隣の君と日を向いて   作:ジェイヌ

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ボイ二次としてはあまり旨味のないかもしれないパートです。
共学なのに主を取り巻く環境が女子しかいないみたいな準ハーレム現象は避けたい、さりとてニワカゆえサブキャラとして誰か出せるかみたいな知識もない。
そんだこってどうよと思いながらも男レギュラーも数人おります。
ノイズ云々で例によって名前はありません()
なんの話だコレとなる気持ちはわかる皆まで言うな()


EP6.色に馳せて蕾は萌ゆる。

「つ、遂に…来ましたぞ〜!推しのピック・アップ・デイ!!!」

開幕早々珍しいくらいうるさくメガネが叫ぶ。

「声でけぇよ。」

気怠げな午前を乗り越え、憩いのひとときを齎す昼休みの到来だ…

「イヤ、なんか良い感じにまとめようとするな…」

 

〜EP6.色に馳せて蕾は萌ゆる。〜

 

 

女子四人、机を突き合わせながらも横目に見るのは、前方列に座する一人の男子…

 

「ジブンはァ!今日ォという日の為にィ!!苦節を堪えて来ましたぞォ!!」

あー違う違う、そっちじゃなくってね?

 

「言っとくが、爆死したとてカネは貸さんぞ。」

そうそう、コイツ。主くん。

なぁ!?素っ気なく流す姿に不服を訴えるように隣の友人『オタク』が顔を向ける。

「至極遺憾!!幾らなんでもヒトにガチャ費せびるほど落ちぶれてはおりませんよ!!」

「じゃなきゃ困る。」

オタクを受け流し、彼と同じソシャゲのノルマを回収すると主はチューブゼリーを咥えて本を開く。

 

 

 

「へぇ…意外と友達付き合いとかあるのね、彼。」

「ゆかりん、あまりに失礼くない??流石にどうかと思うよ。」

顎をさすりながら観察するように呟くゆかりに、もぐもぐとサンドイッチを咥えたままあかりがボソリと挟む。

ゼリーだけなのかな?葵は一人心の片隅にそんなことを思う。

「んまぁそら女子に慣れとらん言うだけやし、男友達くらいはおるやろ〜。ヘンテコリンなのはあんま変わらんみたいやけどな。」

弁当を食べ進める茜は、ふと思い出したように続ける。

「そや、中でもおもろいのがな、アイツあんなナリやけど実は特に仲ええのが…」

そこまで言いかけた時、隣から影がぬるりと上半身を彼女達の席に乗り出す。

「おやおやぁ。女の子達ぃ、主に興味津々だねぇ?あの地味で主張が薄くて…それでいて変に真面目で律儀で中途半端に優しい彼の原石級スペックに気づいちゃったカナ?」

 

うっっわ、どこか含みを感じさせるニヤケ面ーー茜にとっては隣席の珍獣に顔を渋らせる。

「出よったな、趣味でロボ研を立ち上げるも誰もついてこれずに程なく廃部であだ名だけが残った『ロボケン』!!」

「圧倒的解説口調ありがとう、茜ちゃん。」

あからさまに嫌がる茜にゆかりが涼しい顔で応える。

ロボケン…マイペースながらもご都合主義なまでの機械イジリスキルを持つが、常に火薬を携帯して爆発を起こそうとする問題児だ。

話に上がった通り、ロボ研は彼が立ち上げてすぐに消えたのでこの学校には無い。

…が、主とはまたベクトルの違う奇人は腕を組んだまま得意げな笑みを浮かべて言う。

「オイオイ、俺のスーパーテクノロジーにヤッカミかい?ご所望とあらば、惚れ薬よろしくの催眠フェロモン扇風機なんかを用意なんかも…」

「ほっ、ホレ…!?」

「じゃかぁしい、往ねや!」

しれっと何事かを漏らした彼の言葉に葵が反射的に反応しそうになるが、それよりも早く茜が一喝すると、試練を見届けるような笑みを見せてからロボケンはのらりくらりと立ち去った…

 

調子が狂うが話を戻そう。

「なんやっけ…そや。そんで主と一番仲ええんがな…?」

そう言いかけた時、ガラガラと軽やかにドアが開き、ヘッドホンを着けた人物が一歩を踏み出すように教室に入ってくる。

音漏れ気味なアップテンポの音楽に合わせて軽快なステップで自席へ向かってくるのは派手なアクセサリーや着崩した制服が目を惹く…

「うーん…チャラ男?」「ヤンキー?」

ゆかりやあかりが所感を呟くように如何にもヤンチャそうな男子…以前も度々主と絡んでいる姿を見かけた『悪友』だ。

 

