陰の実力者になっちゃった! 作:うおw
漫画版とアニメ版で微妙に描写違うから困る…
みんなどっち見てるんだ?
月日は流れ、俺ことシド・カゲノーは10歳になった。
「お姉ちゃん強すぎ〜!全然勝てないよ!」
「あんたが弱すぎるのよ。立てる?」
日課の打ち合いを終えたクレアが水を差し出してくる。
水を飲みながらクレアの言葉に耳を傾ける。
曰く、近頃盗賊が森に住み着いているらしい。
その言葉を聞いた瞬間、俺はクレアに見えないように一冊の手帳を取り出す。
この手帳には俺が読み書きをできるようになった時点で覚えていた原作の出来事を全て書き込んである。
勿論、誰かに見られた時の為に日本語で。
(ビンゴ…!)
[シド10歳、家の近くに住み着いている盗賊の獲物から悪魔憑きを見つける。治療した少女にアルファと名付け、シャドウガーデン設立。]
(ここ数日森に出て奴らの拠点の場所は抑えてある。恐らく夜になるまで拠点には帰ってこないはず…なら今から出発して…アレの試験運用も兼ねるか…スライムスーツもまだ完璧とは言えないからな)
「シド!聞いてるの?…シド!!」
「うわっ!ど、どうしたの…?」
「やっぱり聞こえてなかった…この岩、片付けときなさい。」
「はぁ〜い…」
クレアが去ったのを確認すると、俺は魔力で岩を粉砕する。
そしてその足で森に向かった。
ーーーーーーーーー
夜。
商隊を襲撃した盗賊は、随分ご機嫌な様子で拠点に帰ってきた。
「聞いたかよあのジジイの最後のセリフ!!『私の命はいいから息子だけは〜』って!」
「ハハハッ!滑稽だったよなァ〜!」
そう言って盗賊が一歩踏み出すと──
カチッ
ドガァン!!
爆音が鳴り響き、身体が木っ端微塵に消し飛んだ。
「なっ…何が起こった!?」
動揺して散らばる盗賊達。だが彼らが散った先にも──
ドガァン!!ズガァン!!
混乱が収まった後、二十人程いた盗賊の一団は、八人程度までその数を減らしていた。
そして現れる、漆黒の衣装に身を包んだ少年。
「スライムを応用した重量感知式魔力爆発地雷…起爆するかどうかをこちらで選べるとはいえ、手間とリターンが噛み合ってないな…こりゃボツだな」
「なっ…なんだテメェ!?」
「俺の名は『シド・カゲノー』年齢10歳。家は辺境貴族のカゲノー家で……許嫁はいない……。
家庭教師に勉強を教えてもらい、剣術の鍛錬は毎日7時に終わる……。
コーヒーは飲めない ピアノはたしなむ程度
家族が寝静まった後1時間ほど外に抜け出して魔力コントロールの練習をするようにしている…。
日々の努力のお陰で家の者には平々凡々な弟と思われている……。」
「何をゴチャゴチャ言ってるんだテメェはーッ!」
「わからないか?俺は常に『原作通りに』を意識して生きている人間という事を説明しているんだよ。本来死ぬべき「盗賊」を見逃したり人に過度な「接触」をしない…というのが俺のこの世界に対する姿勢であり、それが結果的に幸福に繋がると俺は信じている……。
まあ戦ったとしても俺は誰にも負けんがな」
「そして俺の姿を『見た』という事はお前達には死んでもらわなければいけないという事だ…キラークイーンッ!」
そうして少年が奇妙なポーズを取ったと同時に盗賊の足元から爆発音が聞こえ──
その後、盗賊を見た者は誰もいなかった。
ーーーーーーーーーー
「南無阿弥陀仏……」
盗賊が一人も生きていない事を確認した後、俺は盗品を漁っていた。
目的は勿論一つ。
アルファ。
シドが原作において最初に助けた悪魔憑きであり、シャドウガーデンのNo.2。
というかシャドウガーデンの活動をごっこ遊びだと思っていたシドに代わってほぼ全ての実務を取り仕切っていたすごい人である。
「檻はどこかな〜っと。うっ…」
檻の中には悍ましい見た目のアルファ。
少し吐き気を催したが、この状態のアルファに意識が無いと確信は出来ないので、努めて笑顔を作って語りかける。
「大丈夫。きっと治す。約束だ。」
そうして近くにあった誰もいない建物にアルファを運び込み、原作通りに魔力操作による治療を試みる事にした。
そして、時は流れ大体2ヶ月弱。
「ようやく…治った…」
俺の目の前には一糸纏わぬ姿のアルファ。
「…治っている?どうして?」
さて、ここからが重要だと己に言い聞かせ、咳払いを一つ。
さあ、始めよう。
ーーーーーーーーーー
悪魔憑きとなった私を、家族はいとも簡単に教会に引き渡した。
醜く変容していく肌。声も出せなくなっていった。
症状が進むにつれて意識が朦朧としていく。
動物用の檻に入れられた時は、体より心が苦しかった。
察してしまった。
ああ、もう私は人として扱われないのだと。
そうして絶望の淵にいた時、突如暖かい魔力を感じた。
「大丈夫。きっと治す。約束だ。」
そう、聞こえた気がした。
意識が急にはっきりしてきた。
まるで眠りから覚めたような、暖かい魔力を感じる。
そうして症状が進行してから開かなかった目を開くと、私の目に映ったのは漆黒の衣装を纏う少年。
「君を蝕む呪いは解けた。最早君は自由だ。」
そういうと彼は私に布を被せてくれた。
理解した。
私を救ってくれたのは彼なのだと。
そうして彼、シド・カゲノーは語り始めた。
教団の秘密。
悪魔憑きの真実。
英雄の子孫。
魔神ディアボロス。
彼が私に問う。
「どうする?このまま全てを忘れて日常に戻るか、我と共に来るか。」
答えは決まっていた。
この日私は、新たな名と主を得た。
・シド(偽)
ミリオタも兼ねていた全方位型オタク。
シドエミュをする必要が無いならスキルツリーを変な方向に伸ばして某魔術師殺しみたいな戦法を取ってた。
寄り道癖があり、スライムスーツ作成の合間に漫画のキャラの技を再現する練習をしてたら盗賊襲撃に間に合わなかった。
・アルファ
成長したこの人前にして無反応な原作シドは果たして本当に男なのか。
この小説のメインヒロイン(予定)
・スライム地雷
スライムスーツ作成中に寄り道をした結果生まれた。
コスパがカスな上に設置に手間がかかるので多分今後はあんまり出てこない。
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