■■がバレてはならない転生オリ主のお話 作:執筆サボって執筆してます
匿名無しで書いている方が一切書けていないので投稿します
ちなみに作者は火鍋を食べたことがないぞ!
描写がほぼないから多分飯テロには当たらないな!
前略 ドクター 俺誘拐なう
‥‥‥たまには外をぶらつくべきと思って外出したらコレだよ!
てか昼に何を食べようかしらとかぼんやりしてたら『火鍋行くぞー!』って後ろから襟首掴まれて引き摺って連れてかれるとか予想できてたまるか!
「イーサン、賭けはお前達の勝ちだ‥‥‥誇るがいい」
嘆くような呻きが喉奥から這い出た、なんかサムズアップしてるイーサンが浮かんでムカついた
「ソレ次の映画のセリフに使えねえかな」
白昼堂々と俺を誘拐した実行犯______ニェンは呑気なものだった
「好きにするべきですよ、多分」
自分で歩くから首に巻いた尻尾を解いて欲しい、サーベライズマシンを覆うようにしてくれたお陰で苦しくはないがすごく目立つ
「すまんマンナズ、本当にすまん 最近姉ちゃんがお前のことを話すせいかなんか目についたんだ」
計画犯______ラヴァは両手を合わせて俺に謝罪してきた なんか成仏してくれって聞こえた気がするが勝手に殺さないでくれ!?
「ソレでお前が俺を見つけてこうなったんですか? 怒ってないけどせめて飯を食ったかどうかは聞いて欲しかったですよ」
「ソレは本当に悪かった」
「あれ、もう食ったのか?」
「食ってないです! ゴチになりますね!」
「図太いなオマエ!?」
「あ、悪いが少し払って貰うかもな」
「「知ってた」」
二人の荷物の量からしてそりゃ金が足りなくてもおかしくないよねって感じだ 恐らく大部分がニェンの映画の為の買い物だろう
しかし俺が何故ニェン______巨獣である歳の代理人の一人に目を掛けられているのかは分からない
たしか最初に火鍋に連れて行かれた時もこんな感じだった気がする
俺の食生活を食堂のみんなが心配するからルーレットを作ってみた日だっけか?
でも使う寸前で『お前丁度いいや!』って言われて連れてかれたんだよな
あの後小道具作りを手伝わされたり初めての火鍋で酷い目に遭って結局ルーレットは他の人達が使っている‥‥‥いい加減観察も済んだし使ってみるか?
「しっかしオマエもラヴァも軽いよなー ちゃんと食ってんのか?」
そういえば食べてる時はどうだっただろうか?
確かあの時の火鍋は俺とニェン以外にラヴァと誰がいただろうか?
珍しくドクターが休日でいたはずだ、具材にゲテモノばっかり入ってたから間違いない
まああまりの辛さで最初は味が判別出来ない上に酷く咽せるわ涙が止まらないわで散々だったが自分の碗に装った分はしっかり食べ切ったはずだ
「食える時は三食しっかり食ってるぞ じゃないと大変なことになる」
ハイビスカスと同室だから誤魔化しとか効かなそうだよね
「毎日食べてますよ、というかいい加減引き摺るのはよして下さい」
「ん? ああ、全然動かねえし軽すぎて荷物持ってるかと思ったわ」
「あはは‥‥‥ん?」
「あ、やべ」
突然首元の圧迫感が消えてそのまま後頭部から倒れそうに______
「いきなり放り出すなニェン」
______なる前に回り込んでいたラヴァが受け止めてくれた
「ありがとラヴァ‥‥‥(火鍋で)死ぬ前に死ぬかと思った」
「分かるけど分からないことを言うな、というか引き摺られるだけじゃなくてちゃんと歩け」
「そうだぜマンナズ、流されるばかりだといつか後悔すんぞ?」
「‥‥‥耳が痛いです」
流され続けた結果が今とも言えるからなあ
そこからの会話はできる限り意識して記憶に残さないことにした
製作側じゃない俺がこれから作る映画の内容を知ってるなんて得とは思えなかったからだ
……内容に色々と突っ込みどころがありすぎて気にしたら休みどころじゃなくなりそうだとかそういうわけではない
「そんでマンナズ、お前はどう思う?」
「最近は任される仕事が増えてきたのでほぼ小道具は作れそうにないですね」
「ちぇー、まあ仕方ねえか」
「早めに言ってくれれば予定が空くかもしれないんでそれで一つ」
「悪いな!」
ちゃんと話聞いててよかった! 今撮影に参加しないかって誘われたけど十中八九ブッ飛んでてついていけないよ
「えーと次は……こっちか」
そう言ってニェンは路地裏へと入っていった
「本当に合っているのか?」
「多分!」
道に面影があるし、とか付け加えられても不安でしかないのだが……
___
______
_________
「さ、着いたぜ! ‥‥‥多分」
「店やってんのか此処!?」
「老舗というより廃墟だな」
入り組んだ路地裏の奥、俺たちは店の前で戸惑っていた
辛うじて看板らしきものがかかっているので店のはずだ
一応屋内に人の気配はあるようだが‥‥‥?