「なんか合うようには見えないけど…」

訝しげな目を向けるゆかり、

「うん、アノ二人と並ぶと完全にカツアゲする方される方にしか見えないけど。」

続くようにあかりが頷く。

「んまぁ見ときって、すぐアホみたいな話始めっから…」

 

椅子を引き、わざわざくるりと謎ターンをひとつ添えながら颯爽と腰掛けようとした瞬間だった。

 

「のわぁ!?」

 

座面とエイムでもズレたのだろうか、先までのスタイリッシュな所作とは打って変わった情けない叫びが上がり、彼は咄嗟に机の端を掴んで激痛の尻餅とは至らなかったようだ。

 

通り過ぎたるは神か悪魔か、はたまた霊か…突然の絶叫とアクシデントに場は静まり返る。

が、そのなんとも滑稽な出来事から、やがて静寂は笑いの渦に呑まれるものだが…

 

「ふっ…ハハハ!お前何してんだよ…」

 

っ!?先陣を切るように笑い声を上げた影に四人は、周りがつられるように笑い出すのも気にせず目を丸くした。

「ちょおい、てめっ!わかってたろ、警告しろっし!おーいてぇ」

第一波の正体ーー目を細め、口を開けて笑う主の肩に腕を回してガンを飛ばす悪友に、しかし彼は続けざまに呆れた声を投げ返す。

「僕はいつもソレ危ないからやめとけと言ってるからね。しかし随分笑ってるな。お前、ふふっ…ドMかな?ハハハ。」

「るっせ、笑うしかねぇっつの!!」

「ちょっ、主ドノ、流石に笑い過ぎ…プフー」

 

「あらまぁ、無邪気な顔…」

「えぇ…めっちゃ笑うじゃん。」

あかりとゆかりが呆気にとられる横で、葵と茜も開いた口が塞がらないようだ。

「主くんがあんなに大笑いするの、初めて見た…」

「いっつも表情筋うっすいもんなぁ…アイツもあんな顔するんやな。なんや悔しいな、葵?」

如何にも自然体な表情、一人葵は内心で考えるより先に茜が声を掛けた。

「へ!?あ、ウン…うん??」

咄嗟に応えるが何のことやら、しかし不満げに口を尖らせる姉と、ソレを知らずに笑いに花を咲かせる主の姿を見ると、どうもその気持ちは解らないことは無い自分もいた。

 

ねぇ、主くん……一人心で雑感を漏らす葵と妙な闘志を抱く茜、主と併せた三人の姿を見ていたゆかりとあかりは、やがて思い立ったように横目を向けあった…

 

 

なんだなんだ?放課後、主と姉妹の作業現場になだれ込む影に、偶然居合わせた担任は首を捻る。

「葵ちゃんはあくまでも二人のお手伝いであって、厳密には委員じゃないのよね?」

口火を切るゆかりの質問に首を捻りながらも、葵は応える。

「え?う、うん…そうだけど、ゆかりちゃんもあかりちゃんもどうかした?」

それどころではない、主も訝しげにさらなる影ーー悪友、オタク、ロボケンに目を向ける。

「なんのつもりだ?」

まぁーまぁー、諭すように手を翳し、前へ出たのはあかりだ。

「なら、私達の外部参加もオッケーだよね?なんか楽しそうだしっ!」

「おっ、ほんまじ!?」

その言葉に顔を輝かせたのは茜だ。

ええそうよ、そう頷きながら茜と葵を抱き寄せ、二人に聞こえるようにゆかりは言う。

「なんだか貴方達三人の様子とかやり取りを見ていたら興味が湧いてきちゃって、ね?」

「ゆ、ゆかりちゃん…!?」

「どういう意味やねんおい。」

どこかそんなやり取りをヨソに、悪友も嬉々と一方的に主の肩を組み、ご機嫌に言う。

「オレもたまたまユヅキ達がそんな話してんの聞こえてよ、オメェもなんか最近雰囲気違う気がするし、面白そうだから体育委員が関わらないときゃやらしてもらうってこった。お前らもヒト多い方が助かるだろ?」

