魔法少女「あなた」   作:何処にでもある

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 今回はあなたがRPで冒険中に爆発しないようにするパートです。
 1〜2Fの処理も兼ねてますが、序盤なのでダイスは全然降りません。




シーン「冒険1×爆弾湿り」

 

 

戦闘方針→「恐怖」+1

争わなければ何とかなると考えたあなたは、お互いの仲を取り持つことにした。

 

 

「‭─‬‭─‬という訳で今日はみんなで潜るから。拒否権はないと思いなさい」

 

 ……………。

「…………」

「…………」

「うぅ…叱られた…」

 

「…それと、今回の件は私から言い出したこと。あまり鼠を睨まないでね。悪い事はしてないもの」

 

 こういう時どうすれば良いだろうか?

 あなたは、初めて修羅場という物に立っていた。

 主に後方2人からの目線が辛い。貫かれるんじゃかいかと思うくらい鋭い。

 分かってやった以上仕方ない事とはいえ、本当にタイミングが最悪だった。

 

 アリスが第二の親だと判明したばかりのタイミングで、アリスに無理をさせる提案をする。

 こうして自分が提案したのだとアリスちゃんがフォローしてくれなければ、今直ぐあなたが嬲り殺しになってもおかしくない殺意だ。正直とても怖い。

 しかし今日が最善だったのだ。例え恨まれようと、明日からでは遅いと踏んだ。後悔はないが、少し早まった気もする。

 何もかも都合がいい日なんてないのだと、あなたは実感したのだった。

 

「じゃあ出発ね。今日は一日中潜るから、トイレ休憩は陸地がある時に言いなさい。《擬似・魔女の隠れ家(デミ・ウィッチハウス)》にちゃんと用意してるから」

 

 そこからアリスは先ほどあなた相手に行ったブリーフィングを行い、目標と経路を共有する。

 隠れ家に不要な人員を入れて、アリスが影に潜って行けないかとも考えたが、隠れ家に生き物を入れて動かせないらしい。バラバラならその限りではないらしいが。

 以下は相談している最中の会話である。

 

「戦闘は私が先手を取るから、吸血鬼と一緒に前に出ること。こっちを襲ったら前みたく途中で降ろすからそのつもりで」

「うっ…分かってる! 2階で眷属だけ連れてかれて死ぬのは勘弁だからな…我も反省しているのだ」

「えっシェフちゃん前科あるの?」

「決戦の時にね。じゃなきゃこんな上等な戦力が2階で死んでないわよ」

「コイツとんでもないですね。置いて来ましょうよ」

「ダメ。吸血鬼と本人合わせてマジカル怪人を一瞬で15体は倒せる火力を、放っておく余裕は現状ないわ」

 

「はい、私の役目って何? 倒して追撃するにも火力足りないと思うけど」

「瀕死を追い討ちするには打ってつけだからよ。期待値40の追い討ちは割と有難いのよ。その為に吸血鬼の手番を減らすのも何だしね」

「……アリスちゃん、40ってどのくらい?」

「マジカル怪人が死ぬまでを500〜1000として吸血鬼が150。だから吸血鬼の1/3くらい」

「アリスは?」

「期待値120くらい。全部の魔法が成功すれば最低220確定。けど今回の本命は3手分あなた達を守れる巫女舞と情報共有、後は細々とした移動に使う奴。挑発無効なら名義違いで跳ねられるけど、他対象の状態無視の魔法が怖いって感じね。そうなったら案山子頼みになるわ」

「すごいですね、どの視点から言ってるか全く分かりません」

「魔法の理解度の差を感じる…!」

「我は分かるぞ!」

 

「ぇっ私外で待機するんですか?」

「だってあなた、登場すら魔法使わないとダメじゃない。変身して待機よ待機」

「なっ…納得できない…!」

「来た後は金雲に乗せてその場でまた待機ね。下手に動くんじゃないわよ。今回は接敵相手が分かるんだから、全員に(マーキング)付ければ良い話でしょ?」

「どんまいパミちゃん、待ってる間ゲームやってていいよ」

「恨むならそんな魔法になる己の性格を恨め、パミよ」

 

