くっ!鍛えた筋肉があれば吸血鬼になんか絶対負けないっ!   作:b畜農家

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えぇ…?お気に入り&高評価しゅごいのぉ…(ガチ困惑)
物凄い人数になってるので記載できませんが、お気に入りと高評価をポチってくれたみなさんには感謝しています。ありがとうございます。貴重な☆10をくれた人にも圧倒的感謝っ…!
息抜きの為に書いてる作品なので(山場らしい山場は)ないです。
カービィ3のサンドキャニオンのテーマが終始流れてるもんだとお思いください。


しかし熊沢莉羅には狙いがあった───

 

「さて、今後のことじゃが……わしはやはりエジプトへ向かいDIOを倒そうと思っている」

 

 承太郎は、状況を整理し終えた祖父の発言に「だろうな」と思いました。

 

「ああ。私もジョースターさんに賛成だ。奴の送り込む刺客が花京院一人だとはおよそ思えない。このままでは、ホリィさんにも……」

 

 ジョセフの友人であるスタンド使い、モハメド・アヴドゥルは声を小さくし、ホリィさんがいる台所の方を心配そうに見やりました。

 

「承太郎、お前にも手を貸してもらうぞ」

「ああ」

「花京院と言ったな。君はどうする」

「僕も同行します。DIOに受けた屈辱は、奴の死でしか拭うことができない」

「そうか、わしらとしても助かるわい」

 

 そこまで行って、おもむろにジョセフは莉羅へ視線を向けました。

 何を言う気なのか彼女は察しをつけていましたが、彼の言葉を最後まで聞こうと大人しくしていました。

 

「熊沢と言ったか。君もスタンド使いと聞いたぞ」

「はい」

「そうか。……恥ずかしいお願いをするが、君にも打倒DIOの手助けをしてもらえんか? わしらには少しでも多く戦力が欲しいのだ。無論、難しいと思うのなら断ってくれてかまわん。君がどんな返事をしようと、君の家族には信頼のおける組織の人間を護衛に置く」

 

「いいえ」莉羅はその目をまっすぐ見つめ返しました。

 

「わたしも同行します。そんな話を聞かされてスゴスゴと引き返すわけにはいきません」

「……すまん、ありがとう」

 

 きっぱりと言い放った少女の毅然さに感心しながら、孫の幼馴染とはいえ自分たちとは無関係な若い娘を危険な戦いに付き合わせる罪悪感でいっぱいのジョセフは厳しい顔をしてうなずきます。

 しかし心のどこかで、このいろいろな意味でわしらに負けず劣らず逞しい彼女なら、ひょっとしたらわしらにもできんようなとんでもないことをするかもしれんのうと思ってもいました。

 そしてその予想は、ずばり的中することになるのですが──それはまた後のお話。

 

▼▲▼

 

「それじゃあ話がまとまったことですし、わたしは外でトレーニングしてきますね」

「うん? しかし熊沢、お前は胸を撃たれたのだから安静にせねば」

「へーきへーき! 胸の皮膚をすこし削っただけってジョセフおじいさまもおっしゃってたではありませんか!」

「ドタマ撃たれたんだぞテメーは。ちったあ大人しくしやがれ」

 

 承太郎が珍しく一言以上の言葉を放ちましたが、みんなに見える場所でやるので、という莉羅の言葉に、そういうことを言いたいんじゃないんだがのとその身を案じながらしぶしぶジョセフは頷きました。

 

 同じタイミングで、人間の力と同等であると判定されるスタンドパワーをもろに食らっておいて「へーきへーき」はないだろうとアヴドゥルも思っていましたが、彼女があまりにもシャンとした姿だったので花京院ともども何も言えませんでした。

 

 承太郎は、こいつそういえば鼻血を噴いた翌日に元気に学校へ通うやつだったなと思い出していたので、割り当てられた部屋へ向かう莉羅の背中を死んだ目で見送りました。

 

 しばらくして莉羅は、一振りの木刀を持って戻ってきました。

 血や汗を吸い込み上品な紅蒲色に染まったその相棒を握りしめ、莉羅は庭先に下りると素振りを始めたのです。

 よどみなく剣を振り、機敏に切り返し、仮想の敵を相手に剣戟を交わすその姿からは長年の鍛錬が伺えて、日本がでぇ嫌いなジョセフも思わず「ほう……」と感心するほどでした。

 ただ、彼女が剣を振るたび『ブオンッ』と木刀にあるまじき物々しい音が響くので彼はなんとなく尋ねてみることにしました。

 

「のう熊沢。その木剣はいつから持ち歩いているのじゃ? ずいぶん長い事使い込んでいるようじゃがのォ~」

「? これは木剣じゃなくて鉄刀ですよ」

 

 

 

 

 

 ……?

