GX世界の英霊デッキ使い   作:超融合は許さない

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万丈目サンダーVS遊城十代(1)

 

 

 万丈目との話し合いが終わった私は彼の後に部屋を出て、彼がデュエルを行うデュエル会場に歩いて向かっていた。

 翔や隼人、明日香と一緒に見る約束をしていたため、多分彼等が席を確保してくれているとは思う。

 そして、カードの中からアルトリアを呼び、彼女と言葉を交わしながら歩を進める。

 

 

「アルトリア、ちゃんと励ませてたかな、私」

「はい、とても良い檄でしたよ。あの少年も、邪気が抜けて精悍な顔つきに戻っていました」

 

 

 意見を聞いてみると、アルトリアからは率直な賞賛の言葉を貰った。

 彼女も1対1の真剣勝負には一家言があるらしく、他者との関わりが足枷になる状態は好まないらしい。

 だから、私が彼を縛っている鎖を断とうとすることを応援し、協力してくれて、万丈目を励ますやり方を考えたりしてくれた。

 

 

「トランプで気持ちを解そう作戦。うまくいったね」

「ええ、遊戯はいつでも、人の心の有り様が出ますから。心を開かせるには打ってつけです」

 

「デュエルと一緒だね」

「ええ、そうですね。それと優花、会場付近です」

 

 

 前を見ると、観客席のある二階席の扉があった。

 既に生徒たちが出入りしており、オシリスレッドからオベリスクブルーまで疎にいた。

 みんな、友人と一緒に見たり、1人で眺めたり、各々の楽しみ方を選んでるようだった。

 

 

「ん、じゃあ私はもう行くけど、アルトリアはどうする?一緒に見る?」

「私としては一緒に見たい。ですが、優花の友人との時間を邪魔するつもりはありません。優花は友人のところへ向かってください。私は別の場所で」

 

「そっか。わかった」

 

 

 歩いてすぐに会場に着いた。中は賑わっていて、ちょっとしたお祭りみたいになっている。

 中を見回して明日香達を探し、そして手を振ってこちらにアピールしてくる隼人と三沢を見つけられた。

 近くに行ってみるとどうやらカイザーも一緒だったらしく、明日香に誘導されて、彼女とカイザーの間の席に座らされた。

 

 

「ん、まだ始まってない?」

「ええ、なんだかテレビの都合みたいで」

 

「今はカメラやマイクが設置されているところだ」

「なるほど」

 

 

 よく見るとテレビスタッフらしき人達が忙しなく動き、会場には撮影機器のようなものが設置されていっている。

 会場には既に万丈目と十代が構えており、そしてその間に立つクロノス先生がガチガチに緊張しているようだった。

 そして、監督の指示によりカメラが十代と万丈目を映し、撮影が始められた。

 

 

「それデーハ!デュエルアカデミア本校・ノース校の対抗デュエルを始めるノーネ!」

 

 

 クロノス先生がマイクを使い、会場に向かって高らかに宣言する。

 テレビカメラがクロノス先生にカメラを向け、彼の言葉をマイクで拾っている。

 クロノス先生もカメラを意識しているからか、いつもよりも大きく身振り手振りを振り回して声を張り上げている。

 

 

「まずは選手の紹介をしまスーノ!我々、アカデミア本校からは、ドロップアウトボー──じゃなかった、遊城十代!」

 

 

 代表選手の紹介に、試合を眺めようとしている会場のみんながわっと盛り上がる。

 それはオシリスレッドも、ラーイエローも、オベリスクブルーも関係なく、皆が十代に期待していた。

 十代は軽く整えられた髪を撫で上げ、朗らかな笑みを浮かべて声援に手を振りかえした。

 

 

「そしてノース校!」

「それは良い」

「へ?」

 

 

「俺が自分でやるから下がれ、と言ったんだ。おかっぱ頭、下がれ」

「お、おかっぱじゃないワーヨ!こ、これは有名なカリスマ美容院で──」

 

 

 クロノス先生からのコールを遮り、万丈目はそれを下がらせようとする。

 クロノス先生は彼の罵倒にムキになって腕を振って怒りを表現していたが、それをしていたせいでマイクのカードが身体に絡まって、黒いコードぐるぐる巻きの状態でフェードアウトして会場の外に倒れ込んだ。

