ダンジョン中毒から抜け出したい【書籍化&コミカライズ決定】   作:1パチより4パチ派

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硬い意志と硬い石

  

テレンテレンレン 生レバー⭐️

 

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チ ャ ー ハ ー ン ⭐️

 

 

 私は法則性不安定・流動ゲル一。幼くなってほしい仲間の加藤で遊んでいたら、血塗れの篠目が自分の兄に冤罪を擦られているのを目撃した。兄をしばくのに夢中になっていた私は、背後から近づいてくる私の仲間に気づかなかった!

 

『ハッハー! 隙ありィ!』

 

『ゲェー! 私まで不快感がァァァ!』

 

『同士討ちしてどうするんですか!』

 

「必要かな? この回想」

 

 私は加奈子に怒られて目が覚めたら……体が縮んでしまっていた!!

 

「テメェの匙加減だろそれは」

 

 流動ゲル一が反省していないと奴らにバレたら、また怒られて私の精神に危害が及ぶ。高木博士の助言で正体を隠すことにした私は、加藤に名前を聞かれてとっさにリムル=スイと名乗り、篠目の兄の情報をつかむために、 篠目の実家の近くまで転がり込んだ。

 

「本棚に転スラととんスキしか無かったんだね」

 

「題名から取れよ」

 

 謎に包まれた篠目の実家……。わかっているのは、生まれた人間は篠を付けた名前であることくらいだ……。そんな奴らの弱みを暴くため、激マブセクシーキュート探偵、ゲル川スランの活躍が始まった!!

 

「もう名前違うんだけど」

 

「ビビったなお前」

 

 多分ひとつの真実見抜く。見た目は最高、頭脳はお茶目。その名は、名探偵ゲルダ!!

 

「と言う事で私が感じていたトゲをアンタ達にもくれてやるわよ。感謝しなさい」

 

「ああ、サスペンスの方なんだ」

 

「刺さった所でノーダメだろテメェは」

 

「一々五月蝿いわねぇ! 今私達がやらなきゃいけない事分かってるの!?」

 

「今の所セリフ量的にはゲルダちゃんがぶっちぎりだよ」

 

「地の文風にしてるからノーカンですぅ〜」

 

「お前の存在自体がふざけ過ぎてカウント出来ねぇよ」

 

「存在ノーカウントされてんだけど。こんなに優秀で可愛いのに……」

 

「李徴も咎めるレベルの自尊心だね」

 

「芋引いて虎になった奴に咎められても私は止まらないわ! 行くわよセラ! オピス!」

 

「騒ぐなって言ってんだろう……がっ!!!」

 

「ほべろんぱぁ!!!」

 

 セラの蹴りが直撃してゲルの一部が地面に巻き散ってしまった。コイツほんと容赦ない。

 

「うぐぐ……私がこんなに真面目に仲間の為に働いてるのにアンタらってホント薄情ね!」

 

「あん? お前そんなに篠目と仲良かったか?」

 

「あんまりイメージ無いけどなぁ」

 

「私と篠目はね……同じ世間に受け入れられない性癖仲間として勝手にシンパシー感じてるのよ」

 

「一方的じゃねぇか」

 

「だったとしても仲間でしょ! アンタ達だって、篠目との思い出があるじゃない! 思い出しなさい、あの頃を!」

 

「篠目との……」

 

「思い出かぁ……」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

セラフィナの思い出

 

『チッ! しくじったな……アタシと篠目以外全滅か。しゃーねぇ、帰っか……。おい篠目! ……アイツどこ行った?』

 

『フッハハハハハ! 限界ギリギリ! 後一撃でも喰らえばお陀仏! 故に突撃! わっちはここに居るぞォォォ!!!』

 

『なっ──馬鹿! この状況で突貫なんざ『グギュルバァァァ!』──あ』

 

 その後滅茶苦茶ブレスに巻き込まれて死んだ。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

オピスの思い出

 

『んーこの階層罠多いね。僕が先導するから後ろ着いてきてね?』

 

『吹っ飛ばした方が楽じゃね? 俺が魔法でちょちょいとやるぞ』

 

『いやそれがさ、爆発系が多過ぎて吹っ飛ばしたらこっちも吹き飛んじゃうんだよ。だから加藤くん、いつものように剣圧で蹴散らしたらダメだよ?』

 

『TA⭐️KA⭐️RA⭐️DO⭐️KO!!!』

 

『大丈夫だ任せろ。と言っていますね』

 

『ホント? フラグじゃ無いよね?』

 

『まぁ戦闘時はちゃんと動くから大丈夫だろ。さぁて今日はセラフィナもゲルダリアも居ないから前線は加藤と篠目に……あれ? アイツ何処行った?』

 

『あそこで涎を垂らしながら罠を踏もうとしてますね』

 

『不味い! 最近探索が順調に行き過ぎて篠ちゃん全然死んでなかったから発作が!』

 

『止めろ! アイツ止め──』

 

 その後、全員罠の爆発に巻き込まれて死んだ。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「「碌な思い出が無い……」」

 

