ブルーアーカイブ×アークナイツ 調月リオと星外の予言者 作:バトクロス
アリスを追いかけていた私達は、電源が着いた1台のコンピューターを発見した。
「……あれ? 何これ。なんか見たことある気がするけど……」
「アリスちゃんが眠ってた場所にあったコンピューターに似てるね。でも、電源が点いてる……?」
私も似ていると感じたが、彼女達もそう思ったようだ。そしてそれは多分正しい。きっとアリスに関係するものだろう。
「これが……アリスの言っていたもの?」
モモイが近づくと、私達に音声──ではなく、ディスプレイにカーソルが浮かび、文字がひとりでに入力され始めた。
『DiviSion Systemへ、ようこそお越しくださいました。お探しの項目を入力してください』
「おっ、まさかの親切設計。G.Bibleについて検索してみよっか?」
「警戒してください。これが本当に求めるものかはまだ判断できません。」
トキが警戒を促すが、モモイと無言のアリスはそれを無視して近づく。
「いや、無警戒にもほどがあるよ……」
「そうだよお姉ちゃん、これは流石に怪しすぎない? ……『ようこそお越しくださいました』ってことは、『ディビジョンシステム』っていうのが、この工場の名前なのかな」
ユズとミドリはトキの言葉に従って警戒しながら距離を取っている。しかし現状何も起きていない。……トキは自分の護衛という役割を忠実に守っているが、アクションを起こさせることにした。
「自分は離れているし、ユズとミドリの二人が居るから……一度私の安全は後回しにしてアリスとモモイの安全の為に、トキも近づいて確認してくれないかい?」
「……承知しました。」
だが、トキが2人に追いつく前にその間に最もディスプレイに近付いていたアリスが、止める前にキーボードへと手を伸ばしてしまっていた。
「キーボードを発見……G.Bible、と入力してみます」
「アリスさん、待って──」
「あっ、何か出た!」
『#$&"!)'&&%"!)=#)P+{`J』
そしてアリスがキーボードに触れる寸前に、突如画面上の文字がバグを引き起こしたかのように狂い始め、意味不明な羅列を表示する。これは……暴走か?
「こ、壊れた!? アリス、いったい何を入力したの!?」
「い、いえ、まだ触っていませんが……」
この動きには流石にモモイやアリスも異常を感じ取ったらしい、一歩二歩後退りして、トキに腕を掴まれる。
「トキ、何をして……」
「爆発の危険性が有ります。退避して下さい!」
流石に爆発という言葉は二人をビビらせたらしい。直ぐに自分達の所まで退避する。
発狂のような暴走は十数秒続き、そして──
『あなたはAL-1Sですか?』
という、明確に意志を感じる文章が、小さな画面に浮かび上がった。
今までとは打って変わって、あまりにも理性を感じさせるその一文は彼女達に動揺を与えるには十分だった。だが自分は、
(こんな高性能なのにアリスに位置探知機能さえ、導入していないのか?)