 という訳で来たのは東京タワー。最初は驚いた逆さまの突き刺しも既に見飽きた、あの東京タワーだ。

 アリスの魔法で保護されて、事前に使いたい魔法は行使して、吸血鬼も先に全員呼び出しての侵入である。

 身体が青い光に溶けていき、より小さな世界へと潜り‭─‬‭─‬存在を削るような嫌な感覚が魔法に阻まれて、あなたは再び冒険の舞台へと舞い降りた。

 

『寂し‭─‬‭─‬っ!?』

 

 兎の怪人、その影が早速現れるが‭─‬‭─‬。

 

「《擬似・龍の眼(デミ・バレリー)》‭─‬‭─‬斬り捨てなさい」

 

 圧倒的な強者の睨み付けを模した魔法を更に模倣した魔法により怯み、その隙を付いて1人の吸血武者の斬撃が叩き込まれる。遅れて落ちた首、消えていく影。

 連撃を叩き込む必要すらない、一振りの終わり。

 決戦の時もアリスが指示をしていたのだろう。吸血鬼も一切戸惑う様子を見せず、手慣れた様子で怪人を切り捨ててしまった。

 

「さ、行くわよ」

 

 ……圧倒的だ。間違いなく。私が出てくる必要もない程に。

 だけどそれは同時に……。

 

「どうだアリス! 我はすごいだろう?……どうだ、殺されたくなったか?」

「やったのあいつでしょ。寝言は寝ていいなさい。それと、安易に殺しを口にするな」

「……そうか」

 

「……ふうん、2人居れば大丈夫そうだね」

 

 あなたを見捨てても戦いに支障はないことを示していた。

 さて、ここからが本番だ。その殺意をどれだけ和らげられるか、あなたの口の回り具合に全て掛かっている。

 

 ラビちゃん。

 

「…どうしたの、シル」

 

 暫く暇になりそうだしさ、話し合わない?

 

「……いいよ、丁度私も話したいと考えてたからさ?」

 

 

「2人ともー? 金雲乗せるからこっちきなさーい?」

「《擬似・会話検閲(デミ・シークレットタイム)》後そこのナイト、特別にここでも電波が通じるスマホ貸すから、暇な内に調べ物しときなさい。京都の知り合いの魔法少女から借りた奴だから無くさないように。どんな情報のキッカケを得たか知らないけど、やらないよりマシでしょ? あ、先に私に情報寄越しなさいよ? 鼠に渡すかはそれから決めるから。じゃ、頼んだわよ」

 

『‭─‬‭─‬!?』

 

 そうしてアリスを先頭に吸血鬼の武者軍団が金の雲に乗って移動するという、何処かの神話にでも出て来そうな光景の一部になっている中、あなた達は会話をする事にした。

 前提として私が冒険を提案した訳ではないこと、火の神に関しては既に共有されていることは念頭に置くべきだろう。

 

 ……先に言うとさ、私は火の神のことを言ったの、ダメだったって思ってないから。

 

「知ってる。じゃなきゃシルは黙れるタイプだもん」

 

 だけど、こうなるとは思ってなかった…って言っても、信じる訳ないよね。

 

「……ま、そうだね。アリスちゃんは自分も駒にするタイプの人だけど…嫌な事からは逃げられる人だから。シルが後押ししたって私は思ってる」

 

 言いくるめるならここだろうと、あなたは口喧嘩を始める合図を口にした。

 

 ……うん、ご明察。その通りだよ。

「…っ!」

 

 襟元を掴まれる。なんでそんな事をしたんだと、怒りのままにあなたを睨む。

 ‭─‬‭─‬さあ、ここからがあなたの本領だ。考え抜いた言葉を重ねよう。

 

「なんで…! どうして!」

 

 アリスちゃんがこの先確実に生き残るには、それしかないと思ったから。

 

「そんなの…!」

 

 だったら、私たちがアリスちゃんに危険な目に遭わせずに、神殺しが出来ると思う?

