2Pカラーの短編置き場   作:2Pカラー

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 なんとなくのヒカルの碁ネタ。囲碁に関しては素人以下なもんであまり突っ込まないでいただけるとありがたいです


ヒカ碁ネタ

 

 死んだ←まぁ分かる。人間誰でも一度は死ぬもんだ。実際自分が死んだことを死んだ人間が自覚できんのかって疑問は残るが。

 死んだと思ったら生まれ変わってた←微妙に分からん。そりゃ死んだ後どうなるかなんて生きてるうちには分からないんだから、もしかしたらそういうこともあんのかも知れんが。まぁ小説なんかの出だしみたいな感じでならアリなんじゃねえかなとは思う。

 死んで生まれ変わってまた死んだらさらに生まれ変わってた←もう分からん。輪廻転生的にはあってるのかもしれんけど、さすがにくどい。ってか輪廻なら記憶とか残らんしね。ってか実際あったら中身百歳越えの乳幼児とか出てくるじゃん? キモくね?

 

 で、だ。なんでいきなりこんな話をしてんのかと言うと、他でもない俺が死んで生まれ変わってさらに死んで生まれ変わった奴だからだ。そう、キモいやつだからだ。

 しかも時間的にちょっとおかしい。死んで生まれ変わったってんなら死んだ時より後の時代に生まれそうなもんだってのに、何故か過去。

 ビルとか建てんのブームになってんの?って感じの時代(確か平成。微妙に記憶に自信ないんだけど)→髷してねえとかダッセーって笑われる時代(今でいう江戸時代。生まれたのが文政だったかな)→またビルがにょきにょきしてる時代(かなり平成だよこれ)

 つまり一度過去に戻ってからまた現代へって感じか? また死んだら江戸時代に戻されんのか? もういい加減あの世なりなんなりに送ってほしいんだけども。

 まぁ生まれちまったもんは仕方あるめえ。今度は俺としてきっちり生きて、んでもっぺん死ぬべってなもんで受け入れてはいるんだがね。

 

 うん。微妙に引っ掛かりを覚える言葉だったかもしれんね。俺として生きるって辺り。

 というのもだ。前回、江戸時代での人生だったんだが、俺として生きてたわけじゃあなかったんだよね。

 なんだか平安のころに死んだかいう幽霊に憑りつかれちまってさ、碁が打てないとか死んでも死にきれませぬぅみたいなこと言うもんだから、俺の代わりに打たせてやってたんよ。

 俺も碁はよくやってたんだけども、それは多分手慰みみたいなもんだったんだろうね。あんま執着なかったし。というのも江戸時代とか娯楽とかないんよ。いや無いわけじゃないんだけど、現代人の楽しめる娯楽が少ないってのかね。テレビとかラジオとか無いし……なんか歌詞になりそうで怖いから後は想像してくれ。

 だもんで数少ない俺の楽しめた娯楽である囲碁は結構やってたんだけど、そしたら碁盤に憑いてた幽霊にこっち来られちゃって。佐為って奴なんだけれども。

 碁は好きだったけど別に情熱に燃えてたわけでもなかったしね。俺が佐為の思うままに打たせてやることで一人の幽霊が成仏してくれるってんなら、まぁ協力してやってもいいかなぁなんて思った次第でさ。

 前世、今から見ると前々世か、それの記憶があったってのもデカかったのかもね。一度は人生やりきったんだから、別に今回は俺としてじゃなくってもいいかなぁみたいな? 他人(人じゃなく幽霊だけど)に今回の人生はくれてやっちまってもいいかぁみたいな? 誰かのために生きてみんのも二度目の人生の使い方としては十分上等かなぁみたいな?

 まぁそんなわけで佐為のやりたいようにやらせてやったんよ。結果を見ればやり過ぎさせちゃったわけなんだけどさ。

 最初はヘボな俺と佐為とで打ってたんだけど、齢九つだか十だかのころに丈和ってオッサンに弟子入りすることんなって、初段二段とトントン拍子に。あれは佐為の力で出世してるみたいで気まずかったなぁ。まぁ佐為も満足してたしwin-winな関係だったんだけど。

 したらまぁ十四代目の本因坊跡目になってたり、オッサンの娘と祝言挙げてたり、御城碁に出仕することになったり。碁打ちとしての出世ロード? 邁進してるみたいになってたっけなぁ。

