GX世界の英霊デッキ使い 作:超融合は許さない
気絶するように眠っていて、私が起きたのは寝てからしばらく時間が経ってからのことだった。
時間はとっくに夜中であり、暗い廊下は歩くのも憚られるような言いようのない不気味さがある。
しかし私はお腹が空いてしまった。つまりすぐに食堂に行ってエミヤにご飯を作らせなければならない。もしくは何か気を紛らわせることをしなければ、お腹が空いて眠れない。
空腹のお腹を抱えながら廊下を歩いていると、向かいから怪しい人影が歩いてくる。
目を凝らして見てみると、それは赤い制服を着ていて、茶色い2色の髪が特徴的な人影だった。
つまり私の友達、遊城十代だった。
「あれ、起きてたのか。こんな時間に会うなんて奇遇だな」
「うん、起きたらお腹が空いちゃって。だからこれから少しご飯を食べようと思ってたんだ」
「そっか、俺も実はお腹が空いてるんだけど...ちょっと暗くて迷っちゃってな。食堂ってどっちだっけ?」
そう言って彼は困った顔でお腹を摩る。
どうやら彼は私と同じ状況で、尚且つ助けを求めているらしい。
ならば彼の友達として、私が彼を助けない理由はない。というか私も共犯が欲しかったところだ。
彼を連れて暗い廊下を歩き、昼間に案内された食堂に行く。
隣を歩く彼の肩の上を、カードの精霊であろうモフモフの生き物がふよふよ浮いていた。
精霊がこちらに気付いて羽根をパタパタさせながらこちらに手を振ってくる。
ちょっと可愛い。私も手を振り返した。
「なぁ、やっぱり優花もこいつが見えてるのか?」
「うん、見えてるよ。カードの精霊だよね、なんて名前?」
「ああ、こいつはハネクリボー。俺の相棒だ」
「そっか、よろしくねハネクリボー」
「クリクリ〜!」
話しかけるとハネクリボーはさらに大きく手を振り、羽根を元気良くパタパタ振るわせていた。
結構可愛い。うちにも欲しいくらいだ。
彼が相棒のハネクリボーを精霊化させていたため、私も相棒であるアルトリアを精霊化させる。
しかし実体化はさせない。精霊の実体化はそれなりに体力使うから、気付かないうちにじわじわとお腹が減ってしまうのだ。
「何かあったのですか、優花」
「大丈夫だよアルトリア、ただちょっと友達を紹介したかっただけだから」
「そうですか。そちらの方が優花の友達ですか?」
「ああ、遊城十代だ。よろしくなアルトリア」
「ええ、よろしくお願いします十代」
「しっかし、やっぱり優花もカードの精霊が出るとはなぁ」
「うん、私は精霊のみんなと一緒に暮らしてたから。相棒だし家族だよ」
「そっか、なんか良いな、そういうのって」
彼が感慨に耽るような面持ちで、うんうんと頷きながら私の話に耳を傾けている。
ハネクリボーはふるふると身震いしながら、その円らな瞳をくりくり輝かせていた。
派手に可愛い。撫で回したい、けど実体化はしてないから撫でられない。あゝ無情。
そうして話していると不思議と、私たちは先ほどまだあった空腹をわすれていた。
しかしゆっくり歩いていたが遂に食堂に着き、せっかくだからと2人で冷蔵庫を漁り始める。
魚肉ソーセージやチーズをそのまま食べようとしている十代を静止し、エミヤを実体化させる。
「何の要件だ。大体察しは着くが言ってみろ」
「お腹空いた。ご飯作って」
「了解だ、地獄に堕ちろマスター」
彼がテキパキと作業を始め、冷蔵庫の食材で料理を作る。
それはそれとして、十代と私は魚肉ソーセージとチーズを一つずつ食べた。こういう盗み食いしてる感じの味もまた美味しいのである。
料理を作るエミヤを尻目に、笑顔の十代がソーセージとチーズを頬張っている。
「それにしても驚いたな。あれもカードの精霊なのか?」
「ん、精霊が実体化してる。十代も練習すれば出来ると思う」
「面白そうだなそれ!やってみたいなぁ、本物のヒーローやハネクリボーに会えるのかぁ」
「クリクリ〜!」
「涎垂れてる。だらしない顔」
「ああ、悪い悪い。それが出来るようになる想像をしただけで、すげぇ胸がワクワクしてきてな」
「できたぞ」
「ありがとうエミヤ、美味しそうだね」
「ほんとだ、美味そうだなぁ」
「ああ、バケットにソーセージとチーズを乗せて炙って、そして適当に味付けしたものだ。夜食にするには少々カロリーが高い代物だが...」
「いただきま〜す!」
「十代...手をつけるのが早いよ...」
「悪い悪い、でも、冷めたら勿体無いだろ?」
「そうだね、それじゃあ、私も食べるよ。いただきます」
パンを口に運ぶ。
うん、美味しい。食レポとかは苦手だけど美味しいことだけは確かだ。
香り付けにバジルがかかってて美味しい。やはりエミヤの料理は最高。
その証拠にアルトリアもいつの間にか実体化して、今は黙々とエミヤのご飯を食べ始めてる。
エミヤが6枚作ってくれた夜食を1人2枚ずつ食べて腹を満たした。
一個の満足度が高いと、少ない量でも美味しく満足できるよね。
