ナカジマ家・庭
「おおお・・・。すっげぇスねぇ・・・」
「ふむ。異世界のテクノロジーとは新鮮なものだな。それが仮面ライダーというものか・・・」
皆が目の前のジョーカーに唖然とする中、ウェンディとチンクだけが言動に表す。
「それが貴方のいってた・・・」
「仮面ライダー・・・ですか?」
「ああ。これはWじゃねぇがな。この姿は俺がWに変身出来なかったときに変身してた仮面ライダージョーカーだ」
スバル、ギンガにジョーカーは腰に手を当て答える。
そのままジョーカーはドライバーを立てメモリを抜き、変身を解く。
しかしこんなことでも新鮮に感じたのか、ナカジマ家の面々は拍手。
翔太郎も照れくさいのか、そっぽを向きながらほほをかく。
(とりあえずはジョーカーにはなれるみたいだな・・・。でも危機って一体・・・)
鳴海荘吉の言っていた“危機”という言葉に頭を傾げる翔太郎。
その直後、街から爆音が響く。
「な、何?」
スバルが驚く。
それもそのはずでかなりの出力の魔力砲でなければ出ない程の爆音であるからだった。
すると翔太郎は一瞬で目付きを変え、すぐさまハードボイルダーに跨る。
「お、おい!」
ゲンヤの制止を振りきり、翔太郎は無言のままヘルメットを被りアクセルを捻ると、そのまま街へとハードボイルダーを走らせた。
「スバル! 私たちも!」
「うん!」
二人も現場に駆けつけるため、それぞれのデバイスを掲げた。
―――――――――――
クラナガン都内
「はっはぁ〜〜。いいなぁ、この力! たまらないねぇ〜〜!」
そこには次々に街に発砲する武器の記憶の怪人【アームズドーパント】がいた。
対し瓦礫の固まりを盾に傷ついた局員が集まっていた。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・何あれ? でたらめだわ。」
その中にはオレンジのロングヘアーの執務官【ティアナ・ランスター】が息を切らしながらクロスミラージュを構えている。
隙をついて瓦礫から撃とうとするが完全に狙いを定めたアームズの弾丸が徐々にティアナ達が盾にしている瓦礫を削っていく。
「はぁ・・・。さっきから無駄に足掻きやがって・・・、管理局の犬どもが・・・。まぁそろそろあきたし・・・、さよならだ!」
アームズが腕の銃からグレネード弾を放つため、銃口を向ける。
その時、ハードボイルダーに乗った翔太郎がアームズを突き飛ばす。
吹き飛んだアームズを睨み付けながら翔太郎はヘルメットを外す。
「お前、何者だ!」
「何でドーパントが!? おいお前! どこでガイアメモリを」
「ガイアメモリ? へぇ。ガイアメモリって言うのか・・・。聞きたけりゃあ力づくで聞いてみろ!」
「・・・・・しゃあねぇ・・・。なら口を割らしてもらうぜ!」
「貴方は?」
「俺は左翔太郎。またの名を・・・」
急に介入したにも関わらず目の前の怪物に妙に慣れた翔太郎にティアナは頭を傾げる。
翔太郎は答えながらドライバーを腰にセットし左手にジョーカーメモリを持つ。
『ジョーカー!』
ジョーカーメモリをドライバーにスロットする。
「変身!」
左手でドライバーを展開し、構えていた右拳を開く。
『ジョーカー!』
翔太郎の身体は風に覆われ仮面ライダージョーカーへと変身を遂げる。
「仮面ライダー・・・ジョーカー」
「「仮面・・・ライダー?」」
ティアナとアームズは聞きなれない言葉を言い返すが、ジョーカーは気にもせずにアームズに左の人差し指を向ける。
「さぁ、・・・・・お前の罪を数えろ!」
「ふっざけるなぁ!」
アームズは走り、発砲しながら接近してくる。
「うおおおおおおお!」
しかしジョーカーは弾丸をひたすら回し蹴りで叩き落としていく。
「何!」
