ミレニアム・ピンクアーカイブ   作:オサシミの化身

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今回もデカグラマトン編のネタバレ?じゃないけどキャラが出ます。

あと原作改変があります。そこだけよろしくお願いします。


「うわ、でっか」「非常にグロテスク」「ビナーくん…」

 

 

「─────つまり、あなたたちはふたりに会いに行ったから現場にいたのであって、実行犯ではないと」

 

厳かに話すのは眉間のシワを揉み消しながら頭を抱えるユウカ。そんな彼女にモモイが食ってかかる。

 

「だから最初からそう言ってるじゃん!」

「それに、私たちがネライにそんなことするわけがないです」

「そうです。アリスは仲間に剣を向けたりはしません!」

「う、うん……っ」

「あなたたち……」

「あら……」

 

どんと机を打って立ち上がるモモイに、ミドリとアリス、そしてユズが同意するように力強く頷く。そんな彼女達の姿に、ユウカの後ろに立っていたノアが笑いかける。

 

「ですが、痴情のもつれが原因ならば、その限りではないのかもしれませんよ?」

 

4人の脳裏にあの2人の姿が浮かんだ。そして、モモイはそっとミドリとアリスを見て。

 

「……え、やっぱやった?」

「やってないよ!?」

「うわーんっ、モモイが裏切りました!」

「ちょっと、裏切ったって言い方はないじゃんか!」

「なんで疑うのお姉ちゃん!」

「いや、無きにしもあらず、というかなんというかー……」

「モモイ、どうして突然そんなことをっ」

「……うん、やりかねなさそう、かな。……ごめんね」

「ほらねぇ!」

「ユズちゃん!?」

「ユズまでっ!」

 

ユズにまで疑われたことがショックだったのか、今度はミドリが手を叩く。

 

「でも、この中であんなことできるの、ユズちゃんのにゃんダッシュ(にゃん's_ダッシュ)ぐらいだよね!?」

「うぐっ、……で、でも、私はみんなと一緒にいたからアリバイが……」

「それならアリスも一緒でした。犯行に対するアリバイはあります!」

「ま、まぁまぁ、みんな落ち着いて」

「─────そうよ、何も本気であなた達を疑ってるわけじゃないから」

 

だよね、とヘラヘラ笑うモモイにユウカが厳しい視線を向けるが、肩にそっと触れたノアの手でハッとし、冷静になろうと深呼吸をいくつか。

 

落ち着いたユウカがこほんと1つ咳払い。そして次々と情報の流れ込んでくるタブレット片手に真剣な顔を作る。

 

「正直いちばん怪しかったC&Cは全員で任務中、エンジニア部は全員反省部屋で反省文、どっちもアリバイはあるし……。でも」

「……はい、先程消防隊と保安部から来た連絡でも、爆発の原因は爆弾、火災もガソリン等が撒かれているものだったそうです」

「明らかに事故なんかじゃなく、何者かによる犯行よね」

「それに─────」

 

振り返るとノアが小首を傾げ。

 

「─────未だにネライくんとケイちゃんの行方がわかっていないんですよね」

「実行犯だけじゃなくて、あのふたりが行方不明なのがちょっとよく分からないのよね」

 

無事か行方不明か、その言葉に驚いたゲーム開発部の面々がそれぞれ驚いたり、目の端に涙をうかべる。

 

「よかったぁ、てっきり丸焦げになってるのかと……」

「こらそこ、不謹慎」

 

おどけて笑うモモイだが、彼女も心配していたことだろう。

 

それもそうだろう。チラリと保安部から提出された画像で見た部屋は、爆発と家事で見るも悲惨な姿となっていたし、モモトークも電話も一向に連絡がつかない。さらには血痕の着いたネライのブレザーにケイの黒リボンが地上にいたゲーム開発部の元に落ちてきている。

 

─────心配しないわけ、ないわよね。

 

パッと見はそこまで変わった様子のないゲーム開発部の面々だが、その実かなり心配していたようだ。その姿にユウカとノアは顔を見合わせる。

 