「そ、それはあれよ! 悪い思い出だけが目立ってるだけよ!」

 

「だとしても8割ほどこんな感じだろ」

 

「篠ちゃん入ってから高難易度も全然踏破出来るようになったけど全滅率上がったよね」

 

「いや確かに? 篠目が居ない時は私がタンクするだけでアンタら被弾率下がったわよ? 篠目が入ってからアイツの自爆率と同じくらい被弾率上がったわよ? でもそれとこれとは全然関係無い筈」

 

「関係しか無ぇだろうがよ」

 

「何にせよ助けられた事だって何回もあるでしょ。一応最年少だし、歳上として手を差し伸べるべきよ」

 

「お前たまに妙な優しさあるよな」

 

「ああ言うどうしようもない子見るとどうにかしないとって思っちゃうのよね」

 

「謎の母性湧いてない?」

 

「誰が母親よ! こちとら500年以上独り身よ! 寂しっ! でも今はアンタらが居るならそんなに気にならなーい! よし、出来た」

 

「さっきからコネコネしてたけど、何をしていたの?」

 

「これを作っていたのよ! じゃーん! 【ミニマムゲルダちゃん】!」

 

 セラとオピスに超自信作を見せ付ける。我ながら超可愛い。まぁ私が可愛いから当然だけど。

 

「デフォルメしたゲルダちゃんみたいだね」

 

「遊んでんじゃねぇよ」

 

「違うわよ! 私達の目的を忘れた!? 篠目の実家に忍び込んであの兄貴の弱みを握るのよ! それを使って裁判で勝つのよ!」

 

「話聞いてた? 弁護士に頼んだんだからもう僕達やる事ないよって言ったよね?」

 

「暇なのよ!!!」

 

「結局遊んでるだけじゃねぇかよ。いきなり引っ張り出すから変だと思ってたが……帰る。メシの準備するからな」

 

「待ちなさいって! これから私の諜報活動が始まるのに!」

 

「んなデケェハナクソみたいなお前の分身に何が出来るってんだ」

 

「はぁ〜……分かってないわね。この【ミニマムゲルダちゃん】の凄さを! この小ささなら単純にバレづらい! 更に私の特性もあるからどんな隙間からでも入り込むことができる! 更に更に私自身でもあるからこの子が見えるものは私にも見えていると言うご都合主義! 諜報活動にはピッタリよ!」

 

「確かに。普通の分裂よりは使いやすそうだよね。これって複数出せるの?」

 

「勿course! 水が豊富に無くてもこのサイズなら1000体は作れるわ! まぁ今回は様子見で1体だけど!」

 

 少し前のカードゲーム騒動の後に思い付いた物だ。ダンジョンで使う事は無いけど、何かの役に立つかもと練習しといて良かった。

 

「さぁ行きなさいミニマムゲルダちゃん! 篠目の兄貴のエロ本とか取ってくるのよ! SNSで晒し上げてやるわ!」

 

『ゲルゲル〜〜〜!!!』

 

「結局ただの私怨じゃないか! やめなって! 変に裁判に不利になったら余計大変じゃん!」

 

「ミニマムゲルダちゃんの進行は止まらないわ! あのスカしたイケメン腹立つのよ!!!」

 

「どんだけ嫌いなんだよ篠目の兄貴の事」

 

 まだ胡散臭いイケメンの鶴岡の方が100倍マシだ。私の勘が言っている。あの男は絶対私達より碌でも無いと。だからこそ、ここで叩き潰してやるわ!

 

「……あれ? ミニマムゲルダちゃん何処行ったんだい?」

 

「え? そんなの篠目の実家よ」

 

「いや方向全然違ったんだけど……」

 

「え?」

 

 オピスに言われて周りを見渡す。篠目の実家は馬鹿でかい日本屋敷なのだが、明らかにそこから反対方向に進んでいた。そしてその方向には──。

 

『せんせーい! おなかすいたー!』

 

『もう少しでお昼だからね? もうちょっと我慢しようね?』

 

『『『はーい!』』』

 

『ゲルゲルゲルゲル!』

 

「なーんだ! 幼稚園があったのね!」

 

 なら納得だ。私の分身だもの。そりゃあショタの居る方向に進んじゃうわよね! 良かった良かった。

 

 

 

 

 

 

 

「おいオピス」

 

「はーい。よっと」

 

『ゲルゲルゲッ!?』 (石化)

 

「ミニマムゲルダちゃぁぁぁぁん!!!」

 

 安堵している間に可愛い可愛いミニマムゲルダちゃんはオピスの魔眼で石にされてしまった。これがホントのぼっち・が・ロックである。(理由:1体しか居ないから)←上手い

 

「ちょっとぉ! あんなにキュートなマスコットが動かない石像になったんだけど! スライム系から物質系に転生しちゃったんだけど!」

 

「魔王の使いと配合すれば破壊神生み出せるじゃないか。良かったね」

 

「生み出せる訳無いでしょぉぉぉ!? だってただの石像だもの! 動いてないもの! 風林火山の山ガールだもの!」

 

