ゲーム開発部とロリコン疑惑
「ネライってロリコンなの?」
少し不安げにそう聞いてくるのは、数ヶ月前にキヴォトスへやってきたシャーレの先生。大人らしい女性的な体型にパンツスタイルのレディーススーツと綺麗な茶髪ロングが特徴的な女性で、誰にでもフランクに接することから方々で人気のある人だ。
そんな先生が、サインをし終えた書類から顔を上げて俺を見あげた。
「でもネライの周り思い出してみてよ」
「周り……」
整理していた書類の束を手にソファへ腰掛ける。
まず思い出すのは俺が所属するゲーム開発部の面々。部長のユズ、双子のモモイとミドリ、勇者のアリスの4人。
次にクラスメイトで隣の席のマキと彼女の関係で知り合ったハレ先輩。これまたクラスメイトで俺の武器のメンテをしてくれるエンジニア部のコトリとヒビキ。
時々声をかけてくるC&Cのネル先輩に、とある事件で知り合ったセミナーのコユキだろうか。
「多分今先生が想像してる通りなら、まずゲーム開発部じゃん」
「あぁ」
「ぶっちゃけさ、みんなかわいいロリじゃん」
「……仕事のしすぎで、ついにイカれたか」
「イカれてないって。いやだってさ、もはや小学生の高学年と変わらないからねあの子たち」
「やめてやれ」
よく見るとこちらを見る先生の目には生気がない。泳ぐことをやめたマグロみたいな顔をしている。書類仕事のし過ぎで疲れているのだろうか。寝させてやろうか。
「この間部室でユズと寝てたじゃん」
「あぁ、眠たかったから昼寝した時だな」
「なんで同じソファで同じ布団にくるまって体の上にユズ乗せて寝てたの?」
「ユズは、暖かいんだ」
「湯たんぽ?」
「かもしれない」
体位的に入ってるのかと思った。そうこぼれた先生の声は聞こえなかったことにした。基本的にユズはあったかいのだ。仕方がない。
「次にモモイ。なんか、めっちゃ健全で不健全なデートしてなかった?」
「そういえば追跡されていたな。……ふむ、デートなのか?アイツの中では友達と遊びに行くのと変わらないだろ」
「バレてたんだ……。それにモモイが可哀想だよ。最後にあんな所に連れ込んでおいてそのまま帰るだけなんて」
「あんな所?古着屋見てゲームセンターに行っただけで」
「帰り際にホテル街入っていったじゃん」
「……そういえばそうだったか。でも近道だったからな。それにあいつなら気にしないだろ」
「……」
段々と先生の目に淀みが出てきた。思い返せば、あの後のモモイは俯いていていつもより静かだった気がする。まぁでもモモイなら特に意識していないだろう。
「次はミドリ」
「ミドリと何かあったか?」
「ツイスターゲームしてた時の事だよ」
「あれか、体格差ありすぎてクソゲーになった」
「部室に入ったらネライがミドリの上に覆いかぶさってるんだもん。すごくびっくりしたよ」
「サイズ的に仕方ない。別に変なとこ触ったわけでもあるまいし問題はないだろう」
「その割にはミドリの顔が真っ赤だったけど」
「暑かったんだろう。なぜか部室閉め切ってたからな」
何度か顔を真っ赤にして息を荒らげていたので水は飲ませていたから体制的にエラかっただけなのだろう。あと何故か向こうから俺の股の下をくぐろうとしてきたのであって、俺は何もしていない。ただ2人きりでツイスターゲームをしただけだ。
「ゲーム開発部だと、あとはアリス」
「あぁ」
「これが一番の問題だからね?」
死んで3日くらい放置されたマグロみたいな目をした先生が、ゆっくりと目を伏せて低い声で話し出す。
「混浴したって噂がたってるんだけど、本当?」
「したぞ」
「したの!?」
「したぞ」
今度は一転して何もかもを忘れたダチョウみたいな目で空を見上げる先生。そんなに驚くことだろうか
「ちなみに、なんで」
「なぜって、俺が温泉好きなのは知ってるだろう?」
「うん。週一で温泉行くんだっけ」
「だから時折みんなを連れていくんだが、今回はアリスの方からお誘いがあってな」