「ほんと、あのバカとケイちゃんは何やってるのかしら」

「さぁ……。ですが、ネライくんのことですし、案外無事だったりするかもしれませんね」

「……だといいけれど」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「─────うっ、ぐっ」

「ネライっ!」

 

4人組の襲撃者(・・・・・・・)によって部屋を爆破されるも、ネライに庇われなんとか逃げきれた私たち。

 

追跡を振り切り、ミレニアムの外れ、小さな公園に走り込むものの、私を庇って爆発と銃撃を受けたダメージが大きかったのだろうか、膝を着き、右手で顔を抑えるネライ。指の隙間からは今も血がだらだらと流れ落ちていく。慌てて私はスカートのポケットからポケットティッシュを取り出し、それを手に駆け寄った。

 

「血が……こんなにっ!」

「これくらい、たいしたもんじゃねぇ……っ!」

「ですが……」

「気にすんなっての……っ」

 

左手でグッジョブサインを送るも、彼の顔は伏せられたまま。話口調もいつものそれではなく、あの日鋼鉄大陸で見せたそれ(・・・・・・・・・・・・・)だ。

 

そして、そんな私たちの目の前には1人の長身と3人の少女の影がある。なぜ、彼女たちがここに。そんな疑問に襲われる。彼女たちは今、キヴォトスを旅しているはず。

 

咄嗟に前に出て、未だに顔をあげない彼を背に庇う。

 

「なぜ貴女たちがここにいるんですか、マルクト(・・・・)……っ!」

「そう警戒しないでください」

「えー、随分と顔が怖いなぁ、ケーイちゃん。久しぶりに会ったんだから笑顔でいてよぉ」

「いかにも余裕がなさそうですねぇ。ふっ、くく、まぁ、頼みの綱(・・・・)がそれでは、仕方ないのかなぁ」

「ソフ……、オウル……っ!」

 

─────かつて敵対し、強大な“鋼鉄大陸”の力を持ってキヴォトスを滅亡せんと暗躍するも敗れ、今はキヴォトスを旅するマルクト。そしてその妹たち、アイン、ソフ、オウル。

 

人のものとは思えぬような白い肌に白い髪、そして独特の質感を持つ白い装束。長身なネライと並ぶか少し上の背丈のマルクトに、機械的な見た目の部位をもつ3姉妹。

 

しかし、その姿は以前のものとは確かに違って。

 

「─────なぜ、エプロンを?」

 

服装はあの時のそのままだ。アインはマスクと尻尾が、ソフは耳飾りが、オウルは目隠しが、あの時と同じく。マルクトは服装こそ同じだが、あの巨大な帽子とフィンビットがない。

 

そしてその身体には、ブラウンのエプロンがお揃いでかけられていた。

 

「─────これは我らが経営するカフェ、“あいん・そふ・おうる”のユニフォームになるものです」

「……なんですか、その店名は」

「なにか、変でしょうか……?」

「いや、いや……」

「……まぁ、ねぇ」

「お姉様が決めたことだし?」

「それでいいんですかあなた達は」

「あー」

「んー……」

「えへへ。わたしは、ちょっと嬉しいです」

「……眩しいですね」

 

目をパチクリさせながら不思議そうに首を傾げるマルクト。そんな彼女から露骨に視線を逸らすソフとオウル。唯一純粋に微笑むアインの健気さが少し眩しい。

 

「まぁいいです。それで、貴女達は何故ここに」

「……会いに来てくれたのではないのですか?」

「……は?」

 

会いに来た。それも、私たちが。イマイチ何を言っているのかを掴めず、少し気に食わないがソフとオウルの方に目配せする。

 

「お姉様の言う通り、そっちが急に来たんだよ」

カフェの目の前の公園(・・・・・・・・・・)ですしね、ここ」

「そういうこと、ですか」

「知らなかったのですね、ケイ。ええ、そうです。彼には教えてあったので、てっきり遊びに来てくれたものかと」

「……ネライ?」

 

