GX世界の英霊デッキ使い   作:超融合は許さない

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制裁タッグデュエル(1)

 

 

「お2人には罰則とシーテ、制裁タッグデュエルをしてもらうノーネ!」

 

 

 ある日、査問委員会に呼び出された私達は、画面越しのクロノス先生にそう言われる。

 立ち入り禁止の幽霊寮に入り込み、中を荒らしたことに対するペナルティだそうだ。

 本来なら即刻退学処分だが、チャンスとして用意されたのがその制裁タッグデュエルというものらしい。

 

 私と十代でタッグを組んでデュエルをして勝つことが条件であり、対戦相手のタッグデュエリストは学校側で用意される。

 当然だけど、私も十代もタッグデュエルなんてやったことがない。

 一応、ネットでタッグデュエルについて調べたけどルールが複数パターンあり、どのルールのタッグデュエルになるかは不明だった。

 

 ルールに合わせてデッキの構築を変えるにも、ルールが分からなければ下手にいじれない。仕方ないから私はこのデッキのままで行くことにした。

 十代にその内容の説明もしたが、彼からは「心配すんな、勝ちゃあ良いんだから」と言われる。

 私もその軽い考えに乗っかる気持ちで賛同し、タッグデュエルの日を待つことにした。

 

 


 

 

 色んなことがあった。

 隼人が父親によって自主退学させられる危機にあったり、夜道を歩く明日香が気になってこっそり尾行したら、明日香が男と密会してるところに遭遇したり、こっそりしてた私の後ろをさらに十代達が尾行してて、明日香が密会してた丸藤亮に対して十代がデュエルを挑んで、翔の前でデュエルをして見せたりしていた。

 そして、そんなこんなの後の制裁タッグデュエルである。私はタッグデュエルが初めてだ。だから少しの緊張感とワクワクが同時にある。

 

 そしてそれは、私の横にいる十代も同じなのだろう。

 デュエル会場に立つ私達2人の前で、クロノス先生が立って声を張り上げる。

 

 

「ではこれより、タッグデュエルを始めルーのデスね!」

「それで、対戦相手は?教員か、オベリスクブルーの生徒かね。まさか、また君が相手をするのかね?」

 

「いいえ、これは彼らが立ち入り禁止区域に立ち入った校則違反を審議するたメーノ、デュエルでスーノ。相手はそれ相応の、デュエリストでなければ意味ありませンーノ」

「ふむ、それで?」

 

「不心得者を叩きのめすべくっ!ん〜、パルメザンチーズ。伝説のデュエリストを呼んでありまスーノ!」

 

 

 後ろから2つの陰が宙を舞って飛んでくる。陰は大きく弧を描いて私たちの目の前に着地し、バク転によって移動し目にも止まらぬ速さで動く。

 橙の衣装と緑の衣装の残像で軌跡を描くようにアクロバティックな動きで会場へと現れる。

 

 

「我ら、流浪の番人」

迷宮兄弟

 

 

 中華風の衣装で頭は丸坊主、それぞれの額に「迷」「宮」と書かれた瓜二つな容姿の2人が、洗練されたポーズを決めながら佇む。

 その表情はニヤついている。こちらを見据え、慢心しながらも油断なき真っ直ぐな瞳で、こちらを見つめて見定めてくる。

 

 

「うお〜、香港映画か」

「あの動き、疲れそう」

 

 

 恐らく中華の拳法を習ってはいるのだろうが、武芸者としては達人には見えない。

 2人からはデュエリスト特有の覇気は感じるが、武芸者特有の覇気は感じないのだ。

 私はデュエリストとして彼らを見つめ、その立ち振る舞いを洞察する。

 

 

「彼らは、あの伝説のデュエリスト、武藤遊戯と対戦したこともあるという、伝説のデュエリストでスーノね!」

「武藤遊戯と?」

 

 

 確か武藤遊戯というのはデュエルキングという称号を持つ、伝説の王者だったはずだ。

 しかし、対戦したことがあるだけで同じ伝説扱いはどうなのだろう。

 神話の英雄と戦ったことがあるだけで、その人まで後世で神話存在になるようなものだろうか。

 

 

「お主らに恨みはないが」

「故あって対戦する」

 

「我らを倒さねば」

「道は開けぬ」

 

「「いざ、勝負ッ!!」」

 

