公式デフォルト服回です。
Q元ネタわかれば誰でも連想できるような服の解説に5分の1も費やすなよ。
A堅物な主カスにとっては何一つ意味がわからないツッコミどころだからしゃーないんすよハイ
色覚反転は実際の正しさよりも単純な言葉の綾的なニュアンスで使っていますので何卒ご容赦を…(汗)
今回もなんか勢いで付けた割にはお気に入りのサブタイです()
「あっれ??」
休日、悪友たちとモールの一角で湯水のような暇を費やしていたところ、学外では到底聞き得ない声を聞いた。
「主ー!?主やん!?」
まぁさかなんぞと思いながらも、こんなにも明るいトーンで自分の名を呼び掛ける女性など正直問題一人しかいないわけだが…
いや、『明るいトーン』ならもう一人怪しいのがいるが、少なくともそちらよりかは慣れ親しんだような…どうでもいいな!?
ともあれ、振り返った先の姿を捉えることで確信を引導のように叩きつけられ、思わず声を上げてしまう。
「茜、それに葵も…!」
「おー!やっぱ主軍団やんけぇ!!」
「あ。えと…こ、こんにちは…」
既に対話距離まで詰めていながらもなお、ブンブンとアグレッシブに腕を振り回す茜。
対する葵は、相変わらずどこかバツが悪そうに会釈で応じるではないか。
〜EP9.フィーリングブルー、レッドチーク〜
「っしゃー、ど〜ぉよ!」
ゲームセンターにて、シューティングゲームで高得点を叩き出した悪友が得意げに笑いながら銃を軽快に回してポーズを決める。
「ほぉ~、さすが悪友ドノ。」
「うまいもんだな。」
ねーねー、にこやかな顔でやってきたのはクレーンコーナーを物色していたロボケンだ。
「今ならあの台取り放題だよぉ〜、ゴーゴーボーイズ〜♪」
そう指を向けた先…その筐体には、どう考えるまでもなく不自然な器具が取り付けられているではないか…
「なっ、なな、な…」
「オイゴルァ!?」
「なぁにやってんだテメー!?」
「どぎゃーん!!」
三方から反射のように放たれたストレートパンチがロボケンを打ち上げ、天井に叩き付けた…
「バカか、ったく!」
「シャレじゃねぇんだよガチの退学沙汰だわアホ!」
「あのぉ〜…流石にもう今日は暴れないと思いますし、そろそろ勘弁してやっても良いかと…」
ふん縛り上げられたタンコブだらけのロボケン相手に声を荒らげる主と悪友、しかしあまりにも目立つもんで、オタクが冷や汗を拭きながら二人を宥めることで事態は収束した。
「あっれ??」
・・・
あれ?学外では到底聞き得ないだろうと思っていた声が聞こえて動きを止める…
※
「いっやーはは、なんやエラい揉めとるなぁ〜なんやったらなんか知っとる声やなぁ〜思たらホンマに主軍団とは思わへんかったわ〜」
ケラケラと笑う茜の姿に全員顔を見合わせ困ったように肩を竦めると、程なくして茜は首を傾げた。
「んで、アンタら何を揉めとったん。」
全員凍りついたような微妙な表情を浮かべる中で、
「いっやぁ〜俺がストレスフリーなゲームを提供しようとしたら、みんなして俺の才能に嫉妬しちゃってさぁ〜?」
「おぅオレらが黙っててやろうとしたのにテメーから喋んのかよ!?」
呆れ交じりに悪友が掴みかかりロボケンがやれやれと首を振った。
「あ、あんたら平日も休日も寄り集まって同じことしとるんかい…」
「ふっふ、このロボケンにオフ日なんてものは無いからね…」
「懲りろバカ…!」
腕を組み、得意げに語るロボケンの眉間に主が迷いなく手刀を叩きつけるとまたしてもぶっ倒れる。
「主くん、大丈夫?」
「いやー、アンタらもアンタらなりに大変やな。」
呆れたように頭を掻く主に姉妹が労うように言葉を掛ける。
「あー、まぁもう腹立たしいことに身体も馴れちゃってるから大変と思うほどでもな、い…??」
そこまで言った主はふと、二人の姿に一瞬たじろぐ。
そもそも今までは制服の姿しか見たことない上で、況して先日あんな一悶着も起こした女子の普段着となれば新鮮では収まらない気持ちにもなろう。
だが、彼のリアクションを引き出したのは、そんな単純な事情ではなかった。
