GX世界の英霊デッキ使い 作:超融合は許さない
クロノス先生により苦々しい声で勝敗が告げられ、学園対抗デュエルは万丈目の勝利で終わる。
会場が熱い歓声に包まれて、2人を称える声と万丈目サンダーを呼ぶ声で埋め尽くされた。
そして満足そうな十代が床から起き上がり、その手が万丈目へと差し出される。
「楽しかったぜ、万丈目サンダー。またやろう」
「ふん、当然だ。俺はこれで満足したわけではない。いつかこのカードを遊花へ叩き返した暁には、真っ先に貴様を叩き潰してやる」
「ああ、楽しみにしてるぜ!」
「ふん」
2人がデュエルを通してお互いを深く理解し合えたことを喜び、次の決闘を約束しながら握手が交わされる。
生徒も教師も彼等の健闘を讃え、2人に万雷の拍手が贈られた。
そして2人の元へ、万丈目の元へ2人の男がやってくる。
「よくやった、準」
「長作兄さん……」
「これで、お前をスターにするプロモート戦略も無事に第一段階が完了した」
「スターに?ああ、確かにそんなことを言ってたな。デュエルしていたら、途中からもう忘れていた」
長兄である彼による賞賛の言葉に、万丈目は歯に衣着せぬ物言いで返す。
一見すれば彼の言葉を軽視するような対応に、彼はその表情を顰めた。
そして彼の隣から躍り出るように、もう1人の兄が赤い顔で万丈目へ近付く。
「正司兄さん……」
「準、お前は俺たちがやったカードはどうした。何故1枚たりとも使わなかった!」
「それは……俺は、俺のデッキで勝つ。そうしたいと思ったからです」
「お前……!それで負けたらどうするつもりで……!」
次兄である彼が万丈目へと詰め寄り、その鋭い目で万丈目を睨む。
そして万丈目の口から漏らされる、デュエリストにしか分からない気持ちを受け、財界の人間である彼はさらに怒りを顕にした。
彼が万丈目の襟口を掴み上げると、そこで彼の兄から静止の声がかけられる。
「やめろ、正司」
「兄貴……」
「俺たちにとって、最も重要なのは結果だ。そして、準は過程はどうあれ結果を示した。ならば俺たちが言えることは何もない」
「そうか……」
正司の腕がゆっくりと下ろされ、苦しげな万丈目はその場に開放される。
納得はしたが理解はしていない様子で怪訝な瞳をして、次兄の彼は目を伏せた。
万丈目の心を理解しようとしていない兄弟の冷たいやりとりに、近くにいる十代が口を挟む。
「ちょっと待てよ。万丈目は必死に戦って、自分のデッキが持てる全ての力を発揮してきたんだ。だから俺も、その万丈目に全力で応えることができた。そんな万丈目の思いに対して、過程が間違ってたみたいに言うなよ」
「なんだお前は」
「これは俺たち兄弟の問題だ。他人に口出しされることではない」
「兄弟なら尚更だろ!弟のことをまるで考えずに、自分の都合だけで語って、それでも兄貴かよ!」
「ちっ」
歪な兄弟に対して激昂する十代に、万丈目の兄達はばつが悪い表情を浮かべた。
冷めた瞳で十代を見下ろしながら、会場の他の人間からの視線を気にし始める。
2人へと詰め寄ろうとした十代に対して、万丈目がその正面に立って十代を止めた。
「やめろ、十代」
「だけど...!」
「……言わせておけ」
「万丈目……」
諦念の籠った言葉を投げかけられた十代は身を引き、後ろ髪引かれる思いでその場を後にする。
万丈目の兄2人は用事を終わらせたが故にテレビスタッフ達と共に撤収の準備を始め、すぐにその場を立ち去った。
十代と万丈目はホッと一息を吐き、共に会場から出てくる。
「お疲れ十代、万丈目」
「おぉ遊花、楽しかったぜ!」
「お疲れ様っす兄貴!」
「すごかったんだな」
「翔、隼人も……」
「おめでとう、十代」
「良いデュエルだった」
「明日香、それにカイザーまで。みんなで見てたのか」
「万丈目もすごかった」
「ハッ、当然だ」
私たちは会場の出入り口に立ち、会場から出てきた十代と万丈目を迎えた。
みんなで賞賛の言葉を2人へ送り、両者の素晴らしい健闘を称える。