 

 整った動きで口上を述べた2人の、ギラギラとした瞳がこちらに向けられる。

 しかし確かに、この眼光には伝説として語られるだけの重みを感じる。

 兄弟2人が息の合った動きで位置に着き、デュエルディスクを装着して構えている。

 

 

「では両者、位置について!」

「タッグパートナーへの助言はダメなノーネ。パートナーのフィールドも、自分のフィールドとして扱えまスーノ。いいでスーノね?」

 

 

 クロノス先生によってざっくりとしたルールが説明される。

 そのルールは事前に予習したルールの中の1つであり、簡単な説明でもすんなりと頭に入ってきた。

 事前に組んでいたルールごとの想定コンボを記憶から掘り起こし、もう一度確認してからデュエルディスクを構える。

 

 

「各チーム、共通LP8000なノーネ!」

 

「「「「デュエル!!!」」」」

 

 

 戦いの幕が上がる。4人のデュエリストが向かい合い、互いの死力を尽くして全力で挑む。

 迷宮兄弟による制裁タッグデュエル。私と十代の退学を賭けたデュエルが、今始まる。

 

 


 

 

 ライフは8000ポイント。2人のプレイヤーの4000ポイントを足し合わせて共有したものだ。

 つまりこのデュエルは、2人のうちのどちらか片方にパワーバランスが傾いた瞬間に、片方が集中砲火を浴びてLPを大きく削られることになる。

 必要なのは互いの隙をカバーし合う連携、または互いに覇を競うような一糸乱れぬ拮抗した強さ。

 

 

「私のターン、ドロー。私はフィールド魔法『大聖杯:英霊 召喚』を発動し、効果を使用する。大聖杯の効果、私はモンスターのカード名が記された手札の魔法カードを相手に見せて、そのテキストに記されたモンスターを手札・墓地から特殊召喚できる」

 

 

 フィールド魔法を使用して、今の私の手札は5枚。モンスターが2枚、通常魔法が1枚、速攻魔法が1枚、装備魔法が1枚だ。

 モンスターはそれぞれ、「アルトリア」と「エミヤ」だ。あとはアルトリア用の装備魔法が1枚と汎用カードが2枚。

 だからここは、このターンでアルトリアを特殊召喚して、次のターンへにアルトリアで一気に攻めた方が良いだろう。

 

 

「私は手札の『約束された勝利の剣(エクスカリバー)』を相手に見せ、手札の『英霊 アルトリア』を特殊召喚する。そして、私はカードを1枚伏せてターンエンド」

 

 

 私が伏せたカードは速攻魔法『サイクロン』である。

 何かと使える汎用カードであり、相手のフィールドに出てきた残しておきたくない永続魔法や永続罠を即座に除去できる。

 相手がトラップを警戒してこのカードを破壊してきても、あまり惜しいカードでもないので、それはそれでデコイとして機能する。

 

 

「私のターン、ドロー。私は地雷蜘蛛を召喚。そしてカードを1枚セット。私はこれでターンエンドだ」

「待った、ターンエンドの前にリバースカードオープン。サイクロンを発動、貴方が伏せたカードを破壊する」

「ちっ!」

 

 

 破壊されたのは『アヌビスの裁き』か、こちらが発動した魔法・罠を破壊する効果の魔法カードの発動を無効にして、さらにこちらのモンスター1体を破壊し、その攻撃力分のダメージを受けることになるカードだ。

 発動されると厄介なカードなので、ここで破壊できて良かったと思うべきだろうね。

 むしろこのターン以外でサイクロンを使えば効果が発動していたことを思えば、ここ以外に使い所はなかったとも言える。

 

 

「くっ、ターンエンドだ!」

「俺のターン、ドロー!」

 

 

 私のフィールドには攻撃力2700のアルトリア、そして私の手札は3枚。迷宮兄弟のオレンジの方はフィールドに攻撃力2200の地雷蜘蛛、そして手札は4枚だ。

 十代は手札が6枚、どんな展開をしてくるのだろう。

 横で仲間として十代を眺めるのは、なんだかいつものデュエルとは違う面白さがある。

 

 

「俺は『E・HERO(エレメンタルヒーロー) バブルマン』を通常召喚。バブルマンの効果発動。自分フィールドにカードが存在しない状態でこのカードが召喚・特殊召喚された場合、俺はデッキからカードを2枚ドローする。カードを2枚ドロー!俺はリバースカードを3枚伏せてターンエンドだ!」

