GX世界の英霊デッキ使い 作:超融合は許さない
「私は、『英霊 エミヤ』を召喚」
私のフィールドには攻撃力2200の効果モンスターがいる。
そして相手のフィールドには守備力2000の守備表示モンスターが1体。それに加えて2枚のカードが伏せられている。
罠カードの場合を考えると、手札に他のモンスターもいないし攻めるのは危険かな。
まぁでも除去手段もないし、攻めるだけ攻めてみようか。
「バトルフェイズ。エミヤで攻撃。鶴翼三連ッ!」
エミヤが手元に白い短剣と黒い短剣、一対となる双剣を作り、計6振りの短剣で連撃を叩き込む。
その剣戟は、ある種の大道芸のような美しさと派手さを兼ね備えている。
彼の攻撃によって、戦闘を行ったクレイマンの身体を切り刻み、それを破壊して墓地へ送る。
「ぐっ...クレイマンは破壊される。だが、トラップ発動!『ヒーロー・シグナル』!このカードは、手札・デッキからレベル4以下のE・HEROモンスター1体を特殊召喚できる!」
「やっぱりトラップか。それで、何を召喚するの?」
「俺が召喚するのはコイツだ。俺はデッキから、『
緑色の戦士が降り立つ。筋骨隆々の身体を体毛のようなプロテクターで覆い、一対の大きな白い翼を携えており、その姿はまさしくアメコミのヒーローのようだ。
私は藪蛇を突いたかもと少し考える。
フェザーマン自体は攻撃力1000の低級モンスターだけど、しかしわざわざ召喚したということは何か企んでいて、そのためにクレイマンを破壊させた可能性がある。
そもそもこの数ターンで見た限り、E・HEROモンスターはステータスがどこか心許ない。もしこれが融合モンスター主軸のデッキの証なのだとすると、彼がトラップで特殊召喚したカードは彼が欲しい融合モンスターの融合素材、ということも考えられる。
「私はカードを2枚伏せる。私はこれでターンエンド」
「俺のターン、ドロー!」
私は取り敢えずブラフで装備魔法を2枚伏せ、相手の警戒を誘っている。
これで臆する相手でもないが、一応のやっておくべき対策だ。もしブラフであることがバレたとしても、この後本物の罠カードを伏せた時も「ブラフかも」という思考に誘導出来るからやり得だ。
私の手札には装備魔法が2枚、そしてフィールドには攻撃力2200のモンスターが1体に伏せている装備魔法カードが2枚だ。
そして対する相手は、今のドローによって手札が4枚、フィールドには攻撃力1000のモンスターが1体、伏せカードが1枚である。
「俺は手札から『融合』を発動!手札のバーストレディと、フィールドのフェザーマンを融合!現れろ、マイフェイバリットヒーロー、『
喚!」
緑色の戦士が現れる。フェザーマンと同じ色だが、身体はフェザーマンのそれよりももっと大きく、力強かった。
右腕は胸部から腕先にかけて赤く、赤い竜の頭部のような物が付いている。
竜の口から炎の熱を漂わせ、左肩から伸びる片翼の翼で空を飛んでいる。
来たね、上級モンスター。攻撃力2100、言い回し的にもアレが十代のエースモンスターだろう。
「さらに俺は、手札からフィールド魔法『摩天楼-スカイスクレイパー-』を発動!これにより、俺のフィールドのE・HEROモンスターが自身の攻撃力より高い攻撃力を持つ相手モンスターへの攻撃時、その攻撃力を1000アップさせる!」
つまり実質的にフレイム・ウィングマンの攻撃力は3100。しかも私の手札には除去札や対策札もない。かなりまずいね。
まず間違いなく私のフィールドのモンスターは破壊される。その上であのモンスターをなんとかしないと次の相手ターンに追加でモンスターを召喚されるだけでトドメを刺される。そうなれば何もできないまま終わりだ。
返しの私のターンで2100以上のモンスターを召喚して倒すか、もしくは効果破壊でフレイム・ウィングマンを破壊しないといけない。
けれど、フレイム・ウィングマンの2100を超えるモンスターを1ターンの間に場に出すなんてコンボは、この手札だと流石に厳しい。
「フレイム・ウィングマンの攻撃。フレイム・シュート!!」
「ぐっ...」
「さらに、フレイム・ウィングマンの効果発動!戦闘で相手モンスターを破壊した時、そのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える!」
「ぐぁっ...」
かなりまずい、想定以上に削られた。事実上ダイレクトアタックを喰らったようなものだ。
私のモンスターは破壊され、私は3100ポイントのダメージを受けた。
つまり私の残りLPは900。十代に攻撃力900以上のモンスターを召喚されていたら、それだけで私が負けるところだった。