と場違いな疑問を覚えた。
「!?」
「? いえ、アリスはアリスですが……」
「ま、待って! アリスちゃん、今は何も入力しないほうが──!」
『音声を認識、資格が確認できました。おかえりなさいませ、AL-1S』
「音声認識付き!?」
アリスの応答を、キーボードを使うまでもなく認識したらしいシステムはアリスを『AL-1S』として認識した。
つまり、客観的にアリスの存在は『AL-1S』であることが今この瞬間に証明されたことになるのだが……そこまで高性能なら余計に先ほどの疑問が深まる。
「その……AL-1S、っていうのは、アリスちゃんのことなの?」
「あ、ごめん。そういえばユズちゃんには言ってなかったかも」
「アリスの、本当の名前……本当の、私」
「…………」
「みんな、アリスに「AL-1S」としての自覚はやはりないみたいだ。システムが認識していることから、間違いはないとは思うけど……アリスは覚えていないようだし、思い出す様子もない。アリスそうだよね?」
念のため、思考を纏めながらアリスに問いかけると、彼女は
「はい」
と言った後、
「あなたはAL-1Sについて知っているのですか?」
と尋ねた。
『────────』
反応はない。
「反応が遅い……?」
「何か画面もぼんやりしてきたけど、処理に詰まってるのかな?」
純粋な、自身を知りたいという好奇心からのアリスの質問に、システムは反応を返さなかった。画面から一切の文字が消えただけなので、事実に即した表現としてはモモイたちの方が正しいのだろうが、私にはそう見えなかった……まるで何か不都合があって口を塗材しているような。
(ただの気のせいだと思うけど、一応帰ったら行う予定のアリスの検査に追加でこれも調べてもらおうかな。彼女もれっきとした調査にはむしろ賛成だろう。)
『そうで'('&!%%#$$"%)('!111!!'#』
「え、え? 何これ、どういう意味!?」
『それは』
アリスの問いに答えられないのか、あるいは答える気が無いのか、再び意味のない文字列を紡ぎ出し。
そして
『緊急事態発生。電力限界に達しました、電源が落ちると同時に消失します。残り時間51秒』
という、システムメッセージを吐き出した。
そのメッセージを信じるのであれば、この死にかけていた施設の電力が遂に底をつくということになるのだろうが……最近リオ達と謀と交渉ばかりしていた自分の目には、どうしても
「ええっ!? だ、ダメ! せめてG.Bibleのことを教えてからにして!」
しかし、その緊迫性のあるメッセージにモモイは動揺してしまったらしい、せめてG.Bibleの手掛かりだけは手に入れようと奴システムに呼び掛けた。
『あなたが求めているのは、G.Bibleですか? <YES/NO>』
音声認識があるのは知っているがそれでもおかしい。単なる自動応答プログラムにしては、高性能すぎる。そう思ったが自分の知識では確証が持てない。
「トキ、一つ質問がある。このシステムの会話能力は、単純なチャットボットで行えるものか?それとも高度なAIが必要か?」
自分の質問に対し、トキは目を見開くと瞬時に回答した。
「単純なチャットボットでは
求めていた回答が来た。
「YES!」
そんな状態でもモモイは反射的に行動を起こしている。
本来、今にも電力が尽くそうな状況下で、死にかけのシステムがこれに応答するようなことは無いだろう。だが、システムはさもそれが当然であるかのように返答した。
待ち構えていたかのように、彼女たちが掴まざるを得ない糸を垂らす。
『G.Bible……確認完了、コード:遊戯。人間、理解、リファレンス、ライブラリ登録ナンバー193、廃棄対象データ第1号。残り時間35秒』
「廃棄!? どうして!? それはゲーム開発者たちの、いやこの世界の宝物なのに!」
『G.Bibleが欲しいのであれば、提案します。データを転送するための保存媒体を接続してください』
「えっ……? G.Bibleの在り処を知ってるの?」
モモイは冷静な判断が出来てない。いやゲーム開発部全員がそうだ。だからこそ自分が前に出なければならない。
『あなたたちも知っています。今、目の前に』
「ど、どういうこと!?」
『正確には、私の中にG.Bibleがあります。しかし現在私は消失寸前、新しい保存媒体への移行を希望します』
「そ、そうは言っても急に保存媒体なんて──あ、『ゲームガールズアドバンスSP』のメモリーカードでも大丈夫?」
「
彼女の会話に割って入る。
「先生邪魔しないで!」
邪魔ときたか。
「ごめんモモイ。でも一つだけ言いたい。
「なにが!?こんな問答している時間なんて!はやく自分の」
だめだ、
「トキ、外部からの干渉を遮断できる保存媒体はある!?USBメモリとか!」
「待ってください……あります。」
渡されたメモリースティックを連結すると、データを転送し始めた。
「なんで、なんで先生は私たちの邪魔をするの!それだと中身がすぐに確認できなくなるでしょ!?」
「すぐにデータを確認する前に安全性の確認が必要なんだ。例えばこのシステムが君たちゲーム機の脆弱なセキュリティを突破し、様々な場所に感染したりした場合の責任をとれるのかい?」
「でも……先生は生徒の味方でしょ!?」
「ちょっとモモイ!先生はわざわざここまでついてきてくれているんだよ!わがまま言いすぎだよ!」
思わずミドリがモモイの怒りに口を出し、自分の言動が原因でもめ事が起こってしまった。ユズはどちらの肩を持つこともできず右往左往しており、トキは我関せずの立場を貫いている。
『先生言いすぎです!