 俺はといえば夜中に佐為とちょろっと打ったり、昼間に誰かと佐為とが打った局をあーでもないこーでもないと言い合ったりするくらいしかしなかったんだけどね。

 でもまぁそんな二度目の人生も終わりの時ってのは当然来るもんで、虎狼狸にやられちまったんだわ。虎狼痢だっけ? コレラ? まぁなんかの流行り病だわな。病でぶっ倒れた連中の看病してたらうつされちゃったって感じで。言ってみりゃ自業自得みたいなもんだ。

 佐為やら秀和やらにゃあ止めとけって言われてたんだけど、二度目の人生は誰かにくれてやるつもりだったし、後悔はしてないんよ。佐為はウザいくらいに泣いとったし、ちょっと悪いことしたかなぁくらいは思ってるけど。

 

 で、まぁ三度目に至る、っと。

 

 あ、また一から生きる羽目になったんかって理解した後は思ったね。今回はどうすんべ、って。

 俺として生きてもういっぺん死ぬ。そのことは、まぁすぐに決まったんだけど、どう生きるかってのが中々。

 一度目はなるようになる感じで生きてた気がする。流れるままにっていうのかね? 周りと同じように小中高大と進学して、就職できたとこに適当に就職して。気の合う女と連れ合いになって、平凡な家庭を築いて。特別デカい成功もなければ特別ヒドイ失敗もないっつーかね。それなりに幸せだったんじゃねえかなとは思う。二度目の人生を誰かにくれてやる気になる程度には満足できた人生だったわけだし。

 二度目はウダウダ述べたように誰かのため、ぶっちゃけほとんど佐為のために使ったような人生だわな。悔いも未練も別に無えし、佐為に含む所があるわけでも無いんだけども。

 で、三度目はどうすっかなぁになるわけだ。

 一度目の様になるようになる感じで生きるってのもどうかと思う。嫌だとは言わんしつまらんとも思わんが、一度経験してることと似たような感じの人生をなぞるってのも、なんだかなぁって感じだろ?

 二度目の様に誰かのためにってのも、なぁ。佐為みてえなのが他にも居るってんなら話は別だが、そうでないなら何すりゃいいか分からんし。ボランティアに人生捧げる? なぁんか違うわなぁ。大体食い扶持稼げんのかいって疑問も出るし。

 まぁ人生の過ごし方なんてハナから決めるようなもんでもないかと、そのうち何かしら思いつくんじゃねえかと、そう思い直して適当に過ごすことにしたんだけどな。

 四つだか五つだかんときにテレビでな、碁の中継がやってたのを見てな。どんな偶然か本因坊戦、ってなわけじゃなく、局の名前を冠した棋戦だったんだけど。

 あー懐かしーみたいな感じでぼんやり見てたんだけど、そのうちアレ、コレ俺でもそこそこやれんじゃね? 佐為としか打ってなかったせいで自分が強いなんて思いは持ってなかったけど、テレビに映ってる三段四段くらいなら普通に勝てちゃうんじゃね? みたいなことを思ってな?

 そしたらまぁ、佐為じゃない俺としての碁を打ちたい衝動ってのかね。むくむくむっくりってなもんよ。あー碁打ちてえなぁって。

 とはいえいきなりプロ相手に一局打ってくれなんて言えるわけもない。なんせこちとら碁石の持ち方もおぼつかなくなってやがるんだ。まずは錆落としってなつもりでジイさん相手にちょこちょこ打つようになったんだわ。

 そしたらよ、まぁ想像はつくかもしれんが小学生になるかならないかのガキがあっという間に何年も碁を、まぁ遊びでだが、打ってたジイさんを上回る腕を手に入れたってんだから、ジジ馬鹿てのか? 未来の名人じゃーみたいな感じでチヤホヤされて。実際は過去の本因坊のガワでしかねえんだけどな。碁盤だの棋譜集だの買い与えられるようになってな。

 碁石の持ち方にも大分慣れた。コミのことも知った。現代の定石もそこそこ理解した。ジイさんやその碁仲間も倒した。となりゃあ物足りなくなってくるわな。まぁ碁を打ってるだけでも楽しいんだけどよ、やっぱ歯応えのある相手が欲しいっていうのか? ずっと佐為相手に打ってたからか、格上の相手との対局が懐かしくなってきたんだわ。

 まぁまずはプロのことを調べるわな。なんせ一流の碁打ちが集まってるんだから。でもいきなりプロの世界に飛び込むってのもなんだかなぁって思ってな。あ、そう簡単に飛び込めんのかよってのは今は無しな? 問題は飛び込んだ後のことだし。

