ウワァー!!!オンパロスだこれッ!? 作:ありがとうオンパロス
こういうのは曇らせに比べて出力の効率が悪すぎる。
『ある輪廻にて』シリーズ近日公開予定
アグライアの場合。
「キスしないと出られない部屋?」
「どうやらここから出るにはキスしないといけないようですね。ではメアレス、来てください」
困惑するメアレスを他所に、アグライアは疑う様子もなくキスをせがむ。
「ちなみに、他の方法を探す気はおありですか?」
「ありません。さあ、早く」
抱っこをねだる子供のように手を広げ、唇を突き出す彼女の姿は人間性を欠いていた頃では想像もつかない純朴な瞳で訴えた。
「……はぁ。では、失礼します」
「んっ」
チュッ。
急接近したメアレスに胸を高鳴らせ、つい目を閉じてその時を待つアグライア。しかし、リップ音は予想よりはるか上で起こった。
「開いたようですね。行きましょう」
「……」
額に残る感触を噛み締めながら、ある決意を宿した眼でアグライアはメアレスを睨んだのであった。
トリスビアスの場合。
「はい!」
「……あの」
「んっ、……ん!」
「はぁ……」
わかるでしょ、と言わんばかりに唇を差し出すトリスビアスにメアレスはため息を漏らす。
「いくよ」
「そっちじゃないでしょ?」
マウストゥーマウスには明らかに高い位置にあるメアレスの頭を掴み、トリスビアスはやや強引に高さを合わせて微笑む。
「ねっ。いいでしょ?」
「……トリスビアス」
チュッ。
「〜♪」
「……嬉しそうでなにより」
ご機嫌なトリスビアスに腕を抱かれながら、メアレスは複雑そうな顔で部屋を出るのであった。
モーディスの場合。
「えぇ……」
「なんだこの部屋は……」
部屋のあまりの不可思議さに2人はただひたすらに困惑した。しかし、その程度は割り切れるとお互いが理解していていた故に、解決への行動は早かった。
「まあ、とりあえず試すか?」
「……いいだろう。こんな茶番、早く終わるならそれでいい」
「いくぞ」
チュッ。
挨拶のような軽いリップ音でモーディスの左頬にキスをした。途端、解錠音が部屋に響く。
「お、空いたみたいだぞ」
「……ああ」
特に深い意味は無いが、首謀者を懲らしめると誓ったモーディスであった。
キャストリスの場合。
「これは……その、仕方ありませんよね」
「キャストリス、大丈夫か?」
「い、いえ。決して嫌などではありません。むしろ……」
「キャストリス?」
ボソボソと小さな声で何かを喋るキャストリスに、メアレスは心配そうに声をかける。
「だ、大丈夫です!」
「そうか。その……キス、すればいいのか?」
耳まで真っ赤に染めて、恥じらいながらキャストリスはメアレスに抱き着き、潤んだ目で唇を震わした。
「し、しましょう……キス!」
「あ、ああ……いくぞ?」
チュッ。
「……え?」
キュウッ、と目を瞑ったキャストリスの額に温かな感触が刻まれる。疑問に思いながら見開いた先には優しげに笑うメアレスの顔があった。
「開いたみたい。行こうか、キャストリス。……キャストリス?」
「むー」
何故かはわからないが、悶々としてしまうキャストリスなのであった。
アナイクスの場合。
「はぁ……なんですかこの部屋は」
「さっさと出ましょうか」
チュッ。
アナイクスの頬に唇が落ちる。メアレスの行動はまさに、アナイクスが好む合理的な行動だった。しかし、迅速な判断、行動に対する躊躇いがないのにアナイクスは軽く頭を抱えた。
「……あなたには躊躇いというものがないのですか?」
「?」
「はぁ……早く行きますよ」
矯正するべきか、諦めるべきか、アナイクスは酷く頭を悩ませるのであった。
ヒアンシーの場合。
「では……はい! キスしてくださいメアたん!」
「嬉しそうだな、ヒアンシー」
「えへへ」
満開の花のような笑顔でヒアンシーはキスをねだった。その可愛らしい笑顔につられて微笑むメアレスも、キスに対して悲観的には見えない。
「ヒアンシー。キス……してもいいか?」
「あっ…………はい……」
メアレスは手をヒアンシーの顔に添えて、少し上げる。目線が交差する甘い空間に、ヒアンシーは表情を蕩けさせる。胸の鼓動がとても早くなって、恥ずかしさに顔を隠すのを精一杯我慢して、キスを待つ。
チュッ。
ヒアンシーが望んだ甘いキスは残念なことに額に落ちた。それでも、顔が燃えるくらい熱い。対してメアレスはなんでもないかのように扉の方を向いた。
「開いたか。行こう、ヒアンシー」
「メアたん、そういうのはズルいと思います」
ドキドキで破裂しそうな胸を抑えながら、メアレスの態度に不満を募らせるヒアンシーなのであった。
サフェルの場合。
「へぇー」
「どうする、セファリ……」
チュッ。
有無を言わせぬ先手必勝。俊足のキスは突然に、されど濃厚に行われた。
「んー。まっ」
「せ、セファリア!」
突然の出来事に手で口を隠すメアレスをニヤニヤと見つめるセファリアはイタズラ大成功!とでも言いたげだった。
「ふふん。いただき〜」
「……まったく」
上機嫌に唇を舐めるセファリアと、満更でもなさそうなメアレスなのであった。