「何回言ったら分かるんだい!? 僕達が問題起こしたらそれだけで篠目ちゃん不利になるんだよ!? 自分の都合で冤罪生み出せるような相手に隙与えてどうするのさ!」

 

「そもそもテメェみたいな有害生物が幼稚園なんて場所に近づいたらダメに決まってんだろ。自分が邪悪な存在だと自覚しろやバカゲル」

 

     

プッチーーーーン

 

 その時、私の堪忍袋が切れた音がした。周囲の空気中の水分を吸収して巨大化する。理由は簡単、舐めてきたセラをしばく為だ。

 

「アンタいい加減にしなさいよ! 寛容過ぎるでトレンド1位の私でも限界だわ! 文句ばっか言って何にも案出さないくせに!」

 

「だから余計な事すんじゃねぇって言ってんのが聞こえねぇのかこのスカタン! いい加減にしねぇと干物にすんぞ!」

 

「だぁらぁしゃい! 暴力露出ロリ風情が! 舐めんじゃねぇって言うのよ!」

 

「だぁれがロリだぁぁぁ!!! ざけんじゃねぇ!!!」

 

「「ブッ殺す!!!」」

 

「ちょ、タンマタンマタンマ! ここ道の往来

だよ!? こんな所で騒ぎ起こしたら後が大変で──」

 

「黙りなさいモヤシヘビ。引っ込んでなさいよ」

 

「邪魔すんじゃねぇカマヘビ野郎が。三枚おろしにされてぇか」

 

「……ふ、ふふふ……ふふふふふふふふふ! 僕にだったら何言ってもいいと思ったら大間違いなんだよねぇ! いいよ! 2人とも漬物石にしてあげるよ!!!」

 

「上等だゴラァァァ!!!」

 

「かかって来なさいよバァァァカァァァ!!!」

 

「蓮コラ祭りの始まりなんだよねぇぇぇ!!!」

 

 怒りのままにアホ2人に襲いかかる。この勝負、絶対に負けられない!

 

『おお!? 何だ何だ! 喧嘩か!?』

 

『同業者の喧嘩だ! 良いぞ良いぞもっとやれ!』

 

『賭けやろうぜ賭け! あそこの女ども誰が勝つかさ!』

 

『なぁアイツらどっかで見たことあるんだけど気のせい?』

 

『何でも良いんじゃね。それよりすげぇキャットファイトだぜ? 観戦しなきゃ損だろ!』

 

『単なる化け物ファイトにも見えるんだけどなぁ』

 

「リーダー! キャットファイトですって! 自分めっちゃ見たいっす! ……あれ? あの人達って……」

 

「馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿! 近づくな近づくなぁ! 逃げるんだよぉぉぉ!!!」

 

◇ ◇ ◇

 

「篠夜様、本当に宜しいのですか」

 

「何がだ?」

 

「篠目様の事です。……このような事は、余りにも」

 

「要らぬ者扱いして追い出した側だったお前が言う事では無いな?」

 

「……」

 

「まぁお前は比較的篠目とは仲が良かったか。安心しろ、本当に牢に叩き込む事なんてしない」

 

「! そ、そうでしたか。それは良かった──」

 

「私が【完璧】になる為に篠目は必要だからな」

 

「……え?」

 

「ほら、職務に戻れ。2度は言わないぞ」

 

「……失礼しました」

 

 言われた通り下がる。今の篠夜様に逆らえる者はこの家には居ない。機嫌を損ねればそれで終わりだ。……元当主たちの様には、なりたく無い。

 

「ふぅ……ん? 何やら騒がしいですね……」

 

 門の辺りで見張りが話し合っている。仕事中だと言うのに……これだから若い者は。注意する為に近付く。

 

「私語は慎みなさい。役目を放棄する事は許されませんよ」

 

「あ! 夢月様! なんか外でキャットファイトの賭け事やってるらしいんですよ!」

 

「ほら見えますか? あのデカいスライム。凄くないですか?」

 

『前から思ってたがテメェら含めてどいつもこいつもウチに来過ぎんなんだよ! くんなボケェ!』

 

『ウチって何よ! あれ加藤の家でしょ! アンタただの居候じゃない! 仲間なんだからリーダーの家に行くのは普通ですぅ〜!』

 

『君らは仲間だろうけど僕は普通に友人でもあるからね! 加藤くんって普通の友人は僕しか居ないんだよね! 友達なんだから遊びに行くよね! ロールの様子も見ないとだしね!』

 

『アイツとの2人の時間が減るだろうがァァァ!!! ふざけんじゃねぇぇぇ!!!』

 

「今すぐに門を閉じなさい!」

 

「「えー」」

 

「えーじゃない! 早く!」

 

 ここから近くは無いが、あんなのが入って来られればどうなるか分からない。以前こっそり篠目様から送られた手紙に書いてあった仲間の特徴に酷似しているがきっと気のせいだ。そうに違いない。

 

「見なかったことにしよう」ガリガリ

 

 私は頭痛を紛らわす為に頭を雑に掻きながら屋敷に戻った。

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