 情け無い姿に生徒達が苦い笑みを浮かべる中、一応クロノス先生を心配する声もいくつかあった。

 

 

「クロノス先生、あんな倒れ方して大丈夫なのかしら」

「大丈夫なんじゃない?あの人、なんか頑丈そうだし」

「クロノス教諭が体調を崩すことすら想像できないよ」

「そうだな。クロノス教諭が風邪を引いているところを、俺は見たことがない」

「それってバカってことじゃないっすか?」

 

 

 翔の率直なその発言に明日香が苦笑いする。

 クロノス先生は壇上の外で目を回して倒れ込んでいるが、構わずテレビカメラは万丈目を捉えていた。

 万丈目が息を吸い込み、その黒いコートを翻して声を張り上げた。

 

 

「この俺が消えて、清々したと笑った奴!自業自得だとほざいた奴!俺は、地獄の淵より蘇ってきた!」

 

 

「俺の名は!」

 

 

「一!」

 

「十!」

 

「「「百!!!」」」

 

「「「千!!!」」」

 

「万丈目さんだぁ!!!」

 

 

 

 

「「「サンダー!!!」」」

 

「「「万丈目サンダー!!!」」」

 

 

 会場に雷鳴のような轟音が鳴り響く。

 轟然とした熱い声援が会場全体を包み、本校の生徒達の誰もが、その号砲によって一気に彼等に圧倒される。

 彼が1人で海を渡り、そして1人でノース校の頂点にまで到達したその重みを、彼等の齎す大喝采がありありと伝えてくる。

 

 

「すごい……」

「ええ、まるで、魂が震えるような……」

「凄い熱量があるんだな……」

「万丈目の奴、あそこまで大きく成長したのか」

「流石に、俺の予測を上回っているな」

「が、がんばれ〜!兄貴〜!」

 

 

 十代はその圧倒的な迫力を前にして冷や汗をかき、ワクワクが止まらないといった顔で笑っている。

 万丈目は十代の方へ向き直り、その顔に余裕の表情を浮かべながら、油断なくその目で十代を射抜く。

 十代と万丈目のデュエルディスクが起動し、デュエルモードへと展開される。

 

 

「行くぞ、十代!」

「来い、万丈目!」

「万丈目さんだ!」

 

「「デュエル!!」」

 

 

 2人が鋭い眼差しで視線を交わす。

 油断なく互いを睨み合い、デッキからカードを5枚引き、手札を作っていた。

 万丈目が強かに笑い、デッキからカードを引く。

 

 

「俺のターン、ドロー!俺は『仮面竜(マスクド・ドラゴン)』を守備表示で召喚!」

 

 

 現れたのは肉質な赤い肌と、硬質な白い肌を持つドラゴン。

 顔は白い仮面のように硬質な肌で覆われていて表情が読み取れず、不気味な雰囲気を醸し出している。

 その異様な仮面の下から覗く白い瞳が、周りを見回すようにギョロリと動く。

 

 

「俺はこれでターンエンドだ。さぁ、来るがいい」

 

「俺のターン、ドロー!俺は『E・HERO バーストレディ』を攻撃表示で召喚!」

 

 

 肌は白く、それを覆うように赤い炎のような模様を纏っている女戦士。

 黒い長髪が風に靡き、その両手には赤い炎の塊を2つ作っている。

 バーストレディが跳び上がり、仮面竜へその両手の炎を向ける。

 

 

「バーストレディでマスクド・ドラゴンに攻撃!バーストファイヤー!

 

 

 攻撃力1200のバーストレディの攻撃が、守備力1100の仮面竜へと襲いかかる。

 バーストレディの両手から放たれた炎が仮面竜を包み、不気味な顔を浮かべた仮面竜がその顔を崩さぬままに倒れる。

 相手モンスターを破壊して一先ず喜ぶ十代に対して、万丈目は不敵な笑みで静かに笑う。

 

 

「ふっ!破壊され墓地へ送られた『仮面竜(マスクド・ドラゴン)』の効果発動ッ!デッキより、攻撃力1500以下のモンスター1体をフィールドに特殊召喚できる。俺はデッキより『アームド・ドラゴン LV3』を攻撃表示で特殊召喚する!」

 

 