そして今もピンチなことには変わりない。次のターンで逆転しなければ、私は負ける。
やばい、ワクワクしてきた。次のドローで全部決まる。勝負を分けるドローだ。
「俺はこれでターンエンド。お前のターンだぜ」
「...私のターン、ドローッ!!」
運命のドロー。ニヤける口を止められない。
このデュエルが楽しくて仕方ない。ピンチの瞬間はいつだって興奮する。
そして、ドローしたカードは『強欲な壺』だ。これを使えばカードを2枚ドローし、いよいよ逆転の目を作ることが出来るかもしれない。
「私は『強欲な壺』を発動ッ!カードを2枚ドローする!」
私はカードを2枚ドローして確認する。
引いたカードは魔法カード『死者蘇生』、そしてモンスターカード『英霊 佐々木小次郎』だ。
来た、私が望んでいたカード。現状を打破できる組み合わせだ。
これがあればこの盤面は覆せる。
「私は『死者蘇生』を発動する!墓地に存在する『英霊 エミヤ』をフィールドに特殊召喚!さらに、1体のモンスターを生贄に捧げ、『英霊 佐々木小次郎』を通常召喚する!」
「やっぱり来たな、逆転のカードが...!」
その通り、佐々木小次郎はレベル5のモンスターでありながら最上級モンスターをも屠れる効果を持っている。
佐々木小次郎はモンスターへの攻撃宣言時に効果を発動し、攻撃力が元々の攻撃力の倍にできる。
佐々木小次郎の元々の攻撃力は1800、そしてその倍は3600。
単体での火力なら、私のデッキのモンスターの中でもかなりの性能を誇っているモンスターだ。
「バトルフェイズ、私は佐々木小次郎でフレイム・ウィングマンを攻撃!そして効果発動!このカードが相手モンスターと戦闘を行う攻撃宣言時、このカードの攻撃力は元々の攻撃力を倍にした数値になる!佐々木小次郎の攻撃力が倍になり、攻撃力3600となる!」
「それは止めるッ!リバースカードオープン!」
十代が伏せている罠カードを発動しようとするが、それはできない。
この効果の発動に対して、相手はカードの効果を発動できない。
彼の神速の斬撃に、魔法も罠も割り込む余地はない。
「佐々木小次郎の効果発動時、相手はカードの効果を発動できない!」
「なにッ!」
彼が発動しようとしていた伏せカードが再びフィールドに伏せられ、モンスターの戦闘が始まった。
紫の羽織を着た剣士が一歩、また一歩と相手へ近づき、その刀の間合いに敵を捉えた。
佐々木小次郎が物干し竿を構え、相手を見据えている。
そして、彼が一歩を踏み出すと同時に、その空間が歪み、次元が屈折する。
3つの斬撃が重なり1つの攻撃となって相手を襲う。
「佐々木小次郎の攻撃ッ!秘剣・燕返しッ!!」
避ける余地もなく襲いくる斬撃をその身体に受け、フレイム・ウィングマンは四散してその姿を消す。
攻撃力2100のフレイム・ウィングマンに対して、攻撃力3600の佐々木小次郎の攻撃。
よって、1500の戦闘ダメージを十代に与えてLPを2500まで削る。
「私はこれでターンエンド」
バトルの衝撃で尻餅をついた十代がゆっくりと立ち上がる。
目を伏せがちに口を噤み、現状を噛み締めている。
十代の手札は1枚、フィールドにはE・HEROの戦闘をサポートするフィールド魔法が1枚と、恐らく効果発動を無効にするタイプのトラップが1枚。モンスターは0だ。
現状を思えば、絶対絶命に近しい状況だと言えるだろう。
それでも、十代は笑っていた。
「くーっ!最高だぜ優花!俺、今最高に楽しいぜ!」
「うん、私も楽しいよ十代。次のターンで、何をしてくれるのかな」
「へへっ、見せてやるよ。俺の逆転を!」
十代がギラギラとした目をして笑っている。
諦めなんて知らない、むしろ逆境を喜んでいる。そんなデュエリストらしい目だ。
彼がデッキに手を乗せて、ワクワクとした表情でこちらを見てくる。
「なぁ、ここで俺が逆転勝利の1枚を引いたら面白いよな?」
「そんなの、最高に面白いよ……!」
「だよなぁ!引いたら最高に面白いよなぁ!」
「……だけど、ここから逆転して勝つにはスカイスクレイパーの効果を合わせても、攻撃力1700丁度のE・HEROを用意するしかないよ。それができるの?」
「へへっ、勝つ方法はそれだけじゃないんだなぁ」
それだけじゃない?どういうことだろう。
現状、1800の攻撃力の佐々木小次郎を突破して私に900以上のダメージを与えるには、攻撃力2700以上のモンスターを用意するか、もしくは攻撃力1700ぴったりのE・HEROを用意するしかないはずだ。
もしかして、十代の手札の1枚が逆転のキーパーツ...?