「おう、やっとるよ」
「よっしゃ!」
ぬっ、と店主らしき老人が玄関の隙間から首を出して喋るとすぐに引っ込んだ‥‥‥幽霊とかじゃないよね?
「入ろうぜ!」
「「‥‥‥」」
躊躇いなく入店するニェンを尻目に熾烈なジャンケン勝負を繰り広げた
あいこ、あいこ、あいこ、俺の勝ち、ラヴァの勝ち、俺の勝ち、ラヴァの勝ち、俺の勝ち‥‥‥
「‥‥‥なんかあったらニェンに任せれば良くないか?」
「ジャンケンで勝った意味はどこに?」
「じゃあ先に行くぜ」
「良かった意味があった」
‥‥‥それにしてもこの建物、見た目に反して崩れそうな部分がないしこの引き戸も向こうが見えるようにはなっていないな
意を決して店内へと踏み込む、出入り口が崩れないか怖くなってすぐに振り向くがそんなことはなかった、安心して引き戸を閉める
ボロボロだったはずの引き戸はとてもスムーズに閉めることができた
改めて内装を見れば外観の廃墟当然のそれからは想像が結びつかない木目調と暖色を基盤とした伝統的な炎国情緒溢れるものだった
土埃と黴の臭いも感じられない、食事を提供する場所らしく仄かに香辛料を始めとした食べ物の匂いがした
紛れもなく此処は“生きている”場所だった
「‥‥‥おっと!」
感動している場合ではない、二人は‥‥‥ラヴァが手を振ってくれている ニェンは何処へ居るのだろう
「おーいこっちだマンナズ アタシらは個室なんだって」
「うわー豪華‥‥‥っと、遅れました」
「別にいいぜー それよりどうした、オマエ店に来るのは初めてか?」
揶揄うように聞いてくるニェン、そういえばそうかもしれない
「ええ、こういう店は初めてですね」
厳密には久し振り過ぎて忘れているだけだ、まあ今世初めてだから嘘ではないよね?
ニェンに促されて席に着くとしばらくしてワゴンを押した店員がやってきた
「注文はこちらになります」
ラヴァが受け取るとパラパラと捲って確かめて一言
「……見る限り火鍋しかない、もしかして此処専門店か?」
「そうだぜ?」
「そういえばかろうじて看板(?)に専の字が……」
思い返しているうちに店員がお冷とお絞りを配ってくれた
「注文がお決まりになりましたらこちらの呼び鈴を鳴らして下さい」
「ありがとうございます」
さて、俺もメニューを見ておきたいのでラヴァの後ろから覗き込んだ……うーん、真っ赤っかだ
__
___
____
注文はほぼニェンにごり押された、どうにかラッシーを二人分食後に注文することを約束させたが飲めるだろうか?
