ボイロでも特に百合勢力が強いことに定評のある琴葉姉妹もとい琴葉葵と男子の恋愛模様を描くコンセプトゆえ、苦手な方はご退避くださいませ。
オイオイ、まじかよ……
その瞬間、僕の心に残された感情はたったのその一行だった…
〜EP1.『行事支援委員会』って何だよ…(困惑)〜
その年、少年の通う高校に新たな委員会が発足した。
『行事支援委員会』…読んで字のごとくだ。
体育祭や文化祭をスムーズに進めるべく、専用に生徒が主体で動く委員会があるのは読者諸氏もご存知だろう。
そしてお察しの通り、この委員会は、そのような委員会だけでは人手が足りなくなりそうな部分ーー特に文化祭での飾り付けや体育祭での用具周りなどの対応を埋めるようにと作られた委員会、との事だ。
いや、まぁそれだけなら言わんとすることも解るが、決してそれぞれの委員会に付随して個別に発足するという訳ではなく、ひとつの『行事支援委員会』がその役割を担うという有様だ。
手助けの対象たる体育祭や文化祭の委員はその行事が終わってしまえばまぁ多少の後処理はあれども基本的に役目が終わるのに対し、この委員会は1年間やれと言うではないか。
「随分とご都合主義だな、しかも1年間とは分が悪くないか…?」
少年は1人、そんなことを考える。
やることそのものが決まっている保健委員や学級委員とは訳が違うというのに、手探りにも程がある。
自分だったら活動を通しての感想を求められた時に『この内容で1年間は長すぎる』くらい言ってやりたいところだ。
そう、『自分だったら』という、仮定での話だったのに、だ……
・・・
「オイオイ、まじかよ……」
その瞬間、僕の心に残された感情はたったのその一行だった…
男女1人ずつの選出となるところを、男子は誰一人立候補をせずーー気持ちはわかるがーー王道を征くジャンケン勝負となってしまった。
クラス規模のじゃんけんの勝率敗率など人数を考えればそう悲観することでもない。
それはある種の慢心だったというのだろうか?
彼こそが、たった独りの『敗者』としてその称号の下に君臨するハメになってしまったのだ……
「プハハ、まぁお前手先器用だしイケんじゃね?」
腐れ縁の悪友が肩を叩きながら滑らせる口に睨みを利かせる。
少年ーー『主』は頭を抱えた。
成績こそ悪くないが、何分人付き合いの苦手な男だ。
彼を悩ませたのは間違いなくそこだ。
特定の委員会を補助するとなれば各委員会に合わせて毎回新しい人間関係が発生する、ということ。
おまけに困ったことが、男子枠として決まった自分に対する女子枠だ。
「ほぇ〜、なんやおもろそうやんけ!ウチやろっかなぁ〜!」
軽妙な訛り口調が口火を切った。
その口調や天真爛漫な明るさなど、様々な要因からクラスでも特に目立つ女子だ。
なーなー?彼女は周りの様子を窺い、空気が許していることを悟るなり、その細身な胸を張りながら手を挙げて宣言する。
既に嫌な予感がしていた。
「ウチ、その委員会やりますぅ!」
「そうか、女子は……」
担任がそう記録簿をつけた矢先、
「先生。」
物静かな声が口を挟む。
件の女子とそっくりな声質ーーそればかりか顔立ちも髪型も瓜二つ…ただ彼女に比べると『お堅そう』という点だけが決定的に違う女子だ。
「おねっ…と、姉…、『アカネ』は大雑把な上に、書類の対応の面でも不得手があります。ご許可頂けるのでしたら、私がサポートとして付き添うことは可能でしょうか…?」
「お、なんやアオイ。一緒にやりたいんかぁ〜?」
姉と呼ばれた方と茶化される方ーーそう、双子姉妹だ。
ただでさえ双子と言うだけでも印象的なのに、二人して同じクラス…目立つわけだ。
「わかった。まぁ内容も内容で人手が多い方が良いとのことだし、コトノハ姉妹そして主、頼むぞ。皆も、飛び入り歓迎とのことなので、興味があったら遠慮なく言うように!」