 

 

 十代のフィールドには攻撃力800のバブルマンが1体、リバースカードが3枚、手札4枚。かなり潤沢にリソースが潤っている。

 十代は絶好調みたいだ。最初からフルスロットルで来てる。

 なら、私もそれに応えないとだよね。だから、私もちゃんと良いところ見せないと。

 次は迷宮兄弟のグリーンの方のターンだ。さてどんな手で来るんだろうか。

 

 

「私のターン、ドロー。私は手札の『カイザー・シーホース』を召喚。さらに魔法カード『生け贄人形(ドール)』を発動!自分フィールドのモンスター1体を生贄に捧げ、通常召喚可能なレベル7モンスター1体を特殊召喚する。私は、兄者のフィールドの『地雷蜘蛛』を生贄に捧げ、手札より『風魔神 ー ヒューガ』を特殊召喚する!」

 

 

 攻撃力1700のカイザー・シーホースに、攻撃力2400のヒューガ、1ターンのうちにかなり展開するつもりなのか。

 だけど、タッグデュエルはどのプレイヤーも最初のターンは攻撃できない。

 だから、この展開はむしろ、オレンジの方の迷宮兄弟の隙を作る行為なはずだ。

 

 

「すまんな兄者。勝手に兄者のカードを使ってしまって」

「構わんさ。我が弟のためだ」

 

「いいや、それでは私の気が収まらない。故に魔法カード発動『闇の指名者』、このカードはモンスターの名を1つ宣言し、そのカードが相手プレイヤーのデッキにあれば、相手はそのカードを手札に加える。私が指名するのは『雷魔神 ー サンガ』だ」

「くくく、ありがたい。当然サンガは私のデッキに入っている」

 

「私はカードを1枚伏せ、ターンエンドだ」

 

 

 なんだか良く分からない兄弟愛を見せられた気がする。

 だけどそれはそれとして、これで相手の大体の狙いが分かった。

 名前からして、あのヒューガとサンガというカードは同じカテゴリーのカードだ。

 つまり、その魔神達を揃えると、何らかの特殊効果で面倒な状態になるのだろう。

 だから揃えさせなければ良いのだ。

 

 

「私のターン、ドロー。私は手札から『サンダー・ボルト』を発動する。相手フィールドのモンスターを全て破壊する」

「なにッ!」

 

「それが効果を止めるカードじゃなければ、このまま君のフィールドのモンスターは全滅だよ」

「そのカードの効果は...通る。私のフィールドのモンスターは破壊される」

 

「なら、私は...」

「待て、私は罠カードを発動する!『リビングデッドの呼び声』ッ!このカードの効果により、私は自分の墓地のモンスターを1体特殊召喚できる。私は、『風魔神 ー ヒューガ』を特殊召喚!」

 

 

 やられた。もう少し使い所選べば良かったかな。

 一応、シーホースの方は破壊できたけど、しかし狙いのヒューガが場に残っている以上は無駄になったと言う他ないだろう。

 私の手札は「エミヤ」のカードと「エクスカリバー」のカード、それから今ドローした装備魔法の「ゲイボルク」だ。

 現状、迷宮兄弟の兄のフィールドがガラ空きだけど、コンボを成立させないためにも、ここはヒューガを落としておきたい。

 

 

「私は『大聖杯:英霊 召喚』の効果発動。モンスターのカード名が記された魔法カード1枚を相手に見せることで、そこに記されたモンスター1体をデッキ・墓地から手札に加えることができる。私は手札の『刺し穿つ死棘の槍(ゲイ・ボルク)』を相手に見せ、デッキから『英霊 クーフーリン』を手札に加える。このターンの間、この効果で相手に見せたカードは使えない」

 

 

 相手のヒューガの効果が分からない以上、発動しておきたい効果を今発動しておく。

 そもそもヒューガが効果モンスターなのかも分からないけど、警戒はするに越したことはない。

 あぁ、ワクワクしてきた。あのモンスターがどんな効果なのか、それとも効果モンスターじゃないのに必死で守るほどのコンボパーツなのか、気になって仕方がない。

 

 

「バトルフェイズ!私はアルトリアで、ヒューガに攻撃!風王鉄槌 ストライク・エアッ!!