 ジョセフの困惑もさもありなん。

 1987年代には既に銃刀法は存在しており、いくら色々ゆるゆるなこの時代と言えど鉄剣を持ち歩いていたら罰金はもちろんのこと、最悪の場合懲役を食らうこともありえます。

 

 しかし熊沢莉羅には狙いがあった。

 

 莉羅の木刀、いやさ鉄刀は、ただなまくらであること以外は刀と変わりない重量を持つ『得物(武器)』です。

 刀は剣と比べて軽い、と皆さんは思いますね? しかし実のところは違います。

 実際には、同じ刃渡り、身幅、厚み、刃角を持つならば刀は剣と比べて圧倒的に重く頑丈です。

 諸刃と片刃の断面図を雑に簡略化すれば『<>(つるぎ)』、『<コ(かたな)』となるので一目瞭然となります。

 重量、それすなわち殺傷性の高さです。たとえ灰皿でもじゅうぶんな重さがあれば簡単に人体は破壊できるのです。*1

 

 今後戦いが避けられないことを悟った莉羅は、中学卒業と同時に剣道部に入部。名だたる剣士を某格ゲーの公式チート(スト6の不知火舞)よろしくなぎ倒して部長の座を勝ち取り、バイトでちくちく貯めたお金を全ツッパしてオーダーメイドの鉄刀を作ってもらったのです。

 どうやって作らせたかは皆さんのご想像にお任せしますが、製作者と莉羅の間には極めて公平で公正な会話(筋肉による圧力)があったものとします。

 

 え、お父さんは止めなかったのかって? 無論止めました。ですが、「決して善なる心を持つものには使わない」とその場で捺印付きの書状をしたためたことで手打ちとしたのです。当然お父さんとお母さんは教育方針の相違で離婚の危機に陥りました。

 

「──というわけで、我が相棒はこうしてわたしの手元にあるというわけです。

 これを名付けて! 悪者カチ割り丸!

 

 堂々たる説明を聞き終えて、アヴドゥルは今自分の目尻が痙攣しているんだろうなと考えながら口を開きました。

 

「………………………いや、ジョースターさんは君が銃刀法を違反していることを指摘しているんだが………」

「んあぁおっしゃらないで。決して見せびらかして持ち歩いてはいませんし、日本で使ったことはありませんから」

「日本?」

「それじゃあ、朝錬を逃した分取り戻しておきたいのでそろそろ」

「…………」

 

 決して筋肉に威圧されたわけではありませんが。

 彼女の曇りなき(まなこ)を見ていると深く追求しようとする自分が悪い人間のように思えて、アヴドゥルはそれ以上何も言えませんでした。

 

「こりゃあ、本当に何かとんでもないことをしでかすかもしれんのう」

 

 嬉々として素振りに励む彼女へ、ジョセフはぽつりとつぶやきます。

 そしてその姿を、大男四人そろってじっと見守るのでした。

 

 

 空条ホリィが倒れるのは────その次の日です。

*1
引用元:「蛮族娘の異大陸漂流記」




【熊沢莉羅】
・主人公。名前の由来は「熊沢=クマ」「莉羅=ゴリラ」。クマとゴリラに勝てるわけないだろ!!
・転生者であり、この世界が漫画作品であることを現状唯一知る人物。
・血のにじむような鍛錬の末3ジョナサン・ジョースターくらいの筋肉を獲得したいわゆる最強オリ主。
・首から上は美少女で、ドッジ弾子の五十嵐柔里かポケモンZAのシローのような容姿。
・スタンド能力は空を飛ぶ事。それだけ。
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