Side 直久
「そろそろ学校生活も慣れただろう。ここでクラス代表を決めるぞ。原則自薦他薦問わず推薦された者から選ばれる」
学園生活最初の週末のホームルームにて、そう千冬が告げると生徒たちがざわめく。
「先生、原則ってことは、何か例外あるんですか?」
本音がすかさず確認のために問いかける。
「ふむ……人間性に問題ありと判断したら順当にこちらで選考から外すし、打鉄装備の私を生身で撃墜できるレギュレーション的に出禁な冥月院も推薦から外させてもらう。イベントで代表としてクラス代表同士で戦うこともあるのに、ワンサイドゲーム確定など他のクラスからのクレームも不可避だしな」
「ちょっとおかしなワード聞こえたんだけど千冬姉『織斑先生と呼べ馬鹿者』」
チョークアタックで撃沈する一夏。
「実際、織斑先生や学園最強の称号持つ生徒会長も冥月院さんに生身でもIS装備でも撃墜されてますからね。こちらで確認した限り、空中か海上で足場無しの縛りかけないならIS装備しない方が戦闘強いまでありますから……」
遠い目をする山田先生。
「たしかに私の遺産関係で私を襲った軍の元特殊部隊出身の傭兵部隊もスーツの土埃以外無傷で制圧してましたからね」
「直兄さん……規格外すぎる……」
セシリアの言葉に戦慄する箒。
ざわめく生徒に手を叩いて視線を集める千冬。
「一先ず候補を出せ。1人しか出ないならそれで確定、2人以上でたならこちらで確認しつつ再来週の月曜までに決まるよう、候補者から選ぶ方法を決める」
「なら星野君がいいかなと」
生徒の一人がそういうと、何人かが
「天上院君も候補に」
と推薦する。
気になるので2人の様子を見るとアクアは困惑し、天上院は当然のような顔をしていた。
……なんか天上院を推薦した娘たちが居心地悪そうな顔をしている。
不穏だなぁ……。
「……あれ、セシリアは動かないのか?」
「偏光射撃をものにしていなくて、ビット制御で自分が動けない欠点も完全には克服できてません。英国の代表候補生の上澄みと言われても、遠慮が先立ちますわ」
すん、としてるセシリアに問いかけると、バツが悪そうにこちらに答えた。
なるほど。それなら仕方ないな。
「せんせー、オレはセシリア推薦します「ちょっと???」」
「なるほど、英国の代表候補生がねじ込まれるなら代表決定にISでの戦闘も選定基準にねじ込んだほうが良いな。成長性等もそこで見れるかもしれんし「先生悪乗りしてませんこと?」」
千冬の言葉に突っ込んだあと、こちらを向いて何か言いたそうな顔をするセシリア。
「……なら一夏さ「これ以上候補増えても面倒なのでここで締め切る」織斑先生! それ色々と問題あると思います!「不満があるなら私を倒して押し通せ」横暴すぎますわ……!」
胸をなで下ろす数名とどこぞの陸八間さんかベルばらのキャラみたいな白目向いて崩れ落ちるセシリア。
千冬は端末動かして頷いたあと告げる。
「来週の金曜日にアリーナを押さえた。専用機持ちは専用機で、そうでなければ学園の打鉄かラファールを使用してそれぞれと戦ってもらう。候補者はそれを踏まえて今日から行動するといい」
……さて、アクアのケアは千冬あたりに任せて、オレはセシリアの機嫌取りと訓練相手をしますかね……。
――*――*――*――
Side アクア
ホームルームが終わって部屋に戻ろうとしたら、織斑先生に呼び止められ、アリーナの一室に連れてこられた。
「えっと、一体なんですか?」
「ん? 直久兄さんから……聞いてないのか。
「……オレ専用?」
オレの言葉に織斑先生は頷く。
「ああ。直久兄さんが依頼し、ゲルマニアグループの総帥が直々に設計し、ゲルマニアグループや西澤グループ、便利屋のパトロンなどからのポケットマネーが惜しみなく注ぎ込まれた採算度外視のシロモノだ」
「ISの第一人者的にはISのコアと規格だからISと名乗ってる別物だと声高に言いたいけどね」
声の方を向くと、不思議の国のアリスのようなエプロンドレスに身を包んだ、機械仕掛けうさ耳装備の女性がノートパソコンらしき物をいじっていた。
「貴女は……篠ノ之束博士」
