一般生徒を含めても頭ひとつ抜けて高い身長。日に焼けた小麦色の肌に女子生徒とは骨格から違う筋肉質な身体。初対面にビビられる鷹みたいな強面。
戦闘力もミレニアムトップの彼女に追随できるくらいには高く、これまでナンバー2だった一ノ瀬アスナどころか、ともすればC&C総出でやっても喰われかねないぐらいだった。
鷹目ネライ。彼のことを私は、銃撃戦が目立つキヴォトスにおいて、ゲーム開発部という平和的な部活に所属する
「……で、何が言いたいんだお前は」
美甘ネルからしたらお気に入りの後輩である彼のことだ。イレギュラー呼ばわりには思うところがあるようで、途端に眉間をひそめる。
「彼は“危険”すぎる」
「んでだよ」
「彼の個の力は強大よ。それにもかかわらず、彼の身の回りに彼をとめうる存在がいない」
ゲヘナ学園であれば空崎ヒナ。日夜銃撃戦の起きるあの自治区において風紀委員会の委員長。ナンバー2にあたる銀鏡イオリでは無理だが、“
トリニティ総合学園であれば剣先ツルギ。歩く戦略兵器の異名をひとりで成す彼女もまた、風紀委員会にあたる正義実現委員会の委員長であるが、トリニティの物量、正義実現委員会に救護騎士団、自警団やティーパーティーのことを思うと歯止めは効く。
唯一、アビドス高校にいるという小鳥遊ホシノも2年前からパタリと話を聞かなくなった故に現状は不明だが、彼女にもそれなりのしがらみはあるだろう。
「……たしかにそう言われると、アイツには抑えってもんがねぇ」
「ゲーム開発部の子達には悪いけど、彼女たちが抑止力になるとは到底思えないわ。戦力的にはもちろん、精神的にもね」
「双子どもの連携はイイ線いってるらしいが所詮は一般生徒レベル。おでこのやつもいざって時の骨はあるが弱い。唯一あの生意気なチビがそこそこやれるか」
今はいい。恐らくだが、まだ彼はその身体能力を完全には生かしきれていないからだ。
小学生、その身体能力は外の世界の常識的なものより少し上程度だった。だがしかし、中学生になり歳を重ねるごとにつれ、その身体能力は飛躍的に上昇している。それもキヴォトスにおいて上澄みとも言えるレベルには。
だがそんな彼がヘイローを手に入れキヴォトスに馴染み、外で並外れていた身体能力がさらに強化されたら。そしてそれを十全に扱えるようになったら。
「……私の予想では、彼はまだその力をセーブしている。それが意図的か無意識的なのかはわからないけれど」
「……あいつのセンスなら、今年度中には、化けるってか」
「下手をすればそれより早いわ」
「だがあいつが暴走するとは思えねぇ……け、ど」
否定しようとする彼女の口が、なにかにつまづいて思いとどまる。恐らく思い出しているのは、あの時の光景。アリスを奪われた彼が、敵とみなした全てを殲滅していく、圧倒的な暴力の化身となったあの景色を。
「─────だめ、だ。あぁなったらあたしにもわかんねぇ……っ!」
「そう、つまりゲーム開発部は抑止力たりえないどころか、弱点になる」
「くっそ!」
地団駄を踏むネルに同情する。お気に入りは鷹目ネライだろうが、ゲーム開発部の子達のことも気にしていた。そんな彼女の心中は察するにあまりある。
だからこそ、私はひとつの提案を持ちかける。
「以前、彼が私の勧誘を断ったことは知っているわよね」
「あぁ、結構な噂になってたからな」
「あれは好感度が足りなかったからだと、私はそう考えているわ」
「何言ってんだお前」
「でもあなたの好感度ならC&Cへの勧誘も出来ると思うの」
「だから何言ってんだってのお前は」
冷静に考えれば、入学早々に声をかけてくる生徒会長というのはあまりいい印象を与えなかったのかもしれない。
だがそれが彼も慕っているであろう先輩からの声掛けなら多少は響くはず。
「セミナー会長、調月リオからの指令よ。鷹目ネライをC&Cもしくはセミナーへ所属させるよう勧誘なさい」
「一気に意味わかんなくなった……」
△
「─────そういうわけだお前ら。身体でもなんでも使ってネライのやつどーにかすんぞ!」
「身体……。捕まえておけばいいの?なら私にまかせてっ」
「か、彼に勧誘、か。身体は……恥ずかしいな」
「ふふっ。おもしろそうですね」
それぞれのらしい反応に、ネルは悩ませ続けた頭を解される。
「特にお前ら、良い身体してんだから、それ使って来いよ」
アスナ、カリン、アカネ。3人の胸部や臀部に視線を這わせるネルがそう笑う。
「さ、流石に無理だぞ……っ!」
「リーダーには厳しいですものね」
「うるせぇ」
「確かにネライ、よく見てるもんね〜」
「とにかくどうにかして」
びしりとネルとカリンの動きが固まり、2人の視線は朗らかに笑うアスナへと向く。
「ん、どしたの?」
「おまえ、今サラッと凄いこと言ったよな」
「ネライがよくおっぱい見てること?」
「はぁ!?」
「えぇっ!?」
メイド服からまろびでそうな
「多分ネライもおっきいのが好きなのかな?普段は見てこないんだけどなーんか疲れてそうだなぁって時はすっごい見てくるよ」
男の子ってそうらしいよね!そのままの姿勢で笑うアスナに、ネルとカリンは顔を見合わせる。
「お前、知ってたか?」
「い、いや、何も……。それに、ネライってそういうの見てるんだなぁって……」
「カリンのもよく見てますよ、彼」