「行くぜ? おらぁぁ!」
ジョーカーはストレート、フック、アッパーのラッシュでアームズを打ちのめしていく。
「ならぁ!」
「おっと危ねぇ!」
アームズは両手に剣を装備し斬りかかるが、ジョーカーはすれすれで避ける。
伊達に以前、偽仮面ライダー事件で手合わせしただけに戦闘パターンは既に把握していた。
ジョーカーは斬撃を蹴りで弾くとアームズの後ろに回り込み、後ろ蹴りを叩き込む。
「ならぁ!」
「ならこれで・・・・・、どうだぁ!」
後ろに剣を振るアームズの手を受け止めるジョーカーは、そのまま懐に連打を打ち込み、蹴り飛ばす。
「これで決めるぜ?」
ジョーカーはドライバーのジョーカーメモリを右腰のマキシマムスロットにセットしボタンを叩く。
『ジョーカー・マキシマムドライブ!』
「ライダーキック!」
ジョーカーは高く跳躍。
そのまま右足に紫色のエネルギーを纏った飛び蹴り【ライダーキック】を放つ。
腹部にライダーキックを受けたアームズは吹き飛ぶ。
さらに身体にプラズマが走せたかと思わせた直後、身体が爆発。
「や、やったの?」
ティアナは唖然とする。
アームズが爆発した後には一人倒れている男と破壊されたアームズメモリだけ。
「え? どういうこと?」
ティアナだけでなく他の局員も驚く。
それもそのはずで彼女らは仮面ライダーも知らなければドーパントも知らない。
ただ襲われたから対抗したにすぎなかった。
ティアナ達に変身を解いた翔太郎は歩み寄る。
「どういうことですか? これは。えっと・・・左さん・・・でしたっけ?」
「あ、ああ。えっとだな・・・」
「ティア―――!」
するとスバルとギンガがバリアジャケットの姿で駆け付けた。
「スバル! ギンガさん!」
「ティアナ。大丈夫よ。この人は敵じゃないわ」
「えっ? あの・・・その・・・どういうことよ!」
「あ――、詳しくは俺から話す。改めて・・・左翔太郎だ」
「ティ、ティアナ・ランスターです」
翔太郎とティアナは握手を交す。
その後翔太郎はティアナにもスバル達に話した一部始終をなるべく簡潔に話す。
〜〜〜〜数分後〜〜〜〜
「というとドーパントっていうのは地球の記憶が詰まったガイアメモリっていうアイテムで人が変貌した姿で、翔太郎さんはそのドーパントを倒す仮面ライダーっていう姿に変身して・・・戦ってた?」
「まぁ信じがたいって思うかもしんねぇけど事実だ・・・」
「貴方が倒れていたのはなんでですか?」
「・・・それなんだがわからねぇ。前の世界で意識が消えたら変な空間にいて、そこで俺の師匠の後をついていったら俺はスバル達の家で寝てた・・・。ただその人は転生とか言ってたけどなぁ・・・」
「転生って・・・。よくあるSFみたいな・・・」
信じがたいであろう話を信じるティアナのに翔太郎は内心舌を巻く。
「で、スバル達の家の前で左さんが行き倒れていた・・・と」
「うん」
「なかなか信じがたいけど、実際この目で見たし、助けられたからどうも言えないわね・・・」
「あ、そうだ。そういや、君らの力はなんなんだ? 外の世界から来た俺にはよく分からねぇんだが・・・」
翔太郎の素朴な疑問にスバルが答える。
「あ〜、あれは魔法ですよ」
「そうかぁ。魔法・・・・・、魔法だぁ!?」
「はい、魔法です」
「・・・・・はああああああ!? じゃ、じゃあ俺は魔法使いの世界に来ちまったのかぁ!?」
翔太郎のあまりにも大きい反応にスバル達は驚いている。
スバル達には魔法が生活の一部と化しているため、翔太郎の反応が妙に可笑しく見えている。
「そ、そんなに凄いことですか?」
ギンガが若干ひきながら聞く。
「・・・・・魔法ってーのは俺がいた世界だと仮想空想の産物なんだ。それなのに・・・。ありえねぇ・・・。あ〜〜、めまいがしてきた」
