ブルーアーカイブ×アークナイツ 調月リオと星外の預言者 作:バトクロス
「……ええ、
スマートフォンを切り、待たせていた彼女達に向き合う。
「ごめんなさい。此方から呼んでおいて待たせたわね、ユウカ。あの子さっき送ったメッセージに気がついたみたい。慌てて連絡してきたの。」
「そこまで慌てて無いですから。ですが私は反対です。
「私もしたくは無いわ。まだあの子の為のサポートAIは未完成だし、功利主義での判断基準の獲得も出来ておらず、行動に責任を終える様にもなってない。でもあの力は必要なの。」
「理屈は分かりますし、これは会長とあの子の問題ですからとやかくは言いません。ですが安全性は……」
「分かっているつもりよ。」
「その返答ではイマイチ信用できませんね……」
私の返答に対して彼女、早瀬ユウカはため息をつきながら首を振った。
ホドへの強襲作戦から数日後の夜、私はユウカとトキをエリドゥのコントロールタワーに連れてきた。既にユウカには預言者の事は伝えてある。
当然の事だ。私が生徒会長を退いた後は彼女が預言者達とも渡り合わなければならないのだから。
コントロールタワー一階の扉が開く。
「会長。まずは情報を共有していただきありがとうございます。ですが今後私に任せると言われても正直実感が湧きませんし、そもそも仮に先程の説明が全て真実だとしても私たちに何ができるのか分かりません。ミレニアムの叡智の結晶さえも突破されるのならもう打つ手は無いのでは……」
私の後ろを歩きながらユウカが弱音を吐く。
「弱気にならないで頂戴。情報系の脅威に関しては今はオラクルのセキュリティによって大部分が守られているわ。もっとホドに威力偵察をした後明らかにミレニアムのネットワークに対する干渉が増えているから彼女が帰り次第また相談するわ。」
「オラクルに任せきりなのですか?」
「いや、既に私とヒマリで出来ることはしているの。現状はハッキングを受けた場合に備えネットワークをブロック化、干渉を受けた際にそこだけ接続を破却した上でそこをバックアップで埋めるようにしているわ。ただそれだとどうしても全体のネットワークには負荷がかかるし接続の切離しが遅れた際は大規模な影響が出てしまうの。」
「つまり、トカゲの尻尾切りを繰り返しているような状態と……今は良くてもいつかは本体も切り落とさないといけなくなりそうですね。と言うかいつその様な事を実行したのですか!?」
「一昨日よ。安心して明日にでも事情を一部公表するから。」
「それなら良い、いえ良くはないですが分かりました。」
「ありがとう。」
彼女は何かを言いたかった様だがそれを飲み込んで一先ず理解してくれた。
エレベーターに乗り、地下3階を押す。
「でもどの道預言者による物理的な脅威はありますよね。トキもかなり危なかったと……そこはどうするのですか?」
それについて私が説明しようとするとトキが口を挟んだ。
「ユウカ、それを今から会長は見せるのですよ。」
地下3階にエレベーターがたどり着き、安っぽいチャイムとともに扉が開いた。
次の瞬間、ユウカが息を飲んだのが分かった。
広さのある格納庫の中央に、
全高はアビ・エシュフを大きく上回り、両肩部には展開式の砲門、背部には高出力スラスター、四肢は重装甲でありながら可動域を犠牲にしていない。全体が暗色の合金で覆われ、無骨で機能的なシルエットをしていた。
「……これが、何なのですか。」
「ティタノマキア、現状の
私は格納庫の中央を見据えたまま答えた。
「ホドとの威力偵察で、現行の軽量化アビ・エシュフでは対応しきれないと結論が出た。通常武装はほぼ通用せず、光の短剣ですら致命打には至らない。あの規模の存在が複数現れた場合、ミレニアムの戦力では抑えきれない。」
「だから、こんなものを……」
「過剰な軍拡をするつもりはないわ。ミレニアムは研究機関でありたい。けれど、研究を続けるための最低限の抑止力は必要よ。元々は別のプランをメインにしていたけど……これは後で話すわ。」
ユウカは複雑な表情で機体を見上げていた。
トキは黙ったまま、ティタノマキアの前に歩み寄る。
「搭乗者は当面、トキに限定する。操縦系統はアビ・エシュフのものを基に再設計してあるから慣熟期間は短く済む筈よ。今日は性能確認のための模擬戦を行う。データは全て記録し、更にアップデートするからそのつもりでお願い。」
「ええ。」
それ以上は言わなかった。オラクルに見せるつもりだということは、今はまだ口に出す必要がない。
トキが機体に近づき、胸部のハッチが開く。
彼女は迷いなく内部に滑り込んだ。コックピットが閉じると、ティタノマキアの光学センサーが淡く点灯する。
