GX世界の英霊デッキ使い 作:超融合は許さない
俺はサラに壁で囲われた部屋へと案内され、そこの通気口のような鉄格子で作られた隙間がある。
そして石の壁をよじ登ってそこから外を見ると、そこには今に埋められそうになっているみんながいて、みんなは石棺の中で簀巻きにされて指一つ動かせない様子だった。
ついさっきまで、同じ場所で一緒に弁当を食べていた仲間達が今にも殺されそうになってる姿を見て、俺は思わず大声を上げてしまう。
「翔ッ!隼人ッ!明日香ッ!先生ッ!」
声をかけても彼らが解放されるはずもなく、むしろこの遠さでは声が届いてるのかすら怪しいものだった。
そしてその時、冷たくチクチクと肌に刺さる硬くて鋭い物によって、尻をズボンの上から何度も突かれた。
驚いて振り返ると、そこには槍兵が集まっており、俺の尻を突いていたのはその金属製の槍だった。
「お、俺、遊城十代。仲間を返してもらいたいんだけど……」
会話を試みてみるも、兵士達は俺を囲んで槍を向けてくるだけであり、その時すでに逃げ道を完全に塞がれてしまっていた。
槍を構えてくる相手に仲間を返してほしいと頼んでも通じず、言葉の違う外国人のようにさえ思える。
むしろその可能性の方が頭に強い線として、はっきりと浮かび上がってきた。
「言葉が通じないのか?」
「いいや、言葉は通じておる。だがしかし、我らには掟があるのだ」
俺からの言葉に眉ひとつ動かさない兵士達を見て出した俺の結論は、突如現れた白い礼装のような服を着た褐色肌の男に否定される。
そしてその男は掟について語り出し、それはサラから先ほど聞いた話と似通った内容だった。
しかしただひとつ、その墓守の一族の長が言うには、無事に生きて帰るための儀式ならあるという。
「儀式……?」
「これだ」
彼が懐から取り出したのは、俺がよく知る、そして俺の大好きなデュエルモンスターズのカードだった。
その長曰く、カードを使い真剣勝負をすることで雌雄を決し、その上で俺が勝てば俺を含めた全員を生かして返されるということらしい。
負ければ殺される、勝てば生きられる。シンプルなデュエルで全てが決まる、俺好みの展開だった。
「そういうことなら、今すぐにやろうぜ!俺が勝って、そんでみんなを解放してもらう!」
「ふふふ、威勢の良いことだ。もしこの儀式に敗北すれば、貴様は生きたまま肝を抜かれ、そしてミイラにされるというのに」
墓守の長から突然言われた、俺が負けた時のペナルティを聞き、俺は表情が固まる。
生きたまま、ミイラに……?肝を抜かれて、そのまま……?
俺はその言葉に本当に肝が冷える感触がして、思わず冷や汗をかく。
話がついてしまったものは、もう仕方がないことだった。
俺は儀式という名の賭けデュエルを受け、墓守りの長へと挑む。
サラが置いていった隼人の青いバッグから、彼のデュエルディスクを取り出し、それを着けることで俺は、墓守の長とデュエルすることになった。
「「デュエルッ!」」
このデュエルに翔や隼人、明日香や大徳寺先生、それから俺と優花の命までかかってると思うと手に汗が滲んだ。
俺がデュエルをしている間、デュエル場の下ではみんなが石棺の中でこちらを見守っている。
負けられない戦い、負けたら終わりな戦い、こんな緊張感の大きなデュエルは、俺にとって初めての経験だった。
「儂のターン、ドロー!私はモンスターを裏守備表示でセット、ターンエンドだ」
「俺のターン、ドロー!」
相手のフィールドには裏側表示モンスターが1体、それ以外に何もないということは、恐らくあれはリバースモンスターだ。
リバースモンスター、攻撃対象に選択されて表側表示になった時や、反転召喚やカードの効果で表側表示になった時に、その特殊効果を発動するモンスター達。
もちろん、相手がモンスターを上手く揃えられず、裏側で凌ぎ切ろうとしている線も捨て切れないが、一先ず俺は様子見をすることにした。
「俺は『E・HERO バブルマン』を攻撃表示で召喚する!そして、バブルマンの効果を発動!俺がバブルマンを召喚・特殊召喚した時に、フィールドにこのカード以外のカードが存在しない場合、俺はデッキからカードを2枚ドローする!」