得意げな顔に、しかし主はその表情を和らげることはない。

「いざとなったら、俺の冴え渡る発明で…」 

「ヤメロ!ともあれ、ジブンらもお供しますぞ!」

やはり謎に誇らしげに笑うオタクとロボケン。

 

「まぁ、やってくれんなら越したことはないわな、頼んだぜ〜」

顛末を見届けると投槍な言葉で締めて担任は歩き去っていく。

それでも委員会の顧問かよ。

「あは、何やおもろくなりそっ!」

「皆、ありがとう…」

ともかく、茜と葵は嬉しそうだ。が…

「人手って意味では構わん…とは言いたくないな。」

「なっ!ンだよつれねー!?」

相変わらず不満を隠さない主の姿に思わず悪友が声を荒らげた。

「考えてみてもほしい、男子がなしの礫だったからこそじゃんけんという強制ルートを経て行き着いたのが僕な訳で…釈然とはしないだろ?」

う゛っ…ソレを言われると弱い…が、

「ほ、ほら!正規としてガッツリ責任持つのと臨時でフッ軽なのは気持ちの問題も全然ちげーじゃん?」

アセアセと自分なりの理論で宥めようと悪友も持論を展開するが、

「イヤそれは自分で言うな。」

 

当然主からは大きくため息混じりに首を振りながら一蹴される。

「ほ、ほら!堪忍してくれよ。姉妹チャンだって見てるし、な?な?」

そう言われ、目を向けた先

「相変わらず正直すぎるやろ、主。」

「まぁ、そこが『らしさ』だよね…」

くすくすと笑う姿に思わず口を噤む。

呼び方を巡って一悶着があった手前、どうにも支援委員会に関してマイナスな感情を吐き捨てるのはバツが悪い…

やれやれ…その口元と眉間を緩め、悪友の肩を努めて爽やかな素振りで一叩きする。

「わかったよ、お望み通りこき使ってやるからな。」

冗談キチィっての、そうケラケラと笑い合っていた悪友だがすぐ我に返るなり顔を引き攣らせた。

 

「あ゛…オレ今日補習あんじゃん…」

フッ、彼の姿にまたしても主は無遠慮に吹き出した。

「人の支援とか言ってる場合か、まずは真人間になれるセルフプロデュースでもしてたらどうだい?」

「うっせ、ての!じゃーな!」

ひらひらと手を振る姿を未だに茶化すように笑う主。

 

 

「まぁたウチらのことも差し置いてケラケラと…こうしちゃおれんで葵!?」

「へっ!?あ、ああ。ウン…」

「茜ちゃんいつになくマジだね〜…プライド?」

「せやぞ!絶対抱腹絶倒させたるからな!」

「なんか違くなぁい?」

茜とあかり、二人のやり取りを聞きながらも、

「葵ちゃん、ぼーっとしてる?」

「えっ、気のせいだよ…!そんなこと、ないハズ…」

ゆかりの言葉に思わず焦るが、主の姿を見ていた葵は、今一度昼休みに感じた心を胸に秘める。

 

ーーねぇ、主くん。

せっかく同じクラスになれて、同じ委員会になって、だんだん仲良くなってこれたんだもん。

いつか、私達にもそんな顔を見せてくれたら良いなぁ…

 

 

EP6ーーE N D




『悪友』…如何にもヤンチャそうな男子。
主とは中学から付き合いのある腐れ縁。
ややノンデリで容赦なく下ネタとか言うからシバかれるアホ

『オタク』…同好の士。
主どころか悪友とまで交流があるのは、どちらも同じソシャゲが好きで波長が合ったから。

『ロボケン』…爆破系問題児。
1年の時から何かをやらかしかけてはシバかれる。
だけど予備というか保険要員なのでそんなに爆発オチは無い、ハズ。
因みに元々某漫画の化学キャラインスパイアで『化学部長』のつもりだったけど、まんま過ぎて変更した。

まぁ早くもなんか進展しましたけど例によって『こうしといたほうが何かしらの時に使えそう』な保険くらいの舞台設定なので、この辺の要素掘り下げてどうみたいな展開はそうそう無い気がしますね(⁠;; ̄⁠▽ ̄⁠)⁠

しかし今回、ボイがほぼそっちのけだから割と消化不良感ありますな…
劇場では傍観する女子達を画面に映す同時視聴方式でいきますか()
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