アロナにも怒られてしまった。
だが、自分はリオの立場も知ってしまった。それならば表層上の味方ではなく
「言いたいことはあるだろう、だがそれは後で聞く。今は……」
話を強引に打ち切り、前を向く。前方から多数の影、
「先ほどの大声で呼び寄せたロボットから逃げるよ!」
そういって工場から脱出するよう指示をした。
「先生の理論は納得した。でその解析はどこで行うつもりなの。」
ちっとも納得していない顔で何とかミレニアムに戻ったモモイがそう尋ねる。
本来はリオ、そしてオラクルに解析してほしいが……反感を買うだけだと判断し
「ヴェリタスに頼もうかなとおもっている。」
そう答えると、どうやらモモイは安心したようだ。
「これがあれば、本当に面白いゲームが……『テイルズ・サガ・クロニクル2』が……!」
「うん、作れるはず! よしっ! 待っててねミレニアムプライス──いや、キヴォトスゲーム大賞! 私たちの新作は今度こそ、キヴォトスのゲーム界に良い意味での衝撃を与えてやるんだから!」
安心する彼女達をよそに、さりげなくトキにメッセージを送る。
『コピーを取っといて。』
そうメッセージを送り、彼女たちとヴェリタスに向かう。
そんな中、ふとそんなメッセージを送る自分が
「依頼されたデータについて結果が出たよ。」
自分は今ゲーム開発部の付き添いとしてヴェリタスに来ている。
「いよいよ。」
「ドキドキ。」
ミドリやアリスは興奮を隠しきれていない様だ。
「知っての通り私たち『ヴェリタス』はキヴォトス最高のハッカー集団だと自負している……まぁ例外は除くけどね。」
「それでG.Bibleのパスワードの解除はどうしたのさ!?」
「マキが作業中ですよ。ですがもうそろそろ終わるでしょう。」
コタマがそう言うとタイミング良くマキが現れた。
「あ、おはようミド。来てくれたんだね、ありがと。」
「私達の依頼だから……それでG.Bibleはどうだった。」
ミドリが緊張しながらそう尋ねる。
「うん、ちゃんと分析できたよ。あれはかの伝説のゲーム開発部が作った神ゲーマニュアル……G.Bibleで間違いないね。」
「やっぱりそうなんだ!」
意外なことに中身は本物だったらしい。
「ファイルの作成日屋最後に転送された日時、ファイル形式から考えても確実。作業者についても噂の伝説のゲーム開発者のIPと一致していた。それとあのデータは
「っていう事は……。」
「うん、オリジナルの『G.Bible』だろうね。」
その発言にゲーム開発部が色めき立つ。だが彼女はその後にこう続けた。
「でも問題があって……ファイルのパスワードについてはまだ解析できてないの。」
「えぇっ、じゃあ結局見られないってことじゃん!?ガッカリだよ!」
モモイが不満を顕にする。
「うっ!だってあたしはあくまでクラッカーであって、ホワイトハッカーじゃないし……とにかく!そうは言っても、方法が無いわけじゃない。」
「そうなの?」
「あのファイルのパスワードを直接解析するのは、多分ほぼ不可能。でもセキュリティファイルを取り除いて丸ごとコピーするって手段なら、きっと出来るんじゃないかな……。」
彼女の発言に再びモモイが目を輝かせる。
「で、そのためにはOptimus Mirror System……通常「鏡」って呼ばれるツールが必要なの。」
「つまり……G.Bibleを見るためには、その「鏡」っていうプログラムが必要だってことだよね?それはどこにあるの?」
「あたしたち、ヴェリタスが持って……た。」
どうにも歯切れが悪い。
「何だ、それなら今すぐ……ん、待って?過去形!?」
「……そう、今は持ってない。生徒会に押収されちゃったの、もうっ!この間ユウカが急に押し入ってきて、『不法な用途の機器の所持は禁止』って。」
「『鏡』もそうですし、色々と持っていかれてしまいましたね……私の盗聴器とかも。」
「その『鏡』って……そんなに危険なものなの?」
