ブルーアーカイブ×アークナイツ 調月リオと星外の予言者 作:バトクロス
護衛監視干渉
「そう言えばユウカ。ミレニアムから手紙が届いたんだけど、この部活動の事は知っているかい?流石に悪戯かと思ったのだけど確認したくてね。」
「え?ミレニアムからですか?」
「うん。本来依頼については他者に教えるべきでは無いんだけど……流石にこれは見て欲しくてね。」
初めはミレニアムのある部活から届いた1つの手紙だった。余りにも今までのミレニアムのイメージにそぐわない文章だった為、悪戯かと思った。しかし念のためアロナに確認すると確かに『ゲーム開発部』と言う部活は存在し、丁度隣に居るのは忙しい中来てくれたユウカだ。セミナーの会計である彼女ならこれが悪戯かどうかは判断できると踏んだ。
訝しげにメッセージを確認するユウカだったが、表情はどんどん険しくなっていった。
「残念ながら悪戯では有りません。それはそれとしてミレニアムの生徒が全員こんな生徒ばかりだとは考えないでください。後日彼女達には説教しておきますから。」
最後まで言い終わる頃には眉間のシワを揉みながら溜息をついていた。
そんな彼女に苦笑しつつケーキを差し出す。
「安心して、ユウカやリオを知っているからそんな訳無いと思っているから。後説教もしなくて良いよ。」
そう言いながらシッテムの箱を取り出す。
「まさか依頼を受注するのですか?」
「悪戯でないなら対応するべきだね。用事を確認するけど、無ければ早い内にミレニアムに行こうと思う。」
「私個人としてはあまり着てほしくはないのですがね。そもそもゲーム開発部の廃部を通告したのは私なので。」
気まずそうなユウカに話しかけながらこっそりとアロナに確認を頼む。ユウカがケーキを食べ終わる頃にはアロナの確認も終わったらしい。どうやら大きな依頼は無かったようだ。
「AIに確認してもらったけど、明日のちょっとした依頼以降は依頼が止まっている様だね。明後日にミレニアムに向うよ。」
そう言うと何故かアロナは難しい表情をしていたが溜息をついて了承の意を示した。
『一応初めての学園に乗り込んで行う長期間の仕事です。注意しておいてくださいね。』
「先生無理はしないでくださいね。でもありがとうございます。」
「まぁ油断はしないようにしておくよ。でも万が一危険にさらされても守ってくれるよね?」
アロナとユウカ、その両方に向けて返事をすると
『当然です!』
「ミレニアムで命の危険などあり得ませんよ?」
と返事が返ってきた。
ユウカが帰った後(一応リオには明日からミレニアムで仕事をすると連絡をしておこうか、彼女は連邦生徒会と繋がっている私の事を見定めて居る節が有るからね)とあの時警戒心が強かった彼女を思い出しながら少しでも警戒心を薄めてもらえるようぼかしながら仕事内容を伝達した。
数日前
「と言うわけでゲーム開発部を利用して先生には廃墟のロックを解除、並びに深層を調査してもらう。」
オラクルとトキの前で私は宣言した。
「廃墟とは?」
そう呟くオラクルに対して説明するのを忘れていた事に気がついた。
「リオ会長、まさかここまで色々と話しているのに廃墟の事を伝え忘れていたのですか?」
無表情ながら明らかに批判の眼差しを向けながらトキが問うてくる。いや、問いという形式をとった確認だ。
「ごめんなさい、伝えるのを忘れていた……後で詳細は話すとして、今はどれくらいの情報が欲しい?」
謝罪しながら確認すると彼女は少し考えて
「君の先程の計画が何を意味するのか、どうやってその計画を遂行するのかを理解できる範囲で過不足無く説明して欲しい。」
そう伝えてきた。
「簡潔に説明するわ。ミレニアム自治区内にも関わらず、かつて連邦生徒会によって出入りを制限され、存在の隠蔽が行われ、研究や調査も禁止されていた地域の事。もともとミレニアムは連邦生徒会に抗議をしていたけど、全て無視されていた。もっともそれを連邦生徒会長の意志と決めつけるのは早計だけど。」
彼女の言葉とは裏腹にリオは連邦生徒会長の意志で発言を封殺されていたと考えているようだ。(このような事が続いて居たのなら私が来なくても連邦生徒会との仲は早い段階で決裂していたのかも知れない。いや、そこで先生を投入して印象を転換させようとでもしていたのか?)