そんな翔太郎を三人は唖然としながらも、警戒を解いたように笑う。
「でも・・・左さん。悪い人じゃなさそうですし・・・スバル、ギンガさん。左さんの身柄の保護、お願い出来ますか?」
「分かった」
「任せて!」
ギンガとスバルが了承する。
「じゃあ改めてよろしくね、左さん!」
スバルが翔太郎にウインクする。
「おう! 後な・・・翔太郎でいいぞ。スバル」
翔太郎は右拳を突き出す。
「・・・はい?」
「俺流の挨拶だ。わかるか?」
「はい♪」
スバルは右拳を出し翔太郎の拳に合わせる。
(なぁフィリップ・・・。お前とはまた離ればなれになっちまったが・・・。お前なら大丈夫だよな。・・・俺はなんとかこの世界でやってくよ。仮面ライダーとして。じゃなきゃ・・・お前とまた会ったときに情けねぇツラ見せちまうからよ。俺達は例え離れていても相棒だぜ。なぁ・・・フィリップ)
翔太郎は内心で誓う。
この街で再び仮面ライダーとして戦っていくことを・・・。
この街の涙を拭う存在として戦っていくことを。
―――――――――――
その夜。
「ではではぁ〜〜、新しい家族に〜〜〜」
「「「「「「「「かんぱぁ〜〜い!」」」」」」」」
ナカジマ家ではウィンディの仕切りを皮切りに翔太郎の親睦会が開かれた。
ナカジマ家の女性六人にゲンヤ、その勢いに押され気味な翔太郎の八人のグラスがぶつかる。
「しっかし、ちょっと気ぃ晴れたな。明らかに中年の俺一人に年頃の娘が六人だぞ? こんな中で明らかに浮いてると思わねぇか?」
「ま、まぁ・・・」
ゲンヤは腕を翔太郎に絡ませる。
ちなみにまだ酒は入っていない。
「す、すんません」
ゲンヤの迫力に翔太郎は思わず平誤りする。
「まぁまぁまぁ。ハーレムと思えばいいじゃないっスか〜〜〜」
そんなゲンヤにウェンディは笑顔だ。
「だが、ハーレムもいいがお前ら、俺が死ぬまでに全員ウェディングドレスを見せてくれよ。じゃなきゃ俺、成仏できねぇからな」
「怖いこと言わないでよ・・・」
ゲンヤの言葉にディエチが苦笑いをする。
「・・・・・」
(・・・・・妹達に先を越されそうな気が・・・)
隣ではチンクが妙な危機感を感じていることも知らずに。
「そういや翔太郎さんはなんか格闘技をやってんのか? 素手だろ?」
「あ? ああ。やってはいねぇが、今までの仕事で覚えた実戦的な体術をちょっとな」
「ふぅ〜〜ん」
質問を返されたノーヴェは一人納得。
すると、スバルが翔太郎に料理を異様に盛った皿を差し出す。
「翔太郎さん。どうぞ」
「・・・もう食えねぇって・・・。つーか・・・・・食い過ぎだろお前ら!」
スバルがテレビで見るようなデカ盛りの皿に翔太郎は大きくつっこむ。
「「「「「「そう?」」」」」」
ナカジマ家の六人の女性は口に何かを入れた、又は入れ掛けた状態で見事なシンクロを見せる。
「スバル・・・。翔太郎さんは普通の方なんだから、あまり無理言わないの」
「は〜〜〜い」
「そうだ、翔太郎。お前仕事はどうするんだ? ウチは働かざる者食うべからずだぞ」
するとギンガがスバルに注意した直後、ゲンヤが現実的な言葉を翔太郎に叩きつける。
「ごちそう様。そうなんすよ。何で明日ちょっと仕事を探すのにちょっと早く出かけます」
「そうか。じゃあ先に風呂入ってこいよ。スバル、案内してやってくれ」
「は〜〜〜い」
「すんません。じゃあおやすみな、皆」
「「「「「「お休み」」」」」」
翔太郎とスバルと共にリビングを出る。
ちなみにこの日の晩の夕御飯は残らずに綺麗にナカジマ家の面々の胃袋に収まりきったとか。
―――――――――――
廊下を歩く二人。
「あの・・・翔太郎さんって彼女いたんですか?」
しかし突然スバルが急に桃色のような話題を持ち出す。