『起動確認。全系統、異常なし。』
トキの声が通信から流れた。以前のアビ・エシュフの時より、わずかに低い。
「トキ、今から地上にその機体を射出するわ。そしたら座標を指定するからそこに向かいなさい。」
『承知しました。』
その言葉を聞き、ティタノマキアの頭上に設置していたハッチを開くボタンを押した。
ゆっくりと開くハッチの隙間から月明かりが溢れる中、ティタノマキアがスラスターを吹かし始めた。
『ティタノマキア、上昇します!』
完全に夜空が見えた時、鋼鉄の巨人は飛翔した。
トラブルなく、ティタノマキアは目標のエリドゥの郊外に着陸した。そこには広い模擬戦様の空間と自立稼働の防衛兵器が格納されている倉庫があった。
地下3階からエレベーターで地下2階に行き、コントロールルームにたどり着く。
「トキ、排熱や姿勢制御で何か問題はある?」
『現状ありません。』
「分かった。そしたら模擬戦を開始するわ。ターゲットは無人の重装甲ドローン群と量産型アヴァンギャルド君よ。まずは機動性と火力のバランスを見せて。標的は散発的な反撃のみを行うように設定してあるから。」
格納庫の奥で、複数の標的ドローンと陸戦ロボットが起動する。
ティタノマキアが一歩、重みのある足音を立てて踏み出した。
スラスターが短く噴射され機体が予想以上の速さで加速し、肩部の砲門が展開、収束した光の弾が一直線に放たれた。
複数の標的が、装甲ごと貫通されて爆散する。
ユウカが小さく声を上げた。
「会長はこんな物を一人で完成させたのですか?」
ユウカの言葉に対して、私はモニターに流れる数値を確認しながら静かに返答した。
「
そのまま戦闘を続ける事数分。
「そしたらトキ、ここからは標的も本格的に攻撃してくるから。」
『承知しました。』
カメラには攻勢を強めるドローンとロボットとティタノマキアがより激しく戦闘を繰り広げていた。
数分後、そこには損害軽微のティタノマキアとガラクタと化したドローンが散らばっていた。
『模擬戦終了、帰還します。』
トキがそう伝達し、カメラ外へ飛翔する。
「ユウカ、何か聞きたいことは有るかしら。一応あの機体のデータについては完全オフラインの特殊端末に保存してあるから必要なら言って頂戴。」
トキが帰ってくるまでの間に答えられる質問には答えよう、そう思って私がそう言うと何処か彼女は頭を抱えながら
「何処から突っ込めば良いのか……」
と苦悩し始めた。
指を折りながら彼女は何か数え、やがて私の方を向いた。
「個人的な疑問が1つ、ミレニアムのセミナーに属するものとしての質問が3つあります。」
「セミナーとしての質問から言って頂戴。」
彼女の眼光は鋭い。
「分かりました。まず1つ目、この機体の予算は何処から計上しているのですか?」
「トリニティからの援助や投資が有ったわよね。その内の3割……の更に半分位を使ったわ。残りは今までの技術の応用と
「……ポケットマネーを学園の防衛の為の研究開発に充てないでください。」
至極当然の話ではある。
当然の話ではあるが、私は1つ疑問を覚えた。
「貴女も前に、ミレニアムの赤字をポケットマネーで補填していなかったかしら?」
そう尋ねると彼女は少し言葉に詰まり、
「……次の質問に行きます。」
そう話を流した。
横領の問題に関しては解決してあるし、そもそも今のミレニアムの財政面は問題は無い為此処は対した質問では無かった。
「2つ目の質問は先程言っていた元のプランと言うものがどの様なものだったのかと言う事です。」
これも簡単な質問だった。
「元々はエリドゥの防衛についてオラクルから助言を受け、通常のアビ・エシュフを軽量化してスラスターユニットをつけた陸空両用の量産型を作る予定だったの。叶う事ならAIによる自立稼働とかも考慮に入れていたわ。」
「……そちらの方がこんなハイエンドの決戦兵器を作るよりも簡単だったのでは?それとも単純に此方のほうをより作りたかったのですか?」
「いいえ、優先していたのは量産型よ。私も最初は簡単そうに思えたけど、実際には違ったの。大規模な体に潤沢に性能を詰め込めるティタノマキアとは異なり、量産型アビ・エシュフは軽量化と継戦能力そして排熱機構の両立が難しくて後回しになったと言う事よ。分かったかしら。」
ユウカの疑惑にオラクルの助言を私は切り捨てるつもりは無く寧ろ最初は本命としていたが、結果としてこうなったと説明する。
先程と異なりユウカは理解だけでなく納得したようで、説明に対して首を縦に振った。
「ではそれに付随して3つ目です。
何故有人機なのですか?
