どうも、美少女が織りなす青春会話劇にロクでもねぇ構文を落とし込んでるアホ作者です。
遂にあのお二人も満を持して…しかし『音声買った手前動画やらなきゃいけない』のハズなのに、お迎えの目処立ってない方々を登場させるのって本末転倒ですな汗
でもそうしないと話もうまく進まんし()
あとそろそろ本作がノンケズラブたる部分もだんだん頭角出てきたのでご注意アンドご了承くださいませ。
「どやぁ、キレーやろ?ま・さ・に、『茜空』言うてなぁ〜」
「ああ、確かにすごい景色だ。」
「お姉ちゃん、本当にここ好きだよね…」
ある帰りのこと、茜が上機嫌に紹介してくれたのは、学校の最寄り駅近くーー小高い丘の上の神社だった。
オチカヅキノシルシとか誤解を含みそうな言い分とともに連れてきてくれたわけだが、確かに絶景だ。
こういう好意は素直に受け取るべきなのだろう。
※
さて、降りよう。
それにしても、やはり急だな。
そんな事を考え、階段に踏み出そうと手摺へ手を伸ばす。
…っ
ッ!?不意に空いた片手に柔らかな温もりが広がる。
なんだと咄嗟に振り向いた時、主は…、茜すらもその表情に驚愕が溢れかえった……
〜EP4.3人寄れば『姦』しいのは、
残る1人が乙『女』だからでしょう!〜
モール内フードコート。
そこでは四人の少女が雑談に盛り上がっていた。
うち二人は、勿論茜と葵だ。
「ほんでなぁ、その主のヤツめがお硬いのは感じるけどまぁ〜めっちゃええヤツでなぁ。」
茜が上機嫌に箸先のエビフライを振り回しながら語る。
「……んあー、そう言えば同じ委員会になった子だっけ?」
通常の2倍の具を挟んだハンバーガーを齧っていた少女が、やがて呑み下すと彼女の言葉に応える。
「せやせや。普段めっちゃ挙動不審やし委員会にも文句タラタラなのに、作業になるとやたらキレッキレやしなんかおもろい喋り方すんねん。」
それ褒めてる?ハンバーガーを齧りながら少女・あかりは首を傾げた。
「そう言えば茜ちゃん、ずっと変な呼び方してるって呆れてたわね。コトノハオネエサン?」
コーヒーを一口つけた、切れ長でどこか気品を感じさせる少女が向けた視線に、茜が少し背もたれに身を崩した。
「ゆかりんまでソレ堪忍して。ほんま『琴葉さん』と差別化のためと言えようもまぁ思いつくわ。将来は芸術家にでもなるんかな?」
「茜ちゃんちょいちょい貶してない?」
サイダーを流し込んだあかりがようやく先程からの疑問をストレートに放つ。
「な!?ちゃうねん!実際アイツと話せばわかるわ。悪い意味やなくても『変な喋り方』としか言いようないねん。中身はほんまええヤツやぞ。呼び方かて話せば素直に変えてくれたし。」
「『自分達のことが嫌いならコトノハオネエサンって呼んでも良い』だったかしら?」
「完全に脅し〜。」
「うあー、やかましい!あんなん切り札や、言葉の綾や。それに委員会だって、男女問わず自信の無い子には無理に苦手なことさせないようにしてくれるしブキッチョなりに親切やぞ。な、葵。」
くすくすと意地悪く微笑む少女・ゆかりや茶々を挟むあかり、そして愉しげに語る茜…三者の様子を目で追いながら蕎麦を口にしていた葵が不意に言葉を投げかけられ、軽く緑茶を飲み込むと口を開いた。
「うん。それなのに、自分自身は周りに気を配って、明らかに慣れてないことしようってのが見て取れるし…」
「感情より責任感で動くタイプ、かしら…」
責任感なぁ…水を飲み干しながらゆかりの所感を聞き流して茜は繋ぐ。
「どっちか言うたらやること淡々黙々とやってるだけの感じやわ。何にせよアイツは大者になるで。ウチの葵が初めて名前で呼んで欲しがった男やしな!」
こほっ!?突然の奇襲に葵が咳き込む。
「大袈裟だよお姉ちゃん。ただ、同じ委員会で、お姉ちゃんがちゃんと呼ばれてるのに私だけ…てのも変な感じだし…」
「今までアンタ何回委員会こなして男子と関わって来たんや、そんなことあったか?」
それはぁ…囲む3倍の視線ーーもはや串刺しも同然だ、言い淀みながらも葵は言葉を探す。
