Side 直久
「巻き込んだ手前、何もしないのは不義理極まりない。ということで、縦横斜め合計1440°まで曲がれる偏光射撃か某宇宙世紀の天パ並みのビット操作しながら戦闘――は無理だがなるべく近い実力……どっちを取得したい?」
「新手の魔改造宣言!?」
「ちなみに片方だけでも、両方だとしても、4日で仕上げるつもりだからガチのスパルタになるぞ。まあ、どれも嫌ならそのまま挑むのもアリだが」
「――その挑発、乗って差し上げますわよ、直久さん!両方取得するに決まってますわ!」
――というやり取りがあったのが昨日の放課後。
「変わった形のピアノの演奏と聞いてで余裕そうと思った昨日始める前の自分を殴りたいですわ……!」
時は放課後、場所IS学園の音楽室にて。
右手と左足、左手と右足で全く異なる曲の演奏をするという訓練を特別なピアノで挑戦して、白目剥いてるセシリア。
「次は曲変えて左側がこれで、右側がこれね」
「ラ・カンパネラとカッ〇ーワのテーマとか脳がバグり散らかすに決まってますわ!」
「拡張感覚で別々のことできるようにする訓練なんだから、(脳がバグり散らかすのは)当然だ」
「廃人になったら責任取ってもらいますわよ……!」
「ならないように調整してるから。とりあえず30分頑張ったらひと休みな」
「ぐぬぬぬぬ」
そんな会話を同室で答案丸付けしながら聞いている山田先生(鍵借りたので責任者として居る)と(次訓練の相手役依頼したらなんかそのままついてきた)簪と本音が聞いていた。
「……」
「? 更識さん、どうしたんですか、複雑そうな顔をして……」
「いや、私もあの練習させられたなって……」
遠い目をし始める簪。
「……ああ、そういえば直久さんの試作機でテストしてそのままゲルマニアグループ所属の試作機テストパイロット扱いになってたと聞きましたね。しかし、試作機の関連申請書にはビット兵器の情報は……」
あれ?と首かしげる山田先生に対し、簪ちゃんが遠い目で告げる
「追加パッケージって形でビットベースつけてデータ取りしたから今の武装にはないです。テストした時も適性かなり低かったから1基出して自分はその場で止まって動かすのがやっとだったし……。訓練受けて2基まで動かせたけど、かなりきつかったので……」
「非公式で私も試作三号機?とかいう同型機使わせてもらったけど、かんちゃんとどっこいどっこいだったからねぇ。適性も低かったから、あの練習こそさせられたけど、あそこまで追い込みかけられてないし……」
「人に歴史あり……でいいのかなこれ……」
山田先生が(本音たちがこぼした情報の扱いなどから)反応に困っている。
っと、そろそろいい頃合いだろう。
「セシリア、仕上げにアリーナで簪と本音相手に戦ってもらうぞ」
「この理由分からない訓練で頭痛感じ始めてきましたのでちょうどいいですわね!」
やけっぱちなセシリアが勢いよく立ち上がりこちらに向かってきたが、何故か体勢崩したので即座にフォロー。
「おー」「羨ましい……」「いいなぁ……」
お姫様抱っこになったがまあええやろ(枯れたアラサー感)
それはそれとして(外野は)お黙りっ!(オカマ魔女感)
「……」セシリアが自分の状態を見て、オレの顔を見て、段々顔を赤くしたと思ったら
「…………きゅう……」
あれ、気絶した。
「イケメン+恩人+年上スキー+お姫様抱っこシチュ+鍛錬での脳バク=ノックアウトだね」
「幸せそうだからヨシ!」
「いや鼻血まで垂れてますよね!? 保健室連れていきますよ!」
本音と簪の分析に根本的訂正いれる山田先生。
常識人ポジのまま、頑張ってクレメンス……。
――*――*――*――
Side アクア
「想定以上ね」
相対してる水色の髪の3年生……たしか生徒会長の更識楯無さん……がそう告げた。
織斑先生から放課後に第2アリーナ行くよう言われて向かったら、そこにいたのが彼女。
彼女曰く直久さんが交渉して『数日基礎能力や癖とかを確認、オレが希望したら、別途木曜日までの追加訓練のメニューを用意する』という契約を締結したらしい。
最初はその実力に疑問を持っていたのだが……
「マトモに一太刀も当てられてないのに……どれだけ低いハードルだったんです??」
こっちの機体に制限が付いてるとはいえ、ほぼ互角の性能相手にいいようにあしらわれ、一太刀も入れられぬままフィールドの砂地に仰向けに倒れ伏しているオレがその実力。
「いや、フィッティングして軽く動かした程度と聞いてたから……。様子見とはいえ、一応生徒で最強ってことになってる生徒会長に食らいつけてる時点で『基礎ができてる』と言っていいわ。というかその経験量で一太刀入れられたら学園最強の称号に傷つくし」
オレの言葉に慌てて訂正する楯無さん。
「機体性能がいいだけですよ」
「リミッターが幾重にもつけられてて実質第三世代機の平均少し下くらいの性能よ? 使用時間的にもある程度使える才能がなければここまでできてないわ」
前世合わせるとアラフィフな自分としては、年下に褒められるとやはりむず痒い……。
「とりあえず、練度確認はこの辺ね。次は武装1つずつをみてみましょうか」
「……実は、武装自体はそこそこ数あって、拡張パスに何いれるか選ぶタイプなんで……」
「適性確認するところからやりましょうか。近距離、中距離、遠距離とか、回避寄りか防御よりかとか、そのあたり分からないとキツイわね。変幻自在ってのは、それぞれを使いこなせてこそだし」
「お手数ですが、お願いします」
「でもこれやってる間、生徒会の書類仕事に忙殺されずに済むから、なるべくやってたいのが本音だったり……」
「それは問題の後回しでは???」
「火の玉ストレートは誰も救わないからやめましょう??」
うーん、(生徒会の長としては)不安になってきたな……。
――*――*――*――
Side のか夫 *1
今日奇妙な夢を見た。*2
ネットミームで爆破される巨大な機械がテレパシーのようなモノで僕に語りかけてくる夢だ*3。
そして願いを聞かれたから『自分にとって目障りなゴミを葬る力が欲しい』と伝えたら、僕だけが使える既存機より高性能なISの専用機と、追加で僕の専用機の配下権限のあるISコアを10個を一先ず送るので、それを有効活用してほしいと言われて目を覚ました。
「……夢……でいいのか?」
そう思いあたりを見回すと――
僕の部屋の机の上に指輪型の待機形態になってるISと、ISコア10個が入ったトランクが置いてあった。*4
「……色々試してみる必要があるな。あとは……」
あの夢に出てきた機械――ギャラクティックノヴァの力を全部手に入れて高みに至る方法も考えないと……かな。*5
ゲルマニアグループの試作機+αとその初期パイロットと現在地
試作1号機 パイロット:織斑千冬 ゲルマニアグループ本社に置いてある。 ACみたいにアセンブリできる。
試作2号機 パイロット:更識簪 ゲルマニアグループ本社にある。 初号機や3号機より若干組み替え性が下がってるが、多重ロックオン機能など初号機より対多に強い性能をしている。現在正式3号機として改修中。
試作3号機 パイロット:布仏本音 簪が試作2号機の代機として使用中。正式製造3号機が簪に渡されたあと、正式4号機として改修を予定中。
正式製造1号機 パイロット:直久 作ったはいいが、なかなか取りに来ないからラインハルトが結束バンドのライブ見るついでに持ってきて先日正式に受領された。
正式製造2号機 パイロット:アクア アクアの右手の薬指に指輪としてはまってる。