お気に入りとかすごい勢いで増えててビビる。もっと来て!
ミレニアムサイエンススクールの施設にはいくつかの射撃訓練場がある。
トリニティのように格式ばった堅苦しい場所でもなく、ゲヘナのように遠くの的より隣の生徒を、といった野蛮な場所でもない。さらに言ってミレニアムの脅威、エンジニア部や新素材開発部、AI部といった技術屋たちの餌食にもなっていない、ミレニアムではありえないほど、ありふれたごく普通の射撃訓練場だ。
一般生徒より、C&Cや保安部などの面々が試射や訓練に使用するそこで、俺は愛銃の調整を行っていた。
────フォーケンアウゲⅡ。苗字をそのままドイツ語にして名付けた2代目という、ただそれだけだが、ことこの銃に賭ける思いは誰にも負けていないつもりだ。
何発か撃ってアイアンサイトの調子を確認する。セミオート狙撃銃であるこれには普段はスコープを取り付けているが、反射光や故障時のことを考え、こうしてアイアンサイトの確認も怠らないようにしている。
「鷹目くんお疲れ様〜」
「おつかれ、精が出るねぇ」
「ん、お疲れ様です、先輩方」
射撃訓練場へ2人の先輩が入ってきた。思い思いのカスタマイズが施されたアサルトライフルを携帯し、制服の上からアーマーやヘッドセットなどを装備している。セミナー直属の防諜機関、保安部に所属している先輩たちだ。
「射撃訓練か。さっすが、C&Cのニューフェイスは伊達じゃないね」
「聞いてるよ、もうコールサイン貰ったんだってぇ」
「まじ?どんなのか先輩に教えてみなさいよ」
「コールサイン・ゼロフォーです。あくまで末番を借り受けているだけですよ。代役が出来れば譲ります」
「え〜」
「まぁ、鷹目くんらしいかな」
そう言って笑いながら受付で学生証を認証してそれぞれの射撃レーンに立つ先輩たち。250m地点のターゲットを狙い撃っているようで、3点バーストの小気味いい音が何度も響く。
アイアンサイトを調整し、何発か試し撃ちをして更に調整を加える。それを5度ほど繰り返せば、調整は終えていた。
一息つこうと顔を上げて横を見ると、競い合っているうちにムキになったであろう先輩たちが、700m地点への狙撃を競っていた。
「アサルトライフルで、なんて無茶な」
「うるさいよ鷹目くんっ。女には、勝たなきゃ行けない勝負があるのよ!」
「普通にできそうな人に言われたくないなぁ。まぁ見てて、私が勝つところ」
「何おうっ。私が勝つからね!」
保安部は基本的に外部への技術流出を防ぐための防諜がメインなため、本格的な戦闘行動は多くは無い。小さな小競り合いで発砲が発生した際の確認や、学園自治区内で発生した事件がC&Cだけでは手に負えなくなった時くらいだ。
射撃よりも防諜の方に力を入れた方がいいのでは。そんなことを考えていると、射撃訓練場へ1人の生徒が飛び込んできた。
「はぁ。はぁ、はぁ」
「ミドリか」
そこに居たのは同じゲーム開発部の仲間、才羽ミドリだった。汗を流しながら息を荒らげ、頬を上気させているところを見ると、かなり走って来たようだ。
「あれ、たしか鷹目くんと同じ部活の子じゃん」
「どうかしましたかぁ?事件ですか事故ですか」
「少し席外します。ミドリ、どうしたんだ」
「あっ」
先輩たちも不思議そうに銃を下げる。特にスマホへ連絡が入っていないことを確認して、俺はミドリに声をかける。そしてミドリは俺の声を聞いて目を見開いたかと思えば、鬼の形相でこちらへと走りより、そして。
「この、へんたい!」
「ごふっ」
俺の左頬にミドリの右ストレートが叩き込まれた。
△
「顔が痛い」
「これより、被告人ネライの裁判を始める!」
「冤罪だ」
「モモイ裁判長、死刑が妥当かと思われます」
「なぜだ」
顔を殴られ、引きずられるようにゲーム開発部の部室へと運び込まれた。
部室に入れば、どこから持ってきたのかいやに大きいガベルを振り回すモモイに被告人扱いを受け、ミドリからは死刑を求刑される。ユズと、何故かいる先生は気まずそうに目を逸らし、アリスだけがまともそうだった。
「罪状はなんだ。俺は何もしていないぞ」
「アリスに対する猥褻物チン列罪が罪状っ」
「有り得んだろう。俺の弁護士はどこだ」
「被告人の弁護士ユズ、発言をどうぞ」
全く心当たりのない罪状に混乱が加速する。ひとまず、俺の弁護士だというユズの発言を待った。
「その、諦めて……?」
「ユズ、それはどういう意味だ。何を諦めろという。俺の弁護はどうしたっ」