さりとてあの時の機微は自分自身でもよくわからないのだ。
姉を名前で呼ばせるという作戦において葵自身にも想定外だった。
「多分…日頃お世話になってるから、判断が緩んだ、とか……」
「あっ、そや。」「聞いて!?」
絞り出した言葉を遮る勢いで茜が切り出す。
「葵アンタ授業中主のことチラチラ見とったやろ?」
「そうだよ〜」
「ゆかりん、私らクラス違うじゃん。でもさ葵ちゃんさ、お昼みんなで学食行くって時も数秒くらいなかなか来なかったよね?」
「ふふっ、そうだよ…」
「アンタそれ言いたいだけやろ…」
茜の追撃に謎の便乗をするゆかりと律儀に訂正するあかり、片や葵はキョトンと静止していた、が…
「おねーちゃん!?ソンナコトナイヨ!?なんで見る必要なんかあるの!?」
声が上擦る葵に対し口角をのたりと曲げながら茜が腕を組む。
「嘘つきぃ〜、絶対見とったで。図書館で本取ってもらった時もるんるんやったしな。」
「ストップー!?」
この四人以外には絶対に披露しない声量が響く。
だが愛する妹を長らく見てきた茜自身には何ら変わったことでもない。
涼しい顔で指を鳴らした。
「そ〜そ、こないだ主にオキニスポット見せた時にな…」
「茜ぇえええ!?」
もはや奇声とも絶叫ともつかない捻じれが発生してもなお、茜は何事もなかったようにその日を思い返す。
―――――――――――――――――――
「せや、主。この後時間あるか?寄り道したいねん。」
その日の下校路、駅のそばまで差し掛かった時に不意に茜が口を開く。
「ん?別に、良いけど何の用事?」
主の言葉にニッと笑いながら振り返った茜が続ける。
「ん〜、『お近づきの印』」
アカネサンッ!?突き付けられた言葉に反射的に主が返すが、
「主くん落ち着いて。お姉ちゃん特有のおふざけだから…」
葵がやんわりと宥めてやれやれと首を振る。
「そういうネタはもう少しワンクッション置いてくれないか?」
「こんくらいの言い回しではしゃぐアンタがアホなんやで。」
こいつ…ジトリと睨む主を涼しい顔で受け流し、呑気に鼻歌を口ずさむ茜を筆頭に、三人は急な階段を登り進めていく。
まず目に入ったのは朱色の門…つまりは鳥居だ。
となればそこは神社。
小高い丘に佇む境内に踏み入ると、一先ず息を整える。
なかなかキツイ階段だ。
それはそうと…主はポツリと呟く。
「意外だな、アカネが神社好きなんて」
「あ〜ちゃうねん。」
あまりにも無慈悲な返事に思わず吹き出す。
「そんな即答してると願掛けの資格無くなるぞ。」
まぁまぁ、けらけら笑いながら茜は言う。
「そんくらいで怒る神様やったら大したことあらへんって、それよりコッチおいでや。」
「お姉ちゃんは少し懲りなさい。」
上機嫌に歩く茜に葵が容赦なく口を挟む。
ともあれ、数歩進んだ先で見たのは、上を向けば広がる夕空、下を向けば小高い丘ながらもそこそこ壮観とは言える街並み…
「どやぁ、キレーやろ?ま・さ・に、『茜空』言うてなぁ〜」
「ああ、確かにすごい景色だ。」
「お姉ちゃん、本当にここ好きだよね…」
オチカヅキノシルシとか誤解を含みそうな言い分とともに連れてきてくれたわけだが、確かに絶景だ。
こういう好意は素直に受け取るべきなのだろう。
「スゴイな…僕の語彙力には期待しないでくれ。」
「委員会のテンションで喋ればええやん。」
「それができたらどれだけ楽か。」
先手を打って釘を刺すも結局中身のない応酬に発展する。
それにしても、だ。
「よくこんなとこ見つけたな。」
おうよ、得意げに茜は笑う。
「1年の時、夏休みの補習イヤやから赤点くらい回避したいって思ってた時にたまたまこの神社知ってな…」
・・・
「オイ。」
流そうたってそんなつもりはない。
バレた?と言いたげに口元を引きつらせる茜に主は一言言う。
「とりあえず後で賽銭投げて謝ってこい。」
「そんな調子だから結局ダメだったんだよ。」
やれやれと主と葵とで首を振る。
論破されて悔しいのか?そんな二人ににまっと目を細めて茜は返す。
