暫くシリアスめなロマンスに振り切ってたのでたまにはキチゲー解放します。
劇場化を視野にしてるんだからこれくらいトンチキなノリ入れてもまぁええやろ…()
でもちょっとだけシリアスめなの入っちゃったのですぐ壊しました()
昼休み、葵は友人達合わせて四人のジュースを買い、教室に戻ってくるタイミングだった。
「ほんでそん時の葵の慌てっぷりがな、もぉ〜かわええのなんのつってなぁ〜!」
ドア際に聞こえてくる陽気な笑い声…一瞬にして頬が燃え上がり、
「あかねぇええええ!!!」
少女は勢いよくドアを開けて一直線に姉へ駆けた…
〜EP10.
片隅では『琴葉茜』達いつもの四人が集う昼休みの教室で、男子達は『真理』に辿り着いてしまうッ!!
「いやぁ〜、そん時の主が神対応過ぎたもんで、葵も数秒くらい主のこと目で追っとったんよぉ〜」
話題の的は『主』ーークラスメイトであり、ジャンケンで負けて『行事支援委員会』に入った男…!!
如何にも面倒臭い役割を退けられて安堵する男子達には『誤算』があったッ…!
同じ委員会の女子こそが彼女ーー持ち前の好奇心旺盛ぶりで自ら立候補した『琴葉茜』ッ!
彼女が入るとなると、そこには『異変』が起こる…!
即ちっ!!
「ほん〜ま、最近の葵は前以上にかわええし、ますます見てて飽きんわ〜」
そうッ!!彼女が妹、『琴葉葵』ッ!!
あ、因みに今は四人分のジュースを買いに席を外しています。
茜の実務を心配した彼女は必然的に姉のサポートを申し出る。
そうなればそこに発生する構図は た だ ひ と つ。
『
そして内向的ながらも真面目なスジがある『主』とッ!
誰にでも隔てなく明るく振る舞う『茜』ッ!
姉経由なら人と打ち解けるのもそこまで難しくはない『葵』ッ!
さながら全自動機構を以てして徐々に縮まり行く主の『女子との距離感』ッ!!
現に話題の的は、他ならぬ
それだけでは終わらない…琴葉姉妹と仲が良くなるとなれば、さらなる伏兵が待ち受ける。
即ち、
「茜ちゃん、本当に懲りないわね…」
「いい加減『イジリ』と『イジメ』の再教育したほうが良いと思う。」
中学からの友人、『結月ゆかり』ッ!『紲星あかり』ッ!
姉妹の親友として、茜と葵の心を惹きつける主の姿にはまさに興味津々ッ!!
哀れ2年B組のメンズ達よ、我ら『試合』にこそは勝ち申せども、見事『勝負』にッ!敗けッたのッだッッ!!!
(てけんてけてんとサミセンの音)
いずれにせよ、嬉々として主の様子ーーもとい葵との親交の様子を語る茜の声はまぁ響く響く。
男子も女子も、無遠慮に明かされる裏幕事情には驚きも超えてもはや胸焼け寸前だ。
あっそ〜そ〜、指を立てた茜はここ最近の出来事の一切を懲りる様子も無く、相変わらず自身の知り得る事象を語り尽くす。
最愛の妹もお気に入りの男友達も、プライバシーなどあったものじゃない。
森林もとっくに更地と化す勢いの丸晒しぶりではないか。
「こないだ偶然休みに主とプラスアルファに会ってな?」
「だぁ〜れがプラスアルファだコラッ!!」
悪友の野次も聞きすらせずに茜は続ける。
「まぁウチも休日に会えるなんてテンション上がってもうたし、葵もノリ悪かったから、ついついべったり悪ノリしてもうてなぁ。ほんでそん時の葵の慌てっぷりがな、もぉ〜かわええのなんのつってなぁ〜!」
ガラッ!
瞬間けたたましい音を立てて開かれたドアッ!!
「あかねぇええええ!!!」
そして現れたるは、いつになく声を荒らげる愛すべき奥手系ヒロイン『琴葉葵』ッ!
