ダンジョン中毒から抜け出したい【書籍化&コミカライズ決定】 作:1パチより4パチ派
「裁判中は!?」
「切腹禁止!」
「発言の時は!?」
「余計な事は言わん!」
「不利な時は!?」
「よく分からないと誤魔化す!」
「よし! じゃあ行ってこい!」
「わっち、アセンブル!」
「いや行ってこいじゃないですよ! 私達も行くんですよ! 篠目さん単身で行かせたら負け確じゃないですか!」
「加奈子のわっちの評価ドベなんじゃが何でじゃ?」
「今の所good/zeroだからじゃないですかね」
「いやほら、わっち見てくれだけは良いとよく言われるぞ!」
「
「役に立つから! わっち役立たずじゃないぞ!」
「じゃあどんな役に立つんだ?」
「微塵切りとか得意じゃ」
「すっごーい! ぶんぶんチョッパー使うわ」
裁判当日。裁判に出廷するメンバー全員がここに集まっている。勿論篠目本人も一緒だ。
「にしても……普通裁判ってこんなに早く開かれませんよね?」
「相手側が無理矢理捩じ込んだみたいね……。私も少し調べたけど、凄い所なのね篠家って。戦争時に活躍しまくればそうもなるか……」
「もう500年はやってないのになぁ戦争」
「それ程功績が多過ぎるという事でしょうね。それに歯向かって矛先が自分達に向けられたくないと言うのもあるでしょうが」
「我が身可愛さね……何にせよ篠目。お前の兄さんはどうやらお前の事が好きで堪らないみたいだな」
「加藤がわっち達の事を好きなのと同じか?」
「アビャビャビャ! オビョビョビョ! ゲッゲロピーーー!!!」
「ダメですよ篠目さん。ほら、照れ隠しの勢いで加藤さんが人を辞めてしまいました」
「お前らマジで音声データ消せ。消さなきゃマジで殺すからな。今日中な」
「絶対消しません」
「永久保存物じゃろこれ。消したら勿体無いオバケ出るぞ」
「寺生まれの
「アイツ別に寺生まれじゃなかろうて」
いずれコイツら全員の持ってる音声データを破壊し尽くすと誓いながら、裁判所に入る。
「じゃあ手続きしてくるから、少し待っててね」
「分かりました。お願いしますエネロマ」
「さて、皆さんこの日の為の特訓を思い出す時ですよ。あの長く苦しい特訓を……」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
特訓シーン
『じゃあまずは過去の精霊裁判の様子を見てみましょうか。どんな感じの雰囲気か知るのは大事だし』
『……あの、これなんですか?』
『精霊裁判の映像よ』
【はいお前今言った事矛盾してます〜。はい論破〜】
【何が何処がどの辺が違うんですか??? 10秒以内に説明して下さいよ、返事無かったら自分の勝ちで】
【うーん、これは論破! こっちの勝訴!】
『これは簡素な物だけど大体こんな感じね』
『精霊族ってよく今まで存続出来てましたね』
『子供作れる訳じゃないけど明確な寿命が無いからね……。死亡理由殆ど戦争時のだし……』
『寿命が無いとこんなにいい加減になるんだなぁ』
『なり過ぎでしょ! 子供の口喧嘩レベルなんですけど!?』
『何時何分何秒地球が何回回った日〜と言うやつですね。孤児院の子供達がたまに言っているのを見ました』
『困りました……口喧嘩なんてした事がありません。どうしたら良いのですか?』
『取り敢えず雰囲気で言い勝った方が勝ちのようなので論点をずらす事が大事ですね』
『じゃあまず適当なSNSで炎上しそうな事言ってレスバ相手釣るか……』
『マジで言ってます!?』
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「あんなのを特訓って呼びたく無いです」
「ひたすらレスバ相手を探して倒し、次の強い奴を探す。これの繰り返しだったな……」
「エネロマさん。本当にあれが正しい特訓だったんですか?」
「ただいま。精霊裁判自体、存在が間違ってるんだから正しい特訓なんて有りはしないわ」
「もう諦め入ってるじゃないですか! 投げやりにも程がありますよ!」
「ホント、槍でも投げつけてやりたいわね。これ考えた奴に」
「そうじゃなくて!」
【ゲージが論破で満ち溢れた!!!】
「何でもう論破ゲージ表示されてるんですかぁ! 何処ですか、何処からナレーション入れてる!?」
加奈子さんも調子はバッチリのようだ。手続きも終わったようなので早速──。
「よぉ。ようやっと始まるみたいだな」
「お前は──!」
ドカッ! バキッ! ベキッ! ゴギッ!
