私は人かどうかも分からない人に連れられてとある場所に到着した。その場所は紅の煉瓦で構成された小さな館だった。あ、小さな館とか言ったけど、普通の家と比べれば普通に大きいよ。
「ここは?」
「私達の家だ、入っておいで」
「はい」
前世の疲労が引き継がれてるのか分からないけどさっきから足元が覚束ない。よって。
「あだっ…」
「大丈夫かい…?」
シンプルに何もないところで転けました。うっわはずかしー!うわぁーないわ〜…。
「大丈夫…です、すみません…」
恥ずかしさでぜんっぜん言葉が続かねー!!申し訳なさすぎる!あ、まって抱っこされた。うわぁぉぁ吸われるううううう!
「何を震えているんだい、何もしないよ」
「す、すみません…」
抱っこされたまま中に入ると、従者らしき人が待っていた。
「「おかえりなさいませ、イノルミア・メメント様」」
多分メメントモリから来たメメント、死を想え…そして多分イノルミアの部分に日本語の祈るという意味の込められているであろうすっごい名前。
「さて、改めて君に確認だ」
「?」
「君は吸血鬼かい?」
な、なんか本能的にとっても逃げたい…!?凄い!良い笑顔ですね!私は吸血鬼じゃありませんよ!見てくださいよこの立派な羽を!その代わり八重歯はありませんよ!!ほら!吸えません!!!あっ…なんだろう体が小さいからか自然と涙が…!
「ふ、えぇ…」
「あぁ、すまないね…怖がらせるつもりはなかったんだ…」
怖いに決まったんだろ…!!舐めたんかワレェ!!なんて声に出せるわけもないので、本能に従って泣き喚くことしかできず…。
「えうぅ…ぐすっ…んー…」
「よしよし…」
気付けばメイドさんに私は引き渡されていて、あやされていた。もうこのメイドさんの腕の中でもう一度永遠の眠りにつきたい…。って、仮にも25歳の成人女性だぞ私は!何を甘えている!こう言う時は奮起すべきだろうに!んまぁできないんですけどね…。
「メメント様、この子に鑑定魔法を使っても宜しいでしょうか」
「構わないよ」
ひぃ、ここにメメントさんいるのかよ…。*1やだなぁ…。
「
…んわ?なんぞ?
「ふむ、種族人間です…人間…!?」
「つまるところ、突然変異ということかい?」
「その様です、血液型は…すみませんこれなんて読むんでしょう」
「…ガンマだね、独特な血液型だ」
なにそれ、放射線みたいな名前じゃん私の血液型。
「年齢は…見た目通りですね、3歳です」
「ふむ、他には何か面白い概要はないのかい?」
「能力という項目がありますね、見えませんけど」
「成程、よくわかったよ、ありがとう」
2人には私に見えない概要が見えてるらしい。えー、私も見たーい見せてー…。
「とりあえずよく分かったよ、この子は私達が殺すべき種族ではないんだね」
「その様です」
えやっぱり殺ろうとしてたのね?私悲しいよ?というかここなんなの?ねえ??
「君、うちで働くかい?」
「…???」
なんかブラックそうだけど大丈夫そう?いやまぁ私慣れてるからいっか。
「その、仕事というのは…」
「何、簡単さ」
そう言って私をメイドさんから引き取った。嫌だー離してー。思わず体がこわばってしまったジャマイカ(?)
「あはは、そう怖がらずに、さ」
固く抱っこされてしまった。その状態で何処かに移動していくメメントさん。なんかお仕置きとかそういうのでもされるんですか?すっごく怖いんですけど。お、止まった…え、めっちゃ厳重に鍵かけられてんじゃん何?監禁でもすんのか?抵抗するが???25歳拳でをやらせていただくが???んで中には…何もない…?
「何もないですけど…」
「まぁ見てなさい」
そう言ってカーテンみたいなのを開けたメメントさん。そこには黒色のローブに変な光を放つナイフ…。何する気だこの人…?まさかこれを着ろと?ははっ、冗談じゃないわ。
「これとか君のサイズにぴったりじゃないかい?あぁいやでもオーダーメイドの方がいいか、背中の羽が出せないからね」
コイツっ……。服を物色してやがる…!しかも私を抱えたまま、幼女の服を!!可哀想だが言ってやる、キショい!と。
「何のためにこんな服装を?」
「何って、決まっているじゃないか!ヴァンパイアハンターをするんだよ!!」
恍惚とした表情でそんなことを言ったメメント。*2こいつ、特殊性癖でも持ってんのか。キモすぎるが。
「君なら吸血鬼共を欺きながら倒すことができる、それに君の寿命は最大1000までときた!これほどまでに素晴らしいことはないだろう!」
「1000までなんですか?」
「嗚呼、君は突然変異だからそうなったみたいだ」
成程〜…ってなるか!!なんでそんな馬鹿げた寿命を!?…まぁいいか、すぐ死ぬとかよりかは楽だし。
そうして私はまた別の部屋に連れて行かれて、採寸することになった。3歳でヴァンパイアハンターって何?って思うけど、そういうところなんだろうなって思って割り切ることにしよう。うん、それがいいね。うおっ、羽って感覚あるんだ……くすぐったい…。
「採寸、終わりましたよ」
「ありがとうございます」
てかさ、3歳の頃からできる仕事って何?私そんなの知らない。うわっ、待ってなんでそんなピッタリすぎる服あるのおかしいでしょあーーーまって私はまだ着替えない!無敵のすみのちゃんだから!必殺!壁張り付きぃ!!
「あら、そんなに嫌なの?」
嫌だよ自分で着替えるし。
「じ、自分で着替えます」
「ふふ、そっか、どうぞ」
ほんとにこの空間にいるのがメイドさん1人でよかった。ここに執事でもいたら大泣きして着替えないとか叫んでたところだよ。あーやだやだ。
この服、背中寒い。まぁ仕方ないけどさ?そりゃ私背中に羽あるもんね?無理矢理にでも通さない限り無理だもんね?私の羽は着脱式じゃないし(?)でもさ?3歳の頃からこの格好をする意味ってないと思うの私。
「ぷしっ」
「あら、可愛らしいくしゃみね」
ほーらくしゃみ出たー。寒いにきまってんでしょこんなの〜!
そうして私はこの家で住み込みで働くことになったのだった。