そう、俺の趣味は温泉巡り。ミレニアムやゲヘナの温泉はあらかた回りきったし、ゲヘナの温泉開発部と会えば数時間は温泉談義をする程度には好きだ。
「あの時は確か、アリスが行きたいってとこが家族風呂でな、2人からしか予約できなかったんだ」
「キヴォトスにもあるんだ、家族風呂」
「あるんだ。しかも天然温泉の檜風呂」
「響きはすごくいいね。でも混浴したんだ」
「……そんなに悪いことか?」
「悪いというかダメだよね!?倫理的に考えて!?」
何をそんなに焦ることがあるのだろうか。……あぁそうか、アリスには水着を着させたことを言い忘れていたのか。
「あぁ、安心してくれ先生、アリスには水着を着せた 」
「え?な、ならよかっ─────アリスには?」
途端に青い顔へ生気が戻ったかと思えば、再び首を傾げる。
「ねぇ、ネライは……タオルとか水着は」
「いるのか?」
「いるよ!?」
先生が絶叫する。何故だろうか。さすがにアリスが裸なのは論外だろうが、俺が裸な分には特に問題はないと思っていたが。
「ネライは男の子なんだよ!?」
「そうだな」
「隠そうよ!?」
「アリスなら大丈夫だろう」
「アリスでもダメだからね!?」
今度は頭を抱え始めた。先生との距離が縮まってからというものの、こうして時々先生はおかしくなることがある。元がこうなのだろうか。
「……その、アリスに何か聞かれたりした?」
「知識として知らなかったらしい。だがまぁ問題はない。アリスに聞かれたことはしっかり答えといたからな」
「保健体育っ。ちなみになんて答えたの」
「抜くと俺は弱くなる。だから触るな」
「はいアウト!」
そんなに悪いことだろうか。俺は温泉に裸以外で浸かるのは好きではないのだが。
そもそもまだ目覚めてそれほど経たないアリスの事だ。まだそういった知識などほぼほぼないだろう。それにアリスはいい子だ。最初こそ興味津々といった様子で股間を見ていたが、触るのはダメだといえば触らなかったし、そのあとはゆったりと入浴を楽しめた。
「おっかしいなぁ。ネライくらいの年頃の男の子って性欲バリバリのはずなのに、なんかお父さんみたいな顔してる……」
「性欲……。あいつらにか?」
「外の世界の男子生徒とか、日常の八割はエッチなこと考えてるくらいだよ?」
「流石にそれはないだろう」
「ほんとだって」
ソファから立ち上がり、手にしていた書類を先生の机へと置く。時たま書類の種類が乱雑になっていることもあるので、こうして手を入れると見やすくできると思ったからだ。
ドサリと音を立てたそれを見て先生は口を噤む。
「とにかく、俺があいつらにそういった欲を向けることはないと思う」
「へぇ。わかんないよ?」
「そもそも俺の好みは高身長で年上だ」
「あっ」
「そんなことよりもだ。早く書類を済ませてくれ。俺が帰れないだろう」
「ごめんごめん。直ぐに取り掛かるよっ」
そう言って先生は山の1番上から書類を手に取り、真剣な眼差しでそれを読み始める。そんな先生を見て俺は給湯室へインスタントコーヒーを作りに向かった。
△
「ネライくん……?」
「うーん……」
「あー……」
「ネライについてですか?」
ある日の放課後、私はミレニアムサイエンススクールのゲーム開発部部室を尋ねていた。
たまたまネライがC&Cの助っ人としてスケバン退治に向かうので不在だという話を聞きつけ、こうして4人を集めて彼について話を聞くことにしたのだ。
─────鷹目 ネライ。ミレニアムサイエンススクールの1年生でゲーム開発部の部員。キヴォトスにおいて非常に珍しい男子生徒であり、類稀な戦闘スキルを持っている。C&Cにも予備戦力として登録されており、
だが一方で悪い噂も少なくは無い。というのも存在自体が目立つというのも理由の一つだが、彼に捕まったことのある不良生徒がいくつか悪い噂を喧伝したのがキッカケだ。
「まず身長高いよね」
