とある世界線のインフィニット・ストラトス   作:月神サチ

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第6話 重婚騒動の裏で……。

Side 星野アイ

 

「ということで、婚約発表したいんだけど……」

 

「「閑散期で次オファーとかもほとんど来てない絶妙なタイミングにぶっこんできた!?」」

 

佐藤社長とミヤコさんが私の言葉に白目剥いてる。

 

……一応苺プロで西澤ピーチグループやゲルマニアグループからCM起用とか2大企業の出資するテレビドラマイベント諸々に出演させてもらってるから稼いでる額は上から数えたほうが早いけど……ここまで驚くことかな……?

 

「社長〜ロビーにお客さん来てるよー」

 

あ、ぴえヨンだ。

 

「今それどころじゃ「えっ、ゲルマニアグループ総帥待たせるほどの案件って西澤ピーチグループの総帥でもいるの?」それ先に……いや、無茶すまない! とりあえずミヤコ、発表とかしないようにアイ見といてくれ!オレはあの人の対応してくるから!」

 

佐倉社長取り乱しても直ぐ立て直してる……。

 

「……ところで社長さんたちそんなに取り乱してどうしたの?」

 

「あー……その……」

 

ミヤコさんが言い淀んでる……。

 

「あ、無理に言わなくても「私3年以内に冥月院の直久と結婚することになったから、婚約発表いつにしようって話してた」ファッ!?」

 

宥めるような様子のぴえヨンが私の言葉に悲鳴じみた声上げた。

 

「冥月院……直久……さんって、あの、男性操縦者の?「そう」……経緯わからないけど、とりあえず社長さん戻ってきたら話そうね。――少なくともそれまでにうごいたら、ミヤコさん心労で倒れるから、ね?」

 

「わ、わかったよ」

 

すごい圧かけてきたので思わず頷く。

 

と思ったら直ぐに佐藤社長が戻ってきた。

 

――自分が子どもと錯覚しそうな長身の男の人と共に。

 

「直久の義父のラインハルトだ。東京にプライベートの用事ついでに仕事と私用を済ませるために立ち寄らせてもらった。――卿が直久の嫁となりたいB小町のアイかね?」

 

「はいっ! 直久は孤児院時代に一緒で、生命の恩人で、私が異性として好きになった初めての人です」

 

その言葉に目を細めるラインハルトさん。

 

「――縁が薄いな。そしてアレをただでくれてやるのは癪だな。かぐや姫の難問ほどではないが、結婚の条件として課題をこなしてもらおうか。無論達成したなら苺プロへ年間500万ユーロほど、私個人からスポンサー支援しよう。あとはゲルマニアグループから今より依頼を回すのと……希望するなら若返りと不老長寿の法でも教えようか」

 

「「「!?」」」

 

「……課題って何ですか?」

 

試すように見ていたラインハルトさんが口を開く。

 

「1つ目、かつてB小町というアイドルグループが居たそうだが、それを新しい世代で再興したまえ。自分に届きうる綺羅星を集めるのは存外難しいだろうがな」

 

……ルビーが解散したB小町に入りたいって昔から言ってたし……1人は確保できたかな?

 

「2つ目、卿の息子であるアクアに3人以上婚約者、結婚相手ができること。無論仮面や金で偽装は認めん。私に嘘は通じんからな」

 

……この人の逸話に嘘を必ず看破するってのがあるから、アクアと相手がお互いに認めてないとダメ……難しいな……。

 

「最後に――来月以降、この住所のライブハウスにいる結束バンドというバンドのボーカルに発声の基礎を叩き込むことだ」

 

「……???」

 

私を含め最後の課題に首を傾げる。

 

ラインハルトさんはいたって真面目な顔してるから余計に困惑が隠せない。

 

「少なくとも今年中に結婚したいなら、早めに頑張ることだな。――それはそれとして斎藤社長、いくつか日本でのCMに卿のところのタレントを使いたいので話を詰めさせてほしい」

 

「え?あ、はいっ! ではこちらに!」

 

佐藤社長とラインハルトさんがいなくなった……。

 

「……ボクこの件は知らないことにしとくから、頑張って「ぴえヨンって人気あるし、リアルイベントそろそろやるのいいかなって」アイドル探しとアクア君の嫁探しにボク使おうとしてる???」

 