そんな事を考えながら話を続けさせる。
「勿論連邦生徒会長が失踪した段階で個人的に調査を行おうとした。だけど深層には行けなかった。『資格』が無いと機械音声に言われてね。」
「ハッキングしようとは思わなかったのかい?」
「外部との協力も機材も無かったから。それに失敗した際のリスクが分からないから。」
「それもそうか。」
ある程度『廃墟』と言う場所について必要な情報は理解した。
「それで何故先生が出てくるのかい?」
本題について尋ねる。
「理由はシンプル、連邦生徒会長の後継者が彼だからよ。あの女の事だから、恐らく先生の為にトラブルをわざと残し、解決させようとしていると考えるのが自然。それに失敗した場合でも此方にはデメリットはほぼ無い。」
決めつけに近いが、今までの彼女の行動を考えるとあり得ることか。そうリオの考えを理解しつつも新たな疑問が沸く。
「でも先生は恐らく君の同行など許さないし、ミレニアムの生徒会長である君がその様な事に干渉するのは難しいと思う。そもそもきっかけが存在しない。」
そう言うと彼女は少し嗤った様な気がした。
「ゲーム開発部からの要請……『廃部になりそうだから助けてほしい』という依頼を利用して、先生を廃墟に誘導する。正直あの部活はミレニアムにとって有害、頼れる友人など存在しない……まぁユウカは何故かあの部活に甘いけど。廃部にすると伝えた後先生にコンタクトを取ったのは確認済みよ。」
「その部活の事は殆ど知らないが、彼女達をどう誘導して廃墟に向かわせる?」
「『G.Bibleが廃墟にあるらしい』という情報を流す。彼女達は藁にも縋る思いで廃墟に向かおうとするでしょう。」
少し攻撃的な口調をみて、彼女の思考が冷静なのかを確認しようと考え、話を少しずらす事にした。
「そう言い切れる根拠は?そもそもゲーム開発部を選んだ理由は?確かに彼処は前調べたときあまり良い部活ではなかったが、他にも候補となる部活は有るのでは?」
「予め見繕った部活動の中で、成績や実績をもとにしたスペックの平均が低く、部活動においての発展性や個々の向上心が無い、そして最悪無くなっても困らないからよ。それにヒマリは彼女達と関係がある様だから、彼女がゲーム開発部に私が流した噂を伝えるでしょう。」
……少し色々と悪知恵を教え過ぎたかもしれない、前まではそこまで理屈を立てなかっただろう。だが、確かに自分でもその条件ならその部活動を利用しようと企む。
「だが調査した所で君がどうやって干渉するんだ?」
「
最悪のパターンは先生達だけが情報を持ち帰る事象だからと続ける彼女を見て、少し考えが浅いのでは?と思う。
「そう上手く行くとはあまり思えない。確かにミレニアム全体の頭脳が君より多少劣ることは知っている。しかしそれでもここに居るのは才女達なのだろう?そんなに掌の上で踊ってくれるのか?」
「いや、申し訳無いけど彼女達の成績や経歴を見るに、何故ミレニアムに入れたのか分からない凡才よ。」
生徒達の情報を抜き取っていた彼女のその発言には流石に何も言い返せなかった。
リオ会長とドクター……オラクルとの会話を欠伸しながら聞く。
数カ月前にやって来たこの胡散臭い女(まぁ今は防護服を脱いで居るから不審者とは言えない格好だが依然として胡散臭い)によってリオ会長は思考のブラッシュアップが可能になった。それは自身の思考を理解しつつも、適切な助言を送れる思考の近しい存在とのコミュニケーションと思考実験によって行われている様に見える。
他の会長と比較的近しい人は皆、『人を頼る事を覚えた』『感情と言うものを蔑ろにしなくなった』『必要以上に強権を振るわなくなった』と、成長したと言っている。
だけど私はそうは思わない。リオ会長は確かに変わった。だけどそれは皆が思う程良い成長では無い。寧ろあのオラクルという『大人』に近づいている。あの『大人』が私は