「高木!!!」
「あばえおぶはえびばんべんぼぼぼぼびぶぶぼおばびいばろ! ばぶだぼぶぶう! (名前呼ぶ前に顔面ボコボコにするのおかしいだろ! 逆だろ普通!)」
そこにはスーツを着て顔面が崩壊している高木が居た。何て醜いのだろう。そりゃアヒルの母も追放する。
「全くよぉ。照れ隠しだからってすーぐ暴力に走るの良くないぞ〜? マトモになりたい奴のやる事じゃあ無いなぁ〜」
「邪悪に拳を振るう事は正しい事だと俺は信じているよ」
「邪悪認定マジ? お茶目なイタズラだろどう考えても」
「何でもう元通りになってるんですか?」
「行間の間に治したようですね」
「す、凄。常に回復魔法かけ続けてるの? 回復も完璧だし……貴方相当やるわね。セーリスに負けず劣らずよ」
「どもども。てか加藤。まだ音声データの事怒ってんのか?」
「1ヶ月は会う度にしばく事決めてるから」
「マジかよ今月めっちゃボコられんのか俺。酷いぜ〜」
「いや会わないという選択肢は無いんですか?」
「会わ……ない……? 加藤と……? ……???」
「ガチ困惑ですね。珍しい」
「気持ち悪いなぁこの人……」
「今更じゃ」
どうやったらこの悪霊を祓う事が出来るのだろう。矢部野彦摩呂に頼むしか無いのかな。高木のウザさに辟易としているとリファルさんが高木に近づいていく。
「高木様!」
「あ、はい。何でっしゃろ」
「いけませんよ! 加藤様に甘えては!」
「……え?」
「加藤様はお仲間の皆さんを大切にしています……ですが! それにかまけて加藤様にご迷惑を掛けすぎるのは間違っています!」
「え、あ、はい……なんかすんません……」
「加藤様が大切にしているように、【自我中心】のメンバーの方々も加藤様を大切にしなければなりません! 良いですね!」
「分かりました……大切にします……ヒヒッ」
こちらを振り返ってくるリファルさんの顔は『分かってくれましたよ! これで貴方の心労を減らせますね!』と言っているような気がした。なんて眩しい笑顔。ありがとうリファルさん。でもね、やっぱ貴女人の事信じ過ぎだと思う。あと普通に俺の傷口ほじくってるの気付いてないのかな。気付いてないんだろうな。
「まぁ兎に角俺達は傍聴席で見てるからよ! 頑張れなー!」
「篠目! 私がちゃんと応援してあげるからヘマするんじゃないわよ!」
「野球観戦じゃないんだよ? 分かってるのかな」
「いやお前らも来てたのかよ」
いつの間にか居たゲルダリアとオピスを引き連れて高木は奥へと行ってしまった。
「取り敢えずアイツらは放置しとくか……」
「そろそろ時間だから行くわよ。……相手も待ってるだろうしね」
「始まるのか、加奈子さん伝説が……」
「加藤さん。それ以上ふざけたら怒りますよ」
「ごめんなさいでした」
そうして俺達は覚悟を決めて法廷へと足を運んだ。
『あ、ペットの入場は禁止となっています』
『え』
『まじかー。オピス、悪りぃけどゲルダリア連れて外で待っててくれよ』
『え』
『しょうがないね。ほら、ゲルダちゃん行くよー』
『待って!? 私ペット枠!? わたあめチョッパー!? 嘘でしょ!? ねぇ!!!』
◇ ◇ ◇
「来たか……篠目」