手に汗を握りながら、十代がカードをドローする。
「俺のターン!ドロー!」
十代が口角を吊り上げて笑っている。
間違いなく逆転の1枚を引いたのだろう。
一体全体それがどんなカードなのか、想像するだけでもワクワクする。
「俺が引いたカードは、『闇の量産工場』!その効果により、俺は自分の墓地の通常モンスター2体を手札に加えることができる!」
「モンスター2体を...?まさか...」
「そう!そのまさかだ!俺は墓地の『
次々とコンボが展開される。手札と墓地を忙しなくカードが移動し、十代の思うがままに展開が進む。
デッキから引いた『闇の量産工場』によって回収した2枚の素材による融合召喚。
それが十代の言う逆転の一手だと考え、次の展開を想像して心躍らせる。
「手札のバーストレディとクレイマンで融合召喚ッ!現れろ!『
「ランパート・ガンナー...?」
「俺はランパート・ガンナーを守備表示でフィールドに召喚するッ!」
「守備表示で?どういう意味...?」
「こういう意味さ!ランパート・ガンナーの効果!このカードは守備表示のまま相手に直接攻撃ができる!この効果で直接攻撃する時、このカードの攻撃力は半分になる!」
「攻撃力2000のランパート・ガンナー。そしてその半分は1000...」
「そう!何もモンスターとバトルしなくても、相手に攻撃することはできるのさ!ランパート・ガンナーの攻撃ッ!ランパート・ショットッ!!」
盾を構える女性の戦士が現れ、盾の隙間から黒い甲冑と赤いバイザーを覗かせた。
彼女の構える砲口がこちらへ向けられ、その砲身が赤く光る。
その砲身から放たれた弾丸が、私のフィールドのモンスターを無視して横切り、私の胸へと着弾する。
スローモーションのように感じる時間の中、私の胸に当たった砲弾が爆発し、爆風の光景と共に私が後ろに倒れ、私のライフが0になった。
「ガッチャ!楽しいデュエルだったぜ!」
負けたのに、しかし胸は満足感で満たされていた。
ああ、本当に楽しかった。最高のデュエルだった。
胸を満たす満足感による微睡みの中、私は目を閉じてそれを味わった。
「うん、本当に、楽しい……デュエル……」
私の意識は夢の中へ行き、満足して眠った。
ゆったりした幸福感の中、すぅすぅと寝息を立てる。
次の日、私と十代は初日から遅刻した。
戦士族・地・星5・攻2200/守1200
このカード名の②③の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:このカードは融合モンスターの融合素材に使用できない。
②:モンスターのカード名が記された手札の装備魔法1枚を選択して発動できる。選択したカードに記されたカード名と同じカード名の手札・デッキ・墓地・除外状態のカードを1枚を選ぶ。その後、このカードは選んだカードの元々のカード名と同じカード名を得る。
③:フィールド・墓地のモンスター1体を選択して発動できる。そのモンスターのカード名が記された装備魔法カード1枚をデッキ・墓地から手札に加える。この効果で手札に加えたカード名のカードはこのターン使用できない。
戦士族・地・星5・攻1800/守1400
①:このカードが相手モンスターと戦闘を行う攻撃宣言時に発動できる。このカードの攻撃力はダメージステップ終了時まで、元々の攻撃力を倍にした数値になる(この効果の発動に対して、相手はカードの効果を発動できない)。この効果は自分のターンにのみ発動できる。
戦士族・地・星5・攻2200/守1200
このカード名の②③の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:このカードは融合モンスターの融合素材に使用できない。
②:モンスターのカード名が記された手札の装備魔法1枚を選択して発動できる。選択したカードに記されたカード名と同じカード名の手札・デッキ・墓地・除外状態のカードを1枚を選ぶ。その後、このカードは選んだカードの元々のカード名と同じカード名を得る。
③:フィールド・墓地のモンスター1体を選択して発動できる。そのモンスターのカード名が記された装備魔法カード1枚をデッキ・墓地から手札に加える。この効果で手札に加えたカード名のカードはこのターン使用できない。
戦士族・地・星5・攻1800/守1400
①:このカードが相手モンスターと戦闘を行う攻撃宣言時に発動できる。このカードの攻撃力はダメージステップ終了時まで、元々の攻撃力を倍にした数値になる(この効果の発動に対して、相手はカードの効果を発動できない)。この効果は自分のターンにのみ発動できる。
小鳥遊優花:満足した人。夜中にデュエルしてそのままぶっ倒れて眠った。初日から仲良く遅刻。
遊城十代:満足した人。優花に釣られて眠くなりその場で眠った。実質お泊まり。初日から仲良く遅刻
エミヤ:2人に毛布をかけた人。昔、夢の中で母の幻影に出会った日にアルトリアのカードと一緒に枕元にカードとして置いてあった。
佐々木小次郎:精霊として存在してるけどあまり本人は顔を出さない人。学校の行事で寺に立ち寄った時にポケットに入ってた。
主人公の名前を今さら小鳥遊優花にするのはあり?
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名前の法則的にそっちの方があり
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ここまできたら慣れたからなし
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どっちでもいい