 生活が碁一色になるってのは別に嫌じゃあない。二度目の人生もそんな感じだったが苦痛じゃなかったし、佐為ほどじゃあないにしても俺も碁が好きなんだろうしな。歯ぁ食いしばって碁打ちやってくのも悪かぁないと思ってる。

 でも折角ガキでいられる時間だ。野球もサッカーもテレビゲームもやりてえわな。必死でプロ目指してる奴らからしてみりゃ業腹かもしれんけどよ、三十余年碁を打ってきた経験値持って強くてニューゲームやらかしてる反則野郎が、スポーツだのゲームだのやりてえことやった後でプロ目指すなんてほざきやがったらよ。

 でもまぁやりてえようにやらしてもらおう、ならすぐプロ目指して弟子入りなり院生入りなりは止めとくかって考えたんよ。

 でも強い奴とは打ちたい。御城碁で幻庵やら算知相手にやり合ってた佐為みてえな碁を俺も打ちたいってな気分はなくならなかったんだわな。

 なんとかプロ相手にアマチュアでも打てる機会がねえもんかなって。碁のイベント? それじゃあ指導碁されちまうだろ。互先でお願いしますっつってもこっちはガキだ。適当に指導碁のつもりで打たれて、実力の分かるころにはハイ並んでる方と交代ねってなもんよ。俺の打ちたい碁じゃあなくなるわな。

 だから最低でも二局以上、理想は何度も同じプロと顔を合わせられる機会が欲しかった。そうすりゃ最初の一局はナメてかかられても、次の局からは本腰入れて貰えんだろ? 本腰入れるまでもねえと判断されても、きっちり俺の棋力を把握したうえで、まだプロとは地力の差があると指導碁打たれるってんなら納得も出来るしな。

 で、そんな時に見つけたのがタイトルも複数持ってる塔矢行洋経営の碁会所ってわけだ。聞けば塔矢門下のプロも結構顔を出すって言うじゃねえか。そりゃ行くわな。

 本命はもちろん塔矢行洋だよ。まぁ棋譜見た限りじゃ俺にゃあ勝てそうにもない相手だったけども、名人と打てるってんなら打ちたいわな。あとは次点って言っちゃあ失礼だが緒方精次とかか? 塔矢門下じゃ頭一つ飛び抜けてるしな。

 まぁいきなりプロとは打てなくても、プロ相手に指導されてる碁会所の常連ならウチのジイさんらよりは強いんだろうし、物は試しと行ってみたんだわ。少ねえ小遣い握りしめてよ。そん時は小三だったかな? 一人で電車に乗ってよ。健気なもんだわな。

 でもまぁ健気だからって運は味方してくれなかったみてえでな。塔矢行洋も緒方精次もいなかったんだわ。受付の姉ちゃんは、ここならプロと打てると聞いたっつったら申し訳なさそうな顔してたっけなぁ。今は居ないのゴメンねって缶ジュースおごってくれたわ。席料は負けちゃあくれんかったけど。あのしっかり具合は花を、ああ秀策だったころの連れ合いが花ってんだが、思い出したっけな。

 っと、話がそれた。まぁそんな訳でお目当てのプロはいなかったんだが、折角電車乗ってまで来たんだ、誰かと打ってから帰るかって対局相手を探してたんだが、そん時に同い年くらいの奴が居てな。塔矢行洋の息子、アキラだ。まぁそん時は塔矢行洋の英才教育受けた息子だなんて、ちっとも気づかんかったが。

 一人で棋譜並べしてたもんだから棋力は分からんかったしな。ただまぁ石の持ち方は綺麗だったし、淀みなく石を並べていくもんだからそれなりに打てはするんだろって思って誘っちまったんだわ。一局打たねえかって。

 まぁ周りから囃し立てられたね。おいおいボウズ、そりゃ無茶ってもんよ、ってな感じで。まぁ今となっちゃ納得できるんだけどな。塔矢行洋の息子と棋力も分からねえガキが打ってもきちんとした碁になるとは思えねえってオッサンどもの考えも。

 でもそん時はよ、ああコイツはジイさんたちにとっての俺みたいなもんなんかなぁってな風に思ったんだわ。いろいろ教わって可愛がられているっていうの? 天才じゃー将来の名人じゃーみたいに扱われてんのかねって。