「(・・・水引?)」
茜は胸元に赤い飾り紐をあしらった黒のノンスリーブワンピース、そして葵は色覚を反転させたように対照的な青い飾り紐の白いワンピース、足元は同系統のパターンを汲んだブーツに、敢えて互いのイメージを選んだようなそれぞれ水色とピンクのニーハイ。
頭にはやはりそれぞれが反対のサイドに赤い紐と青い紐でリボンを留めている…
まぁ正直言ってこれくらいなら普通にお洒落なファッションだなくらいで留まっていただろう。
問題はその両腕だった。
『袖』がある。
いやノンスリーブだろとか、逆に読み落としても服なら袖ぐらいあるだろとかツッコまれるだろうが、その袖はあまりにも異質だった。
服の本体たるワンピースから離れて、ただ腕にはまっているだけのような袖を、飾り紐はその袖もとい肩口ごと括るようにして胸元の水引だかリボンだかのように形成されているようだ。
何が問題って、袖がノンスリーブから独立しているとなると、腋と肩口が露出しているわけだ。
ノンスリーブも主にとっては確かに、白い肩から腕にかけて無防備な姿はあまりじっと見続けられたものではないが、それでもそういうファッションという認識があるだけマシだ。
だが、わざわざこの…どっかの歌姫や巫女を思わせるように、敢えて袖がありながら肩と腋を解放する服はなんだ?
あまりにも未知との遭遇だ。
・・・いや、寧ろ今まで女子との関わりが皆無だったから無知なだけで、そういうモノもあるのだろうか…?
「(何にせよメタルハートかな?)」
ダラダラ考えると面倒臭そうな事象をとにかく呑み込もう。
余計なことは考えるほど綻びとなる。
因みにここまで、姉妹から気遣わしげな言葉をかけられてから数秒数分の対話内で情報を処理しました。
「まっ、ここで会ったんも何かの縁やし、とーくべつに、ウチらが付き合ったるわ。アンタら華のカケラも無いやろ?」
「お、お姉ちゃん!?」
・・・は?得意げにウィンクをキメる茜と突然の提案に動揺する葵、そんな姿に主たち一同は呆気にとられ、悪友が口を開く。
「いや…葵ちゃんはまぁともかく、オレ茜にそこまで華とか感じたことねぇんだけど…」
思春期男子ってただ仲が良いだけの女子相手に強がるよね。
何にせよ、
「茜、葵も…無理して合わせなくて良いぞ。こんなバカどもの相手してたら頭がおかしく「待ち待ち待ちっ」
主が見解を示すより前に、少し葵に悪戯っぽい視線を密かに送りつけた茜は彼の腰を折り、
「ウチらと遊べるなら嬉しいやろ?悪友も、何とぼけとんねん。ウチらの美貌は、主のお墨付きやでぇ〜?」
その腕にしがみつくではないか。
「ななぁ!?主、おまっ…!?」「主ドノぉ!?」
「ワオ、シンギュラリティの発生!?」
「オイ茜!?どういうつもりだ…!?」
「照れんなさんなぁ〜ウチらの仲やぁん。」
露骨に腰を振りながら緩んだ顔で語りかける姿に、
「お、お姉ちゃん!何変なことしてるの!?」
普段聞かないような強い語気が割り込み、葵は茜の腹を抱きかかえながら引き離す。
「ご、ごめんね、主くん…」
あ、いや…赤ら顔で頭を下げる姿にバツ悪く、とにかくとりなそうと言葉を選ぶ。
「茜は、遂にクスリにでも手を出しちゃったのかい?」
「あはは〜、いてこますで〜?」
やはりと言うべきか、主も大概バカだった…
※
「主、葵、お待たせ~」
「ありがと、お姉ちゃ…」
手際よく葵にジュースを渡したかと思えば、茜は主に飛びつくような勢いだ。
「ほらほら〜、受け取ってや〜」
「ちょっ、暴れんなよ…と、暴れんな…!」
「お姉ちゃん!いつもそんなに近かったっけ!?」
妙なテンションの茜に、やはり葵は焦り気味に突っかかる。
「なんや葵までぇ。休みに会えたからちょいとはしゃいでるだけやんか〜。なぁ〜?」
「なーではない。」
満面の笑顔を向ける茜ににべもなく即答する。
「主、マジで心当たりねぇの?オレでも変だと思うもん。逆に茜怒らせてたとか…?」
怒らせた?そんなバカな、主は首を捻る。
イヤ、でも待てよ?