「なあマンナズ、最近姉ちゃ‥‥‥ハイビスに何かあったのか? オマエが時々ハイビスから弁当を渡されたりそれを食べてるのを見たって奴が何人もいるんだが」
何か聞きたそうだと思えばそういうことか
「多分俺が毎食同じメニューしか食べてないのが心配になったんじゃないですかね? 昼食を抜きにしようとすると小言と一緒に弁当を受け取ることになるんですよね」
「なんだろうなアイツのアレ? アタシもよくやられたよ」
「うちの姉貴達にも一人そんな感じのが一人いるよ なんかもう、そういうものなんだろうな」
「‥‥‥ところで味はどうなんだ?」
「ノーコメントで‥‥‥あっぶねー」
あの弁当、悪臭がしてもそういうものだと納得できるし栄養摂取に良いと頭で分かっていても身体が拒否するのは何故だろうか?
食べ合わせか? 思い出すと胃の痙攣が止まらない
「駄目なのか、やっぱり姉ちゃんの料理は駄目なのかな‥‥‥うう」
ラヴァも同様に気分が悪くなったらしい
‥‥‥次に受け取ったらこっそり成分分析にかけてみるか?
「おいおいオメーら大丈夫かー? まだ鍋が来るまでに時間あるから出してきていいぞ?」
小声で話していなければきっと追い出されていただろう‥‥‥ところで支払いとか大丈夫だよね? 偏見だけど
‥‥‥流石に杞憂だろう
「大丈夫ですよ‥‥‥多分スパイスの香りで復活します」
「‥‥‥そーだな」
「そうか!」
ラヴァが死んだ目でこちらを見てくる さては最初のようにならないか心配されたな?
「流石に唐辛子の刺激臭がマスク内に籠ってノックアウト二度目なんてオチナイナイ! だってあの日からこのマスクをアップデート、吸気が目の粘膜に入らない構造に仕上げたんだぜ?」
最終的にに分割式に変えて状況に応じてパーツをあれこれ付け替えられるようにしたいけれど耐久性の都合今の技術じゃこれが限界だ
「相変わらず取らない方に努力するんだな」
「取ったら平穏が終わるんだ、マジで」
「そういやオマエの顔、賭けの対象にもなってたな 今んとこ倍率が高いのはだな‥‥‥」
うわーマジか、その人ほぼ当たりだよ
「ちなみに一番低いのは?」
「顔を見せるのが恥ずかしい」
「‥‥‥素顔と理由で分けないのか?」
「複数賭けてる奴もいるからごっちゃになってるんだとよ」
「‥‥‥クロージャさんがケルシー先生に怒られないといいな」
「規模が広がり過ぎて今更止めらんねー見たいだぜ? クロージャが個人用の金庫一つ使ってるって言ってたしな」
「「うわあ」」
ちなみに何処ぞのサルカズ傭兵はカンニングしたからと自分から賭けを降りたとか嘘の情報を触れ回って賭けを混乱させているとかいないとか真偽は定かではない
「話が変わるがラヴァ、ハイビスさんはどんなことを話していたんだ?」
「お前がまた食事を摂っていないとか研修で質問してきた内容とか弁当以外は当たり障りのない内容だよ ただお前が弁当を食べ切るのが嬉しいんじゃないのか?」
「みんな残すのか?」
「すっごい不味いからな」
‥‥‥ああ、合点がいった
「歳が下の方の奴は大変だな!」
「ニェンだって下の方だろ!」
「呵呵、ところでマンナズはどうなんだ? あんまデカくないし末っ子あたりか?」
図星か!
「中間あたりじゃないかニェン? 周囲に良く振り回されているあたりがそれっぽいぞ」
え、俺そんなに振り回されてるだろうか?
「ところが多分俺が一番上なんですよね、俺含めて何人いるかちょっとよく分からないから暫定ですが」
多すぎたせいもあって顔を合わせたり会話したことがない子もいるぐらいだ
「‥‥‥家庭の事情て奴か? よく分からんけどオメーも大変そうだなー」
アンタがそれ言う?
