ドラゴンクエスト 絶海の孤島と神秘の秘宝   作:無垢なファン

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PS2版のドラクエ8をプレイし始めたのが、ドラクエとの出会い。


新たなる目的

第1話 新たなる目的

 

ーーー

 

「来たか…冒険家フェルト…」

「さて…」

 

「新たな目的は決まったか?それとも…俺の情報を?」

 

フェルト『俺が冒険家を始めた頃からの付き合いだろ…また頼む…今日はその為に来た。』

 

「普段は酒場のマスターだが…」

「情報屋もやっている…あんたにしか頼めない…」

 

ーーー

 

「最近だと…自分の船を持ったみたいじゃないか…」

 

フェルト『ああ…その件だが…』

 

「船旅の最中…酷い嵐に遭い…船を沈めてしまった。魔物との戦いが続き…ダメージが酷くてな…」

「出来れば…凄腕の船長も紹介して欲しい…」

 

ーーー

 

「それなら…この情報をお前にやる…」

「近頃…この近海を彷徨く海賊の連中からある噂を耳にした。」

 

フェルト『ある噂?』

 

ーーー

 

「ああ…誰も辿り着けない…絶海の孤島に古くから眠る神秘の秘宝…」

「噂話の最中…海賊は妙なことを口にしていた。」

 

ーーー

 

絶海の孤島に古くから眠る秘宝…

海賊や盗賊なら…その噂を耳にするだけで…探し求め…奪いに行くはずだ。

 

だがな…

誰も向かおうとはしない…

 

あの海域だけは辞めておけ…皆が口を揃えてそう呟くんだ。

 

ーーー

 

「あれ以来…海賊の連中は、この店に姿を見せることは無かった。」

 

フェルト『なるほど…新たなる目的ってわけだ。』

 

「よし…早速…出航の準備だ。」

 

「待て!まさか…本当に向かう気なのか?」

 

フェルト『決まってる…』

 

「どんな少ない手掛かりであっても…どんな困難な旅路だろうと…」

「俺は…目的地へ辿り着いて来た。」

 

「世界を旅する冒険家として…新たな目的があるなら…どんな手を使っても辿り着く…」

「俺は…伝説の勇者でもなければ…特別な血筋ですらない…」

 

「だから…俺は…」

 

ーーー

 

「偉大なる存在とは違う成果で…歴史に名を刻みたいんだ。」

 

ーーー

 

「ふん…」

「恐れ入ったよ…やはり慣れないな…お前のぶっ飛んだ考え方には…」

 

フェルト『そうか?』

 

「ああ…凄腕の船長だが…この港で停泊している…」

「運がいいと…話を聞いてくれるかも知れない…」

 

フェルト『分かった。ありがとうな…』

 

ーーー

 

「冒険家フェルト…」

 

ザッ…

 

「必ず戻って来いよ…」

 

「ああ…必ず戻ってくる…」

 

俺はそう言い残すと…酒場の出入り口へと向かった。

すると…どこか不思議な雰囲気を持つ女性と酒場の入り口ですれ違った。

 

スッ…

 

「今のは…」

「気のせいか…」

 

俺は少し考え…気のせいだと言い聞かせる…

あの女性からは何処か…懐かしさのようなものを感じたからだ。

 

ーーー

 

「サービスするよ…お嬢さん…」

「良い酒が入ったんだ。」

 

「いえ…」

「私の要件は先ほどすれ違った。あの人について…お尋ねしたく…」

 

「知り合いかい?」

「ただの閑談さ…港町じゃあ…これが日常だからね…」

 

「情報屋と冒険家…これが無駄話だとは思えません…」

 

「聞いていたのか…」

「いいだろう…あいつの名前は…」

 

ーーー

 

酒場を出るとそのまま船着場へと向かう…

船長には、確かな貫禄があり…一目でその人物だと分かった。

 

ーーー

 