法廷に入り、職員に案内された場所に移動する。向かい側の席には篠目の兄貴とその他5人。恐らく弁護人だろう。つまり俺達の相手だ。
「……何故【勇者の集い】が居る!?」
「こちとら今まで紡いだ絆があるんだよ!」
「いや普通に依頼したって言ってましたよね?」
「しかも精霊族のエネロマ……【勇者の集い】を実質的に引っ張っている奴では無いか!」
「そうなのですか?」
「細々とした雑務をね。手続きとか契約とか。ほら、呪いがあるから私なら……ね?」
「お主らを舐めるような奴おらんと思うがのぉ」
「いやリファルがすぐ騙されちゃうから……」
「ああ、そう言う……」
「?」
他者を疑う事を知らない人だから仕方ない。そこが良いところでもあるし。
「精霊族と言う事は……精霊裁判を当然知っている、か。目論見が外れたな……だが!」
篠目の兄貴、篠夜は自分自身の後ろに佇んでいる連中を前に出るよう促す。
「残念だったな! お前達がどれだけ精霊裁判の対策をしようと、こちらには最高レベルの検察官を用意してある!」
「ま、まさか! 彼らは──!!!」
【先鋒! どんな相手にも構わず噛み付く!(鍵垢で) ステルス狂犬のマズル!】
【次鋒! 狂ったコミュニティのトップ! 信者ファンネルでアンチも真っ当な批判も捩じ伏せる! インフルエンサーのアサネ!】
【中堅! 情報商材で売り上げ1000万! 転売で赤字1000万! 回し者のグル!】
【副将! 金さえ貰えばどんな相手にも難癖を付けて罪にする! スーパー悪徳精霊弁護士! リリンス!】
【大将! 北南新聞社文化部記者! 海岡二郎!】
【さぁ行け裁バトラー
「ほぼ捕まってないだけの犯罪者じゃ無いですかぁぁぁぁぁ!!! 最後の人に至ってはどう見ても部外者なんですけど!?」
「愚かな! 大将である海岡二郎はどんな相手にも食ってかかる男だぞ! 何か言い返してやれ二郎!」
「この裁判は出来損ないだ。裁けないよ」
「全否定なんですけど!? 1ミリも関係無い人が1番マトモなんですけど!?」
「くっ! 名だたる連中を揃えてきてるようね……!」
「確かに有名ではありそうですけど!」
そうこうしている間に裁判の時間が訪れる。篠目が証言台に向かう前に俺達に振り向く。
「加藤……皆……今すぐ答弁わっちを助けて!」
「わさび味になりそうな救援依頼を出すんじゃない」
こうして篠目の運命を決める精霊裁判が始まった。
「所でセラフィナさんはどうしたのですか? グループチャットの方にも反応がありませんが」
「精霊裁判の詳細話したら『やってられるかバーカ』って言ってた」
「でしょうね!!!」
【自我中心】のグループチャット
加藤…『分かった』や『やだ』など一言だけ送る
高木…普通。加藤の個人チャットにはスタンプ爆撃
セラフィナ…加藤と同じ
鶴岡…チャットでも敬語。たまに誤爆で信者宛のメッセージを送る
オピス…スタンプ多め。気に入った動画とか唐突に貼る
ゲルダリア…絵文字多用。めっちゃおばちゃんみたいな文章
篠目…誤字率が異常。本人も間違っているのを理解しているが画面ポチポチが苦手なので諦めている
8割は高木とゲルダリアが好きに喋くってる。この2人は仲良し度高め(テンションが近い為)