「な、なななな何でだ?」
思わず驚く翔太郎。
鳴海探偵事務所では確実と言ってもいいほど持ち上がらない話題であるからだ。
自称美人所長ののろけ話は別としてもだ。
「だって・・・顔も悪くないし、性格も優しいし、強いし・・・。彼女の一人くらいいてもおかしくないはずだけど・・・」
「お、わかってるなぁ〜〜〜。実際いなかったし、いたこともなかったぜ。この歳でまだファーストキスも出来てないんだよなぁ〜。なんせ青春時代を全部探偵に尽くしてきたからな」
「そんなに探偵っていう仕事が好きだったんですね」
「ああ。探偵っていうのは警察や人にいえないような涙を拭える唯一の方法と俺は思ってる。俺は前にいた街で誰一人泣いて欲しくなかった。だから探偵っていう仕事は好きとかを通りこして俺の生き甲斐だった。この街にはまだ来たばっかだが、今ではこの街を守りてぇ。誰一人この街で泣いてて欲しくねぇ。もちろんスバルやギンガや皆もな」
「そ、そうですか。こ、ここがお風呂です」
スバルは照れ隠しにそっぽを向きながら、言う。
「あ、ありがとな」
翔太郎は風呂場に入っていった。
「なんだか凄いひとだなぁ」
するとスバルは妙な感覚に襲われた。
胸の奥がうずくような感覚に。
「・・・・・なんか妙な・・・」
妙な感覚を持ちながらスバルはリビングに戻っていった。
―――――――――――
湯船につかる翔太郎は頭の中で今日、身の回りに起きたことを整理していた。
(えっと風都で俺が死んで、おやっさんを追っかけて、気が着いたらこのミッドチルダのクラナガン・・・・・)
「あああああ! わ・・・っかんねぇ!」
翔太郎は湯船に潜る。
(そういや・・・)
そして浮上。
(前はジョーカーだけでもなんとかなったからアレを試してなかったな)
翔太郎はあることを思いついた。
実際考えてはいたが、ジョーカーだけで十分だった故に使用しなかった二つの力。
「試してみる価値はありそうだよな。サイクロンやヒートらが使えねぇ以上、レパートリーはあるに越したことはねぇしな」
翔太郎は風呂を出て寝間着に着替え、部屋に戻った。
「今日は色んなことが有りすぎて疲れた。寝っかなぁ」
翔太郎は疲労故かすぐに眠りにつく。
その夢には予知夢のように棒術を使う銀色の闘士、一撃必殺の青い銃撃手が現れていた。
―――――――――――
翌朝。
ボイルダーの側で手袋を付ける翔太郎。
「じゃあ出かけてくるな。夕方までには戻っから」
「「行ってらっしゃい」」
「おみあげよろしくっス〜〜」
ギンガとディエチ、ウェンディが翔太郎を見送る。
―――――――――――
あれから数時間。
「なんかねぇかなぁ〜〜〜」
翔太郎はあちこちを見て回ってはいたが、なかなかいい仕事が見つからなかった。
「つーか、俺探偵しか頭になかったからあんまかけ離れたことできなさそうなんだよなぁ〜〜〜。なんか良いところは・・・」
「きゃああああああ!」
すると悲鳴が聞こえる。
「! マジかよ!」
『バット!』
翔太郎は懐からメモリガジェット【バットショット】を取り出すとギジメモリをスロットする。
そして現場に飛んで行くライブモードのバットショットを、翔太郎はボイルダーで追いかけた。
―――――――――――
「この力。心地いい」
「い〜〜っぱい暴れられるわぁぁぁ!」
街を壊すのはと【カメレオンドーパント】と【ティーレックスドーパント】。
そのまま二体は逃げ遅れ震える二人の子供に接近する。
「怖いよぉぉ、お兄ちゃん・・・」
「大丈夫だよ。僕がいるから。僕がいるから」
二人兄弟の兄らしき少年が弟を励ます。
しかしドーパント二体の気は変わらない。
「安心しな」
「一瞬で終らせてあ・げ・る・わ♪」
2体が襲いかかり二人の子供は目をつむる。