「美味かったぁ。最高だったぜ、お前の料理」
「そうか、満足したならとっとと眠れ」
「そうだね、私もそろそろ眠いかも。十代も満足したでしょ?」
満腹ではないが寝る分には問題ない程度に腹が軽く満たされた。
だからこの分なら明日もちゃんと起きられそうだと思い、もう私は眠る気満々だった。
しかし、十代はそうではないらしく、目元を真剣にしてこちらを見据え、彼がゆっくりと口角を上げた。
「……いいや、まだだね。優花、腹ごなしにデュエルしようぜ!」
「デュエル?」
「ああ!ずっとお前とやりたかったんだ!」
彼にデュエルを挑まれる。初めての友達との最初のデュエル。それが出来るなら、それは願ってもないことだ。
私は笑顔で彼に応え、彼の激しい闘志を受け止める。
「いいよ、それじゃあ私の部屋の方が広いから、そっちでデュエルしよっか」
「おう!」
エミヤが呆れ気味に肩を落とした。
エミヤが実体化を解き、精霊化も解いて姿を消す。
何もしなくても目立つ赤い外套の彼が視界から消え、それを目で追うように視線を向けると、そこには既にエミヤが洗い物を済ませて綺麗になった台所が広がっていた。
腹を満たした私たちが食堂を出て、またうす暗い廊下を歩いて進み、彼の部屋に立ち寄って彼がデュエルディスクを手にした後、道の先にある私の部屋へ彼を招く。
大徳寺先生が急遽用意した部屋らしく、内装は私室に使うような物ではなく、寝床もベッドではなく新しそうな布団である。
「おお、ここが優花の部屋なのか。広くて良いなぁ〜」
「そう?相部屋の方が、私としては楽しそうだけど」
「なぁなぁ、今度みんなここに呼んで全員で遊ぼうぜ!翔も隼人も呼んでさ!」
「翔?隼人?」
「レッド寮の仲間だよ。2人とも良いやつだぜ?」
「そうなんだ、それなら良いかも」
「よっしゃ!じゃあ決まりだな。楽しみだぜ、みんなと遊ぶの」
「うん、楽しみ」
「だけどその前に、お待ちかねのデュエルだぜ!」
彼がデッキを取り出して私の方に向ける。
彼は待ちきれないといった様子で、既に自分のデッキをシャッフルしていた。
だから私も自分のデッキを取り出して、いつも通りにシャッフルをする。
十代がギラついた笑顔でデッキをセットする。私もその笑顔に応えるようにデッキをセットして構える。
「「デュエル!!」」
「俺の先行!ドロー!」
十代がデッキからカードをドローする。
彼の手札が6枚になり、彼が瞳をギラギラと輝かせる。
彼が手札から3枚のカードを選んで使用する。
「俺は『
「私のターン、ドロー!」
私の手札が6枚になり、それらのカードをよく見て思案する。
モンスターカードが1枚、魔法カードが5枚、そのうち4枚が装備魔法だ。
私は通常魔法1枚とモンスターカード1枚を使用する。
「私は魔法カード『コストダウン』を発動!これにより手札の『英霊 エミヤ』を通常召喚」
色の抜けた白髪、日に焼けた褐色、身を覆う赤い外套。
名もなき英雄。多のために1を切り捨て続けた正義の執行者。
個にして千を超える偽物を積み上げ、そして英霊となった男。
英霊エミヤが姿を現し、その背中を見せる。
戦士族・地・星5・攻2200/守1200
このカード名の②③の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:このカードは融合モンスターの融合素材に使用できない。
②:モンスターのカード名が記された手札の装備魔法1枚を選択して発動できる。選択したカードに記されたカード名と同じカード名の手札・デッキ・墓地・除外状態のカードを1枚を選ぶ。その後、このカードは選んだカードの元々のカード名と同じカード名を得る。
③:フィールド・墓地のモンスター1体を選択して発動できる。そのモンスターのカード名が記された装備魔法カード1枚をデッキ・墓地から手札に加える。この効果で手札に加えたカード名のカードはこのターン使用できない。
小鳥遊優花:友達とやるデュエルが初めてでワクワクな人。お腹も満たして本調子。麺派。
遊城十代:ずっと戦いたかった相手とのデュエルでワクワクな人。お腹も満たして本調子。米派。
アルトリア:2人のデュエルをお茶を飲みながら見てる。パン派。お米も好き。
エミヤ:雑用に次ぐ雑用で不満気な人。しかし全部やってしまう過保護な人。米派。
主人公の名前を今さら小鳥遊優花にするのはあり?
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名前の法則的にそっちの方があり
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ここまできたら慣れたからなし
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どっちでもいい