賞賛を贈ると十代は素直に喜び、万丈目は突っ慳貪に返してきた。
その対応の差がなんだか面白くて、私はくすり笑った。
潮風が鼻腔を擽り、波音が鼓膜を揺らす。
ノース校の潜水艦の前に生徒達が集まり、送別の準備を進めていた。
そしてそこには両校の校長達がおり、万丈目と話し合っている。
「それで、万丈目くんはこれから、ノース校へ帰るのかね?」
「いえ、俺はアカデミアに戻りたいと思っています。お願いできますか?」
「ああ、私も最初から予想はしていたよ。だが、分かってはいたが、しかし……」
鮫島校長からの投げかけに万丈目が丁寧に答え、ノース校の校長は納得しながらも名残惜しそうにしていた。
ノース校の校長が万丈目の意見を飲み、固い握手を交わして、そして真剣な眼差しが万丈目へ向けられる。
万丈目はそれに応えて真剣な瞳で返し、握手に応えた。
「それじゃあ、預けていた我が校のカードを──」
「え〜、それデ〜ハ!これより優勝校の校長への、ご褒美の授与を行うノーネ!」
「返し……お?おお〜!待ってました!」
ノース校の校長が視線を万丈目のポケットへ落としてデッキに目を向けていたところで、マイクで拡張されたクロノス先生の大きい声が響いてくる。
鮫島校長が残念そうにショックそうにそれを聞き、ノース校の校長がだらしなく顔を歪ませながら足早に向かっていった。
何が何だか分からず、十代や万丈目と一緒に私もそこへ向かう。
「え〜、ご褒美の授与を行うのはこのお方!Missデュエルアカデミ〜ア!」
「ミスデュエルアカデミア……?」
「誰だ?」
私達は壇上へ注目し、Missデュエルアカデミアと呼ばれる存在へ意識を向ける。
壇上には煙幕が上がっており、壇上の人物の影だけが見えて姿は隠されている。
やがて白い煙が晴れて、影になっていたその姿が現れた。
「……トメさん?」
「うわぁ〜!?メイクアップモンスターだ……!?」
「ではデ〜ハ!勝者の校長はこちら〜ニ!」
壇上に現れたのは濃いメイクで粧し込んでいるトメさんだった。
その太ましい身体を薄手の薄茶色いドレス服のような物で包み、赤い口紅や紫のアイラインで彩られた、けばけばしい姿で彼女がウィンクする。
ノース校の校長が喜び勇んで壇上は上がり、そして彼女からのキスを頬へ受け取って喜んでいた。
「俺たち、こんなことのために戦ってたのかよ!?」
「最悪だ……!!」
ノース校の校長はだらしなく顔を破顔させており、鮫島校長は悔しそうに涙を溜めていた。
そしてその後、万丈目がキングの座を返還し、正式にデュエルアカデミアに帰ってくることになった。
どうやらオベリスクブルーに進級するには出席日数が足りないため、万丈目は2年生になる頃にはオシリスレッドになるらしい。
その事実に愕然とする万丈目をその場にいるみんなで歓迎して迎え、万丈目をみんなで揉みくちゃにして弄った。
万丈目サンダーのコールを全員で行い、笑い合って万丈目の帰りを喜ぶ。
ノース校の校長はカードの返還を求め忘れたまま帰って行った。
小鳥遊優花:万丈目の帰還が嬉しい人。レッド寮の仲間にもなれて倍嬉しい人。
遊城十代:楽しかった人。呼び方が安定しなかったから万丈目統一になる人。
万丈目準:楽しかった人。レッド寮に行くのがプライド的にありかなしかで考えた後、自分のバネにするには丁度いいと思った人。
デュエル回やると日常回の書き方忘れるし、日常回やるとデュエル回の書き方忘れる。
次回もデュエルはない予定。
主人公の名前を今さら小鳥遊優花にするのはあり?
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名前の法則的にそっちの方があり
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ここまできたら慣れたからなし
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どっちでもいい