「ぴえヨンごめんなさい。この爆弾抱えたじゃじゃ馬娘を早く嫁に出して平穏な暮らしが欲しいのよ「ちょっとミヤコさん、ソッチの事情にボク巻き込まないで???」」

 

なんかミヤコさんもこっち側についてくれた。

 

「そういえばぴえヨンが愛用してるプロテイン、ゲルマニアグループの商品だよね? 味変とかそのあたり、ラインハルトさんにお願いしたら色々出してくれるかもね。まあよほどのことがないと、こっちからの直談判は切り捨てられるで有名だから……わかるよね、ぴえヨン」

 

「ボクが権力に弱いのわかってて寄ってたかって……!」

 

「おはようございます〜って何この状況……?」

 

ラインハルトさんたちが出てったのと別のドア開いてルビーが姿を見てた。

 

「ルビー、世界経済の2割強を掌握してるおじいちゃん欲しくない?「えっ、どういうこと???」」

 

「ルビー、アクアの居ない今、ぴえヨンを説得すれば新世代のB小町としてアイドルデビューできるチャンスがあるわよ……手伝ってちょうだい……!「話が読めない!!!!」」

 

私とミヤコさんの説得は失敗した……。

 

「ルビーちゃん。ボクを巻き込むとアイさんの結婚がかなり現実的にな「アイドルが結婚とか認められないし!」ヨシ、勝ったね!」

 

ルビーがうらぎった!

 

アイドルになりたい夢も遠ざかるのに!

 

「ルビー?私もうアイドル引退してマルチタレントしてるんだけど……「ママは永遠のアイドルだし」ダメだ狂気的思考ロックされてる……」

 

育て方間違えたかな……と思いたくなるこの一面に頭が痛くなるけどまあ仕方ない……かな……?

 

 

 

 

 

 

――*――*――*――

 

Side ???

 

太平洋某所にて

 

「オズボーン、あの人の形をした兵器はどこから手に入れたんだ?」

 

コロシアムのような場所の観客席にあたる場所にて、眼帯つけた隻眼の老人が白い髪と髭を短く刈り揃えた男に問いかける。

 

「とある場所で見つけた、とだけ言っておく」

 

男はそういうと特徴的な音の組み合わせで指笛を吹く。

 

するとコロシアムのフィールドを血に染めていた「ソレ」は男のほうへ跳躍し、軽やかに着地する。

 

返り血に塗れたソレだが、血をほとんどまき散らさずに着地すると老人がほう、と溢したりする。

 

「次の命令ですか?」

 

凛とした声が響き、男は頷いた。

 

「ああ、部屋に戻り身体を清め、衣服を着替え、食事を取りながら待機しているように」

 

「承知しました」

 

そういうと去っていくソレに老人が息を吐いた。

 

「見た目だけならかなり良いが……プロの暗殺者や歴戦の兵、格闘技のプロとかを1人で皆殺しにするあたり、化け物としか言えないな……」

 

「アレは生まれついての道具なのだろうな。命令されるか意図的に攻撃せねば自発的にあの力を振るわぬからな」

 

あごひげを撫でつつ男が零す。

 

「……どこで手に入れたかは聞かんというか聞きたくないが、量産とかされてないだろうな……?」

 

「おそらくな。……少なくとも我々が生きてるうちに次が作られることはないだろう。……下位互換を作りそうな別組織はあるが、アレはアレでかつての織斑計画(プロジェクト・モザイカ)のように自滅するだろうから捨て置いている」

 

男の言葉に困惑した顔の老人。暫くしてからため息を吐く。

 

「そこはかとなく不穏だがまあいいか。とりあえず午後から亡国企業のおえらいさんがオレたちテロリストに御用らしいから、さっさと飯を済ませようぜ」

 

「……ああ、そうするとしよう」

 

 

 

――*――*――*――

 

Side ???

 

「クーックックック。オレたちが侵略命令下された時よりペコポンは情勢不安だなぁ。まあ西澤ピーチグループやゲルマニアグループってのが抑止力になってるから問題ないか。……いや、これだけ企業が力つけてるのに、よく国家解体戦争とか起きてないよな」

 

黄色い身体のケロン人はカレーを食いながらクックックと笑う。

 

「ついでに黒い蠍とかいうテロリストや、亡国企業とかいうのも下調べしておくとするかね」

 

 

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