GX世界の英霊デッキ使い   作:超融合は許さない

7 / 50
アカデミアの日々

 

 

 私と十代は遅刻した。

 その後、先生にこってり絞られて、そして同じ寮の寮生から質問攻めにされた。

 薄い青髪の寮生に「一体兄貴とどんな関係が〜」とか「いかがわしい関係が〜」だとか色々聞かれたけど、面倒だからデュエルで分からせた。その後に「デュエルしてた」って普通に伝え、無理矢理にでも納得させた。

 

 彼らは丸藤翔前田隼人と名乗っていた。

 最初は煩かったけど、話してみると意外と良い人だった。

 しかし、それはそれとして全員で集まると流石に騒々しい。

 

 私はどちらかと言うと会話が苦手な人間だから、かわりばんこで話題がどんどん転換されると話についていけない。

 しかしそういう時は決まって十代が話を振ってくれるから、私も話についていけるし混ざれる。

 十代はそういうところがあるからありがたい。だから翔も隼人も見習ってほしい。

 

 しかし、十代も十代だが、翔は翔で面倒くさい話題を持ち込んでくる。何故か前は覗き魔の疑いをふっかけられていた。

 実際には翔は騙されて呼び出され、そしてそこで覗きをする形になったらしい。意味が分からないな。

 でも、十代と明日香のデュエルを見れたのは良かった。儀式モンスターと融合モンスター、2つの召喚方法を組み合わせて戦う明日香には、オベリスクブルーに選ばれるだけのタクティクスがあった。

 

 私も「明日香とデュエルしたい」とその場で言ったら、また今度明日香とデュエルする約束を取り付けられた。これだけで翔と仲良くなった甲斐があるというものだ。

 そういえば、私にも手紙が来てたな。だけど字が汚くて読む気が起きず、エミヤに渡したらその場で燃やされたから内容は覚えてないけど。

 

 十代も十代で人騒がせだ。テストの日に寝坊してるし、なんなら放置されていた。

 だから翔と一緒に十代を起こそうとして、十代の寝返りに巻き込まれそうになったりもした。

 私ももう一眠りしたい程度に眠かったが、寝坊するとエミヤに怒られるし、デュエルに遅刻するとアルトリアに怒られるのだ。

 

 そして、十代を起こして学校に向かっていると、道の途中で立ち止まる車がいた。

 その車に近づき、近くで頭を捻っている食堂のおばちゃんに話を聞くと、食堂のおばちゃんの車が地面に嵌まって困っているらしい。

 食堂のおばちゃん、トメさんの車を十代が助けようとして、私の方にも協力を求められた。

 

 仕方ないので力を貸していると、見かねたアルトリアがトメさんに見つからないように実体化して、トメさんからは見えないような位置取りをしてから車を持ち上げ、早業かつ力業な助け方をしていた。

 その後、ギリギリ遅刻しなかった私と十代は無事にペーパーテストで惨敗し、実技テストになった。

 

 十代の相手は黒い髪のオベリスクブルーの生徒。

 たしか万丈目準とか名乗ってた。ことあるごとに十代に「万丈目さんだ」と訂正を入れていたのが面白かった。

 その後のデュエルでは、しっかりとその実力を見せてくれて、召喚が難しそうなVWXYZとかいうモンスターまで呼んでいた。

 その実力を遺憾なく発揮する十代と万丈目は、デュエリストとして格好良かった。

 

 アルトリアも涼やかな顔で眺め、精霊化した状態で真剣に見ていた。

 結果は十代が勝利し、万丈目はオベリスクブルーとしての立つ瀬がない状態のようだった。

 私にもオベリスクブルーの生徒がデュエルの相手として当てがわれたが、特に苦もなく普通に勝利した。

 

 時間が経ち、私の部屋に集まって十代と翔と隼人を含めた4人で、一緒に怪談話を話していた。

 私はそういう話に疎いので聞いてばっかりだったが、しかし十代の話には関心があった。

 十代は小さい頃に精霊の声が聞こえて、夢の中で精霊の声が聞こえる度に起きてデッキのカードを確認していたらしい。

 

 私にも似たような経験があるし、なんなら今も精霊がはっきり見えるし聞こえるし触れるので十代の話は私にとって眉唾ではなかった。

 私の番が回ってくる前に大徳寺先生が現れ、とっておきの怪談話を披露される。

 なんでも、デュエルアカデミアには幽霊寮があり、そしてそこでは闇のゲームに関する研究が行われていて、何人もの行方不明者を出した後に立ち入り禁止となったらしい。

 

 十代が「行ってみたい」と言い、そして私も闇のゲームに関して関心があったため行きたいと思ったが、そこをエミヤに嗜められる。

 しかしアルトリアから「本当に危険があるのなら放置しては被害が増えるかもしれない」というようなことを言われ、エミヤもしぶしぶ承諾してくれた。

 

 次の日、笑顔の十代に付いていく形で不安そうな翔と、あっけらかんとした隼人と一緒に幽霊寮へ向かう。

 幽霊寮に着き、いよいよ中へ入ろうとしたタイミングで明日香が現れ、怖い顔の彼女に嗜められる。

 話を聞くと、明日香のお兄さんが幽霊寮で行方不明になっており、明日香は噂は本当だとして、私たちに注意を促してきたらしい。

 