「おーおかえりあお「どぉぉしておねーちゃんはいっつもなんでも勝手に喋るのぉおおお!!!」ちゅめってゃ!?」
能天気に迎える茜の口を塞がんばかりに、彼女の両頬を買ってきたばかりのジュース缶で挟み潰す葵がすぐに声を上げる。
衝撃の光景…普段の葵からは想像もつかない取り乱しようではないか。
「ええやぁん、ひゅかりんとあきゃりなんやからぁ、しょのうちバレりゅこっちゃでぇ〜」
「そーゆー問題じゃなくて!おねーちゃん声おおきーの!もっと自覚してよぉお!!」
もはや泣き叫ぶ勢いは周りのことも気にしていられないのだろう。
あらまぁ…ゆかりが顎に手を添えてため息をつく。
「葵ちゃんが人前でここまでやるなんて…」
「まぁこればっかりは茜ちゃんがアホだし…でもこんなギャップ見せられちゃったら
あかりも応えてやれやれと首を振る。
そんな中、ガラガラと音を立てながら教室にひとつの影が入ってくる。
そう、勿論主だね。
一斉に集まる視線に、購買から戻った彼は頭を掻く。
・・・
「え?何この空気?」
男子も女子も好奇の目を向け、顔馴染みの女子の輪は、明らかに葵が茜に掴みかかっている様子だ。
またかよ懲りねぇな…そんなことを思っていたが、不意に悪友が目の前に軽快なステップで躍り出るなり、音漏れするヘッドホンの音楽に合わせてストリートダンスを披露する。
「Hey主、オレおめぇとダチでまじ良かったわ!」
「えなにこいつきっも。」
しかし、次の瞬間に総ては始まった。
始まってしまった。
「主ドノ〜、フォーエバーですぞ〜!」
オタクがサイリウムを振りかざし、
「俺も閃いてきたァ!!俺らの主は銀河一ィイイイ!!」
ロボケンは黒板いっぱいに図式を書き殴り、パーツをいじり出す。
それだけでは終わらない、周りの男子もゾロゾロと悪ふざけを始めるではないか。
吹奏楽部の奴はわざわざ楽器を取り出すなり野球部御用達な応援歌を吹き鳴らし、応えてド根性を示すが如くウサギ跳びを始める野球部員(※良い子は真似しないでね!)、水泳部の奴は教卓の上に海パン一丁で仁王立ちして奇声を発する。
更には軽音部のドラムのやつが手頃な棒で机を叩き始め、聞きつけた隣クラスの軽音部のギターの奴がエレキギターを派手に掻き鳴らす。
あぁ〜もう滅茶苦茶だよ。
『ごーごー主くん!イケイケ主くーん!主くぅん!!サイコー!』
「なに、コロナの時に見る夢…?」
「夢じゃなくて現実、現世の地獄よ。」
あかりとゆかりがぼそりと吐き捨てる脇で、周りが囃すような阿鼻叫喚の光景に絶句して立ちすくむ主…
その中でキメのターンを披露した悪友が携帯電話を突きつける。
「オレは最後までお前の味方だぜ!?」
陽気なウィンクと共に見せられた画面には、『格安ホテルまとめ情報』と書かれたサイトが写っているではないか…
「・・・」
その携帯電話を奪った主はそのまま、悪友の頭めがけてその手を一思いに振り下ろす。
「ぎゃあああ」
「ッ!!」
スマホの角がめり込んだ悪友が倒れる姿に、男子達は一斉に静まり返る。
・・・
ガンッ!!