「絶海の孤島と…古くから眠る神秘の秘宝か…もちろん知ってる…」

「だが…問題は…例の島が浮かぶ海域だ。」

 

「お前も…船を出していたなら…知っているだろう?」

「グランバレーナの海域を…」

 

「!?」

 

俺はその海域の名を知っていた。

耳にする誰もが震え上がるあの海域の恐ろしさは言い表し切れない…

 

「またの名を…海の墓場…」

「あの海域に入れば最後…二度と戻っては来られないと聞く…」

 

「激しい海流により…舵を取られ…海底へと引き摺り込まれるか…荒波の渦に巻き込まれるか…」

「あの海域は、そんな場所だ。」

 

フェルト『えらい詳しいんだな…』

 

ーーー

 

「それはそうさ…俺こそが…ただ1人の生き残りだからな…」

「あれはもう…数十年も前だ。」

 

フェルト『なるほど…どうりで…』

 

ーーー

 

「これは偶然か…何かの因果か…」

「もう一度、あの海域に向かう日が来ようとはな…お前の話には乗ってやる…」

 

「だが…」

「ひとつ条件がある…」

 

フェルト『条件?』

 

ーーー

 

「なあに…簡単な条件だ。」

 

フェルト『そうか…それなら乗った。』

 

ーーー

 

「それが…これか…」

 

船長の条件とは船員不足による…下仕事を手伝うことだった。

 

ハハハハハッ!!!

 

甲高い声を上げながら…甲板から俺を見下ろし船長がこう言った。

 

「俺が、金を欲しがる面に見えるか?それなら…お前は、まだ青二才だな!」

「あの海域に向かうと聞き…死にに行く奴など他に居るはずがなかろう…」

 

フェルト『まあ…そうだろうな…』

 

ーーー

 

「いいか?」

「船長とは、客人と船員の命を守ることが大事だ。」

 

「きっちりと働け…船の設備や構造は分かっているだろ…」

「手際がいいからな…」

 

フェルト『さっきから…あそこに居る…あの人はどうなんだ?』

 

「甲板の掃除や積荷の準備すらしないが…」

 

「ああ…あれは客人だ。」

「お前は臨時の船員…船長である…俺の命令は絶対だな…」

 

フェルト『扱いの差…』

 

ーーー

 

「また…船長にこき使われる…旅人が居るな…」

 

船長との会話の最中…話に割り込んできた青年が1人…

 

「お前も同じ旅人だろう…」

 

「そうだった。俺はロイゼだ。」

 

「俺はフェルト…」

 

お互いに、簡単な挨拶を交わし…

それから丸一日…船出の準備をすることとなった。

 

夜も更け…辺りが静まる頃には、船出の準備を終えていた。

 

フェルト『やっと終わった!』

グッタリ…

 

「おつかれ…」

 

ロイゼ『まあまあ…上出来じゃないか…』

 

フェルト『それはどうも…』

 

ロイゼ『なあ…』

 

「不思議だと思わないか?」

 

フェルト『何がだ?』

 

ロイゼ『さっきからあの女…俺達の様子をずっと窺っているんだぜ…』

 

「休む素振りすら見せない…」

「どう言うわけか…不気味な感じがしない…声を掛けてくることもしないし…表情ひとつ崩さないのにな…」

 

フェルト『他に変わったものが無いからだろ…』

 

「気になるなら…俺が話しかけて来ようか?」

 

ロイゼ『マジか!?度胸あるな…』

 

「噂に聞く…海の魔物かも知れないぜ…」

 

フェルト『海の魔物か…そいつはおっかないけど…』

 

「俺はずっと…冒険家をやってきたから…」

「肝は据わってるほうだ。」

 

俺は、軽い腰を上げ…女性の方へと近付く…

 

夜空に浮かぶ雲が動き…月明かりが照らされ…お互いが向き合うなか…

俺は、ある感情を抱いた。

 

酒場の入り口で抱いた感情…

 

ーーー

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