 たまたま巡り会うわけもないし、彼女は定期的に立ち寄っては、そのお兄さんに花を手向けているんだろうと察する。

 少し心が重くなるのを感じながら、ならばこそ調べなければという使命感が新しく胸に宿る。

 不安そうな明日香を慰め、彼女を置いて幽霊寮を調べようと中に入る。

 中に入って確認すれば、古びてはいるけど豪華な作りの建物であり、埃っぽいことを除けばレッド寮よりよほど良い場所だった。

 

 中を散策していると、明日香のお兄さんらしき人の写真を発見する。

 サインに「FUBUKI 10-JOIN」と書いてある。わりとノリの良さそうな人だ。

 更に探索を進めていると、どこかから女性の悲鳴が聞こえてくる。間違いなく、明日香の叫び声だった。

 

 慌てて私達は悲鳴の聞こえた場所へ走り出し、そしてそこにある明日香のカードと、何かを引きずったような跡を発見した。

 私達は急いでその跡を辿り、そして広い儀式場のような場所に待ち構える黒ずくめの男と出会う。

 その男は闇のゲームの使い手だと名乗り、名をタイタンだと語った。

 

 その男が明日香を人質にとり、狙いは十代と私だと宣告してきた。

 最初は私が相手をしようとしたが、どうしてもだと十代に言われ、私はその場を譲った。

 アルトリア曰く「この部屋そのものからは魔力を感じるが、あのタイタンという男と、彼の持つアイテムからはそれほどの魔力を感じない」とのことだった。

 

 試しに精霊化して姿を現してもらうと、千年パズルを所有するはずのタイタンが、精霊化したアルトリアを視界にも収めず、わざわざアルトリアが彼の視界に移動しても何の反応も示さなかった。

 そのことを察したアルトリアが、デュエルが始まると同時に、すぐに拘束された明日香の元へ向かい、実体化して明日香を救出した。

 

 明日香を助け出し、命に別状がないことを伝えると、焦っていた十代は安心し、そしてタイタンは歯噛みした。

 しかしタイタンは「一度始まった闇のゲームから逃れることは出来ない」と言って千年パズル擬きを光らせる。

 私は眠る明日香に膝枕をしながら、十代とタイタンのデュエルを見届ける。

 

 デュエルはタイタンの術によって、終盤になるまでずっとタイタンの優勢で進んでいたが、十代がイカサマを見抜くと同時に逆転し、タイタンの優勢な状況が十代によって捲られる。

 しかし、イカサマを見抜かれたタイタンは逃げ出そうとして、足を進め始めたところで、足元の魔法陣のようなもので囲まれた眼の紋様が光りだし、黒いドームのような壁が展開されて十代とタイタンの2人が包まれる。

 アルトリアが「この部屋に元々あった陣に触れ、この部屋の魔力を使うことで偶発的に儀式が成立してしまったのでしょう」と分析する。

 

 つまりこれから2人が行うのは本物の闇のゲームであり、もし負ければ死に近しい何かが起きることを意味していた。

 しかもこれは正式な闇のゲームではない。例え勝ったとしても帰れる保証はなかった。

 エミヤの分析によれば、無理に外から壊そうとすれば中身が溢れ出し、より悍ましい何かが生まれる可能性がある、とのことだ。

 

 故に十代の自力の脱出を願うしかなく、先ほどと違い、焦れったい気分になりながら黒いドームを見つめる。

 翔と隼人と共に黒いドームをじっと見つめ、十代を待っている。

 ドームが大きく揺れ、小さな罅のような亀裂が入り、そこから十代が出てくる。

 そして中からは、ゲームに負けたであろうタイタンの悲鳴が響き、黒いドームが小さくなると同時に、恐らく中身も押し潰される。

 

 黒いドームの収縮が始まり、風が吹き荒れて収縮する黒いドームの方向に引っ張られる。

 アルトリアとエミヤに庇うように抑えられ、私達は闇の引力のようなものに耐えることが出来た。

 しかし、吹き荒れる風の中、私には何かのヴィジョンが見えていた。青いオベリスクブルーの制服に身を包む、美丈夫の濃い茶髪の青年と、その正面に佇む、同じく青いオベリスクブルーの制服に身を包む、端正な顔立ちをした濃い緑髪の青年。この儀式場で生まれた、裏切りと闇の力の記憶。

 

 風が収まり、私達を押さえつけていた2人が離れた今、私の手には『裏切りの記憶』という縁が繋がっていた。

 

 






小鳥遊優花:色々あった人。帰って確認したらデッキにカードが増えていた。明日香と早くデュエルしたいなぁぐらいしか考えてない。

遊城十代:色々あった人。この後も色々ある人。後日優花と一緒に査問委員会に呼び出される。

丸藤翔:そこそこ色々あった人。優花さん綺麗だなぁぐらいしか考えてない。

前田隼人:そこそこ色々あった人。ちょいと進路に悩んでる人。

大徳寺先生:闇のゲームへ関心を向けさせてくる人。十代とは別枠で優花を観察している。

アルトリア:闇のゲーム関連の分析を優花に任されてる人。後に後任が見つかる。

エミヤ:デュエルバカと正義感騎士王のストッパー、と見せかけてクッション役。すなわち苦労人。

タイタン:闇のゲームごっこしてたら本当に闇に呑まれた人。帰ってこれるかは不明。

主人公の名前を今さら小鳥遊優花にするのはあり?

  • 名前の法則的にそっちの方があり
  • ここまできたら慣れたからなし
  • どっちでもいい
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。