ケロン人とのファーストコンタクト……胡散臭い言われそうですね。
ではどうぞ。
第1話 奇妙なバツ印と日向家と
Side 直久
日曜にアイと楯無の両手に花しながらアクアの有馬かな+クロエのデートを後方腕組み院したり、月曜日にアクアがクラス代表に正式決定となったりクロエが編入してきたがそれはさておき。
「バツ印?」
「うん。ほかの人からつけてもらえるらしくて、印持つ人同士でテレパシーとか使えるようになるんだって……」
「これ、怪異案件ではないかなと……」
「この手の案件に一番詳しいのは直兄さんだからな」
「かんちゃんもクラスの娘に流されてつけちゃったのでヤバそうなら早めに対処してほしいかな」
「流されてすみません……」
オレのオウム返しに一夏、セシリア、箒、本音に簪が見事な連携?でそう返してきた。
簪の手の甲にバツ印……これケロロ軍曹劇場版で何度か(別個体だけど)登場してる古代ケロン軍兵器のキルルのやつだな……。
「数週間……早ければ数日でネガティブな思考しかやり取りできなくなって憂鬱になるけどコレ単体で死ぬことは無いな」
「かなりヤバくない??」
「祟殺しの呪印とか死神やヘルストーカーのマーキングとかより億倍マシなんだよな……」
オレが遠い目をしてると、一夏が補足する。
「直兄の怪異案件の依頼達成率は9割超えてて、実際オカルト関係者から『オカルト話で困ったら、ゲゲゲの鬼太郎か便利屋久遠に聞いてみろ』って言われてるくらいだし……」
「あれ、1割弱失敗してるの?」
「依頼受けた時点で手遅れな場合は流石にな……攫われた後に依頼料入った依頼書現金書留で受け取った時とか……」
本音の指摘に回答すると、へにゃっと座り込む簪。
そういや更識家が封じてた怪異を更識家の親戚の一人が解き放った案件の記憶残してるからな……。
あの末路を思い浮かべたのか……?
「怖がらせて済まなかったな、簪」
そっと抱きしめて背中撫でる。
「……少し、怖かったけど……死なないし、肉塊とかになるでもないし、憂鬱くらいなら、誤差……人がいるところで抱きしめてもらえたし、役得かも……」
ハッとして周り見ると女子たちは黄色い悲鳴あげてるし、アクアとクロエは尊敬と困惑綯い交ぜにした顔してる。
天上院はなんかゴミ見るような目でこっち見てるがまあいいだろう。
「とりあえず……公欠するわ……そのバツ印自体はともかく、ソレの発生源は洒落にならん案件だし」
「「「「えっ?」」」」
学園長に理由伝え、そのまま一度便利屋久遠に戻って部屋の埃取りの魔術だけやって軽く掃除をしたら、日向家に突撃したのだった。
「いきなり来たからビックリしたよ」
「いきなり押しかけるなんて珍しいわね」
「ちょっと気になることがあってな」
なんか学校創立記念だかで休暇してた冬樹と夏美が運良く居たのでホッとする。
そして意識を張り巡らせ、『かれら』がいる事を確認してから告げる。
「……済まないけど、君たちの同居人たちに会わせてくれる?」
――*――*――*――
Side 冬樹
直久お兄さんの言葉に、僕と姉ちゃんは言葉がでなかった。
目に見えない怪異を一刀両断してみせたり、妖怪やUMAや宇宙人と戦ったりしてる所を何度か見たことがあるから……。
軍曹たちを会わせたら、どうなるかわからない。
「……なら彼らに伝えてくれ。『キルルが解き放たれたみたいだから、対策を練りたい』とな」
僕はトイレ行くフリをして(たぶんお兄さんにはバレてるけど)、地下秘密基地に向かうと丁度軍曹たちケロロ小隊が全員揃ったところだった。
