インフィニット・ストラトス: Reorigin;The World She Chose   作:笑嘲嗤

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第13話 夢の続き

 日本に帰ってきてすぐにシャルと山田先生をフランス大使館に呼び出した。シャルはすごく緊張していた。その上。

 

「お父さん」

 

「シャルロット」

 

 アルベールも来ていた。そしてフランス大使がシャルと山田先生に事情を説明した。山田先生はどこか怒っていたようだったけど、ぐっと飲みこんでいた。

 

「じゃあボクは開放ってことなの?」

 

「そうだよ。シャル。お前は自由だ」

 

 俺はそう言祝いだ。シャルがどこかホッとしたような泣きそうなそんな顔をしている。

 

「まああとは大人たちに任せておこう。シャル。男装はやめたいよな?」

 

「うん。それはもちろん」

 

「じゃあ服でも買いに行こう。アルベール。お小遣いあげてよ」

 

 そういうと何も言わずにアルベールはシャルにクレカを差し出した。

 

「え?ありがとうございます」

 

 会話がなさすぎる。まあでも事情は理解する。これは今後の課題であって、いま語ることじゃない。俺たちはとりあえず原宿に向かった。

 

「わぁ!すごい人だね!」

 

 原宿の通りは人通りが多い。俺たちは人ごみを早足で抜けていき、うらはらを目指す。シャルは笑っていた。楽しそうでなによりだ。

 

「どうかなこれ?こっちは?うーん」

 

 シャルはいろんな服を睨めっこしている。女性の買い物は長いという定説にぴったり当てはまった。それにどこか安心してしまう。

 

「これどうかな?短すぎるかな?」

 

 スカートを持ってシャルが俺に尋ねてきた。

 

「いいんじゃない!俺は見たいぞ!」

 

「そう?!じゃあこれにしようかなぁ」

 

 いろんな服が買い物かごに積まれていく。さまざまなショップで靴やら服やら帽子やら何もかもそろえた。

 

「荷物はもつよ。まだ買い物楽しみたいだろ?」

 

「いいの?!じゃあ。お願いね」

 

 はにかむシャルは可愛らしい。そしてだいたい買い物が終わったころに、レストランにやってきた。とりあえず肉食いたいからシュラスコにした。

 

「豪快だねぇ。でも美味しい」

 

 シャルは満足してくれているようだ。俺も楽しくて肉を頬張る。

 

「これから学園も女子制服だからな。まあ部屋は別になる。それは寂しいな」

 

 俺はそう言った。本気でそう思う。

 

「うん。僕も寂しいな」

 

「まあ遊びに来てくれたら嬉しいよ」

 

「ありがとう一夏」

 

 ジュースで乾杯して俺たちは今後の未来を祝った。いいことがありますようにと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 山田先生が何とも言い難い顔をしている。

 

「転校生を紹介します…シャルロット・デュノアさんです。実は社会実験として男性の振りをしてましたが、実験が終わったために元の性別での生活に戻ることになります。よろしくお願いしますね」

 

 お悩み察します。だけど特に問題は起きずシャルはクラスに溶け込んだ。だけどときたま女子の一部がズボンを持ってきて、履いてと頼むことがあってなかなかシャルも困っていた。

 

「一夏!女子と同じ部屋だったのか?!そんな私は……」

 

「俺は気づかなかったよ。男子の演技上手かったからね」

 

「そうか!ならいい」

 

 箒がなんかホッとしてるけど、嘘は方便だ。

 

「ところでシャルロットさんのルームメイトはどちらさまですの?」

 

 そうセシリアが尋ねると、シャルは目を背けてなんか暗い顔で言う。

 

「ラウラだよ」

 

「まあ?!」

 

 セシリアが驚いている。俺もなんとも言い難い。

 

「部屋にね。一夏の写真があるんだ」

 

「やめて」

 

「それでふきだしがついてて『メス豚。卑しい目で股間を見詰めるな。欲しいのか?びんたしてやろうか?』ってドイツ語で書いてあった」

 

 俺は絶句した。聞かなかったことにしよう。そうしよう。

 

「織斑一夏。久しぶりだな」

 

 そんな時にラウラが話しかけてきた。やめてよ。

 

「どうした?メス豚を前にしてその冷たい目はなんだ?!私は屈したりしない!」

 

「あ?しばき倒すぞお前」

 

「ううぅ!?くぅ!嗚呼ん♡」

 

 なんかびくびくしてる。もうやだこいつ。

 

「せめてフルネーム呼びはやめてくれ」

 

「わかった。主様と呼ぼう」

 

「えーうそーん」

 

 なんか呼び名がおかしい。だけどこれ絶対に訂正できないし、責めれば喜ぶパターンだよ。もうどうしようもねぇ。

 

「ところで主様。こんど臨海学校があるのだが、水着がない」

 

「まあ買い物くらいなら付き合うよ」

 

「主様にはきっとビキニのTバックが似合うと思う。その尻で私の顔を押しつぶしてくれ」

 

「ばーか!ばーか!誰がそんなことやるかよ!あほ!馬鹿!あほ!」

 

 もうこれが平常運転になるの?いやだもう!

 

「この間。ボクも一夏と水着選んだんだ。男の子の目線も大事だよねー」

 

 それを聞いて箒とセシリアが俺に縋るような目を向けてきた。勘弁してよもう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 束は夜空の星をぼーっと見詰めていた。手を伸ばすが当然届きはしない。そしてスマホの初期設定のままのベルがなる。

 

「なにかな?」

 

「姉さん。私は」

 

「いいよ。どうせ専用機が欲しいんでしょ。コアは余ってるし、実験機なら渡す。じゃあ切るね」

 

「ちょ!待って……」

 

 束はスマホを電源ごとオフにした。そして目を瞑る。星の夢を見たい。そう願いながら。そして隣には彼がいる。その幸福な夢に身を委ねて束は眠った。




やっと束が出せたよ('Д')
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