「ふん、その程度の小細工が何になる」
「俺はカードを1枚伏せて、これでターンエンドだ」
俺がこのターンにセットしたカードは、『ハネクリボー』専用の速攻魔法『進化する翼』だ。
このカードはフィールドの『ハネクリボー』を対象として進化させ、強力なカードへと成長させるカードなのだが、しかし俺の手札に相棒はいない。
現状は使えない札である以上、ブラフとして今は活用し、相手が警戒して破壊してくれればよし、破壊しないでくれたら後で『ハネクリボー』を引いた時に有効活用ができて、それもまたよしだった。
「儂のターン、ドロー!」
「小僧、この私を前にその雑魚モンスターだけを置いてターンを終了させたことを、今から貴様に後悔させてやろう」
「なんだと……?」
確かに、バブルマンの攻撃力は800、壁モンスターとしては心許ないが、フィールドに存在する以上、壁として機能するのは間違いない。
なら、警戒すべきなのは敵のリバース効果か、それとも魔法・罠カード、または上級モンスターか。
いずれにせよ、墓守の長は俺が設置したブラフに何も怯えることなく、俺の策を崩す戦略をとっている。
「私はモンスターを反転召喚、『墓守の番兵』ッ!」
「墓守の番兵……!」
「番兵のリバース効果により、相手フィールドのモンスター1体を手札に戻す!消え去れ雑魚モンスター!墓守の結界波動!!」
「バブルマン!」
敵のリバース効果により、俺のバブルマンがフィールドから消えてしまう。
墓守の番兵が放つ赤い波動がフィールドに響き、いつの間にかバブルマンが俺の手札へと戻されていたのだ。
そして、反転召喚には召喚権を使わない。そのため、墓守の長は新しいモンスターを並べて、俺に対して総攻撃を仕掛けてくる可能性が高い。
「さらに儂は、『墓守の長槍兵』を攻撃表示で召喚する!」
「フィールドに、貴様を守るモンスターはいない。儂は『墓守の番兵』で攻撃!番兵旋風撃ッ!」
「ぐぅ……!」
黒い外套を着た番兵が迫り、その三叉槍を振り下ろして切りかかってくる。
鋭い痛みが走り、肉の体ではなく魂が傷つけられている感覚がする。
番兵の攻撃力は1000、この直接攻撃によって、俺のライフは4分の1が削られた。
「ホログラフじゃない!?」
「さらに『墓守の長槍兵』直接攻撃だ!長槍即撃突ッ!」
「ぐぁ!」
魂が切り裂かれ、激しい痛みに喘ぐ。
長槍兵の攻撃力は1500、俺は既に、2500のライフを削られてライフが残り僅かとなってしまった。
しかし、今問題なのはライフの数値よりも、この魂を裂かれる痛みの方だった。
「こんなの続けてたら、デュエルが終わる前に身体の方がどうにかなっちまうよ……!」
「儂はこれで、ターンエンドだ!」
今もなおキリキリとした痛みを感じながら、何とか立ってデュエルを続ける。
身体を刺す痛みに震え、逆に頭が冴え渡るような気さえして、俺は戦術を練り始める。
俺のフィールドにはブラフで伏せた魔法カードが1枚、そして俺の手札はバブルマンを戻されたことで7枚であり、次のドローで8枚になる。
「俺のターン、ドロー!」
バブルマンのドロー効果をもう一度使おうとしても、俺のフィールドには伏せカードがあるため使えない。
そして俺が引いたのは『融合』の魔法カード、これを使って手札のフェザーマンとバーストレディを融合させれば、いつものコンボへと繋げられる。
この盤面を覆すには、これしかない。
「俺は魔法カード『融合』を発動させ、手札の『E・HERO フェザーマン』と『E・HERO バーストレディ』を融合!現れろ、『E・HERO フレイム・ウィングマン』ッ!!」
筋骨隆々の身体に、赤い竜の右腕、俺のフェイバリットヒーロー、フレイム・ウィングマンが現れる。
相手フィールドのモンスターは全て低級モンスター、相手モンスターの攻撃力は全て1500以下であり、伏せカードもなかった。
攻撃力2100のフレイム・ウィングマンが活躍するには、もってこいの舞台だ。
「俺は、フレイム・ウィングマンで『墓守の長槍兵』を攻撃!フレイム・シュートッ!!《/b.》」
