陰の実力者になっちゃった! 作:うおw
今回、陰実のソシャゲの「マスターオブガーデン」から話を引っ張って来てますが、これ以降は基本的にないと思っていただけると幸いです。
これ以上ソシャゲに手を出せなくってェ…
受験勉強が忙しくってェ…
スマホの容量も無くってェ…
アルファを拾ってから数年、俺は原作通りのシャドウガーデンを作り上げるべく、剣技の指導や陰の叡智(笑)を教え込んだりとそれなりに忙しい時間を過ごした。
(そろそろあれが起こってもおかしくない筈だが…事前の調査も済ませてあるし…)
そんな事を思案しながら顔を洗った俺の耳に飛び込んできたのは、クレアが拐われたという一報だった。
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「さっさと探せハゲーッ!」
「わかりましたぁーっ!」
原作まんまの動きをする2人に一周回って感心しながら、部屋を出る。
「ベータ」
「はい、シャドウ様。」
周りに家の者が誰もいない事を確認した俺が一声発すると、俺の隣にいるメイドさんが姿を変える。
いやわかってはいたけど怖いなこれ。
原作知識無かったら見破れなかったぞ。
シャドウのロールプレイする必要が無い時はこれ使って暗殺するのもありだな。
「シャドウ様?」
「ああ、すまないベータ。少し考え事をな。」
中から現れたのは、七陰第二席、ベータ。
白髪に青眼のエルフであり、第五席のイプシロンが嫉妬する程にはご立派ァ!な物をお持ちである。
シドの部屋に戻った俺は、ベータの話を聞いていた。
「アルファ様のご判断により、勝利を確実な物とするべくご助力を賜りたく」
「わかった。それで、敵の場所の目星はついているのか?」
「候補は3つ程に絞れたのですが…」
「ふむ…此処ではないか?」
「そこには……ッ!資料を照らし合わせると、ここに敵の隠しアジトがある可能性が高いです!」
「作戦開始は今夜で相違ないな?」
「はい!宜しくお願いします!」
そうしてベータは部屋から去っていった。
………
(あーーよかった!!
ここ数週間森を歩き回った甲斐があったわ!)
そう、クレア誘拐の時期が近くなってから、俺は敵アジトの場所を突き止めるべく、なんとか時間を捻出して森をしらみ潰しに探していたのだ。
(七陰を頼る手もあったけど出来るだけ原作との乖離は避けたいからな…それにしてもマジで疲れた…夜まで寝よ)
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夜。
ディアボロス教団の隠しアジトは、突如現れた襲撃者によってパニック状態に陥っていた。
「貴様、その名をどこで知った!!」
教団関係者でこの拠点のリーダーであるオルバ子爵は、七陰の襲撃を受け、退避を余儀なくされた。
「アルファ様!」
「大丈夫よ。この先には彼がいるもの。」
同時刻、シャドウはアジトの下層を全力疾走していた。
(確かこの後ボスが落ちてくるよな…まあ下層をぐるぐる回ってたらそのうち遭遇するだろ)
原作のシドに似たような思考回路で事にあたっている事に頭を抱えつつも走っていると、オルバ子爵と遭遇した。
「先回りされていたか…」
原作より時間が掛かっている可能性もある。クレアの無事の為にも早めに終わらせよう。
魔力を放出する。
「切り札があるのなら、出し惜しまない事をお勧めしよう。」
「ぐっ…なら見せてやろう小僧!教団の力を!世界の闇をォ!」
オルバが錠剤を飲み込む。覚醒と呼ばれる強化状態だ。
「どうだ!力は重さと速さ!貴様には速さがあろうと重さが足りない!」
「ならこちらは、更なる速さで応えよう。」
「固有時制御・二倍速!」…なんてね。
シャドウが加速する。
(なんだこの速さは!?なんだこの、圧倒される様な気迫は!?