「だ、だって言い逃れ出来ないの……。ネライくんが悪いから」
どうやら弁護はしてくれないようだ。目を伏せたままこちらを見ようともしない。
「先生、何がどうしてこうなった」
「その、前にも話したじゃん。ネライがアリスと混浴したっていう……」
「そんなことか」
「そんなことじゃない!?」
「そんなことじゃないよ!?」
モモイとミドリが絶叫する。
「アリスは女の子なんだよ!?どー考えても混浴はダメじゃん!」
「水着は着せたぞ」
「で、でもネライくんは裸だったんでしょ……?」
「べつに、見られて困るものはないんだが」
「そういう問題じゃないよ……っ」
「こんなの猥褻物チン列罪じゃん、○ん○ん罪じゃん!どっかの人もエッチなのは死刑って言ってたからね!」
「お前は何を言っている」
どこかで聞いたような語感だ。そんなことを考えているとアリスが手を挙げた。
「あまりネライを責めないでください!ネライは悪くありません!……よね?」
「いや悪いよ」
「圧倒的に悪い」
「……悪い、かな」
残念ながらアリスの意見は3人によってあっさり否定されてしまった。若干涙目になったアリスは先生の方を見る。
「うぅ、先生!」
「アリス、先生も今回の件はネライに責任があるとも思う」
「ネライ、ごめんなさい……。あの時アリスが一緒に入ろうなんて言わなければ……」
「……大丈夫だ」
測らずしもアリスが時間を稼いでくれたおかげで、俺は全員を納得させられるであろう言い訳を思いついた。
「聞いてくれ。お前たちが思っている以上に、アリスは性的な興味がまるでない。知識として備えているだけで、その感性は保育園児並。俺のイチモツを見たところで大したことは思わなかったはずだ」
「それはそうかもだけど」
「だからってネライが裸なのも、一緒に入ってるのもダメなことだよね」
「俺が裸なのは確かに悪かった。だが、一緒に入っても問題はない証拠をハッキリ言える」
「一応聞いておこうか」
「場合によってはヴァルキューレに突き出すから」
「なぜなら、俺は───────────────」
△
『俺は─────ロリコンじゃない。お前たちをそういう対象として見たこともない』
そう言われた日の夜、私は自室のベッドで考え込んだ。
ロリコンじゃない。そういう対象として見たこともない。それは私のことを、私たちのことを女の子の友達だとは思っていてくれても、それ以上とは捉えてくれていないということだ。
─────私は、ネライのことが好きなのに。
きっかけはわからない。一目惚れとかそういう俗っぽいものでもなければ、吊り橋効果があった訳でもない。ただ知り合って、毎日のように部室で顔を合わせて一緒にゲームをしているうちに、ライクはラブに変わっていた。
「はぁ……。でもなぁ」
ネライの好みは分からないが、少なくとも今の私の体型ではそういう対象として見れないらしい。彼にやらせたギャルゲーのヒロインから傾向を見ると、大人びているけど抜けたところがある年上、身長は高めが多いが、胸にはこだわりがなさそうだった。
とはいえ、そんなものがどれだけあてになるかはわからない。ゆえに、私はひとつ、計画を立ててみることにした。
お姉ちゃんはもちろん、ユズにアリス、ネル先輩にマキ、コユキを巻き込んだ大規模な計画。ネライがロリを対象に見れないのであれば、性癖をねじ曲げてしまえばいい。─────“鷹目ネライロリコン化計画”だ。
つぎにみたいのをさんこうまでに
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○○○TS編
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ゲヘナ編(ゲヘナピンク無関係)
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しないと出られない部屋再来編
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シャーレ当番編
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NLP編
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なんかとりあえずイチャイチャピンク