アカネの発言にカリンがしばらく固まり、声にならない声をあげ、顔を真っ赤にしてうつ伏せる。
「よく一緒に狙撃練習している時とか、彼、じーっと潰れた胸におしりと太ももに視線を……」
「やめてくれっ。やめてくれっ……っ。知りたくなかったそんなこと……っ!」
アカネは悪戯っぽく笑うが、恐らく本当のことなのだろう。そうネルは当たりをつけ、同時に気づいた。
「─────もしかして、最弱ってあたしか?」
ネルの身体は3人のような身体ではない、
「いいえリーダー。そんなことはありません」
「アカネ。下手な慰めはやめろよ。あたしは生まれ持ったこれで……」
「彼、ロリコンだと言う噂がもっぱらですから」
「ロリコン」
復唱して、考える。ロリコン、ロリータ・コンプレックス。その恋愛対象や性愛対象が身体的に未熟である少女である事を表すそれである。
「─────あいつ、頭大丈夫か?」
「私たちの体にも興味がありそうなので大丈夫かと」
「ならいいか」
本当にいいのだろうか。顔を伏せたまま耳を傾けていたカリンはそう悩んだが、敢えて口には出さなかった。
「まぁ、あいつがロリコンだってのなら、あの態度も納得できるな」
「……どういうこと?」
胸を張るネルにアスナが首をかしげた。
「だってあいつってあたしのこと絶対好きだろ」
「り、リーダー!?」
「ちがうよ!ネライが好きなのはリーダーのちっぱいじゃなくて私のおっぱい!」
「アスナ先輩……?」
「だぁれがちっぱいだコラァ!上等だ。ならネライに聞きに行くぞ!」
「うん!」
席を立ち、ネルはアスナを連れたって部室から出ていってしまう。
まだ頬の赤みが取れないカリンは横に立つアカネとともに、その後を追うことにした。
△
「おいこらネライィ!」
「ネライいるー?」
勢いよく開け放たれるゲーム開発部部室のドア。珍しく1人ゲームをしていた俺はその音にびっくりしつつ振り返る。
そこには怒り顔のネル先輩と無邪気に笑うアスナ先輩が立っていて、その後ろの廊下でカリン先輩とアカネ先輩が申し訳なさそうな顔をしている。一体何事だろうか、今日は任務の呼び出しもなかったはずだが。
「ネライ。お前に聞かなきゃならねぇことがある」
「……なんですか」
任務前のような真剣さを感じさせるネル先輩が言う。
「─────お前、ロリコンだからあたしのちっぱいの方が好きだよな。ならC&C入れ」
「……何言ってんだこの先輩」
わけがわからない。そして、そこに待ったをかけるのはアスナ先輩。
「ネライはおっきいおっぱいが好きなんだよね!だからC&Cにおいで!」
「何言ってんだこの先輩……っ!」
場を収めてくれるかと思えば、知性の欠片も感じられない発言だった。一体俺にどうしろというのだこのふたりは。
確かにおっきいおっぱいは好きだ。ついでにおしりも好きだ。だが、ここでそのことを言えば女所帯のキヴォトスで俺の人権が無くなる可能性すらある。
かと言ってそれを否定すれば逆説的に俺はネル先輩のようなちびっこが好きなロリコンになってしまう。
「ネライ……」
「ネライくん」
「カリン先輩、アカネ先輩」
歩み寄ってくる2人に一抹の希望を覚え、縋るように見る。だが2人の顔的にあまり状況は芳しくないようで。
「ネライは、その、私のおしりとか、足とか、よく見ているのか……?」
「そういえば、よく私の胸も見ているような」
─────前門の虎後門の狼……!
誰か、この状況を覆す誰か来てくれ。だが虚しいかなそんな思いはどこにも届くことはなく、部室にはチクタクと時間の進む音だけが響く。
ふと、換気用に空けておいた窓を見る。次に部室を見る。取っ組み合うネル先輩とアスナ先輩。顔を赤くしたまま俯いて動かないカリン先輩。この状況を心底楽しそうに眺めているアカネ先輩。
「今なら私とカリンのおっぱいでサンドイッチできるよ!リーダーじゃできないけど!」
「あぁんコラァ!何言ってんだ私がサンドイッチにしてやんぞ!」
「あ、アスナ先輩、私を巻き込まないでくれっ。わ、わたしも、その、足でなら……サンドイッチ…………」
「あら、私も参加しようかしら」
「─────」
─────俺は迷うことなく窓から飛び出した。背後から聞こえる声を明日の俺にパスして、いっときの安寧を得るのために─────。
もちろんその後、割と普通に捕まって
つぎにみたいのをさんこうまでに
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○○○TS編
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ゲヘナ編(ゲヘナピンク無関係)
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しないと出られない部屋再来編
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シャーレ当番編
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NLP編
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なんかとりあえずイチャイチャピンク