 万丈目のフィールドに小さな黄色い竜が鎧のような装甲を纏って現れ、彼を守るように立って構える。

 攻撃力1200、守備力900の貧弱モンスター。

 万丈目にとってこのモンスターには、攻撃力1400のマスクド・ドラゴンを捨て石に使ってでも使いたい効果があるのかな。

 

 

「レベル3?なんすかそれ?」

「モンスターの中には、『LV』をその名に持つモンスターがいる。そしてそれは条件を満たす毎にレベルアップを繰り返し、その攻守と効果を強めていく」

 

「でも、『LV』モンスターはかなり珍しい貴重なカードのはず。どうして万丈目くんが……?」

「何にせよ、万丈目がこんな方法で用意したということは、これはそのレベルアップを狙うためのコンボの可能性が高いだろう」

 

 

 なるほど、そんなモンスターがいるんだ。

 三沢と明日香とカイザーは『LV』モンスターについてある程度知ってるらしい。

 しかし、デュエル中の十代には知る由もなく、彼は手探りにカードを1枚伏せた。

 

 

「俺はカードを1枚伏せて、ターンエンドだ!」

「俺のターン、ドロー!そしてスタンバイフェイズになったことで、お前は絶望を知ることになる!」

「絶望だって……?」

 

「俺は『アームド・ドラゴン LV3』の効果により、自分スタンバイフェイズにこのカードを墓地へ送り、手札・デッキから『アームド・ドラゴン LV5』を特殊召喚できる!」

「レベル5だと?」

 

「出でよ!『アームド・ドラゴン LV5』ッ!」

 

 

 現れたのは赤い筋肉質な肌を黒い硬質な装甲で覆い、全身が凶器的で牙のような形状の白い棘を身体中に持つ竜が現れる。

 攻撃力2400、守備力1700の上級モンスター、その緑の瞳が力強く敵を見つめている。

 十代は一瞬たじろいだ後、想定通りと言わんばかりに対処する。

 

 

「俺はリバースカードオープン!『ヒーロー・ヘイロー』ッ!このカードは攻撃力1500以下の戦士族モンスターの装備カードとなり、装備モンスターを相手フィールドの1900以上の攻撃力を持つモンスターから守る盾となる!」

 

「甘い !それで凌いだつもりか!俺は『アームド・ドラゴン LV5』のモンスター効果発動!」

「なにッ!」

 

「手札のモンスターカード1枚を墓地へ送り、そしてそのモンスター以下の攻撃力を持つ相手モンスター1体を選択して発動できる効果。その相手モンスターを破壊する!俺は手札の『ドラゴン・フライ』を墓地へ送り、バーストレディを選択!行けッアームド・ドラゴン LV5!デストロイド・パイルッ!

「くっ!バーストレディ!」

 

 

 アームド・ドラゴンの身体中から生えている棘がミサイルのように飛び、宙を縦横無尽に飛び回ってバーストレディへと迫る。

 杭のように大きく硬い棘が断続的に発射され、爆発を起こして十代のバーストレディを飲み込む。

 爆風による濃い煙が晴れた時、中からはアームド・ドラゴンの巨体と高笑いをする万丈目が現れる。

 

 

「ハーハッハッハッ!!どうだ十代ッ!このアームド・ドラゴンを前に、貴様には手も足も出せまい!」

「くっ...」

 

「更にダメ押しだ!俺は『アームド・ドラゴン LV5』でプレイヤーへ直接攻撃ッ!アームド・バスターッ!!

「ぐぁああ!!」

 

 

 アームド・ドラゴンの攻撃によって十代は2400のライフを削られて、残りライフが1600となる。

 対する万丈目のライフは4000であり、手札も万丈目が5枚で十代が4枚。

 さらに十代のフィールドにはモンスターが存在せず、万丈目のフィールドには攻撃力2400の上級モンスターがいる。

 少しずつの差だが、全ての面においてのアドバンテージが、万丈目の方へと傾いていた。

 

 

 






万丈目準:全力で戦ってる人。楽しくなってきた。

遊城十代:全力で戦ってる人。ワクワクしてきた。

小鳥遊優花:観戦してる人。エミヤのおにぎり食べてる。

主人公の名前を今さら小鳥遊優花にするのはあり?

  • 名前の法則的にそっちの方があり
  • ここまできたら慣れたからなし
  • どっちでもいい
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