これはまるで、幼い時対面した師匠の様な──)
己の剣技についてくるのが精一杯だと考えていたオルバは意表を突かれ、シャドウの剣をなんとか受けることしかできない時間が10秒程続き──
「ガハアッ!」
胸を貫かれた。
「…最後に言い残す事はあるか」
「貴様らが思っている以上に、世界の闇は深いぞ…」
「ならば潜ろう、どこまでも」
そう返すと、シャドウはオルバの首を刎ねた。
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(『ならば潜ろう、どこまでも』か…似たような事は原作で言ってたけどよく土壇場で思い出したな…ガハアッ!)
なんちゃって固有時制御の反動で血を吐くシド。
(大丈夫。前に試した時と違って動けないわけじゃない。
気を緩めるな。いつアルファ達が来るかわからない。
立て)
「シャドウ…?」
最悪だ。
俺の前に現れたのはアルファ。
「シャドウ…その血…」
「案ずるな。我は無事だ。」
「でも…!」
「この事は俺と君だけの秘密にしてくれ。頼む。」
「…わかったわ。何かあったらいつでも言って。」
誤魔化せた…か?
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また月日は巡り、次のイベントがやってきた。
そう、シャドウガーデンの拠点どうすんの問題である。
確か陰実のソシャゲで新しく描かれた話らしいが、俺はやってなかったから概形しか知らない。
曰く、構成員が増えてきた事でシャドウガーデンが拠点にしていた廃村から引っ越しをしようという話になる。
曰く、シドのいつもの適当がいつものようにいい感じに働いて古都アレクサンドリアが発見される。
曰く、そこに棲む霧の龍とやらをシドが下す。
(アレクサンドリア自体は見つけてあるが…どうしたものか)
原作のシドのような豪運は俺にはないので、一応七陰にアレクサンドリアの情報は流してある。
(暫く様子を見て、出かけるならこっそり着いて行くことにしよう)
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「わしの存在を伝える伝説にまた新たな記述が加えられることになるだろう───
好奇心は、エルフと獣人を殺すと!」
七陰は現在、霧の龍と対峙していた。
「ガンマは後方に下がって!ゼータとデルタは連携で攻撃を!」
アルファが陣頭指揮を取っているが、旗色はあまり芳しくない。
「攻撃は当たっているのに、効いている気配が全くない…!」
「ちょっとベータ!龍の弱点とか調べてないわけ!?」
「そもそも本当に龍がいるなんて思わなかったんですけど!それに…ドラゴンという種族は通常の攻撃では命を奪う事はできないと言われていて…」
「はあっ!?そんなの反則じゃ…ってうわぁ!?」
「イプシロン!!」
「よそ見をしている暇はあるのか?」
「きゃあっ!」
「ベータッ!」
本来の世界ならば、ここまでの苦戦はありえない。
だが、ここは特異な世界。
シド・カゲノーがシド・カゲノーではない世界。
その歪みは、必ず現れる。
例えば、正史より七陰の剣技が拙いという形であったり。
シドが、まだここにいないという形であったり。
「これで…ッ!」
アルファが龍の脊髄に強力な一撃を叩き込む。
「脊髄への一撃!これならどんな生物でも─ッ!?」
「足りんな」
「貴様らでは、わしを殺せん」
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実家の用事を終えたシドは全速力で森を走っていた。
次は如何なる技で龍を倒そう、と頭の片隅で考えながら。
(クソッタレのハゲめ!何時間も拘束しやがって…そろそろアレクサンドリアか…まずは後ろから見守っ…て…)
だが、シドの目に映ったのは───
「アル…ファ?」
腹を龍の爪で貫かれた、アルファの姿だった。
・シド(偽)
正義の味方ごっこをしたせいで神様からかなりキツめのツッコミをいただいた。
このあとめっちゃ錯乱する。
・なんちゃって固有時制御・二倍速
原作で幼少期のシドが行っていた「オーバードライブ」(魔力を回して身体強化。体に負荷が掛かる。)の素早さに比重を置いたバージョン。
元ネタは言わずもがなFate/Zero。
力に比重を置いたバージョンは多分ドラゴンボールのトランクスみたいになる。
・アルファ
これが薄幸系ヒロインかぁ…
・ベータ
ご立派ァ!な物をお持ちな七陰第二席。
なおシド(偽)が教えた物語が原作と違うのでナツメ先生の作風も変わってくる模様。
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