Side 冬樹
曹長がキルルの現在地を割り出すため、中庭でドローンを展開することに。
ねぇちゃん、西澤さん、サブローさんに東谷さんも用事片付けたり、モアちゃんも合流したりして、すこし庭が手狭になった頃。
何処からか土偶のロボットに乗った古代兵器研究家を名乗るケロン人のミララと遭遇した。
「……ミララ……ねぇ……」
何か引っかかってるような顔してる曹長が気になるけど……それより……
「いと不愉快。――疾く去りなさい、生命の輪廻より外れし獣。理に歯向かう厄災。封印可能ならキルルより先に『貴方たち』を封じたいところです」
……直久お兄さんを見て早々にそう告げたのが、とても嫌だった。
――*――*――*――
Side 直久
なんか劇場版キャラからこっちを認識して開口一番に暴言吐かれました。マヂつら
「……どうやらオレは邪魔らしい。こっちはこっちでやれることをしておく。だが国家……いや、大陸単位で消滅という代償が必要な切り札が切られることないよう、祈っている」
オレは味方より中立陣営ロールしてからその場をあとにする。
ミララの視線が届かないところまで移動したあと、ある場所に連絡する。
『もすもすひねもす? どったの直兄』
「少し厄介なことが起きた」
『ん~? 具体的に!』
能天気な声だが、たぶん向こうでは頭を抱えてる気がする(直感)
「絶賛侵略活動中の宇宙人……それの旧い祖が残した古代兵器が起動してる。今のところ病気の潜伏期間のように地球……おそらく封印されていた奥東京の何処かに潜伏中だ」
『……中世だかに太平洋真ん中の大陸ごと消し去る羽目になったとかぼやいてたことあるアレと同じ類?』
「それ系列だな」
『……ヤバくなぁい?』
わりとそう。ただし……
「今回は鍵が機能不全起こしていないのと、こっちの切り札の被害がでかいことから、封印までの時間稼ぎとそのための場を整える方針で動くつもりだ」
『……あー、外部の目をごまかしておけと?』
天災は1を聞いて100を理解してくれるので助かるな。
奥東京の細工を隠蔽してる暇ないから、束に偽装を丸投げという雑対応をしてほしいと言う前に読み取ってくれた。
「報酬はある程度対応しよう」
『子供欲しい』
……えっ?(宇宙猫感)
「……人の子は生まれてくるだろうが、オレに似たらボンクラだぞ?」
『おなかを痛めて産んだ子で、それが直兄の子なら愛せる自信しかない。できれば箒ちゃんとちーちゃん、いっちゃんと一緒に育てたい』
「……それは『まあ無理だろうから別の報酬だね。今妊娠しようものならほかの子と揉めたりで直兄さんの胃がマッハになると思うし。今回ので将来を意識してほしいのとドア・イン・ザ・フェイスってことで……休日のデートと、あわよくばその先お願いね?』」……ああ。最善を尽くすよ」
『じゃ、偽装の方やっとくねー』
オレの返事に嬉しそうな声で返事が来たと思えばすぐに通信が終わる。
……さて、うまくやらないとな……。
――*――*――*――
Side 夏美
ボケガエルと冬樹、あとミララとかいう新手の宇宙人の説明で、このバツ印がろくでもないモノと判明して、頭かかえていると、地震が起きたように揺れが起きた。
「! あれは……キルルです! 人々の負の感情を吸収し、肥大化してしまいました!」
なんか言い方がわざとらしいと言うか、他人事というか……モヤっとするわね……。
「こうなったら……小隊各自攻撃に移るであります!」
「「「「了解!」」」」
小隊が地下に降りていき、フライングボードや武装で飛び出して行った。
「……私も行きます!」
身体能力すごい小雪がドロロについて行って
「ボクもデータ収集くらいは手伝おうかな」
