、運良く私はBランクのアイテムを手に入れる事が出来たんです。

装備更新のお金に困っていた私は、迷わず取引所でそのアイテムを売却しました。

丁度需要が上がっていた物だったので普段より高く買い取って貰えて、私の懐は潤いました。

良かった、これで武器が買える。

そう思った時、ある探索チームを見かけたんです。

取引所の職員と何やら揉めていたので、てっきりもっと高く買い取れと詰めているのかと思いました。

近づいて制止しようとしたのですが……当時では考えられない言葉が聞こえたのです。

 

【で、ですから現在の取引所で動かせる金銭ではこのアイテム全ての代金を払う事は出来ません! 素晴らしいアイテムばかりですので是非後日分けて……】

 

【じゃあいい! もう半額でも何でも良いから買い取ってくれ!】

 

【ど、どうしてですか! 何でわざわざ損する様な事を……!】

 

 耳を疑いました。後ろから彼等が売ろうとしているアイテムが見えたのですが、どれもBランクやAランク。

中には当時では滅多に見かけれないSランクのアイテムまで。

そんな高レアアイテムを半額で……?

理解出来ませんでした、何故そんな事をするのか。

そんな時、その疑問を解消する声が聞こえました。

 

【頼む早くしてくれぇ! ダンジョンに潜りたいんだよ! もう入場料用の種銭が尽きたんだよ! 入場料分あれば良いからそれでくれぇ!】

 

【ギャハハハハハ! そうだそうだ! 払える分だけで良いから払ってくれぇ!】

 

【いつまで待たせんだよ、こっちが良いって言ってるんだから安く買い取れば良いじゃねぇか】

 

【そろそろ引き換えてくれないと我らがリーダーが限界を迎えてしまいそうです。お願い出来ませんか?】

 

【早く! 早く! ダンジョンに行かせろ! 宝箱を漁らせてくれ! ドロップが見たいんだ!!!】

 

【何なのこの人達ぃぃぃ!!!】

 

 剣士、魔法使い、武闘家、僧侶。

そんな4人組が兎に角ダンジョンに行かせろと言っていました。

特にリーダーの剣士の方は鬼気迫る勢いだったのを覚えています。

 

【(どうしてあの人達はそんなにダンジョンに……ハッ!)】

 

 その時、私は自分の愚かさを自覚しました。

態々高レアアイテムを安く売り払う。

一見すれば理解出来ない行動。

だがこれが市場にアイテムを流通させる事が目的なら……?

 

【(そうか! 彼等は今の停滞している探索者界隈の底上げを狙っているのか!)】

 

 強いアイテムがあれば探索者は強くなる。

強くなれば高レベルのダンジョンに潜る。

そこで手に入る優秀なアイテム、当然探索者はそれを売る。

それが繰り返されていけば、市場にアイテムが流れ始める。

それは一般の人々ですら手に入る程に。

特に回復系のアイテムは、現在の医療では治せない病すら治せてしまう。

彼等は、それを狙っているのだ。

自分達の身を切って、大きな損失を出しながらも。

苦しむ人々を救う為に。

 

【(それに比べて、私は何だ……?)】

 

 相場より高くアイテムを売り払い、他者に負債を押し付けて、自分は満足する。

何と浅ましいのだろう、何と醜いのだろう。

私はそこに立っているのすら、恥ずかしくて仕方なかった。

立ち尽くしていると彼等とすれ違った。

先頭を歩いていた剣士の男性。

そんな彼の目は──決意に染まっていた。

 

【(あぁ……貴方はそこまでして、人々の為にダンジョンで戦うのですね……)】

 

 休む間もなく再びダンジョンに向かった彼等を、私は見ている事しか出来ませんでした。

先程のように、多くのアイテムを手に入れて戻って来るのだろう。

先程のように、入場料分だけ受け取って再びダンジョンアタックするのだろう。

その気高い行いに、私は──。

 

【私も、あなたの様になりたい──!】

 

 憧れたんです、どうしようもなく。

彼等の様になりたい。

人々の為にその力を使う、物語の勇者の様に。

苦しむ人達をダンジョンで陰ながら支える、あの勇者の様に──。

 

 それからは死に物狂いでダンジョンアタックし続けました。

何度も斃れたし、挫けそうになりました。

ですが、何度でも立ち上がりました。

だって彼の様になりたいから。

あの真っ直ぐな決意の目を持った勇者になりたいから。

だから私は、諦めなかった。

 

◇ ◇ ◇

 

「と言うのが理由です。結局私が今やっている事は彼等の真似……恥ずかしい限りです」

 

「そ、そんな事ありません! リファル様はご立派です! 普通の人であればそんな事は出来ません!」

 

「ありがとうセーリス。でも私は彼等にずっと追いつけなかった。彼等は私が強くなってからも、皆とチームを組んでからもずっと市場にアイテムを流し続けました。それも相場よりずっと安く。ずっと人々を支え続けたのです」

 

「そんな凄い人達が……あれ? でも今は……」

 

「……リーダーであった剣士の男性が、探索者を辞めてしまわれたのです。きっとどうしようもないほどの事情があったのでしょう。リーダーが居なくてはチームは纏まらない。そのまま彼のチームは空中分解してしまったようです」

 

「そんな……」

 

「ですが、私は確信しています。彼等は……彼は帰って来る。きっと。あの決意の瞳はどんな事でも塗り潰すことは出来ない。必ず帰って来る。だから、その間は私が支える。そう、決めたんです」

 

「か、かっこいい……リファル様、私も全力で頑張ります! お側に置いてください!」

 

「ええ、セーリス。貴方が居てくれれば心強いわ」

 

 

 

 

 

「いや、あの人らはそう言うんじゃないと思うけど……」

 

「……見たことあるけど、あの男の目は単なるギャンブル中毒者の目だと思う」

 

「一度あのチームの奴と話した事あるが、市場の事聞いたら知らねぇって言われたな! ガッハッハ!」

 

「てかあの連中怖いのよね……何と言うか……金の為でもアイテムの為でも無くて、マジでダンジョンに潜る事が生き甲斐みたいなさ……評判もやばいし」

 

「……気狂い集団」

 

「同業者でアイツらの事尊敬してるの、リファ嬢だけだろうな!」

 

「あの子人を見る目だけはダメなのよねぇ……」

 




今更過ぎる探索者紹介

加藤…26歳の人間。ダンジョン中毒者。今でこそ常識人面しているが、そもそも探索者自体に好き勝手やってた結果、今があるので自業自得である。社会的信用が終わっている。

高木…26歳の人間。加藤の親友(悪友)。人を殺さないヴォルデモート。外面を被るのがやたら上手い。人格が終わっている。

セラフィナ…27歳のハーフサキュバス。加藤が好き。元々喫煙者だったが、加藤が吸わないので辞めた。棒付きキャンディを舐めてるのは禁煙の名残。男の趣味が終わっている。

リファル…20歳のハイエルフ。現在活動している探索者の中でもぶっちぎりの人気と信用を誇る。強さも一級品で高レベルダンジョンも余裕。素晴らしい人格者。人を見る目が終わっている。
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