ちょっとばかし未来の話なんで、いろいろ設定とか捏造してます。すいません
戦国ランスのネタバレを大量に含みます。ランクエやヘルマン編に関してもちょっとばかし触れてます。ご注意ください
LP0020年
統一と分裂を繰り返していた戦乱の国JAPAN。第四次戦国時代の終結より十余年、現在のJAPANを統一し盟主の座に就いた織田家には一人の若き侍が居た。
民草は言う。織田家家中に三法師あり、と。
刀法。
名高き妖怪王・独眼竜政宗より織田流刀法を学び、織田の宿将・柴田勝家や軍神・上杉謙信ら豪傑との鍛錬によって磨き抜かれたその技は正しく絶技。腰に佩いた大業物をひとたび抜けば、あらゆるものは斬って捨てられるだけの有象無象へと成り果てる。
軍法。
北条家当主にして陰陽道宗主・北条早雲や軍神の右腕・直江愛、最後の風林火山・真田透琳らの薫陶を余すことなく吸収した頭脳は、若くしてJAPANにおいて最高峰の智慧を宿した。その深謀遠慮はどれほどの未来を見通すのか。
弓法。
母・山本五十六より弓術を学び、その弓の腕は既にJAPANに並ぶ者なし。見る者に感嘆の声を上げさせるその技の冴えは、三代目帝・織田香をしてJAPANの宝と称えられるほど。種子島の砲火ですら、彼の弓の前では児戯にも等しい。
刀法、軍法、そして弓法。三法修めし三法師。織田家家中は山本家が跡取り、山本乱義に渾名されし名であった。
そんなJAPAN中に勇名を轟かせる乱義は、しかし現在、織田家の重臣たちの悩みの種となっていた。
「むぅ。困ったことになりましたな」
眉根を寄せて声を発したのは織田家の家老・3Gである。いつも口喧しい三面の妖怪も今は口が重い様子。
「申し訳ありません。母として出来る限りのことをしてきたつもりではありましたが、まさかこのようなことになろうとは」
心底申し訳なさそうにしているのは山本五十六。かつては女武将として毅然と部隊を率いていた女傑も、どこか表情を陰らせていた。
「いえ、五十六殿を責めるわけにはいきますまい。むしろ乱義殿の教育を任されていた我らの方こそ詫びる必要があるかと」
今にも頭を下げようとしていた五十六を止めたのは、天志教の大僧正にして織田家の相談役となっていた性眼である。天志教の秘奥によって八十を越えてなお若々しいその顔は、しかし苦渋に満ちていた。
「「「まさか乱義(殿)が引き籠ることになろうとは」」」
余人介さぬ一室にて、深い深いため息を三人は吐いたのだった。
きっかけは慶事であった。
JAPAN三代目帝にして織田家当主・織田香の懐妊。武家の女としては遅くはなったが、しかしまぎれもない慶事であった。
JAPANの棟梁となりながら長く婿を取ることもせず独身で居続けた香姫であったため、跡継ぎとなる子の懐妊はJAPAN中で喜ばれ、早くも友好国であるリーザスやゼスから祝いの文が送られてきた。時を待たず祝いの品々も届けられることとなるだろう。
しかし問題が無かったわけではない。一点、いや二点ほど。
一つは香姫が懐妊したにもかかわらず、夫であるはずの男の不在である。
本来ならば醜聞になりかねないほどの問題のはずが、しかしそうはならなかった。
JAPANの民草にとって帝とは絶対のものである。たとえその存在すら知らない俗世を離れて久しい修験者であったとしても、その姿を見ればたちどころに平身低頭してしまうほどの威光。無条件にその全てを肯定してしまう神聖さを宿すのだ。そんな帝でもある香姫が、誰とも知れぬ男の子を身ごもったからと言って、非難の声など出ようはずもなかった。
JAPANの上流階級、すなわち武家の者も例外ではなかったが、しかし武家の者たちにとっては別の感想が出てくる。『またやりやがったのか、あの野郎』である。
前例はあるのだ。他でもない山本五十六を筆頭に毛利家長姉・毛利てる、徳川の戦姫・徳川千もそうだったのだ。
そもそも天満橋の向こう側ではもっとすごいことになっている。リーザス女王・リア・パラパラ・リーザスにゼス女王・マジック・ザ・ガンジー、カラーの先代女王・パステル・カラー、ヘルマンのシーラ・ヘルマンに至るまで。国家元首となる女性には相手を明かしてはならないという決まりでもあるのかと疑ってしまうレベルである。もっとも子を成した相手を夫として迎えてしまえば、周囲のすべての国からフルボッコを喰らいかねないのだが。魔人にも手を出してるとかいう噂まであるのだ。
とまあそんなわけで香姫の懐妊は慶事として扱われた。問題などどこにもなかったと言わんばかりである。
しかし現在織田家の重臣たちの頭を悩ませているのはもう一方の問題である。