先程会長が言っていた様にAIによる自立稼働を目指すべきではないのですか?命は重いのですよ?」
彼女は人命を出さなかったが、明らかにトキの事を言っていた。
「簡単な事よ、
「?意味が分かりませんが……いやまさか!」
私の発言の意図にユウカは気が付いたようだ。
「そう、分かったようね。この機体を作るキッカケは都市防衛だったけどこの機体に向いている使い方は違う。何方かと言うとデカグラマトンの様な存在に対しての単体での強襲よ。そうデカグラマトン……ハブのAIを乗っ取るような存在が背後にいる。」
「だから絶対に機体は無人機には出来ないと言う訳ですね。」
「トキには悪いとは思っているけど、彼女は頼りにしてくれて嬉しいと言っているし、私も彼女が傷つかない様に最大限力になろうとはしているの。」
そんな事を言っているとカメラに明けっ放しのハッチからティタノマキアが降りてるのが見えて来た。
「そろそろトキも帰ってきそうね。一応技術的政治的な質問は終わりなのよね?では最後に個人的な質問を教えてちょうだい?」
そう告げるとユウカは少し口籠り、そして恥ずかしそうにこう言った。
「……何故此処までするのかを教えてください。自分が生徒会長になっても此処までのバイタリティを持てるか自信がありません。そもそも自分はリオ会長程全ての分野に造詣が深いわけではありません。」
彼女のその言葉を聞いて……私は少し悲しくなった。
「何を言っているの、たとえ一人で出来ない事があっても
「会長……」
気がつけば私は言う必要の無い事を言っていた。
「私は一人で何でも出来ると思っていたし、全てを自分がするべきだと思っていた。対等な知り合いはヒマリ位で……誰も頼ろうとはしなかった。私が全てを一人で抱え込める訳では無いと気が付いたのは遅かったのよ。」
「会長?」
ユウカが何処か戸惑っている様な気がする。
あまり言いたい事がうまく言えていないのは分かっている。
それでも話すのは辞めなかった。
「それに引き換えユウカはそこら辺を既に知っているし、私よりは生徒からの印象も良い。だからその強みを活かせば貴女は立派な会長に成れると思うわ。」
「会長……
ユウカの指摘に思考が硬直した。
「そんなつもりは、」
私は思わず否定しようとして
「
何時の間にか部屋まで来ていたトキに勝手に肯定された。
「何時から聞いていたの?」
「リオ会長が自分の過去を振り返っている所あたりからでしょうか。扉が開いていたので廊下の時点で話は聞こえていました。」
ユウカが目を丸くしてトキを見る。
トキはいつもの無表情のまま、しかし声の調子はどこか柔らかかった。
「ユウカ。会長は寧ろ、貴女の事を眩しく思っていますし、優秀な人間だと思っていますよ。」
ユウカが私の方を振り返る。
私は視線を逸らし、モニターに残っていた模擬戦のデータを見つめた。いや、嘘だ。既にデータは頭の中に入っている。ただ彼女達を直視できないだけだ。
否定する言葉が出てこない。
いや、そもそも私は何故否定しようとしているのだろうか。
事実、ユウカは私にはないものを持っている。人を巻き込み、支えられ、それでも責任を放棄しない強さだ。
それを眩しいと感じたことは否定できなかった。
「だからこそ、貴女はその期待を裏切らないよう更なる努力をするべきです。それに貴女はリオ会長が卒業した後は私の直属の上司になるのですから。」
「……分かった。頑張りますよ。」
トキはユウカの返事に満足そうに頷き、今度は私の方へ向き直った。
「会長も、そんなに卑下しないでください。」
「……卑下などしていないわ。」