「お、君はあの失礼極まりない七つの大罪の化身みたいなゴミカスサードと違って、色々抑えられたようだね」
「(コレは聞かないほうがいい類いだからスルーして……)世界中から所在を探されてる貴女が何故……オレのISのフィッティングを?」
オレが言葉を選びながら問いかけると、博士はニコッと笑顔を見せた。
「直兄さんに頼まれたからね。ゲッター線や光子力、GストーンやJジュエルを動力源にして小型波動エンジン積んでるモンスターマシンを普通の人で運用するの3例目だし」
「……オレ、あの人に恨まれてるんですか……?」
IS開発者にして科学者・発明家として天災の異名を持つ篠ノ之博士をしてモンスターマシンと評している聞いたことないエネルギー源?やエンジン載せたシロモノを、3人目の試験運用者にすると言っている。
新薬でいえば臨床実験で2人にしか試してないのに絶対安全と謳って販売開始するようなものだ。
「いや、ソレはない。あの人がその気になれば死んだほうがマシな目にあうしな……」
遠い目をする織斑先生。
「寧ろ表沙汰に出来ない数百年先相当の技術と小国の国家予算相当ぶっ込んででも君に誰かを守る力をあげたかった。……そんなところかな。あ、技術の安全性はちーちゃんともう一人の被験者で実験済みだし、規格がISじゃないモノでそこそこの人を乗せたりしてるけど、とくに健康被害とかないから安心していいよ。心の準備できたら言ってね。始めるから」
そう言ってなにやら端末をいじり始める篠ノ之博士。
「なら早速お願いします。篠ノ之博士の時間を無駄にするわけにもいきませんし、早く済ませてたほうが良いかと」
「そう言ってもらえると助かるよ。それじゃ、始めようか。……あ、そういえば直兄さんが手紙渡せって言ってたから渡しておくね。何が書いてあるのか束さんたちは知らないけど」
篠ノ之博士がそう言って、手紙を渡してきた。オレはそれを見てぎょっとする。
『雨宮吾郎へ
お前と同じように天童寺さりなが生まれ変わりをしている。そして『16歳になったら結婚』という約束を果たしてもらおうとしているが、雨宮吾郎のその後を今のところは知っていない。
これらの情報+αを知るのは目下オレだけだ。詳細を知り、さまざまな壁と向き合う覚悟ができたら、【実家の大掃除をしたい】と声をかけてくれ。
この手紙は読み終えたら白紙に戻るが、記憶に叩き込まれるので問題無いはずだ
追伸 現状ノータッチだが、星野瑠美衣や星野愛久愛海の父親についての調査を依頼したいなら【休日の外出交渉を手伝ってほしい】と声かけしてほしい。何れも報酬は要らないが、必要なら同行してもらうことになるのでそこだけ留意してほしい』
読み終えるとともに手紙の文字が解けるように消えて、白紙だけが残った。
……あの人身体能力の規格外ぶりといい、やはり人間じゃないのでは……?
そう思いつつフィッティングが行われていき、貸切にされたアリーナでリミッターが全部ついた状態の専用機を動かすことになったが。
……アレでリミッターが全部付いてるなら、全力で動かしたらどうなるか想像できないとだけ、コメントしておく。
――*――*――*――
Side のか夫*1
篠ノ之束博士には僕の魅了が効かなかったらしい。*2
初対面でうさ耳とエプロンドレスつけてる痛い女と言ったくらいで機嫌を損ねるとか、自分で自分の機嫌取れないなんてダメ人間だと思います*3。
仕方ないから昨日逆夜這いに来たキアラという先祖が華族な娘が見繕ったメアリ・クラリッサ・クリスティという婚約者持ち*4英国の代表候補生の1人を手籠めにして、一息ついている。
英国代表候補生のメアリを引き込んだことだし、あの金髪巨乳のセシリアの目を覚させる*5ための手引きさせるかな。
正直メアリは絶壁に近いし、揉む楽しみなかったし*6、使い心地もまあまあだったし*7、何処かのゲームでいう、強キャラ引換券と思えばまあ……いいかなって*8。
篠ノ之博士とか織斑先生とかも僕のものであるべきだし*9、ぶっちゃけ僕の眼鏡に叶う雌は全部僕のものであるべきだからね*10
とりあえず睡眠薬系の薬とかを持ち込めないか父さんや某国企業に頼んでみないとかな。