ファイノンの場合。
「メアレス、他にも方法があるんじゃないかな?」
「キス1つで済むなら簡単なことじゃないか」
「え?」
チュッ。
メアレスはなんでもないかのようにファイノンの頬に口付けをした。衝撃に固まるファイノンを他所に、メアレスは出口を確認する。
「ファイノン、出られるみたいだぞ」
「あ、ああ……。君はいつもそんな調子なのかい?」
「ん? よく分からないけど……こんな調子だと思う」
色々と心配になるも、ある意味凄いなと感じるファイノンなのであった。
セイレンスの場合。
「接吻か……。ワタシの鯉、もっと近くに来てくれ」
「……他に選択肢はなさそうだな」
セイレンスの傍にまで近付いたメアレスはその肩をガッチリと捕らえられ、真剣な表情のセイレンスを見た。
「本気か?」
「ワタシの鯉、嫌だったら言ってくれ」
「俺のことはいい。……むしろ、ヘレクトラはどうなんだ?」
「大歓迎だ」
真顔で言い切るセイレンスに嬉しさと恥ずかしさに襲われて固まるメアレス。ゆっくりと縮まる2人の距離は息をする間もなくゼロになった。
チュッ。
「んっ? ん!」
チュッ、チュッ。
1回、2回、止むことなくリップ音が奏でられていく。
「んぁ」
「んむ、んぅ! まっ、待って……んむぅ!」
部屋を出る頃には口元がびちゃびちゃな2人なのであった。
ケリュドラの場合。
「どうします、カイザー?」
「早く済ませろ」
「はい。では失礼します」
チュッ。
忠誠を誓う様式めいた動作でメアレスはケリュドラの手に口付けをする。さも当然のようにキスを口で受け取ろうとしていたケリュドラは呆気にとられ、数秒間思考停止した。
「は?」
「あ、開きました」
「は?」
「早くこんな部屋から出ましょう」
出口に行こうと背を向けたメアレスをケリュドラは力の限り引っ張って、部屋に備えられていたベッドに放り投げた。
「何するんですか!?」
「何もしないからだ愚か者」
「え、だって早く済ませろと……」
「もういい黙れ」
「わ……わァ……!」
少し愚かだったメアレスと、もう溜め込むことをしなくなったケリュドラなのであった。
キュレネの場合。
「これは……」
「んー、ここにいるのはあたしたち2人だけみたい」
謎の部屋に閉じ込められたというのに、キュレネは楽しそうに部屋の中を見渡す。
「どうする?」
「どうするもなにも、スることはあそこに書かれてるでしょ?」
「……」
「もう、難しく考える必要はないわ。頑張ったご褒美とでも思えばいいじゃない♪」
「俺は、君たちが望まないことはしたくない」
メアレスはかつて刻んだ覚悟と同じ思いで言った。しかし、キュレネからするとそれは逆効果だった。
「じゃあ何も問題ないじゃない。あたしだってメアレスとキスくらいしたいわ♪」
「君が言うんだ。嘘じゃないのはわかってるけど……」
「はい、目を瞑って♪」
キュレネの言葉に従ってメアレスを目を閉じる。瞬間、唇に柔らかい感触が来た。
「ふふ♪ ありがとう、メアレス」
「……どう、いたしまして」
キュレネには勝てる気がしないと再び実感するメアレスなのであった。
番外編
服毒しないと出られない部屋
「その手をどけるんだ、ファイノン」
「君なら真っ先に取りに行くと確信していたよ。それは僕が飲む」
「メアレス、その瓶をこちらに渡しなさい」
「メアたん。悪いことは言いません。だからこっちに……」
「早くそれを見せなさいメアレス」
「《剣旗卿》」
「ああ」
「武力で来る気ですかカイザー? いいですよ。そっちがその気ならこっちにだって考えがあります」
1つの毒瓶を巡って熾烈な争いを始める黄金裔たちであった。
奪われ先
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ヘルタ&ルアン・メェイ
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トリスビアス
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アグライア
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セイレンス
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ケリュドラ
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ヒアンシー
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キャストリス
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サフェル
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キュレネ
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開拓者