超常は現実に 未来は現在に   作:ぷるとにうむ。

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思いつきで書いた
気が乗れば続き書く


かつてあった未来

 

ことの始まりは中国 軽慶市 

発光する赤子が生まれたと言うニュースだった。

 

以降各地で『超常』は発見され、原因も判然としないまま時は流れた。

 

いつしか「超常」は「日常」に、「架空」は「現実」に

 

世界総人口の約8割がなんらかの"特異体質"である超人社会となった現在、混乱渦巻く世の中で、かつて誰もが想像し、憧れた一つの職業が、脚光を浴びている。

 


 

「悲しいと思わないか?」

 

本来の物語の始まりから遡ること3年ほど前

白く清潔な部屋の中で青年が問う。机に肘をついた青年の目の前には、椅子に座った男が一人。湯気を立てる茶を啜ることも青年の問いに答えることなく、視線のみで続きを促していた。

 

「この世界に個性というものが発見されてからもう数百年が経つ。かつての人類はこの地上にあるものの全てを調べ尽くし、その限りない知的好奇心を深い海の底へ、そして遥かなる宇宙へと伸ばしていた。個性黎明期以前の学者によれば、人類は今頃宇宙旅行を楽しめるようになっていたそうだ。だが、人類にあるはずだった輝かしい未来は阻まれた。なぜか?」

 

ようやく男が口を開いた。その声は口に装着したペストマスクに阻まれ、くぐもって聞こえる。

 

「... AFOヤツが台頭したからか?」

 

青年が微笑む

 

「正解!AFOの君臨によって、世界は停滞した。民衆は支配され、力を求めるものは従い、抗うものは抹殺された。人類を大いに発展させるはずだった異能の全てはAFOの手によって抑圧された。2年前、オールマイトが平和の象徴として魔王を打倒するまでの百余年、人類は有史以来数千年間進めてきた文明の歩みを止めざるを得なかった。」

 

青年は若干ぬるくなった自分の茶を手に取り、一気に飲み干した。

 

「人間の成長は凄まじい。個性登場以前の人類は、石炭発電の時代からたった50年で核の力に手を届かせた!その叡智を持ったまま時を積み重ねれば、何ができたと思う!?」

 

青年は道化師の如く大仰に手を振り、凄絶な笑みを浮かべる。もはやその瞳は対面の男を捉えていない。

 

「俺は取り戻したい!得られるはずだった素晴らしい人類の未来を!取り返したい!ヤツに奪われた数百年間で発展したであろう超常文明を!」

 

青年が男の手を、凄まじい握力で握りしめながら叫ぶように言う。

男...オーバーホールは顔を顰めた。青年の声が大きかったからだ。だが、蕁麻疹はなかった。

 

「俺に個性はない。だからこそ個性の素晴らしさがわかる。治崎、お前の個性があれば世界を変えられる。俺が、俺たちが新時代の文明の礎となるんだよ!」

 

「...個性は病気だ。そして個性によって成り立つこのヒーロー社会も。病気は根絶しなくてはならない。」

 

「それは違う。病気は根絶するものではない、克服するものだ。いついかなる時代も、人類は降りかかった災いを理解し、克服し、そして利用した。今度もそうするだけだ。そうだろう?」

 

オーバーホールは深くため息をつき、よそ行きの笑みではない、呆れたような笑いを浮かべた。

 

「わかった、お前に俺の個性を貸してやる。俺たちでこの汚らしく歪んだ超常社会を、正しい形に進めてやろうじゃないか。」

 

オーバーホールの返答を聞いて、青年... 文殊明もんじゅあきらはとびっきりの笑みを浮かべた。

 

「これは、俺たちの未来を取り戻すための物語だ。」

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