「させるかぁぁぁぁ!」
しかし横からハードボイルダーにのった翔太郎がぶつかり、二体のドーパントを吹き飛ばす。
「貴様ぁ!」
「邪魔するなら容赦しないわよ!」
二体は殺気立つが翔太郎は臆することなくドライバーを腰に当てる。
「悪いがてめぇらには新しいのに付き合ってもらうぜ! 覚悟しな!」
そして左手にメモリを持つ。しかしそれはいつものジョーカーメモリではなかった。
『メタル!』
手に持っているのは“闘志の記憶”を宿したスケルトン色の【メタルメモリ】。翔太郎はメタルメモリをドライバーにスロットする。
「変身!」
そのままスロットを展開する。
『メタル!』
翔太郎の身体は銀色のジョーカー、いや銀色の新たな姿【仮面ライダーメタル】へと変身を遂げた。
メタルは背中のメタルシャフトを持ち、ドーパント達に構える。
「さぁ・・・お前達の罪を数えろ!」
メタルはドーパントに飛び込む。
ティーレックスの鳴き声波動をシャフトで相殺しながら懐に入り突きや払いでたじろがせる。
カメレオンは拳を叩き込むが、メタルはシャフトで受け止め逆に顔面を殴り返す。
そして二体を双方ともに逆方向に吹き飛ばし、ティーレックスに狙いを定める。
「決めるぜ?」
メタルはメタルメモリをシャフトにスロットする。
『メタル・マキシマムドライブ!』
「はあああああああ!」
シャフトに銀色のエネルギーが纏われていく。
「え―っと技名技名・・・。メタル・・・、メタル! インパクトスマッシュ!」
そしてシャフトで強烈な突きのマキシマム【メタルインパクトスマッシュ】を叩き込む。
ティーレックスは爆発し女性が倒れて現れる。
「後はお前だな」
「ひぃ! なら!」
カメレオンは透明になる。
そしてメタルの身体からは透明になったカメレオンの攻撃により火花が散る。
「ぐっ! やるじゃねぇか。だがコイツを試すにはちょうどいいぜ!」
『トリガー!』
メタルは何処からかトリガーメモリを出す。
そしてトリガーメモリをドライバーにスロットし展開する。
『トリガー!』
メタルは新たに青い仮面ライダー【仮面ライダートリガー】となる。
それによりシャフトは消滅し、トリガーは左胸に新たに現れたトリガーマグナムを右手に持つ。
そしてその場に立つと、動かなくなる。
「・・・・・・・・、!」
すると首を真横に動かし、目の前にマグナムを発砲する。
何もいないはずのところから火花が散り、カメレオンドーパントが現れた。
カメレオンはさっき、トリガーの顔面に拳を放ったが避けられ、代わりに銃撃を浴び、吹き飛ばされていた。
トリガーはトリガーマグナムにトリガーメモリをスロットし、マグナムをマキシマムモードにする。
『トリガー・マキシマムドライブ!』
「終わりだ!」
トリガーはカメレオンに向けてマグナムを構える。
「えっと、トリガー・・・ストレートバースト!」
引金を弾かれたマグナムから放たれた巨大な青色の弾丸のマキシマム【トリガーストレートバースト】はカメレオンドーパントに命中、爆発。
後には犯人の男が倒れていた。
「ふぅ。・・・後は管理局に任せるか。」
トリガーはハードボイルダーに寄る。
「あの・・・。」
「あぁ?」
呼ばれたトリガーは振り向く。
そこには彼が助けた兄弟が。
「ありがとう!」
「ありがとうございます!」
「怪我は無かったか?」
トリガーは二人に近寄る。
「「うん!(はい)」」
「そっか。なら良かったぜ」
トリガーは二人の頭を撫でる。
「お兄ちゃん、名前は?」
「俺か? 俺はな・・・仮面ライダーって言うんだ。」
トリガーは訪ねてきた弟に指を向けながら答える。
「「仮面ライダー?」」
「ああ。おっと、こうしちゃいられねぇ。またな」