サブロー先輩も絵を具現化する不思議なペンで出したUFOみたいなものでクルルたちを追いかけた。
「……私も、おじさまたちを手伝います!」
モアちゃんが元の姿に変身して杖に腰掛けて追いかけていく。
「……冬樹君」
「西澤さん。……きっと何とかなるよ」
「……はいっ!」
……うーん、こんな時に(無自覚だろうけど)女の子口説くとか肝太いわね我が弟は……。
とか思ったら、いきなり光線みたいなのがとんできて、同時にウチを守るような青い障壁みたいなものが現れて、家ごと私たちを守ってくれた。
「……絆がなければ、どうしょうもないというのに……」
ミララとかいうこのケロン人、絶対なんか知ってるし、意図的に不和起こしてるでしょ。
とか思ってたら、ボケガエルたちが戻ってきた。
「なんなんアレ!? こっちの攻撃らしい攻撃無傷なんですけど!?」
「オレたちの武器じゃ、刃が立たないみたいだ……」
「溜め技のメガタママインパクトでもかすり傷すらつかなかったです……」
「拙者たちの愛刀も刃毀れしてしまったでござるよ」
「私も星に影響ない範囲で攻撃しましたがダメでした……っていうか、難攻不落〜?」
「ありゃ現代の科学力じゃ破壊できそうにねぇぜ……」
モアちゃん含めてダメだったってこと……!?
「そ、そんな……」
「一応、奥東京の便利屋さんが千手観音みたいなのと、巨大な大地の手みたいなのだしてそれで抑えつけしてるから、時間稼ぎはできてるけど……」
「たぶん時間はこちらの味方ではないので……」
サブローさんに小雪ちゃんも戻ってきてそう告げた。
「そんな! 困ります! アレを野放しにしていたら次の形態になって、大量のキルルが地球を覆い尽くしてしまいます!そうなったら、侵略者とかペコポン人とか関係なくこの星滅んじゃいますよ!?」
ミララの言葉に誰も答えない。
「――では、そもそもの話をしようか」
私たちは思わず声のする方を向く。
「あ、ハイドリヒおじさま」
桃華ちゃんの反応や、その特徴的見た目から……欧州に根を張るゲルマニアグループの総帥その人だと私たちは一発で理解した。
「なんですか厄災の獣。さっき貴方の本体と話をつけ、用件は終わったはずです」
嫌いなものを見るかのようにミララがそう吐き捨てた。
しかし、黄金の獣――ラインハルトはそれを無視して告げた。
「――キルルの封印を誰が解いたか、だ」
――*――*――*――
Side ラインハルト
私の言葉に2人ほど硬直する。
「それは今関係「ある。己の不始末は自分で決着つけねばならん。第三者が当事者となるのは、当事者が事を収められぬと断じ、他者に協力を求めた時であるべきだからだ」」
「……つまりアンタはこのなかにその該当者がいると探偵してるんだな?」
クルルが問いかけるので頷く。
「拙者知らんでござるよ!?」
「私も知りませんね……」
「オレはさっきで基地から出たの一カ月ぶりだぜぇ?」
「ボクも心当たりないね」
ドロロ、小雪、クルル、サブローは首かしげてそう告げる。
「私も心当たりありません。何かあったらおじさまに聞きます。というか、迷者不問?」
「私も心当たりないわね……」
「オレもだ」
「ボクもですぅ」
「私もです」
夏美、ギロロ、タママ、桃華も首を横に振って否定。
目線は自然と残りの人に集まるが……
「ボク、祠とかワカンナイナァ……」
「吾輩もうっかり蹴っ飛ばしたクリスタルみたいな小さな小瓶とか知らないでありますよ?」
「「「「「…………」」」」」
冬樹とケロロの自爆で「間抜けは見つかったようだな」状態になって居た堪れない空気になる。
「「す、すみませんでした!」」
そこから繰り出された2人の同時の土下座は、息ぴったりだったとだけ、言っておこう。