ひとり、席に座り机の板面に踵を叩き付けた主は周囲を睨見つけながら口を開いた。
そう一言響いた途端、今まで好き勝手に暴れていた男子達はすごすごと靴屋の小人のように後片付けをしながらしおらしく自分の席に戻るではないか。
惜しむらくは、全員思春期のバカ男子だから何一つ可愛くも何ともないことだろう。
さて、また立ち上がると、主は茜と葵に目を向ける。
茜に組み付いたまま、やや赤面で気まずい面持ちの葵。
髪がぐしゃぐしゃになりながらも今の騒動を面白げに傍観していた茜…
思い返されるのは以前の放課後でのチョコミントを巡った一件や、先日の休日に出くわした時の一悶着だ…
やれやれ、小さく首を振って主は歩み寄る。
「っ、主くん…?」
「おう主、大変やったな。」
そういう二人に、主は改めて口を開く。
「茜、僕は…キミたち姉妹には姉妹なりの尺度とかあるだろうし、部外者としてあれこれ言うもんじゃないと思ってたんだけど、さ…」
どこか歯切れ悪く言う姿に、二人…というかそばのゆかりとあかりも入れた四人が首を傾げる。
「勿論、キミたちが姉妹としてお互いのことを誰よりも大事に愛しているのも…、それくらいならわかってるつもりだ。」
それでも、ね…やはり言い出しづらそうに目線が泳ぐが、すぐハラを決めるように一呼吸を置く。
「葵が本気で困っているように見えたから、さ…」
そのまま、主は姉妹2人の頭にふわりと手を置いた。
「ッ、主!?」「主くん!?」
戸惑う二人に、しかし主は我に返る気配はなさそうだ。
「茜、葵自身が我も忘れるくらい困るようなからかいはするべきじゃないよ。葵も、心から困るくらい度を越しているなら、僕に相談してくれてもいい。」
「主…」「主、くん…」
頭に灯る優しい温もりの中、どこか気まずい二人は互いに目を向ける。
「ごめんな、葵。アンタの健気な姿見てると可愛くて、なんかムラムラしてもうて…」
「イヤこの流れでムラムラとか言うなよ…」by悪友
「ううん。私も、お姉ちゃんが意地悪でやってるわけじゃないのは解ってるから…」
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」
うわぁ!?途端に響く絶叫に、咄嗟に目を向ける。
「ちょ、なんや!?」「主くんどうしたの!?」
そう二人が見た先…主の顔色は蒼白に薄れ、じっとりと大量の汗が滲み出ている。
更に震える両手を掲げ、虚ろな目で見据えているではないか。
まるで『禁忌』を犯したようにッ!
否ッ!
主は確かに自身にとっての『禁忌』を犯したのだッ!!
それは、琴葉姉妹のッーー女子の頭を無遠慮に触れるという、謂わば『大罪』ッ!!
「主くん、ねぇ、どうしたの!?」
心配そうに問う葵…やがて主はゆらりと背を向けて力なく歩き出す。
「ごめん…茜、葵……」
ふらふらと彼は、ロボケンのもとへ行き、彼の制服からポケットをまさぐるではないか。
「ちょとぉ、どぉこ触ってんのヨン、この変態!」
わざとらしい口調で抗議するが聞く耳も無し、主はひとつのボタンスイッチを取り出した…
それは、火薬が詰まった、ロボケンが万人から警戒される最大の理由たる爆破スイッチだ。
それを持った主は一人、誰からも遠い教室の片隅でそのスイッチを押し…
ッ!!!