「そんなことは無いよ。ただ暗号化されたシステムを開くのに最適化されたツールってだけ。ただ……世界に一つしかない、私たちの部長が直々に制作したハッキングツールで。」
……リオの時にも思ったが、技術者と言うのは倫理観を無視しがちなのだろうか。技術者なら情報技術者倫理とかを授業で習わないのか?まぁリオと違う事とすれば、彼女達は
もっとも、リオはリオで
「部長っていうと……ヒマリ先輩?」
「ヒマリ?」
「アリスちゃんはまだ会ったことないよね、ヴェリタスの部長さんなの。ちょっと体が不自由で車椅子に乗っているから、見かけたらすぐ分かると思う。」
ミドリの説明に熱が入る。
「すごい人でね。身体のことはあるけど、それであの人に同情したり軽視したりするような人は、少なくともこのミレニアムには居ない。天才……っていうのかな。ミレニアム史上、まだたった三人しかもらえていない学位、『全知』を持っている人なの。」
「それはそうとして、その先輩がせっかく作った装置をどうして取られちゃったのさ。」
そうモモイが尋ねると、コタマがバツが悪そうに答えた。
「……私はただ、先生のスマホのメッセージを確認したかっただけです。そのために『鏡』が必要で……。不純な意図は、全く無かったのですが。」
「目の前に私が居るのに良くそんな事が言えたね。」
理解した。リオは恐らく私との関係性の悪化を恐れたのだろう……彼女はあくまで必要だから私と丁々発止で渡り合っているだけで、本質的にはリスクを回避する事を好む性格だ。
「私には、不純な意図しか感じられないけど……。」
「うわぁぁん!早く『鏡』を探さないと、部長に怒られちゃう!!」
「とにかく……整理すると、私たちも『鏡』を取り戻したい。それに、G.Bibleのパスワードを解くためには、あなたたちにとっても『鏡』は必要……そうでしょ?」
流石に割って入る事にした。
「……まさかとは思うけど、カチコミをかけるつもり?」
「話が早いね。」
頭痛がして来た。主にリオへの言い訳と調整について。
「……取り敢えず1回、私にセミナーと交渉させて欲しい。」
今回は勝算があった。前回とは違い、鏡に関しては正直リオにも非が有る。使用時に何に使ったのかをセミナーにフィードバックする様にすれば良いと言って、何を警戒しているのかを伝えて一度話し合いの機会を設ければ……
「誰が、貴方の言う事を信じるの!?」
その言葉に思考が止まった。振り返るとモモイが此方を睨見つけていた……どうやら自分は
私は先生への印象は最初は良かった。自分達の危機に駆けつけてくれて、少し頼りないながらも廃墟に連れて行ってくれたり、自分達を庇ってくれていた。
でも、少しずつ印象が悪くなっていった。最初は『いくら何でもいろいろと都合がよすぎないか?』と言う水をさす発言。これはまだ良いんだ。実際自分達の身の安全を心配してくれて居ただけだと思えば理解は出来る。同じ理由で『落ち着いてモモイ』と言う静止の言葉もまぁ分かる。
本格的にこの先生に対しての見方が変化したのは『すぐにデータを確認する前に安全性の確認が必要なんだ。例えばこのシステムが君たちゲーム機の脆弱なセキュリティを突破し、様々な場所に感染したりした場合の責任をとれるのかい?』と言う説教。これが私から見れば
そして最後に『言いたいことはあるだろう、だがそれは後で聞く。』と言う言葉。それは私にとって決定的な
そんな先生の『取り敢えず1回、私にセミナーと交渉させて欲しい。』と言う言葉は、私にとって全く信用できるものでは無かった。
「お姉ちゃん!何を言っているの!?」
衝撃からいち早く立ち直ったのはミドリだった。慌てて自分とモモイの間に割って入る。ヒートアップしたモモイは尚も激しい口調で責め立てる。
「先生が味方という保証はどこにあるの!先生は最近ずっと私達の行動を妨害してる!アリスに関しても、G.Bibleに関しても、そして鏡に関しても!」
