今回は5話くらいを目処に書いていきます。
いろいろボツも多かったですが、そのボツもいずれ供養できれば。
では、どうぞ。
「なあ、兄さん」
"ここでは先生だよ。"
「.......そうだった。先生」
"何?"
「オレってさ、そんな人相悪いかな?」
".......うーん。いつも顰め顔ではあるけど。"
「先生ですらそういうのか.......いやさぁ、最近友達に話しかけようとしたら避けられるんだよ」
"友達.......コハルのこと?"
「そうそう。こっちに来てからの友達。コハルがさ.......「近づかないで!最近のアンタは目が.......エッチなのは駄目!」とかって」
".............."
「そんなにオレの目つきはこう.......ひどいのか」
"いやぁ.......そんなことは......."
「はぁ.......整形行こう.......」
"待って待って!?それに関してはコハルが.......えーと......."
「.......兄さんから見てオレってどんな感じ?」
"ハッキリ言ってもいい?"
「言ってくれ」
"鈍感"
「ぐ」
"単純"
「が」
"でも誰かを思いやれる。相手がどんなものを背負っていてもわかろうとする。その上でいい方向に持っていこうとする。それがアオのいいところ。"
「兄さん.......」
"だから整形とかしなくてもいいよ。アオはそのままでいい"
「..............」
この時、俺は頭の中全部で考えた。
鈍感単純なのは兄さんもだろ、と。
あんだけいろんな女の子に憧れられて、好かれて、寄り添える兄さんがそれを言ったら特大ブーメランだろ、と。
.......これを言っても納得しないのが兄さんらしいけど。
「.......ま、少し気が楽になったよ。ありがとう兄.......先生」
"どういたしまして。"
「じゃ、俺はそろそろ家に帰るよ。今日の夕飯当番だし、仕込んでおかないと」
"てことは今日は......."
「おでん。先生の好きな大きくて太い大根も手に入ったし、期待しててくれ」
"ありがとう、アオ!"
「それじゃ、俺は帰る。仕事頑張ってくれ」
先生に背を向けて手を振りながら部屋から出る。
.......昔から兄さんはすごいな、ほんと。
俺なんかよりもずっと。
何をしても兄さんはすごくて。
俺はそんな兄さんを尊敬してる。
俺にとって兄さんは決して届かない壁みたいなもの。
少しでも助けになれたらと当番を多めにしてもらってるけれど。
..............とりあえず、帰るか。
「..............」
「.......何してんの、コハル」
「!?」
.......出たとこで右を向いたら壁に耳を立ててるコハルがいた。
驚きで、なのか小さな羽をパタパタと動かしながら。
身長差を合わせるためにしゃがみ込んでコハルの目を見つめる。
下江コハル。
トリニティの一年生で俺の同級生。
正義実現委員会に入ってる。
基本的には照れ屋ないい子だと思う。
.......かなりのムッツリスケベだと考えなかったら。
「〜!!」
「もしかして、先生に用事か?」
「.....あんた達、仕事場でそんなことしちゃダメ!」
「?」
「お、大きくて太い、って言ってたでしょ!?それって比べて.......」
「おい待ってくれ、何を.......」
「いくら兄弟でもそこまでふ、踏み越えるのは.......!!」
「な、なんの話してんだ!?」
「まさか、私も同じように.......!?」
「だ、断じて違う!!俺がいくら兄さんのこと大切に思ってるからってそこまでは言ってたまるか!!」
「エッチなのは駄目!死刑!!」
「バカバカバカ、ここで銃を構えるんじゃねぇ!兄さんに当たったらどうする!?」
「うるさいうるさい!!あんたみたいなすけべ悪魔はここで倒さないといけないんだから!!」
盛大で致命的な勘違いを消すために、今日も今日とて。
この脳内ピンクな女の子と戦うのだった。
・・・・・・
キッカケは、入学式の頃。
トリニティって広いからどこに何があるか分からなくて。
入学式の場所が手渡された地図を見ても辿り着けなくて。
先輩に声をかけようとしても忙しそうでかけれなくて。
何も出来ずに泣いていた時にあんだが.......アオが声を掛けてくれた。
「大丈夫?」
その言葉が、ごく普通の心配の言葉で私の中にあった不安を消してくれた。
いろいろ本で読んだことはあった、恋をするということ。
私を、私の世界を変えてしまうような風が一気に吹いた。
「あなただって、本当はエッチなの見てるのに!!」
「見ないって、見てないって!」
「何度も何度もエッチな言葉使ってるのに!!」
「そんなふうに言ってない!!」
「そんなエッチな頭、修正してやるんだから!!」
「わちょ、俺の手を引っ張ってどこに行くんだぁぁぁぁぁぁ!!?」
今はこうして喧嘩してるけど。
いつか喧嘩せずに言えれば、とずっと考えてる。
____________私は貴方に一目惚れをしました、って。
______貴方のことを好きですって。
そんな想像をしながら、私は貴方の手を強く握って走る。
こんな真っ赤な顔を見られたくないけど、貴方の手を触りたいから。
貴方ともっと一緒に居たいから。
その工程が無理矢理だったとしても______。
続く。
コハルはアオと一緒にいたいが為にハナコよりも強引なエッチ結びつけでアオと過ごす
それがほとんど暴論だとしても、アオは心地よいと受け入れる。
兄のこととほとんど結びつけられるアオを個人として見てくれるから。