 まぁ囃し立てられてるアキラの方はそんな扱いにも慣れてんのか、どこ吹く風って感じで「いいよ、棋力はどれくらい?」って聞いてきた。

 さすがにプロの三段四段くらいにゃ勝てそうだなんて言えんわな。もし俺がそんなセリフを同年代のガキに言われたら吹き出してる自信があるし。

 だもんで「それなりにゃあ打てるはずだ。知り合いで碁の打てるジイさん相手にゃ負けなしだし」っつったわけだ。思い返すとかなり謙虚だったな俺。

 でもまぁ棋力を判断するのは無理だわな。ジイさんに勝てるって言われても、アキラにゃそのジイさんがどんくらいの棋力なんか分かんねえわけだし。困った風な顔してたわ。

 だからよ、とりあえず一局打ってからそっちで判断してくれって言おうと思ってたんだ。二局打とうぜって。で、二局目は好きに置石していいぜって。

 だがあの野郎、「それじゃあ三子くらいかな」なんて言いながら黒を渡してきやがった。俺も大概上から目線だったが、アキラも大概だったぜ。

 カッチーンきたね。中身は一度目二度目合わせりゃ一世紀は生きてるってのに大人げねえとは思うけど、カッチーンきちまったもんは仕方ねえ。こちとらガワでしかなかったとはいえ本因坊秀策じゃ、軽くヒネったるわ、世界の広さをこの機に覚えぇと思って。

 んで「いらんわ。黒くれるってんなら貰っとくけど、コミも有りでいいっての」って。実際三子置いてプチッと倒してから「あれ? 自信満々で三子置かせてたのにコレ? ププー」とどっちがいいか微妙に迷ったけどな。

 外野の囃し立てはデカくなったけどな。若先生相手に互先とは泣いても知らねえぞ、だの。近所で負けなしだからって自信過剰になっちゃダメだってことを教えて貰え、だの。完全アウェーだったわ。

 まぁやる気は上がったけどな。お前らのお気に入りのお坊ちゃん潰して黙らせたるわボケみたいな感じで。……思い返すとマジで大人げないな俺。ちょっとヘコむわ。

 で、アキラとの一局だ。ちょっとは予想してたんだが、いやさすがにこの年齢の子供ならないだろうとも思ってはいたんだが、あの野郎、指導碁のつもりで打ってきやがった。

 うん。プチった。容赦なくプチっと潰した。大人げなさ、ここに極まれりって感じで中押し勝ち。アキラはしばらく呆然としてたわ。対局止めてこっち見に来てたギャラリーもな。

 で、そっからの俺がまた大人げない。呆然と碁盤を見てるアキラを余所に碁石片付けて、んで俺の黒とアキラの白を交換。言ってやりました。「それじゃあ三子くらいかな」って。

 あれは楽しかったなぁ。ニヤニヤすんのを止められなかったわ。ギャラリーはビキビキすんのを止められてなかったけど。

 んでアキラ君は俺と違って素直だったんだよなぁ。普通に三子置いてはじめやがった。

 うん。プチられた。容赦なくプチっと潰されたわ。もうね、ギャラリー大爆笑。たぶん俺の耳とか真っ赤になってたと思うわ。俺版の耳赤の一局だったわ。いや、マジのアイツ強すぎ。アレに三子で勝つとかそうそう出来んわ。

 でまぁ、二局目が終わった後でアキラの方から「ゴメンね」と。「それだけ強かったらいきなり三子置いていいよなんて言われたら怒るよね」と。

 恥じたねー。めっちゃ恥じた。なんか素直さが眩しくて見れない感じだったわ。

 でもまぁ俺の方も謝ってだな、なんかムキになって悪かったみたいな感じで。

 で、互先で三局目。アキラもハナから全力だったんだが、まぁさすがに勝ってな。で、軽く検討してその日はお開き。また来るから次も打とうぜっつって別れたわけだ。

 んで、俺の週末の碁会所通いが始まった、と。

 まあ大抵はアキラと打つんだが、たまにアキラから聞いたのか緒方が待ち構えるようになってたり、塔矢行洋と出くわしたときは打たせて貰ったりな。アキラと打つ時は相変わらずアウェーだけど緒方相手にするときは応援されるようにもなってな。北島のジジイだけは絶対こっちの味方にならないんだけど。

 そういや研究会とかにも誘われたっけな。塔矢行洋に。師匠は誰かって聞かれた時に基礎的な所はジイさんから、後は秀策の棋譜から学んだって言ったせいかもしれん。さすがに実は秀策の中身から手解き受けた秀策のガワなんですとは言えんし。しかしまぁ事実を知らない他人から見ればほとんど我流で塔矢行洋の息子を超えるほどまで成長したってことだからな。才能があるとみられたか、伸び代たっぷりととられたか。きちんとした指導を受けさせてやりたいとでも思われたんかね。