ここに来て『美貌』を引き合いに出した辺り、もしや恥をかかされたのを根に持っている…?
ベンチに腰を下ろすと、こともあろうに茜はその膝に座ろうと迫ってくるではないか、慌てて避ける。
「なーなー主、次どこ行く?プリってまう?プリってまう?」
「あ、茜落ち着け!こないだ美貌云々に
「おねえちゃん…主くんスゴい困惑してるよ…悪い冗談は程々にしなってばぁ…」
避けても主の隣で横スライドと共に距離を詰める茜に、葵の声が心做しか曇っていた。
そういえば…そう思って友人3人を探すが、どいつもこいつも既に思い思いのゲームコーナーで満喫……しているフリをして完全にコッチの顛末窺ってやがる。
まぁ気持ちはわかるけどね!
主とて友人のこんな状況に出くわしてフォローなんて入れられるタマじゃない。
それはそれとしてお前らは覚悟しとけ!?
内心そんなことを思ったのが隙だったようだ。
真横に柔らかな温もりが触れる。
「捕まえたで〜」
上機嫌に笑う茜がその腕を肩に回す。
「お、おいいあああアカネサンッ!?」
「お、お姉ちゃん!?」
葵さん、もはや何回目かもわからぬ焦り交じりの呼びかけ。
「んもぅ、なんやっちゅうねん主〜。アンタいっつも優しいやん。なんで今日の今日でツレないんよぉ〜」
わざとらしい上目遣いと共に、彼女は左腕を絡めるように主の右肩に回す。
いや待て待て待て、主は忘れていたが、彼女の服は腋も肩も剥き出しだ。
況して肩など普段の学校で露出している状況などない。
そんな部位が今、目の前でチラついているのは何事だ!?
近い近い、知らない素肌が近すぎる。
「あ、茜!?本当に頼む、なんか思惑があるなら要求は呑む、これ以上は…!」
そこまで言った時、反対側の視界からも白い肩…もう一つの腕が割って入り、茜の腕を掴んだと思えば引き剥がすではないか。
「葵っ!」
「なんや葵〜、アンタも遠慮すんなや〜」
手を掴まれ、妹に引き寄せられるも依然としてヘラヘラと応じる茜だが、当の葵は少し深呼吸をすると…
「んもぅ、お姉ちゃんいい加減にして…!主くん困ってるよっ…!」
今までに無く刺々しい声が静かながら響く。
「っ!?あ…葵…?」
思いがけぬ行動に、男子四人、揃って困惑気味に閉口する。
茜はどこか気まずそうに視線を落とした。
・・・
ハッと我に返った葵の顔に血が上る。
「ご、ごめんなさい主くん!皆も、お邪魔になっちゃったよね!?私がお姉ちゃんには言い聞かせておくから、それじゃあ…!」
ペコペコと必死に頭を下げる葵、そのまま彼女は茜の手を強気に牽いたまま歩き去ってしまった…
「・・・なんか、すげーもん見ちまったな…」
今更になって戻ってきた傍観カス軍団は一様に気まずそうだ。
そりゃそうだろう、こんな光景見せられては。
とはいえ…
「本当に茜はどうしたんだよ…それに、葵があんなにも茜に怒るなんて…」
一先ず3人へのレスポンスは置いて、主はひとりブツブツと状況の整理を試みることにした。
※ ※ ※
はぁ…別の階にて、葵はひとり深くため息をつく。
隣の茜はやはり項垂れたままだ。
「(主くんの前であんなに怒鳴って、みっともないな…)」
眉を下げ、唇を噛む。
茜の様子はおかしかったが、それにしてもあそこまで言うべきだったろうか?