彼女は研究者で有りながら自分の知る誰よりも情報と権力、そして技術の扱い方、そしてそれを懐に忍ばせた状態での交渉が上手い。リスクとリターン、飴と鞭、本音と建前、様々な物事の側面を使い分けて相手に自分の意見を押し通す。キヴォトスでは異端な、間違いなく生徒とは違う存在だ。
そして会長もその影響を受けている。今回の件についても昔なら自分の行動によって発生するリスクについてもっと軽視していただろう。監視を先走り自分がついていく、或いは監視カメラをつけさせる等の手段を講じ、恐らくは失敗していただろう。
だから会長私を護衛と言う建前で先生に付かせると言ったとき、私は実感した。
私の知る調月リオはもう居ないのだと
話し合いが終わり、オラクルが与えられた研究室に帰っていくのを見ているとふと最近トキと前より話して居ないことを思い出した。
「トキ、久し振りに夕食を食べていかないかしら。冷凍食品だけど……」
「……承知しました。」
そう言うと彼女は何故か溜息をついた後了承の返事をした。
久し振りの食事は酷く静かなものだった。こんなに気まずい雰囲気の食事をするのは久し振りだった。
「トキ、何かしら今不満点が有るのかしら。やっぱり先生の護衛件監視員として同行してもらうのは嫌?」
パスタを食べていたトキはゆっくりとフォークを置き、こちらを見つめてきた。
「……いいえ、リオ会長。任務に不満はありません。C&Cではなく私を、しかも『護衛』という建前で送り込む判断は、極めて合理的です。……ただ、少しだけ悲しいのです。」
悲しいと、その想定していなかった言葉に食事の手が止まる。
「悲しい? 私が貴女を危険な場所に送るから?それとも私の護衛以外の長期任務に行かせるから?」
すぐに彼女を納得させる言葉を考える。
「違います。……今の貴女は、以前よりもずっと『正解』に近い場所にいる。でも、その正解は、オラクルという大人が持ち込んだ『正解』に強く影響を受けた『正解』です。……会長、貴女は私の瞳に、自分がどう映っているか考えたことはありますか?」
だがその言葉に思考が止まった。
「……皆は私が成長した。柔軟な思考を手に入れたと言っていたわ。あなたは違うの?トキ」
トキはその言葉を聞くと目をそらし、次に口から出た言葉はその返答ではなかった。
「オラクルは、確かに正しさと情を同時に持つ存在だと思います。同時に『自分とは違う種族の、いつか滅びる記録』のように眺めている。貴女がその冷徹さを学べば学ぶほど、ミレニアムからは『温かみのある失敗』が消えていく。……ゲーム開発部の彼女たちを『無価値な凡才』と断じた今の貴女は、かつての貴女よりもずっと、独りきりに見えます。」
「……そう。安心して。私は変わっても私は私。よほどのことがない限り私からミレニアムを捨てることはないわ。」
「ここがミレニアムか。こんな学校の会計やっているユウカはやっぱり偉い立場だろうに、よく当番に来られるな。」
ユウカに確認を取った二日後、私はミレニアムに来ていた。DU地区も発展していたが、近未来的なこの学園には多少気後れしてしまう。ドローンや清掃ロボットがそこら中で稼働している中、すれ違う生徒達は皆希望に満ち溢れて居るように見える。
ユウカとの待ち合わせ場所であるビルの下で周りを眺めていると
「お姉ちゃん何をしているの!」
上からそう声が響き、見上げると何かが振ってきていた。
「おわぁ!?」
回避不能な速度で落ちてくる物に対して咄嗟に防御を取ろうとすると、横から発射された
「君は?」
そう問いかけると彼女は
「初めまして先生。私は飛鳥馬トキ。今回、先生の仕事が終わるまで護衛として派遣されたエージェントです。私の事は飛鳥馬、もしくはトキと呼んでください。」と、礼をしながら挨拶をした。
「遅れて申し訳有りません……そのゴミは?」
ユウカが数分後謝りながら待ち合わせ場所にやって来た。
「上から窓を突き破って振ってきた物だよ……あ、そんなに顔を青くしないで。幸いトキのお陰で当たらなかったから。」