「大変でしたよ」
「物心ついたときにはクソ親父も弟妹たちも話が通じないし、こうやって一つの鍋を囲んで食べることもなかった」
前世の自分のことはもう忘却の彼方、どんな人間だったかさえ分からない
「いきなり別の場所に放り出されて修羅場になったし」
大捕り物になったが温情をかけてもらい期限付きで追放された
「彷徨っている時に荒野で旅の仲間と巡りあった、でも」
真っ先に活発なコータスの少女の顔が浮かんだ
「ロドスにくるまでこういう食事を摂ることは一度もなかった」
見張りの役目を多く買って出ていたこともあるがそもそもとしてまともな食材がなかった
「実はアンタら二人がほぼ初めてだったんだぜ? 誰かと一緒に食べるの」
親父を殴る以外にもやりたいことが出来た、本当に感謝している
「「‥‥‥」」
二人が神妙な顔をしている、なんか申し訳ない
「オメーも苦労したんだなぁ~!」
ニェンに頭を乱暴に撫でられる、ラヴァもどさくさに紛れて撫でてきている気がする
「割とマジで苦労したんだな……」
少し泣きそうだ
「お待たせしました、こちらご注文の特上火鍋セットになります」
「おっ! 来た来た!」
多分、唐辛子の刺激のせいだ
ぐつぐつ、ぐつぐつ
まだかまだかと逸る気持ちを抑えて鍋を見つめていた
おもむろにニェンがお玉を手に取って具材を少量盛って飲み干した
「よし、食べ頃になったぞオメーら!」
その声を皮切りに銘々が自分の器に煮えた具材を装い食べ始めた
「かぁー! これだよこの味、この辛味!」
「かっらい! 水、水!」
「バッ……ラッシーが来るまで耐えろ! カプサイシンは水に溶けないから辛さは残りますよ」
「ああそうだったやらかした!?」
「それはそうとちょうどいい温度になったかな?」
うん、辛い! でもこれで仄かに肉の旨味と野菜の滋味が感じられて……
「やっぱあっつ!? 水、水!」
「自分でさっき言ったこと忘れたのか!?」
「……しまった」
それにしても会話の中で久しぶりに故郷のことを思い出した気がする
まともに意思を備えているかさえ怪しい弟妹達だが今にして思えばそれは俺が異常だっただけなのだろう
結局のところ俺が外にいるのは外の連中と似たような見た目と機能を持って
それにしても
この
クソ親父の被害者連中ではあるがそれくらいは
そしてドリンクにラッシーでも振る舞いたいものだ
まあ外に出て来たら真っ先に俺を殺しに来そうなのもいるが数が数だ、別に不思議じゃない
でもそれは今じゃない、もっと時代が動くような出来事の後に起こることだ
今この場で真に俺が考えるべきは火鍋とラッシーの消費配分だ、二人が満足して食べられるよう気をつかうのは言うまでもない
とりあえずまだ食べていない具を目当てに俺はお玉を手に取った
嗚呼、
『コータスの少女』
やっと決まった本名はウィン オペレーター名もそのまま
料理は基本炭水化物中心 まともに食える食材がなかったのでこうなったらしい
ハイビスカス→マンナズ
弁当を残さず食うし後日容器を洗って返してくれるのでまた作りたくなる
最近ウィンから料理を教えてほしいと頼まれたらしいが一度調理の様子を見て厨房の誰かに教えてもらう方がいいと提案した
食材の組み合わせと味付けがアレなだけで調理工程はまともである
ラヴァ→マンナズ
最初はなんだコイツと思った
話してみたら中身が常識人でなんだコイツと思った
火鍋に誘われて割と浮かれているのをみてやっぱりなんだコイツと思った ちなみにその時は行けなかった模様
ニェン→マンナズ
頼めば小道具作りを手伝わせられるし火鍋に誘えば大体来てくれるので割と気に入っている
マンナズ→ハイビスカス
弁当は嬉しいけど何で作ってくれるのか分からないし胃が痙攣するしタイミングがぴったりと訳が分からないしどう報いたらいいか分からないので困っている
マンナズ→ラヴァ
ペストマスクのことを気にせず割と遠慮なく話してくれる異性の同年代?
マンナズ→ニェン
忘れたくないなぁ