思う程に自責に駆られる。
姉のあの程度の悪ふざけなど妹の立場で見れば茶飯事だ。
茜だって、それこそ休日に主に出会えたのが嬉しくてハメを外しすぎただけじゃないのだろうか。
実際…他ならぬ葵自身だって内心堪らなく嬉しかったのが事実だ。
ちょっと感情を出すのが苦手だからと、先を越されたような気持ちが芽生えてムキになってしまった自分がいる。
主にしても…困ってはいても『嫌がって』はいなかっただろう。
あんなにも声を荒らげて自分は何を言っているのだろう…
茜のことなど言えないほど、自分も変だ。
多忙な両親のこともあり、気付けばほぼ二人三脚だった姉妹…
姉と仲良くなったというたくさんの人々を見る度に抱いたチクリと刺されたような感覚ーー今や親友たるゆかりやあかりにも初めはそうだった。
それが今、私は他ならぬお姉ちゃんの姿に対して同じモノを受けてしまった。
やっぱり私の方がおかしい…悔やんでも悔やみきれない思いがせり上がる。
茜は相変わらず項垂れている…ひとつ、固唾を飲んでから意を決して口を開いた。
「あ、あのね。お姉ちゃん…その…ごめんなさい。反射的に怒鳴っちゃって…主くんの気持ちだって、私の方が考えてなかった…」
「ぁ、ぉ…ぃ…」
首を振り、膝下で頬杖を突くと、やはり隣の茜がやがて肩を震わせ、小さな声を漏らす。
「お姉ちゃん…?」
「気に…せんで……ええよ…」
途切れ途切れの震え声、そしてふつふつと揺らす肩。
「ウチこそごめんな…」
こんなにも気落ちしているなんて、やっぱり私…
そこまで自省がこみ上げた時…
「あ、お、い、チャンっ!」
ブンと首を振り上げ、軽い声色で言い放った茜の顔は満面の笑みーー先程主にわざとらしく振る舞ったのとは違う、カラッとした健全な笑顔、ではないか。
・・・
「おおっ、お、お姉ちゃん!?」
すくと立ち上がった茜は葵の頭をぽんぽんと優しく撫でる。
「いっやー、葵の秘めたる『片鱗』を見れて良かったわぁ〜」
「へん、りん…?」
・・・葵の顔はまたしても瞬間的に紅潮し、やはり声を先とは比にならぬほど荒らげる。
「ちょっとお姉ちゃん!ど、どういうつもり!?」
「ちょっと葵で遊んだろ思てなぁ〜。さぁてさて、エエもん見れましたし?ほな、アイス行こか!ええとこのチョコミント奢るで〜早よ行こ行こ〜」
上機嫌にるんるんとした足取りでその背を遠ざける茜。
ポツリと取り残された葵の目尻が次第にうっすらと滲み、やり場のない感情を溜め込んだ口元はハムスターのように膨れ上がる。
「茜ぇええ!!バカぁああ!!」
精一杯吐き出したのは、やはり学校では抑制されている分の…それでいて肝心の本人には痛くもないツケだ。
ケラケラと笑う茜の袖を引っ張り、居た堪れない思いを訴えかける葵だが、やがてまた笑顔になれるだろう…
それは茜が心配するほどおかしくなかったという安堵か、はたまた…?
EP9ーーE N D
それにしても、だ…
「んあ、どした主?」
たんこぶを擦る悪友が、首を傾げる。
「・・・イヤ、ただの考え事だ…」
主はひとり思い返す。
独特なファッションの服地から解放されている、白い肩…
アクティブな茜はともかくとしても…
「(葵も、ああいう服着れるんだな……)」
真っ赤な口元に手を添えたまま、彼は内心で吐露した…
Qヒマワリどこ?ここ…?
Aそろそろ夏の舞台に進展します
次の話か、その次か……
何にせよラブコメパロとしては行くとこまで行きたいっすね、もう開き直るが如く