顔を青くして謝罪しようとするユウカを制止し、話題を変える。
「それにしても態々護衛まで手配してくれるとは。一昨日はミレニアムで危険な事は起こり得ないみたいな事を言っていたのに。」
そう言うとユウカは怪訝な表情を浮かべた。
「私は手配して居ませんが?」
私とユウカが同時にトキの方を向く
「「君は/貴女は誰から派遣されたの?」」
彼女は目を逸らさず答えた。
「調月生徒会長から派遣されました。」
三人でゲーム開発部の部室に向う。自分とユウカの後ろに付いてくるトキをチラリと見ながらユウカに小声で話しかける。
「確認するけど、ユウカはこの事は……」
「いや、聞いていません」
セミナー会計であるユウカにも伝えられていなかった。彼女の発言を信じるのであれば、これはリオの独断だと考えられる。ならばこれは……
そんなことを考えていると隣のユウカが扉の前で止まった。
「ここがゲーム開発部の部室です。もっとも、もうすぐ『元部室』になりますが。」
扉の奥からは叫び声が聞こえてくる。
ため息をつきながらユウカは扉を開けた。
汚い……ゴミだらけの部屋の中では二人の少女が言い争っていた。しかし自分とユウカが入ると言い争いは影を潜めた。
「先生!来てくれたんですね。でもなんでユウカが……」
「依頼だからね。それはそれとして……どっちがモモイでどっちがミドリなのかな?」
そう聞くと二人はそれぞれ自己紹介をしてくれた。
ピンクの服を着た元気なほうが姉のモモイ、ゲーム開発部のシナリオ担当のようだ。
緑の服を着たモモイに比べるとおとなしいほうが妹のミドリ、ゲーム開発部のイラスト担当のようだ。
「先生が来てくれれば百人力だよ!」
彼女たちは自分がシャーレの権限で廃部の通告を取り下げられると思っているようだが、そんなことはできない。そう告げる前にユウカが前に出て指摘した。
「貴女達にとっては残念な事だけど、この件においては各学園に裁量権が有るの。幾ら連邦生徒会の権力が有っても貴女達を廃部にする事を止めることは出来ないわ。」
そうユウカが言うと、直ぐ様モモイは驚愕した表情で
「えー!じゃあ先生を頼っても無駄だったって事!?それじゃあどうやってこの部活を存続させれば良いのさ!」
「既に通告しているでしょう?部員を集め、実績を残す事。猶予は与えた筈よ?」
どうやらユウカは既に譲歩していたらしい。これだと自分が出来ることは想像以上に少ないかも知れない。
「そんなぁ、私たちは『テイルズ・サガ・クロニクル』で既に賞を取って……」
「今年のクソゲー大賞……でしたっけ?それが貴女達の実績なの?」
ユウカの言葉は鋭く、そして正しさに満ち溢れている。
「それでも、もし自分たちの活動にも意義があるのだと主張したいのなら──証明してみせなさい」
「証明……」
「何度も言ったでしょう。きちんとした功績や成果を証明すれば、廃部は撤回するって」
「……例えば、何かの大会で受賞するとか?」
「そう、スポーツならインターハイに出るとか、エンジニア部なら発明品を公表するとか、そういう類のものよ。ゲーム開発部なら、そういうコンテストも色々あると思うけど……とは言え、出せば何とかなるとも思えないわね。あなたたちの能力は、あのクソゲーランキングが証明済み」
彼女達の苦し紛れの言い訳もユウカに潰されていく。と言うかそんな切羽詰まっているのにゲームを先ほどまでしていたのか……
自分の眼差しが少し冷ややかになっていくなかユウカは尚も彼女達が背けたい現実を突きつける。
「さっさとこの部屋を明け渡してくれないかしら。その分の予算を別の部活に充てればミレニアムとしてもありがたいの。無駄な事でお互いに時間を浪費する必要はないでしょう?」
「嫌だ!そんな事!」
そう言って彼女は拒否し、こっちを向いた。
「まだ私達には、策がある!今回のミレニアムプライスに私たちのゲーム、『TSC2』──『テイルズ・サガ・クロニクル2』を出すためには、先生の力が必要なの!」