それが織田家が誇る三法師・山本乱義の引きこもり化であった。
「乱義が香様に強い感情を持っているのは分かっておりましたが、それはどちらかというと主君への忠義といいますか、帝への敬愛、あるいは、これは身の程をわきまえていないかもしれませんが、そう、姉に対する親愛のようなものかと思っておりましたもので」
そう、乱義の引きこもりの原因は香姫の懐妊にあった。ぶっちゃけてしまえば失恋していじけているようなもんである。
「いやいや、身の程などと寂しいことを言ってくださいますな、五十六殿。香様も乱義殿を弟のように思うておるはずじゃ」
「ですがそれだけに難しい問題ですな。香様には乱義殿は病に伏せっていると説明していますが、……見舞いたいと仰られているのでしょう?」
「もう九日、じゃからのう。香様には元気なお世継ぎを産んでもらうためにも心労をかけたくなどないんじゃが」
「まことに申し訳ない限りで」
頭を下げようとする五十六を3Gと性眼は必死で押しとどめる。これまで乱義に苦労を掛けられたことなどなかったのだろう、五十六はひどく憔悴しているようだった。子育てにおいて初めて直面する問題としては、これはあまりにも重いものだった。
3Gは一つ溜息をつくと既にぬるくなってしまっている緑茶を啜った。渋かったのだろうか表情をゆがませる。見れば右のも左のも渋い顔をしていた。
「乱義殿の思いを勘違いしていたのは儂らも同じ。というか父親がアレですからの。恋慕の情を抱こうものなら形振り構わず突っ走っておるはず、思いを胸に秘める姿なぞ想像も出来んなどと思っておったわけじゃし」
「その結果がコレですからね。ただの失恋ならばまだしも、思い人が父親と、ですから。乱義殿もそのことは知っておられるのでしょう?」
「誰かから聞いていたとしても不思議ではありません。異母弟とも仲良くさせていただいておりますし、父親の話題になったとしても不思議ではないでしょう。ひととなりを知っていたとすれば、……アレは聡い子ですから」
「でしょうな。……むぅ。こんなことになるならば見合いの一つや二つ経験させておくべきでしたかな。下手におなごに興味を持たせると父親の血が暴走するやもと思い遠ざけてきたんじゃが」
「才気煥発にして温和勤勉。素質に優れた子がまっすぐに成長していただけに、それを歪める要素を恐れるのは仕方のなかったことかと。父親がアレですし」
「い、良い人なのですよ? その、……優しいところもあったり」
「十五にもなる息子に一度も顔を見せたことない父親なぞ」
「そもそもこういう問題に頭を悩ませるべきなのは父親であるべきでしょうに」
想像してみる。あの男が失恋諸々のショックで息子が部屋に引きこもってしまったと知ったとしたらどうするか。
まず間違いなく心配などしないだろう。それが三人の共通認識であった。
むしろ大口を開けて笑いそうな気がする。奴にとって香姫は自分の女なのだ。息子だか何だか知らんが俺様の女に横恋慕した挙句失恋してやんの、ガハハ、ざまあみろ。そう笑う姿が鮮明に想像できてしまった。もういい年だというのにちっとも落ち着かない男である。
「どうしたものかのう。今からでも釣書を用意しますかな? 新たに思い人でもできれば香様のことは過去のことと割り切れるやもしれんが。山本家は既に織田家を支える支柱が一つ、次代のことを考えるのは武家としておかしくはないんじゃし」
「元服も済んでおりますし、乱義殿の器量であれば相手を選ぶに困ることなどないのでしょうが。しかし乱義殿の心情を思えば……」
「酷な話、ですかな?」
「でしょうな。まずは立ち直っていただくことこそ肝要かと」
「立ち直らせるつもりが傷に塩を塗り込むことになりかねない、と?」
むう。そんな呻き声にも似た声が漏れる。
と、しばらく沈黙を保っていた五十六が顔を上げた。
「思えばあの子には過保護であったのかもしれません」
五十六の口から出たのはそんな言葉だった。
「山本家の没落や太郎を足利に奪われたことで臆病になっていたのでしょう。何かに付けて世話をしすぎてしまったようです。このようなことでたやすく折れてしまうなど、鍛え方が足りませんでした」
「い、五十六殿?」
「香様が帝となられJAPANに平和が訪れたとはいえ、山本家の跡継ぎとして惰弱に過ぎます」
一つ乱義を擁護するならば、彼の人生は決して過保護と言えるようなものではなかった。
なにせ父親が『あの男』である。アレにそっくりな男になってしまったら織田家は、JAPANは内側から崩壊しかねない。そう思った者は決して少なくなかった。