「ネライはミレニアムで一番背が高いです!」
「話してると首痛くなるんだよねー」
「にゅ、入学してから5センチは伸びてるよ」
「そうなの!?」
「成長期ずっこいなぁ。絶対私たちの分吸い取ってるよ!」
モモイとミドリが143cm、ユズが150cm、いちばん高いアリスでも153cm。ゲーム開発部は高校生としてはかなり小柄な生徒が多い。一方でネライの身長は185cm。私の知るキヴォトスの生徒の中で一番大きいくらいだ。
「あと顔が怖い」
「そ、それは……そうかも」
「この間迷子に声をかけて泣かれてました。後でネライも泣きそうだったのでアリスがよしよししてあげたんです!」
「迷子の方は私たちが一緒にいたから何とかなったけど、結構落ち込んでたね。あの時のネライ」
「えー……」
怖いと思ってはいたがそこまでか。確かに喋り方は硬いし、ゲーム開発部という文化部にしてはよく日によく焼けている。体格のこともあって迷子の子が怯えてしまっただけだと思うが。
「す、すごく筋肉質だよね」
「そうそう、男女の差?とかよくわかんないけどさ。なんか筋肉の付き方がぜんぜん違うんだよね」
「キャラデザの参考にするとき、筋肉の線がくっきりしててわかりやすいから見せて貰ってるよ」
「でもアリスよりSTRは低めですね」
「ちょっとやめなよアリス、心は硝子なんだから」
「じゅ、十分というか私たちよりかはかなり強いけど…… 」
そういうアリスの後ろには彼女の愛銃であるレールガン、光の剣:スーパーノヴァがある。本体重量だけでも140kgあるそれを軽々と持ち上げて自由自在に操れるのはアンドロイドである彼女だけだろう。
そんなアリスと比べられると流石にネライが可哀想になる。彼の筋肉は決して見せ筋ではないのに。
「でもネライはすごく強いです!アリスとゲヘナを冒険していた時も、野生のスケバンをあっという間に倒しました!」
「たしかネル先輩とも互角かそれ以上なんだっけ」
「C&Cの予備戦力だから……。でも、ゲーム開発部を辞めちゃうんじゃないかって……」
「このあいだ、勧誘が鬱陶しいって言ってたよ」
そう、ネライは強いのだ。ゲヘナのヒナ、トリニティのツルギ、アビドスのホシノ。そのそれぞれが突出した部分においては勝てないかもしれないが、総合力ではキヴォトスでもトップクラスとなる。
そんなことを考えていると、珍しく悩んだ様子のモモイに気がつく。
「どうしたのモモイ?」
「モモイ、どうかしたんですか?」
「え?いやぁ、これ言うべきなのか悩んでてさぁ」
「お姉ちゃん……?」
「モモイ……?」
腕を組んで天井を見上げてうーんと唸ったモモイは、よしとひとつうなづいて言った。
「ぶっちゃけ、エロいよね」
「モモイ!?」
「お姉ちゃん……っ!」
「だってこの間めっちゃムラムラしたもん!」
「む、む……っ」
「何言ってるの!?」
「先生。ネライってエロい?のですか?」
「……そう来たかー」
つぎにみたいのをさんこうまでに
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○○○TS編
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ゲヘナ編(ゲヘナピンク無関係)
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しないと出られない部屋再来編
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シャーレ当番編
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NLP編
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なんかとりあえずイチャイチャピンク