 

「………ッ!」

 

 ここで突くべきは本人も自覚している弱さだろう。

 あなたもそうだが、今、魔法少女は記憶がある組と無い組で激しい実力差がある。

 現状アリスとシェフにおんぶ抱っこ、周りが見えているなら足を引っ張っている感覚を覚える状況。

 内心真面目なラビちゃんには、悔しい状況なのは間違いない。そこを突けばあなたを責め立てられないと……あなたが睨んだ通り、ラビは押し黙った。

 さあ、攻めるなら今だ。

 

 私はね、何もただ苦労して欲しいから後押しした訳じゃない。アリスが最悪な目に遭って欲しくないから、出来ることをしただけなんだよ。

 

「…………」

 

 こんな状況だけど…一回冷静になろう?……私も、アリスを助けたい気持ちは一緒だからさ。

 

「……わかった。ごめん、八つ当たりだったよね。うん…頭冷やすから、放って置いて」

 

 分かった。

 

 こうしてあなたはラビの説得に成功した。

 その間に起きた鼠の怪人の瞬殺、案山子の瞬殺、初見の精神の魔法少女、もといマジカルな怪人は…これも400名の吸血鬼が行動不能になるも瞬殺だった為、吸血鬼に戦闘後回復を施し、引き続き潜ることとなる。

 

 

多数による冒険…7名以上による探索を行う場合、遭遇判定が7以下で-1、7以上で+1の補正が掛かる。大多数で動くと、それだけ良きにも悪しきにも目立つ。

1〜2F結果

 遭遇判定によりミスケアクロウ*シャドウ、メンタル*マジカルと遭遇。

 メンタル*Lv.30の《狂騒心相(3F#C) Lv.30》により吸血鬼40体を対象に[狂乱/騒音/心の檻/相剋3]を戦闘前に付与。

 戦闘開始後、《擬似・龍の眼(デミ・バレリー)》‭と吸血鬼の連撃により討伐。

 その後、アリスによってミスケアクロウ*シャドウを確殺。

魔法行使→ 《狂騒心相(3F#C) Lv.30》

…戦闘開始前自動発動。存在-5。40体を対象に[狂乱/騒音/心の檻/相剋3]を付与。

[狂乱]…行動が攻撃しか出来なくなる代わりにダメージ2倍。

[騒音]…音系の魔法が近くで行使された場合、音源となって範囲を広げる。対象+50。

[心の檻]…攻撃を行った場合、[トラウマ/攻撃]を獲得する。

[相剋]…[トラウマ]を獲得した場合、それを除去する代わりに自身の操作権を付与者に渡す。

 

 

「全員休憩! 15分後には出発するから、それまで休むように!」

 

 鼠の怪人を倒し、3Fに行く奈落地点(ダウンポイント)の前に来たあなた達は、休憩を取ることになった。

 既に移動で2時間。あなたは雲の上に立っているだけだったが、それでも消耗するものはある。

 無駄に広大な暗闇を進む都合上、一度来たとはいえ精神が削れていくのだ。

 しかもこの先は間違いなく魔法少女の怪人が居る領域。人は居ても自分に攻撃が当たれば容易く死ぬ。

 しかしあなたの主戦場はこの休みの時間。

 人と…特に常にアリスの近くに居るシェフちゃんと話せる唯一の15分が全てだ。

 この後は心の余裕が無くなってくると予想出来るだけに、あなたは絶対後ろから刺されないようにするぞと意気込んだ。

 

「あ、居た。鼠、ちょっとナイトの面貸しなさい」

 ん? まあ良いけど…。

「ありがとう。背の高い奴が入り用だったのよ。休憩終わりには返すわ。…ああ、吸血ならあっちよ」

 

「《擬似・会話検閲(デミ・シークレットタイム)》……なるほど、電寄生…財団の正体、霧晴家…最適な救助の申請先、アリスとなろうチャンネル…私が見た目と立場をデミってる相手ね…なに? 未来視的にこれバラさないとマズい事でもあるの? 私が今はリーダーしてるのはマジなんだけど。代役としてデミってる訳だし。いやねー…悩みの種が増えるのは」

 

 途中アリスにナイトを貸し出したりもしたが、お陰でシェフちゃんの元には恙無くいけたのでヨシとしよう。休憩中に使う予定も無いのだから。

 

 シェフちゃん。

 

「…お? なんだ、シールよ」

 

 少しお話ししよう?

 

「いいぞ、我も退屈していたからな」

 

 あなたの呼びかけに、座ってゆっくりしていたシェフちゃんがコチラを向く。

 一歩間違えれば頼もしい吸血鬼が全員あなたを襲うことになる。

 遠回しな命乞いの時間が始まった。

 

 






 判定として表示するのはあなたが見ている範囲です。
 当然ですがアリスや案山子など、見てない所の判定は飛ばされます。

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