「ふんッ!『風魔神 ー ヒューガ』の効果発動ッ!攻撃宣言を行った相手モンスターの攻撃力を0にする!風魔神防御反射(ヒューガ・リフレクション)ッ!!ストーム・バリケードだッ!!」

「ぐっ...!」

 

 

 アルトリアの攻撃力が0となり、攻撃力2400のヒューガによって敢え無く破壊される。

 これによりダメージを受けた私と十代のLPは8000から5600へと減る。

 狙いは全て上手くいかず、ライフまで削られてしまった。

 しかも私のフィールドにはモンスターがいない。次のターン、迷宮兄弟2人の猛攻が私を襲うのが予想できる。

 ヒューガ並みのモンスターを一気に並べられたら、それだけでこの一巡でデュエルが終わる可能性すらある。

 

 

「私は、ターンエンド……」

 

 

 

フィールド魔法

このカード名の①②の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使えない。

①:モンスターのカード名が記された手札の魔法カード1枚を相手に見せて発動する。そのカードに記されたモンスター1体を手札・墓地から特殊召喚する。この効果の発動後、この効果の発動に使用したカード名のカードはこのターン使用できない。

②:モンスターのカード名が記された手札の魔法カード1枚を相手に見せて発動する。そのカードに記されたモンスター1体をデッキ・墓地から手札に加える。この効果の発動後、この効果の発動に使用したカード名のカードはこのターン使用できない。

装備魔法

「英霊 アルトリア」にのみ装備可能。

①:装備モンスターの元々の攻撃力・守備力は3000になる。

②:装備モンスターがそのモンスターの元々の攻撃力よりも高い攻撃力を持つモンスターに攻撃するダメージ計算時のみ装備モンスターの攻撃力は1000アップする。

③:装備モンスターが闇属性モンスターに攻撃するダメージ計算時のみ装備モンスターの攻撃力は1000アップする。

④:装備モンスターがレベル9以上のモンスターに攻撃するダメージ計算時のみ装備モンスターの攻撃力は1000アップする。

通常モンスター

戦士族・光・星8・攻2700/守2700

フィールド魔法

このカード名の①②の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使えない。

①:モンスターのカード名が記された手札の魔法カード1枚を相手に見せて発動する。そのカードに記されたモンスター1体を手札・墓地から特殊召喚する。この効果の発動後、この効果の発動に使用したカード名のカードはこのターン使用できない。

②:モンスターのカード名が記された手札の魔法カード1枚を相手に見せて発動する。そのカードに記されたモンスター1体をデッキ・墓地から手札に加える。この効果の発動後、この効果の発動に使用したカード名のカードはこのターン使用できない。

装備魔法

「英霊 クーフーリン」にのみ装備可能。

①:装備モンスターが戦闘を行うダメージ計算時に発動できる。その戦闘を行う相手モンスターを破壊する。

②:モンスターに装備されているこのカードが除外された時に発動する。このカードをデッキの一番上に戻す。

効果モンスター

戦士族・光・星8・攻2500/守2000

このカード名の③の効果は1ターンに1度しか使用できない。

①:このカードは戦闘では破壊されない。

②:「刺し穿つ死棘の槍」を装備しているこのカードが戦闘を行うダメージ計算時、その戦闘を行う相手モンスターの効果は無効化される。

③:このカードが「刺し穿つ死棘の槍」を装備している時に発動できる。このカードが装備している「刺し穿つ死棘の槍」を除外し、相手に1000ダメージを与える。







小鳥遊優花:大ポカやらかした人。わりと反省してるし焦ってる。

遊城十代:虎視眈々としてる人。遊花のミスには怒ってない。

迷宮兄弟:慢心してるがミスはない。

エミヤ:優花が読まずに捨てた学校からの連絡書類にタッグデュエルの詳細なルールが明記されてたので後で叱る予定の人。

 一応、解釈としては「デュエル中は相手のカードのテキストを読めない。相手のカードの効果を知ってる場合は基本カードパックで同じカードを引いたことがあるか、噂や授業で効果を聞いたことがあるから」という風にして書いてます。

主人公の名前を今さら小鳥遊優花にするのはあり?

  • 名前の法則的にそっちの方があり
  • ここまできたら慣れたからなし
  • どっちでもいい
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