トリガーはトリガーマグナムを胸に取り付けた後、ハードボイルダーに乗って走り去っていった。
「僕達もいつかあんなふうになりたいなぁ」
「うん」
そんなトリガーを二人は見えなくなるまで見つめ続けた。
―――――――――――
ナカジマ家・夕方
「どうだ? 何か見つかったか?」
「なんなんすかねぇ〜。仕事はあるはずなんですけど、探偵の仕事を捨てきれねぇっていうか・・・未練たらたらっていうか・・・」
「そっか〜。ならよ、俺の部隊に入らねぇか?」
「え?」
「探偵やったんなら、頭もキレんだろうし、仮面ライダーとしての実力もティアナから聞いてるぜ。わかんねぇことがあったら俺だけじゃなくギンガも一緒だからいざって時に困んねぇし、基本この街で動く。どうだ?」
ゲンヤが訪ねると翔太郎は曖昧に答えを返す。
「え〜と・・・」
翔太郎は悩む。
「翔太郎さん! 私の秘書っていうかサポートをしてくれませんか!? 出来れば同居で」
するとスバルが笑顔で爆弾発言をいい放つ。
スバルが身体を乗り出す。
「・・・・・。はあああああああああ!?」
無論翔太郎は声を荒げて驚く。
当然と言えば当然。
翔太郎は少年時代に見た荘吉に憧れ探偵を目指し、学生時代のほとんどを荘吉のもとで探偵として勉強してきた。
なので女性との付き合いはほとんど皆無であり、依頼人ともその時だけであった。
事務所の自称所長・鳴海亜樹子は女性としてみていなかったし、学生関係の情報屋のクイーンとエリザベスもただの情報を買う側売る側の関係。
にも関わらず突然の同居と来ては当然の反応だ。
「お、いいな。スバルも一応上に立つ側になったからな。翔太郎ぐらいに頭がキレれば十分だろうしなぁ。それにお前とはなんか気が合うしなぁ」
(って止めろよ! あんた親父だろ! つーか、この歳で部下ぁ!?)
「スバル、そんなにすごいのか?」
「スバルは一応湾岸警備隊の防災士長だ」
ノーヴェが入り込む。
「マジかよ・・・」
「警備隊なら翔太郎さんも動きやすいですし、同じ近距離型なら相性もいいですし。ねっ!」
「あ、ああ。でもよぉ、同居する必要はないような気が・・・」
「よし、決定! ささ、明日から早速お願いしま〜す!」
(・・・駄目だ。コイツの強引さは亜樹子を越えてる。いくら言ったってどうせ無駄な気がすんな)
翔太郎は諦める。
彼はなにやら強引な女性と縁があるらしい。
「あ―――! もう、わ―ったよ! こうなりゃ郷に従ーってやらぁ! じゃあ明日からよろしくな! スバル!」
「よろしい♪」
完全にやけになった翔太郎に対してスバルはほんのり顔を赤らめながらの笑顔を浮かべた。
―――――――――――
翔太郎の即席の部屋で翔太郎は布団に寝転ぶ。
(この部屋ともおさらばか。ずいぶんあっという間だったな。しっかし・・・ある意味スバルはドーパントよりキツイな。まぁ、美人ではあるけどなぁ。犯人二人も管理局に任せたが、奴らも被害者。必ずこの手で黒幕を掴んでみせるぜ。それと考えていたメタルとトリガーによる単独変身はジョーカー同様に可能だった。これからの事件で力になってくれれば幸いだ。だがそんな反面、この力を得たために何かを失うことがあるかもしれない。だとしてもそんなことはさせない。この俺が仮面ライダーを捨てない限りはな)
そして妙に疲労感を感じつついつの間にか翔太郎は眠りについた。
―――――――――――
暗闇の中、荘吉が一人立つ。
「翔太郎・・・。いずれお前にも必要なときがくる。俺からのプレゼントだ」
荘吉がはどこからか白い箱を出す。
さらに荘吉の後ろから装甲車のような小型のマシンが現れた。
前面は斜めになっており、そこには今までのユニットや仲間であった仮面ライダーアクセルのユニット、ガンナーAのように数字[5]が刻まれていた。