そんなことは聞いたこともない。訝しんで振り向くと、背で庇っていたネライは全くこちらの話を聞いておらず、アインの介抱を受けていて。

 

「その、大丈夫ですか?」

「あぁ、ちょっと爆発で飛んできたドアに鼻をぶつけただけだ」

「えぇっ!?」

「あぁ、そこに落ちてるティッシュ取ってくれ。丸めて鼻に詰める」

「鼻血……こんなに、たくさん出るんですね……。えっと、ティッシュ……」

 

マルクトたちに備えた際に落としてしまったのだろう、私の足元に落ちていたティッシュを掴みあげ、ネライの目の前に差し出す。

 

律儀に感謝を口にし、器用に片手でティッシュを丸めてみせると、くいっと鼻の穴に捩じ込んだ。

 

「ありがと、な」

「……ネライ」

 

横でひぃんと泣くアインが後ずさって離れるのと逆に、私は1歩詰め寄って。

 

「─────あとで、詳しく話を聞かせてもらいましょうか」

「─────え、なに……?」

 

まだ微かに血に濡れた顔でぽかんと口を開けるネライ。

 

なぜ、そんな大事なことを黙っていたのか。先程襲撃を受けたばかりだと言うのに、私はそんなことよりもマルクト達のことについて問い詰めるべく、未だにしゃがんだままの彼の襟首を掴みあげ。

 

「─────ここでは目立ちますし、貴女達のお店に案内してくれませんか」

「えっ、でも」

「開店はまだなんだけどさぁ」

「まぁでも、お姉様?」

「えぇ、よかったら来てください」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「─────じゃ、ないですよ!?」

 

すくりと立ち上がり、アインに手を引かれながら3人の後ろを歩き出すネライを見て、思わず私は絶叫した。

 

「ん……?」

「なに?」

「ど、どうしたんですか突然……?」

 

不思議そうに首を傾げるアイン、ソフ、オウル。ソフとオウルと手を繋いでいたマルクトもまた振り返り、そして背中だけはまともな(・・・・・・・・・)ネライが驚いた様子で固まっていて。

 

そして、こちらへと振り返った。

 

「─────ぎゃぁぁぁぁ!」

「な、なんだ……っ!?」

 

振り返った拍子にぶるんと揺れるのは、ネライの股間。そう、イチモツである。

 

─────現在、鷹目ネライの服は爆発と火炎の影響で体の前面はほぼ脱げかかっている状態。

 

─────イチモツだけならばケイでも何度か見たことがある。アリスと混浴した時の事も覚えているし、ここ最近でもエンジニア部に脱がされていた。

 

─────しかし生存本能とでも言うべきか、一瞬とはいえ命の危機に瀕したイチモツは大きく固く、そして熱く、怒張し天を向いていた。

 

─────今のリトルネライは、ネライ(臨戦)状態にあった。

 

「あぁ、これか」

「これか、って。手で持ち上げないでください!」

私の視線を辿りネライもまた自身のイチモツに気がついたようだ。が、どうにも反応が鈍い。これまで脱がされすぎたのか、異性に股間を見られるという状況に鈍感になりつつあった。

 

右手はアインと繋いだまま、空いた左手でイチモツを揺するネライ。そんな彼に、4人は興味深そうにしていた。

 

「男性器、ですか。我も初めて見ました」

「大きく、固そうで……。なんだか、威圧的でグロテスクな造形ですね……」

「うわぁ、あんなになるんだ。あんなになるんだ……っ」

「ふむ、ち○ち○ですか。まさか実物がこれほどとは」

「─────何をまじまじと眺めているんですか……っ!」

 

鋭く尖った機械的な指でつつこうとするアインから腰を引いて逃げつつ、流石に全員からの視線に少し恥ずかしそうに身を捩るネライ。

 