 でもまぁ今は伸び伸び打ちたいように打つのが楽しいんでみたいなこと言って断ったんだわ。ちょっと勿体なかったかもしれんけど仕方ない。なんせ研究会は夜遅くまでやるらしいし、となりゃウチの親にも話さないわけにはいかん。碁打ちって職業のことも良く知らん両親に、プロの碁打ちが何人も参加する勉強会に小学生のくせに参加してきますっつったところで理解されるとも思えんし。むしろ月謝を払わされるんじゃないか、なんか騙されてるんじゃないかと疑われるような気がしてな。下手すりゃ碁会所なんて行くんじゃないと言われてたかもな。

 まぁ今の所そんな碁会所禁止令みたいなことにはならず、俺は相変わらずちょこちょこ顔を出してるわけだ。

 で、そんな習慣がもう二、三年にもなって、大体の週末、アキラは誰とも打たずに俺を待つようになってたんだ。周りもそれを分かっててな。棋譜並べして時間潰してるアキラを対局に誘ったりはしなくなった。

 なのに今日碁会所に顔出してみたら、珍しくアキラが既に誰かと対局してるじゃねえか。見れば相手も俺らと同年代くらい。

 ホント珍しいことは重なるもんだと碁盤を覗いてみれば、さらに珍しいことにアキラが劣勢。最近じゃ三十年弱佐為の指導を受けてきた俺でもヒヤリとするような手を打ってくるようになったあのアキラが、だ。

 まじまじと碁を見れば指導碁になってるじゃねえかと。何モンだこのメッシュと思ったわ。

 同時に棋風がなんか懐かしく思えて来てな。アレ、コレって? ってなもんだ。

 終局してメッシュはあー疲れたみたいな雰囲気でさっさと帰ろうとしやがる。

 思わず肩掴んじまったわ。「今の碁は、佐為か?」って。

 

「んで、ハンバーガーくらいなら奢るから話しようぜっつって今に至る」

 

「長ぇよ! ってか佐為がうるせえよ! 二度目だったなんて聞いてなかったとか、虎次郎ばっかりズルいとか、私も生まれ変わって碁石を持ちたいとか! うるっせえんだよ!」

 

 いや、知らんがな。

 

 




 虎次郎スタートの二度目の人生モノにしようかと思ったけど、それでやると主人公が聖人過ぎる感じになっちゃったんで急遽虎次郎のさらに前世を生やす羽目に
 まあ作品の中身は予定通り(?)佐為アンインストール版虎次郎なんですがね。誰かのやってそうなネタではあるんですが、まぁ書きたかったもので
 棋力的には本作の時点でも緒方以上行洋未満な虎次郎。佐為に憑かれる程度の才能があり、ずっと佐為の碁を検討付きで見てきたんなら、まぁそれくらいにはなっててもいいかなぁと
「虎次郎時代には勝った記憶が無い」と言っちまうほど負けまくりだった虎次郎、まぁ相手が佐為オンリーだったせいでなんですが、そのせいであまり自分のことを強いと思ってなかったり。でも実際はめちゃつよ。正しく強くてニューゲーム。高永夏とかもプチれるレベル。いやさすがにプチッとは無理かな?
 森下先生がプロは対局で化けるって言ってたけど、虎次郎も化ける。着物着るとなんか御城碁とか思い出して気合にブーストっぽいのがかかる。サイヤ人からスーパーサイヤ人になるレベルで化ける。高永夏もきっとプチれる。頭も剃れば本因坊だったころを思い出してさらにブースト、スーパーサイヤ人2、なんか覚悟と誓約みたいなノリで強くなる。でも佐為はスーパーサイヤ人3だった。みたいな。剃り損やね。剃らん方がええね
 素質的にはヒカルはもちろんアキラにも勝てない。しょうがないよね、あの子たち神の一手極めちゃいそうだし。でも悲壮感とか劣等感とかはない。「神の一手? 佐為辺りが極めんじゃね?」みたいな感じで最初から自分が極められるなんて思ってない。ジャンプの主人公にはなれないタイプ。まぁ中身百歳越えのジジイだし熱血とかもう無理なんだろうね
 そのうちsai vs. Tiger-jirouとかやらかす。ネット碁で。このタイガーってお前だろって緒方辺りに絡まれる。アキラにも絡まれる。そういや「佐為か」ってアキラの前で言ってたわ。そのこともツッコまれる。なんかたぶんそんなかんじ

 おわっとくか

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