「なんや主と葵、息ぴったりやん?相性エエんやない?」
「えッ!?」「お姉ちゃん!?」
「今だってタイミングバッチリやしなぁ〜」
そんな言い分に互いに顔を見合う。
そんなこと無いと否定するのもなんだか違う、なんとも気まずい…
「と、とにかく帰ろう。そろそろ電車来るだろ?」
咳払いを一つ、主は鳥居の方向へ戻る。
「あの階段急で危ないし、二人とも掴まってくれてて良いぞ。」
「言うて手摺あるやろがい…」
二人言い合いながら前を歩く姿を眺めながら、ふと葵は先程の茜の言葉を思い返す。
『相性』か…お姉ちゃんの方が色々話せて仲良さそうに見えるけどな…
そんなことを考えていると、ふと主の手が目に留まる。
不器用なりにも工具の扱いを引き受け、本を取ってくれた手…
そして今の彼の言葉、思い返すたび目線は吸い込まれるように…
さて、降りるか…それにしても、やはり急だな。
そんな事を考え、主は階段に踏み出そうと手摺へ手を伸ばす。
…っ
ッ!?不意に空いた片手に柔らかな温もりが広がる。
なんだと咄嗟に振り向いた時、主は…、茜すらもその表情に驚愕が溢れかえった…
・・・
「アッ、アオイサン!?」「アオイチャン!?」
「へ?」
2つの大声に、主の手を取った者ーー葵はハッと我に返る。
繋がった手をぼんやりと眺める眼差しは、だんだんと瞼を上げて普段大人しい目つきを丸く見開き、頬に血が差す様が温度計のように見て取れる。
・・・
「ヤッ、やだ、ごめんなさいっ!!」
咄嗟に手を離して後ずさりながら必死にペコペコと頭を下げる。
暫く言葉が出ずに手の甲を擦る主、もはや視線が
「イヤ!と…気にするな!言葉足らずだった。『袖』とか『裾』とか言わなきゃそうもなるよな!?ハハ、すまんすまん…」
「本当にごめんなさい…!」
互いに触れ合った手…その甲を擦る主と、もう片手で固く握りしめる葵…両者のぎこちない問答を視線とともに追っていた茜が、口元が緩んだ勢いで吹き出した。
「ぷふっ、なんーやソレ。」
―――――――――――――――――――
―――――――――――
――――
頬を膨らませて俯き、目に大粒の涙を浮かべた葵が赤熱を帯びるが如く染まり上がる。
もはやどっちが『茜ちゃん』なのかわかったもんじゃない。
こんな顔、学校では到底見せられないだろう。
だが当の『茜ちゃん』はそのテンションが冷めやらぬご様子だ。
いよいよマズイよね?あかりとゆかりは対極的な姉妹の姿に気圧されてツッコミすらいれる勇気がなかった。
「そもそも葵はあそこ行くの初めてやないやん?お手々握るにしたっていつもならウチの方に来るやろぉ〜?それがあんな無意識に「もぅ!!いい加減にしろバカ〜!」ヤデヤデヤデヤデヤデ!?」
鳴き止まぬ口に葵が蕎麦の付け合わせの山葵を一塊放り込み、さらに一味唐辛子を無造作にバサバサ降り注ぐと、漸く
もはや情報処理不能…知ったこっちゃないと、葵は顔を手で覆い、机に伏してさめざめと肩を震わせる…
「ねぇ、ゆかりん。『イジリ』と『イジメ』って自分で自覚する以上に紙一重なんだね…」
「ええ。その心得はとても大事ね、あかりちゃん…」
さてこの空気どう収めようか、目の前の光景をチラリ、互いに顔を見合わせて溜息がふたつ漏れた……
EP4ーーE N D
「すみません、ちょっとお話をよろしいですか?」
「最近茜ちゃん葵ちゃんと仲良い男の子ってのはキミか〜。」
近寄ってきた影ーー二人の女子生徒が門番のように目前の両脇を陣取った…
『琴葉茜』…おっとり天然というかアホの子なパワフルお姉ちゃん。
たぶん作者の庭ジャンルたる『ガールフレンド(仮)』の豊永日々喜はんにイメージ引っ張られてる。
多忙な両親のこともあって姉の方が感情デカいタイプのお姉ちゃん。
『琴葉葵』…ヒロイン。厳密には『委員』じゃないのを忘れがち。
想定よりコミュ障ぽくなりすぎたかも()
作風の関係もあって大衆の認知ほど姉への感情は拗れてないけど、多忙な両親の件もあって多分幼少期は『お姉ちゃんのお嫁さんになる』くらいは言ってたと思う。多分。