「それは……でも先生が居ないとそもそも廃墟にも行けていないんだよ!?そもそも先生は完全な善意で私達の依頼を態々受けてくれたんだよ。それなのになんでそこまで敵意を向けるの?」
「いや、でもモモイの言うこともわかる気がする。」
「これがパーティメンバーの修羅場というやつですか?でもアリスは仲間を見捨てません!」
ユズとアリスも議論に加わり平行線を辿り始めた所、間にハレが割ってはいった。
「まぁまぁ……モモイ、別に保留にしても良いんだよ?」
多少気遣うような声色で問いかけるが、モモイは拳を突き上げて
「保留にはしないよ。近日中に生徒会から不当に奪われた鏡を奪還する!」
そう大声で宣言した。
「……ヴェリタスの皆、今回の件で私がミレニアムの生徒会に対する武力行使を支持し、あまつさえ参加したと言う事情は到底受け入れられるものでは無いと言うことは分かるよね。」
「だがセミナーは不当に鏡を奪い取っている。それならば此方も多少は強引な手段を取るべきだ。」
モモイを説得するのを諦め、ヴェリタスに対して矛先を向けることにした。
「いや、違う。君達が行うべきことは自身の正当性を説明し、セミナーの行動に対して問題提起を行う事だと思う。」
「だけどセミナーは強権的で、話を聞くつもりが無いし……」
彼女達の言葉に自然と口調が固くなる。
「違う、それこそ
「……先生は目の前の生徒達よりも
ハレが嫌味を言ってくるが動じない。
「君は穿った見方をしているが……私がシャーレの信用を損なうような行動をすると、
「……だとしても私達は鏡の奪還を諦めないよ。道具は使うためにあるんだ。」
彼女達の意思は固そうだった。
モモイ達と別れた後、シッテムの箱にはトキからのメッセージが届いていた。
『ごめん、何故かコピーが取れなかった。原因も分からないよ。なんてたってコピーが、意図的に
そのメッセージを見て、立ち尽くす。そして、手は箱から離れ、ポケットの端末に行き……モモトークでは無く
「……もしもしオラクル。今からそっちに行ってよろしいですか?出来ればリオも同伴でお願いしたい。相談したいことがあるのです。」
『そうか……リオ!先生が話したい事が有るって!……良いって。一応お茶と茶菓子を用意しておくよ。』
モモイ
対象は外部協力者(先生)に対する認識を再構築中。
初期段階における信頼的評価は維持されていたが、意思決定過程において自己優先性が阻害される事象を複数回観測。
特に責任・リスクを主軸とした論理への接触により、対象の行動が「敵対的構造」と同質であると認識され始めた。
当該段階において、対象は外部依存からの離脱を選択。
意思決定主体の独立、および強行的行動(鏡奪還)の宣言が確認されている。
――信頼状態は反友好的へと変質。現在、再構築経路は未確定。
先生
対象は複数勢力間における調整機能としての役割を維持。
ただし観測上、意思決定基準は理想優先から責任・構造優先へとシフトしている傾向が確認される。
短期的利益と長期的影響を比較する傾向が強まり、生徒側からの要求に対して即時的同調ではなく、思考を経た上で最適と判断された場合に、制御・抑制を選択する頻度が増加。
結果として、対象は「協力者」から「管理者」へと認識される傾向にある。
対象自身も当該変化を部分的に自覚しているが、現時点で明確な行動修正は確認されていない。
――機能は最適化されつつあるが、信頼係数は低下傾向。
ハレ
対象は当該事象において外部観測者的立場を維持。
感情的対立には直接参加せず、発言は環境全体に対する構造的指摘へと集中。
外部協力者(先生)の意思決定基準に対し、「社会的視線偏重」という解釈を提示。
当該指摘は、集団内における認識再編を促す触媒として機能した可能性が高い。
対象は特定陣営への完全帰属を避けつつ、状況変化に応じた柔軟な位置取りを継続。
――現在、最も安定した観測点として機能中。