「しています。前に私は、オラクルから悪い影響を受けていると感じました。会長が表面上は人との関わりを増やしているように見えて、寧ろ以前より人を切り捨てる判断を躊躇しなくなり、必要以上に全てを抱え込もうとしている様に見えたからです。ですが、今は違う。」
「えっ?そうだったかしら……」
ユウカの呟きが落ちる中、トキの言葉は淡々としている。
私は彼女の言っていることがいまいち飲み込みきれなかった。確か前にも似たような事を言われた気がするが、多分その時も納得できなかった筈だ。
ただ彼女は長い間、私の直ぐ側に居た。きっと私自身や他の生徒達からは見えずとも、彼女だけに見える景色があったのだろう。
「自分の手足の様に人を動かすのではなく、人を人として見て尊重し合いながら動こうとしている。少なくとも私にはそう見えます。」
私は黙った。
成長、などと言われても実感がない。
ただ、オラクルが私への関与を減らすにつれて考えを改めざるを得なくなっていただけだ。
ヒマリとの関係を『筋が通れば協力できる』程度に戻そうとしたのも、ユウカに情報を開示したのも、全てはその延長線上にある。
それでもトキにそう言われると、どこか居心地が悪かった。
「……分かったわ。卑下しているつもりは無いけど気をつけることにするわ。」
私がそう言うとトキは一歩、私に近づいた。
無表情だが、何処か笑っているように感じる。
「それはそうと、前に私のやりたい事を最大限尊重すると言いましたよね?」
「……そう、だったかしら?」
記憶を辿る。確かに、以前どこかで似たようなニュアンスの言葉を言った気がしなくも無い。
「そう言いました。」
トキの声に、わずかな圧が混じる。
その言葉を否定できるほど、私の記憶は明確ではなかった。
「そう、分かった。それで何か願いがあるのかしら?」
モニターの光が、トキの顔を青白く照らしている。
トキは一度咳払いをして、静かに言った。
「リオ会長に
部屋の空気が、わずかに止まった。
「ゲーム開発部、と……?」
余りにも脈絡の無い話だった為、思わず言葉が途切れる。
「はい。これは以前から気になっていた事ですが、今の会長ならきっと私のお願いを聞いてくださると判断しました。以前、会長は彼女たちを廃部寸前まで追い込み廃墟探索の駒として利用し、そして最終的には出来レースの結果を押し付けようとしました。」
「その結果は良いものだったじゃない。」
あの判断は、当時の私にとって合理的だった。ゲーム開発部の存続危機を利用し、先生を動かし、廃墟の深層を探らせる。ミレニアムの安全保障のためには必要だと考えていた。そして今もその考えは
「いえ結果論での正しい正しくないではなく、私は単に
その言葉は冷たい口調の中に温かい感情が込められていた。
確かに今になって振り返れば、彼女たちを『都合の良い駒』としか見ていなかったことは否めない。
「和解、とは具体的に何をすればいいの。」
「直接話をしてください。謝罪をするか、弁明をするか、全てにおいて会長の自由です。ただ、当時の判断が一方的であったことを認めた上で、腹を割って話してほしい。それが私の
彼女は今、自分の願いをわがままと言い換えた。
それは彼女も多少この願いを言う事に後ろめたさを感じているのだろう。
ただ彼女は恐らく過去の清算や、成長の証明と言ったものではなく単純に私の事を思って言っているのだろう。
「私は全ての生徒から好かれる必要は無いと思っているのだけど……分かったわ。やるべき事が終わり次第、彼女達とは話し合う機会を設ける事にするから。」
私がそう言うと……
「ありがとう御座います。」
トキが微かに微笑んだ気がした。
更に数日後、私はヒマリとトキとエイミ、そしてコユキと共に