けたたましい音と共に、爆煙が主の姿を呑み込んだ。
「オイオイオイオイ!?」
「主ー!?」
「主くーん!?」
悪友、茜、葵を筆頭とする叫びが響き渡った。
「ねぇゆかりん、これどうすんの?」
「知らないわよ。」
※
支援委員会での総合準備室整理中…
現在は主と悪友、そして葵が勤しんでいた…
「あ゛〜だり…やってらんねぇなマジ。」
「正規じゃないんだし、無理に参加しなくたって良いんだぞ?」
ボヤく悪友に主は呆れたように言うが、
「ヤダよ、最後までやらぁな。」
そう笑いながら答える姿に、暫し主は黙する。
「フ…アツい男だな。」
呆れとも感心ともつかない笑みを浮かべて言う姿に、ズイと肩へ腕を回して悪友が言う。
「おめぇよ、勘違いすんなよ。
お前が委員会きっかけで双子姉妹としょっちゅう話すようになったと思えば、そのダチまでホイホイ絡むようになって、一人勝ちみてぇになってんのが見過ごせねぇだけだからなコラ!」
いくらなんでも正直すぎる言い分だなオイ。
・・・
「おまえ『クビ』」
「な゛ん゛だ゛よ゛!゛!゛」
淡々と返す主に悪友が切り返す。
その脇では…
「これは、向こうだったかな…?」
小物が入った箱を葵が持ちながら傍を通り過ぎたその時だ…
雑多に絡み合ったコードに足を取られ、葵がよろめいた。
「わわ!?」
「ッ、危ない!!」
その様子に気付いた主が咄嗟に胴に腕を回して引き寄せ、悪友がその背を受け止める。
「ひゃあん!?」
咄嗟に出た葵の声は普段のイメージから凡そ離れたものであった。
っ!?咄嗟に出た彼女の甲高い声と合わせて、主が受け止めたのは彼女の柔らかな身体、そして顔に被さる長く滑らかな髪……
一瞬包み込む情緒の洪水に脱力しかけた身体を奮起し、主は悪友の助けを借りながら葵の体勢を直した…
「ご、ごめんなさい主くん!?ありがとう、悪友くんも…」
そうハラハラとした声で言う葵に対し、主はその両肩に勢いよく手を添える。
「あ゛お゛い゛!!ケガはないか!?」
大丈夫、ただ一言そう言おうとするも、いつもよりも近い主の顔に一瞬にして熱を帯びた。
「っ!?主くん、だだ、大丈夫!でも重く、なかった!?」
「あ、ああ、重いのは箱だけだったぞ!大事にならなくて何より!悪友もナイスアシスト!今度奢る。」
「お、おう…オメ、テンパりすぎじゃね??」
キビキビとぎこちない動作で親指を立てる姿に、悪友は頬を搔いて呆気にとられるが、
「ア゛ッ…ケ↑ガ(上擦った声)するところだったんだから当然だろ!!」
依然として主は平静のカケラもない口調で捲し立てるではないか。
「主くん、落ち着いて〜…!?」
「ちょ、主くん大丈夫〜?」
「アンタ息しとるか?」
「俺じゃなくてあ゛お゛い゛を心配しろ!!」
やがて叫びを聞きつけたあかりや茜とロボケンがやってくるなり声を掛けるが、すぐに主が言い返す。
ともあれ、
「無事でよかっ…アッ!?」
「っ!?」
安堵とともに葵の肩に腕を回そうと伸ばした主、被さるような体勢に心臓が跳ねる葵、しかしすぐに主が硬直する。
心配する葵が見たのは…蒼白に薄れ、じっとりと大量の汗が滲み出ている主の顔色。
「主、くん…?」
葵を包み込もうとする手を下ろすなり、虚ろな目で立ち上がった主はふらふらと歩いていく。
「ごめん、葵…」
「ううん、私…主くんなら…」
力無く謝る主に、葵も答えようとするが、その声は届かない…
やがて彼はロボケンのもとへ行き、彼の制服からポケットをまさぐるではないか。
「ちょとぉ、どぉこ触ってんのヨン、この変態!」
わざとらしい口調で抗議するが聞く耳も無し、主は爆破スイッチを取り出し、誰からも距離を取った片隅でそのスイッチを押す…
ッ!!!
けたたましい音と共に、爆煙が主の姿を呑み込んだ。
「主ー!?」
「主くーん!?」
「イヤ結局それかよぉお!!」
「アーンもう今火薬のストック無いのにぃ〜!!」
茜、葵、悪友、そしてロボケンを筆頭とする叫びが響き渡った。
EP10ーーE N D
そろそろ次は別の意味でIQ低い話かな、夏入ったし()
後半は迷ったけど、単独だと短いのとどのみち天丼ネタになると思ったんで繋げました()