ハーレム男だらけの学校で俺はハーレムしない   作:こなひー

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第7話 めちゃくちゃだけど、これからよろしく

 唯からの思わぬ告白があった結果、俺は彼女と付き合う事になった。俺の返事を聞いた唯は泣いて喜んだ後、すぐに桂木と作戦会議を始めた。俺にハーレムが出来てしまわないためらしいが、その会議に俺が参加できないのは何故なのか。というか付き合う事になったのにその日はそれ以降会えないってなんでなの。

 

 不満を抱えながら翌日となった。朝一番に唯と会い、お互いに名前で呼び合う事やこれからは一緒に登校する事等を約束した。正直とても嬉しい。完全に目を隠していた前髪も、俺の前では髪留めで上げて目を合わせてくれる。彼女の綺麗な瞳を見るたび気分が高揚する。

 

 ただその話し合いを桂木が横からずっと見ていたのが少し気になった。お前柳田先輩は良いのか、と思ったが桂木は『親友のためだからこの位当然だし!』と言っていた。その直後に別に幼馴染の俺のためという点は一ミリも無いと言われた。それは別に言わなくて良くない?

 

 そうして俺と彼女は幸せな学園生活を謳歌していく、のだが。数日の間、俺はずっと気にならざるを得ないような事態に直面していた。

 

「唯と付き合いつつハーレムを回避する。確かにそう約束した。……けどさ」

「悟君、どうしたの?」

「四六時中べったりとくっつき続ける必要あるか? いや、嬉しいんだけど。授業中は先生に白い目で見られたから流石に勘弁してくれ」

 

 人見知りで恥ずかしがり屋なはずの唯は、教室であろうが人目を気にせず俺とくっついたまま過ごすようになっていたのである。最初は手の甲が触れただけで顔を真っ赤にして離れていたのに、今の彼女はうっとりしながら俺の胸に顔をうずめている。その上俺がこう言っても全く離れようとしない。

 

「だって悟君、目を離すと他の女にも優しくしちゃうから……。私以外にも女を作られた日には私、(アレルギーで)耐えられないよ」

「言葉がいちいち重いって。聞こえてたクラスメイト漏れなく引いちゃってるから。……あと今朝から目のハイライトが無いんだけどどこへやった?」

「由美ちゃんにおススメされた珍しいカラコンを付けてみたの。あと言葉遣いについても色々と教えてもらって……」

「お前は何を吹き込んでんだ」

「てへっ!」

 

 そう、今の彼女は端から見たらヤンのデレにしか見えないのである。実際に彼女が染まっている訳ではないのだが、あらぬ誤解を生みまくっていた。桂木にどうしてこうなった、と尋ねるとだってさー、と答え始めた。

 

「唯から聞いたけどさー、あんた実は女子を口説くスキルあるらしいじゃん」

「え、何それ知らん」

「やっぱ自覚無しかー。こりゃー唯が頑張らないとあんたもハーレムになっちゃいそうだと思ったから、唯のためにあたしが一肌脱いだってわけ!」

「もうちょっと他に方法無かったのか……?」

「唯があんたを独占するのが一番効果ありそうだったし!」

 

 確かに効果はあった。他の女子は唯の独占ぶりに誰も近づいてこない。そして俺も正直満更じゃないというおまけつき。つまりつけ入る隙は一切無い。余りにも無さすぎて怖い。

 

「それに……なんだかね、こうして悟君を独占するために動くの最初はすっごく恥ずかしかったんだけど……」

「めっちゃ顔真っ赤だったしな。可愛いけど」

「はぅ……。でもね? 最近は何だか快感になってきて……。今は、悟君の全部を独り占めしたいなって気持ちに」

「待て駄目だ唯! その領域へ踏み込む前に戻ってきてくれ頼む!」

 

 唯は既にいけない領域へと足を踏み入れ始めてしまっていた。別に俺はヤンデレアレルギーという事は無いが、出来れば純朴な彼女のままでいてほしい。つまり、俺にはハーレムを作らないという目的に加えて、彼女をヤンデレにさせないというもう一つの戦いも始まってしまったのである。

 

「ま、頑張んなよー。あたしは柳田先輩のとこ行くから、唯の事よろー」

「よろーじゃねえよ軽すぎる!」

「えへへ、悟君……。これからずうっとよろしくね?」

「ずうっとって何だ重すぎる!」

 

 二人の温度差がありすぎて風邪ひくかと思った。ちなみに唯は今もくっつきまくっているが、キスやそれ以上の事は恥ずかしくて出来ていない。基準がおかしいと思うのは俺だけだろうか。

 

 

 こうして俺と唯の対ハーレム学校生活は、卒業まで続くのであった。

 

「あぁ……。悟がいつの間にかあんなに遠くに行ってしまった……。俺は一体どうすれば」

「あんたはまずチキンを直さなきゃ駄目っしょー」

「うるせーやい!」

 

 ちなみにこちらは何も始まらなかった。現実は非情である。

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