『ひどい砂漠ですね……私のような儚い美少女には似つかわしく無い場所です。今私がいる座席も車椅子に比べて座り心地も悪いですし。何故連れてきたのですか?』
「直接その目で確認してほしい事が幾つか有ったからよ。座り心地は我慢して。」
『……まぁ良いでしょう。貴女が開発したエリドゥからの遠隔バックアップを行う為のドローンのお陰で機材は十全に動きますから。』
私達はミレニアムが保有する装甲車を駆り、砂漠を横断してきたのだ。
ヒマリは車椅子ではなく装甲車の座席に座って、手持のノートパソコンと様々な機器を繋いで特異現象捜査部の部屋を再現している。
『それにしても、前はホドを優先すると言っていたのに今度はビナーですか。確かに私は情報を得ているあちらを優先した方が良いとは言いましたが、一体どの様な心変わりですか?それに何故コユキを連れてきたのですか?』
『私はそもそも何も知りませんよ!何でこんな所に移送されたんですか!?さっさとミレニアムに返してください!』
ヒマリから前回の行動に対する嫌味を言われるが対して響かない……嘘だ、少し思う所はある。だが気にしても無駄だ。
「今回は秘密兵器を導入するから開かれた場所での実戦データが必要なの。コユキは万が一ビナーを撃破した場合、プロテクトを強引に突破してビナーと対話するために連れてきたの。拒否権は無いわ。」
『横暴です!』
ひまりの隣に座っているコユキから非難が飛ぶが
「でもコユキ、貴女は『秘密の任務をしたら私がユウカたちに掛け合って反省部屋の拘留期間を短くするよう働きかける』と提案したら内容を聞く前に行くと言ったじゃない。」
『確かに言いましたけどこれはあんまりですよ〜』
私の返答に彼女は涙声を上げたあと沈黙した。
『
ヒマリは珍しく私の考え自体には異を唱えなかったものの、その後に何か言おうとしてふと空を見上げた。
青い空の片隅に一つの点が現れ、次第にそれは大きくなり、やがて人の形をとった。
『……リオ、貴女はロマン兵器が好きなのですか?こんな巨大なロボットを作るなんて。』
上空から激突するように地面に着地したティタノマキアに対してヒマリがそうボヤく。
「必要だから作ったのよ。あと、あくまで身体拡張型のパワードスーツだから間違えないで頂戴。」
そう言って双眼鏡を覗く。その先には砂漠を掻き分けながら移動するビナーの姿が有った。
「ホドとは違って砂の中に潜れるのは厄介ね……そう言えばエイミは基本SGを使っていたわよね。」
ふとある事を思いつきエイミに尋ねる。
「え?うん、そうだけど。」
「なら、それとは別にエンジニア部か私に対デカグラマトン用の
私がそう言うとヒマリが装甲車の中から口を挟んだ。
『今回に関してはリオの言うとおりです。エイミ、気が利かなくてごめんなさい。』
「あー、気にしないで部長。私も言われるまでそんな事考えてなかったから。」
何処か微妙な空気が流れる中、トキがスラスターを吹かした。
「ビナーがセンサー範囲内に侵入、どうやら気が付かれたようです。」
その言葉に全員のスイッチが切り替わり、緊張が辺りを包み込む。
「……私とヒマリとコユキはセンサーの範囲内に対象が居る状態を維持しつつ後退。トキとエイミでビナーを撃破して頂戴。」
そう言って私も彼女たちをサポートする為に装甲車に乗った。
「これより戦闘を開始する。トキ、貴女の努力次第でこの作戦の結末は変わる。撤退は最終手段として考え、気張りなさい。」
「エイミ、あくまで補助に徹しなさい。トキとは違って貴女は生身なのです。命を大事にですよ。」
私達の異なる命令に対し
『了解。」
『分かった。』
2人は同じ返答を返した。