「冬樹殿! いきなり吾輩を地下に押し込んでしかも小隊が無事か確認のため緊急招集かけてくれとは穏やかじゃないと思うであります」
「ごめんね。……直久お兄さんが来たから、ほかのみんな無事かなって」
軍曹に謝ってると、クルル曹長が口を開いた。
「直久……便利屋久遠の6代目ってことになってる男……ペコポン人に危害加えてる宇宙人は大体討伐してるやべえ怪物だもんなぁ……クックック。兵長でも勝ち目はワンチャンくらいだろうぜ〜」
曹長の言葉にみんな驚いてる。
「えっ、ゼロロじゃなかった、ドロロでワンチャンレベル!?」
「メンタルでムラあるとはいえ、火器縛りならケロン軍の上位層にいるんだぞ!?」
「ボクのフルパワータママインパクトとか伍長の武装フルバーストならワンチャンあるのでは?」
「……連携取れねば烏合の衆。避けられて反撃食らうだけ。最善は拙者たちで連戦し、最後に相討ち持ち込めれば御の字と見てるでござるよ」
軍曹の言葉にギロロ伍長、タママ(二等兵)、ドロロ兵長が答える。
「あ、そういえばお兄さんが『キルルが解き放たれたみたいだから、対策を練りたい』って言ってたんだけど……」
僕の言葉に曹長以外首を傾げる。
「……えっ、マジで?」
まだ付き合い短いからか、汗ダラダラで、笑い声がない曹長初めて見た。
「ケロ? クルル曹長、キルルってなんでありますか?」
「古代ケロン人が作った、古代の侵略兵器だ。あちこちの星にばらまかれてて、過半が未起動または封印状態らしい。んで厄介なのは生半可な攻撃じゃ破壊どころかマトモなダメージすら与えられないシロモノだぜぇ。ペコポンにあるなんて初耳だがな」
クックックと笑う曹長。
「……それ不味くない?」
「まずいどころか、起動したなら半年もかからずペコポンから知的生命体消滅しかねないな」
「対抗手段は!?あるんだろ!?」
伍長が曹長に詰め寄った。
「封印できれば御の字だが、封印が解けた原因や封印方法とか分かんねぇと手の打ちようがない。本星なら情報あるだろうが……」
「それなら本星へ連絡を!」
「ケロン星への連絡到達までの時間、軍部の意思決定までの時間、ペコポン侵略きり上げからのペコポン切り捨てされる可能性……これらのハードル超えられるかねぇ……」
曹長が冷たい現実を並び立てる。
「そんな……!」
「――あと、君たちケロロ小隊はキルルのマーキングがついている。それをケロン軍が知ったら、キルルが追いかけてくる可能性から、損切りとして切り捨てられる可能性が高いだろうな」
振り返ると直久お兄さんが立っていた。
「誰!?」「冥月院久遠直久……」「えっ、このうだつ上がらなそうなおっさんが!?」「「……」」
「はじめまして、冬樹が世話になってるようだな。ケロロ小隊」
兄さんは時折全部知ってるような話し方をする。
「ゲロっ!? 吾輩たちのこと知られてる!?」
「そのあたりはおいおい教える。――この一件は古代ケロン人の後始末であり、隊長殿がことのきっかけが原因のようだからそっちが万事を尽くすまで後方支援や裏方に徹させてもらうし、ウチの同盟勢力も以下同文だ」
「おいケロロ!お前何やったんだ!?」「ぇ゙っ!? 正直記憶に……もしかして……アレ……?」「心当たりあるんですか軍曹さん!?」「ケロロ殿! 何があったんでござるか!」
軍曹が問い詰められてると、僕の肩をお兄さんがポンと叩いた。
「――最終手段使えば何とかなるが、下手すると星ごと消滅しかねない。冬樹とあの軍曹に託させてもらう」
そういうと去っていくお兄さん。
……僕も地球の命運にぎってる……ってこと……!?