「くっ!」
「さらに、フレイム・ウィングマンの効果が発動し、戦闘で破壊したモンスターの元々の攻撃力分のダメージを、相手に与える!」
「ぐはっ!」
戦闘ダメージと効果ダメージを合わせて、これで2100のダメージを与えられた。
墓守の長のライフは残り1900、数字では俺の1500よりも上だが、戦況は俺の有利な盤面だと言える。
俺の手札には他にもモンスターがいるが、それら全てが攻撃力1000以下のため、メインフェイズ1でのそれらの召喚はしなかった。
「俺は『フレンドッグ』を守備表示で召喚して、ターンエンドだ」
ターンが移り、墓守の長がカードをドローする。
俺が召喚した『フレンドッグ』は、破壊された時に墓地の『融合』と『E・HERO』モンスター1体を手札へと加えるカード。
フレイム・ウィングマンの壁を突破されても、フレンドッグがいれば次の展開へと繋げられる。
「儂は『墓守の番兵』の攻守を変更する。そしてモンスターを裏守備表示でセットし、ターンエンドだ!」
「俺のターン、ドロー!」
相手がセットしたカードは恐らく、また同じくリバースモンスター、それがこちらを誘ってのものなのか、それとも避けるためのものなのかは分からなかった。
今は一先ず、ダメージを相手に与えることこそ最優先だと考え、攻撃力の判明している番兵の方へと狙いを定める。
相手のフィールドには魔法&罠ゾーンの伏せカードもないため、俺のフレイム・ウィングマンの攻撃を止めるものはなく、一直線に番兵へとその攻撃が向かう。
「俺はフレイム・ウィングマンで『墓守の番兵』を攻撃ッ!」
「ッ!」
相手の『墓守の番兵』が守備表示だったため戦闘ダメージは発生しなかったが、フレイム・ウィングマンの効果による効果ダメージが発生し、墓守の長へ1000ポイントのダメージが入れられる。
これにより長のライフは残り900、ライフポイントが俺が1500と長が900となり、完全とは言えぬまでも逆転を果たす。
そして、俺の手札には他にもモンスターがいるが、しかしこれ以上モンスターを並べるのは『サンダー・ボルト』などを受けた時のリスクが上がるだけのため、俺はターンを終了する。
「儂のターン、私は『強欲な壺』を発動!カードを2枚ドローする!」
焦る墓守の長が冷や汗をかきながらカードを引き、そして『強欲な壺』によって、さらにカードを2枚ドローした。
それにより墓守の長は1度思考を巡らせた後、冷静で凛々しい瞳をして此方を見てくる。
そして長がカードを握り、高らかに宣言する。
「儂は『墓守の暗殺者』を攻撃表示で召喚する。そして裏守備表示の『墓守の呪術師』を反転召喚!効果を発動し、相手に500ポイントのダメージを与える!《b》衰弱の呪い!」
「ぐっ、うぁ……!」
呪術師が何かの呪文をぶつぶつと呟き、その力によって俺の頭に締め付けられるような頭痛が走る。
槍で切り裂かれる激しい痛みとは、また別種類の鈍い痛みに襲われる。
500ポイントの効果ダメージ、それによって俺は残りライフが1000になる。
「くっ、こんなところで、やられてたまるか……!」
「愚か者め。貴様のような存在は、王家の聖地にて悔いるが良い!フィールド魔法『王家の眠る谷-ネクロバレー』を発動する!」
その時フィールドが、世界が切り替わる。
俺と墓守の長を避けるように地面の硬い岩が盛り上がり、舞台を渓谷へと変える。
雄大な自然と、王家の荘厳さが交わるような景色。
遊城十代:ドキドキしながらも楽しんでる人。
小鳥遊優花:いまだに気絶中の人。
主人公の名前を今さら小鳥遊優花にするのはあり?
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名前の法則的にそっちの方があり
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ここまできたら慣れたからなし
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どっちでもいい