冗談めかして笑い飛ばした担任のシメで、ホームルームには幕が下りた……
※ ※ ※
放課後、自席で脱力し、改めてヤレヤレと首を振る。
件の姉妹ーーアカネとアオイは双子なうえに倦怠期(?)も反抗期(?)も知らずにいつでも一緒に見かけるタイプの姉妹コンビだ。
姉が委員会に入った時点で、勉学の優れた妹がサポートのようなニュアンスで実質的な加入をするのは見えていた。
当然、必然的にこのクラスにおける行事支援委員会の男女比は『1:2』となるわけだ。
ただでさえ人付き合いが苦手な主にとっての最大の悩みの要因だ。
人当たりが良いうえに元々親密同士の…況してや女子達と組むだなんて冗談でもないハズだ……
やほやほー!!いきなり机に手をつき、目の前を陣取る影に反射で肩が跳ねた。
「あっはは、そん〜な驚かんといて!」
くりんと覗き込むような眼差しを向ける笑顔に合わせて、緩く結いたもみあげが傾く。
無垢な笑顔に思わず背筋がこわばってしまう。
「主クン、こうやってちゃんと喋るんは初めてやな〜、ほなよろしく〜。琴葉茜やで〜。」
緩やかな口調が、こちらの返答を待つより先に喋りたい言葉を並べ立てるではないか。
そんなコトノハアカネーー琴葉 茜の言い分を埋め合わせるように、先程と同じく似たような、それでいて異なるような落ち着いた声が介入する。
「もぅ、お姉ちゃん。有無も言わせず一方的に喋ってたら失礼だよ。ごめんなさい、主くん…」
「せやな、すまんすまん。」
「あ、ああ…お気になさらず…」
茜の隣から覗く、心配そうで気遣わしげな表情に思わず切り抜いたような言葉を返す。
そう呼びかけた彼女が、
「コッチが妹やで。んまぁ〜このクラスも何日か経っとるし、知っとるか!」
「えっと、アオイ…琴葉 葵です。姉共々手を焼かせることと思いますが、よろしくお願い、します…」
腰元で両手を揃え、頭を下げる葵。
ひらひら自由すぎる手振りで絡んでくる姉の茜とはまさに静と動だ。
茜の態度を悪く言うつもりもないが、流石に今の葵ほど身構えて来られるとそれもそれでやりづらい。
「あっえーっと…コチラこそ、色々ご迷惑おかけすると思うけどお願いいたします。コトノハサン……と…、」
ふと迷う。この場合の正解はどちらだろう。
「オネエサン…?イモウトサン…?」
首を傾げる姿に、姉妹が揃って目を丸くする。
茜は驚きを晒すように、葵も心做しか程度に。
程なくして、茜がそのまま無遠慮に吹き出した。
「あっははは、なんーやねんソレ!ウチは茜で構へんで!主クンも葵もそんなかしこまるなや〜。」
ともあれ、葵の肩を抱き寄せ、ビッと二人自身に指を向けながら茜が続ける。
「葵はシャイやけど可愛くてええ子やし、改めてウチ共々よろしゅ〜な主クン!成績ええみたいやし、頼りにしとるで!」
「う、ウン…僕も〜、コトノハシマイ…サン?それぞれの行動力と冷静さは頼もしい、かな…?」
日頃のざっくりとした…もはや偏見に限りなく近い印象に基づきながら彼女達の面目を立てるように言葉を選んだ。
フフッ…主自身が自覚するほど珍妙な呼び方に、姉妹が揃って吹き出す。
茜はやはり即座になん〜やソレとでも言い出しそうな勢いで、葵までも葛藤を抑え込むように口元に手を添えて。
どこか肩が重たい気分、もはやすぐにでも帰りたい…
そんな雑感や交流とともに、僕の新学年は本当の意味で幕を開けたらしい。
EP1ーーE N D
と、言うわけで始めてみました。
元々思いついたシチュをAI相手に吐き出していたら、段々と構想が膨らんで(悪ノリ)話が広がっていました。
同時に、動画経験もないクセに公式に貢献したいとイキってAIvoice2をお迎えしてしまった手前動画も出さなきゃいけないみたいになったので(笑)、劇場化を目指して書き進めていきたい所存です。
今後ともどうかお付き合い頂きますれば幸いです。