それゆえのスパルタ教育。刀法軍法弓法は言うに及ばず、倫理面でも英才教育が施されたのだ。
3Gや性眼はもちろんのこと、浅井朝倉の朝倉義景や元・巫女機関の名取なども加わった乱義の教育は、父親である『あの男』ならば三日どころか三刻と持たず逃げ出すこと必死の厳しさであった。
いうなれば山本乱義はJAPAN中の武将に鍛えられてきたのだ。三代目帝・織田香に、もし帝レースの開催が数年遅れていれば、あるいは山本乱義が数年早く生まれていれば、帝レースの勝者は自分ではなかっただろうと言わしめた実力は、決して才のみによったものではなく、たゆまぬ鍛錬の結晶であったのだ。
だというのに五十六が息子を惰弱と断じたのは、はたして息子にかける期待の裏返しか。それともあの子の父親ならばこの程度の挫折、笑って乗り越えてしまうだろうという思いがあったからなのか。
「無理やりにでも部屋から引っ張り出しましょう。住み慣れた屋敷ではありますが、火をかけることも厭いません」
「五十六殿ぉ!?」
「成美、多聞! 弓を持て! まずは山本流疾風点破にて乱義の部屋を吹き飛ばします!」
「いかん! 3G殿、乱義殿を逃がすのです! 錯乱しておられる!」
「う、うむ! ご武運を、性眼殿!」
「御放し下され、性眼殿! 私は錯乱などしておりません! 息子の不始末のツケは母である私が!」
にわかに騒がしくなった屋敷にドタドタと走り回る音が響く。
沈み、どこか淀んていた屋敷の空気が、一気に活気づき始めていた。
そして数日後――
「ええと、なんだかよくわかりませんが、……いってきます?」
JAPAN西端・天満橋。大陸とJAPANをつなぐ唯一の場所に山本乱義はいた。
「うむ。なんだかよくわからんが行ってくるでござる。たぶん武者修行とかそんな感じでござろうし」
豪快に笑って乱義の背を叩くのは柴田勝家。3Gから乱義を預けられとにかく尾張から離れさせよと言われたため、なんとなく大陸の入り口までやって来てしまっていた。
「弓は3G殿が持ってきてくれていましたし、太刀も種子島を通った時に業物を手に入れることが出来て幸運でした」
「てばさきがカイロで手に入れられたことも幸運でござるよ? 戦国のころは貝・信濃以外でてばさきを見ることなど出来なかったでござるし」
へー、と乱義は感心した様子でてばさきの首を撫でる。真田透琳からてばさきの騎乗術も習っていたため手慣れた様子だった。
「うむうむ。太刀に弓、てばさきまであるとくれば大陸でも恐れることなど無いでござるな。武運を祈るでござるよ」
「はい。勝家殿もご健勝で。それでは」
乱義は手綱を握り直し、
「山本乱義、行って参ります」
てばさきを勢いよく駆け出した。
これは物語である。
狭いJAPANから駆け出した山本乱義の物語。
人類同士が闘い争い殺し合った大陸を、人類と魔人の戦争が繰り広げられた世界を、その騒乱を治めた英雄の息子が往く物語。
英雄の物語の後日譚などでは決してない、一人の若き侍の物語である。
……まぁ、失恋から立ち直るための旅とかいう、しょっぱい物語なのだが。
Rangi01 ――光を探して――
始まります
* *
* + うそです
n ∧_∧ n
+ (ヨ(*´∀`)E)
Y Y *
というわけでランス物の二次創作です。乱義主人公で。乱義主人公で(大事なことだから二回(ry
まぁほとんど出てこなかったんですけどね、乱義君
マジスンマセン。五十六さんもちょっとキャラ崩壊気味ですし
きっとこの後リーザスで異母弟(妹かも)に振り回されたりゼスで異母弟(妹(ry)に振り回されたりヘルマンで異母(ryに振り回されたりするんでしょう
旅の途中で未だに中二病引っ張ってる兄貴と会っちゃったり、ガハハ笑いが癖になった妹にエンカウントしたりすんじゃないですかね
想像すると楽しそうですけど、書ける気はしませんね。ルドラサウム大陸とかの設定を流用しただけのオリキャラだらけの話になってしまいそうですし、大変そうです
ちょろっと考えた設定
Name 山本乱義
レベル/才能限界 35/∞
技能レベル 剣戦闘Lv2
弓戦闘Lv2
軍師 Lv1
特技 笛
技能レベルがウルザの上位互換ですなコレ。精密射撃は無理でも乱義アタック(仮)に疾風点破、さらには風林火山(多分透琳から教わってるでしょう)とかもうコレェ……
才能限界∞で技能レベルも高くて勤勉で優しくてイケメンで名家の生まれで帝の寵臣で英雄の息子で……。どこの最強物オリ主やコレェ(白目)
ここまでくるといっそ魔人の無敵結界破るために日光さん持たせたくなってきますな