汚いからやめておけ、なんて言うソフも興味津々といった様子で見入っており、マルクトを挟んで反対側のオウルもまた左側に3つ並ぶレンズアイをピンク色に発行させ、どこか鼻の下を伸ばしているようにも見えた。

 

手を離したふたりがネライの元へと向かう。唯一、いつも通りといった様子のマルクトが、自身の鼠径部から下腹部を両手でなぞり、ひとこと。

 

「─────あれ程のモノを体内に受け入れるとは、人体とはやはり不思議なものですね」

「……もっと他に言うことはないんですか」

「……ケイの身体では、受け入れるのは難しそうですね……?」

「喧嘩売ってるんですか……っ!?」

 

我らにその機能はありませんから。そんなことをほざくマルクト。

 

たしかにこの身体では受け入れるのは厳しそうではあるが……。こんなことならもっと大人な身体を想像するべきであった。調月リオとか、“先生”のような身体を。

 

「じゃなくて─────」

「いって、アインっ、ツメ!つつくなツメが刺さる!そこはもっと優しくしてぇ!?」

「ぁ、ああっ、ごめんなさいっ!」

「以外とよわよわなんですかそれ?そんな見た目をしておいて?……ふっ」

「あっ、笑ったなぁ!当たり前だろ、内臓みたいなもんだからなこれ、弱くて当たり前なのぉ!」

「なら、これ握るとどうなるんですかぁ?ほら、こうやってぇ、やさしーくしてあげますからぁ」

「それだけはダメだろ……っ!」

「痛い……痛い、ですよね……ひぃん……」

「アインごめん!大丈夫、大丈夫だから!?」

「うわぁ……うわぁ……」

「ソフは見てないでそいつを止めろぉ!」

 

股間を振り回して控えめに走り回るネライ、手を優しく握り込んで上下させつつネライを追いかけるオウル。アインは痛いと言われた自身の手を見つめてしょげているし、ソフはソフで激しく揺れ動くイチモツに目を奪われている。

 

─────なんなんですか、この状況は。

 

アリスと喧嘩して苗字が変わって。苗字が変わってみんなから弄られて。ネライの家でリラックスしていたらそのまま爆破されて。

 

ましてや、旅に出たと聞いていたマルクトたちがミレニアム郊外でカフェを開くなどと聞かされ、そして今は怒張したイチモツを振り回すネライとちびっこ3人が戯れていて。

 

「ここの管轄はヴァルキューレですか?」

「たしか、そのはずです。我もまだその辺りは明るくないのですが、ご近所さんがそう言っていたので」

 

─────何気に彼女にも、近所づきあいとかあるのか。

 

そんな失礼なことを考えつつ、私はスマホを取りだして耳に当てた。見つめるのは両腕をアインとソフに抑えられるも怪我をさせないよう振り払えず、ピンクの光をさらに強くして迫り来るオウルからなんとか逃れようするネライ。

 

「もしもし警察(ヴァルキューレ)ですか。ミレニアム郊外の公園でわいせつ物を露出させて幼い少女に見せつける青年が─────」

「それだけはヤメロォ!」

「なら、とっととカフェに移動しますよ!」

「オウルも、そこまでです。アイン、ソフ。彼を開放してください」

「は、はい」

「はーい」

 

いつまでもこんなことをしていたら、本当に通報されかねない。マルクトもこれ以上騒ぐのは憚られたのか、3人を止めようと動き出す。

 

─────そして聞こえてきた警察車両のサイレン(通りすがりが通報した)に慌てた私たちは、一目散にカフェへと逃げ出した。

 

 

 





セーフだよねこれ()

あっ、いつも誤字修正助かってます。あとよかったら評価とかお気に入りしてって貰えるとモチベ上がって投稿早くなります。

つぎにみたいのをさんこうまでに

  • ○○○TS編
  • ゲヘナ編(ゲヘナピンク無関係)
  • しないと出られない部屋再来編
  • シャーレ当番編
  • NLP編
  • なんかとりあえずイチャイチャピンク
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