「……ミレニアムプライスとは?」
「あ、ミレニアムプライスっていうのは、ミレニアム中の部活が各々の成果物を競い合う、ミレニアムでも最大級のコンテストだよ! ここで受賞さえすれば、いくら何でも文句は言われないはず!」
「……まあ、そうね。受賞できたなら、の話だけど。けどねモモイ、今あなたが言ってるのは運動部がインターハイに出るとか、そういうレベルじゃなくて……先生、こんな子たちでも協力するんですか?」
ユウカの目線が冷ややかに問うてくる。だが……
「協力しよう、それが役目であり、責任だ。」
私はどんな有様でも助けを求められたら手を伸ばすつもりだ。
その後ユウカは期限と条件を念押しし、部室から離れた。
「さぁ先生、入って入って。」
ユウカが帰った事で緊張が解けたのか、元の元気を取り戻したモモイが手を引っ張って部屋の中に誘導してくる。するとやっとトキの事に気が付いた様だ。
「そこのメイドさんは?先生のお手伝いさん?」
「初めまして、飛鳥馬トキと申します。先生がミレニアムに滞在中の間、護衛として派遣されました。」
私が答えようとする前にトキが返答した。
納得したモモイがトキも案内しようとするのを私は制止する。
「トキ、君は護衛では無く、
そう振り向きざまに突きつける。一瞬彼女の目が揺れたように思えた。空気が一瞬で緊張感に包まれる。
「違います。そもそも先生は
彼女はそう言うが、どうにもあの警戒心の強いリオの影がちらつく。
「え、なになに。この二人は敵対組織にでも所属しているの?」
「いや、気にしなくても良いよ。ごめんね。トキも入って良いよ。」
モモイの困惑の声でひとまず緊迫した空気をお互い霧散させる。そうして私たちはゲーム開発部と話し合う事になった。
「今の所、君の予測通りだな。伊達にミレニアムのビッグシスターでは無いと言うことか。だが、ユウカに警告をさせたのは間違いだったな。先生とは言え、下手をすると依頼を受けないかと思ってしまったよ。」
「それは無い。あの人は受けることが可能な依頼なら、依頼は必ず受ける。」
トキの服に着けられた小さな盗聴器とマイクロカメラから情報を得ながらエリドゥのタワーの中でドクターとリオは話し合う。
「だが、君の予想よりも『先生』は察しが良いな。これからどうする?」
「どうもしないわ。こちらから打てる手は限られているし、先生側も確固たる証拠がない以上、『護衛』を排除した際のリスクを考えると動きにくい筈よ。」
花には楔が打ち込まれ、時計は何も示さない。
非常に遅れて申し訳有りません。一度七割位書いたのですが、上手く纏まらず一から書き直しました。
飛鳥馬トキ……原作との相違点はただ1つ。リオの急激な変化に対する拒絶心である。彼女はリオのエージェントに力を入れすぎて留年するほどの人間である。そんななか、短い時間で大人の影響を受け変化するリオを彼女は受け入れる事が出来なかった。
調月リオ……合理性と情を使い分けられる様になった。だがその情も結局は合理性に帰着するため実はオラクルとは違う。彼女はオラクルの影響を強く受けているが、同時に生まれ持った特性が影響し、生徒としての立場を逸脱し、『大人』になりつつ有る。
オラクル……調月リオの変化をトキとは別の側面から正しく見ている。彼女の変化が自分の上辺をなぞったものに過ぎないと理解はしているが、それでも今の状態の方が前よりは良いと判断し静観している。オラクルの合理性と情は独立しており、その2つが対立したときに合理性を優先するだけであるため、リオとは根本的に違う。
早瀬ユウカ……リオがトキを護衛に着けることを教えなかった事に少しモヤッとしている。しかしその後リオを電話越しに問い詰めた際、『申し訳ない。先生が来ることが分かったのがほんの前日だったから忙しくて伝達するのを忘れてた。』と伝えられひとまず溜飲を下げた。すべて仕組まれた茶番で有ることも知らずに。