初音ミクと始めるシェアハウス!   作:難聴系以下略

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音楽に限った話ではありませんが、音楽探求の道に終わりはありません。音楽って楽しそうに見えて大変な事も多いのです…私の場合どうやって小説で音を表現するかに悩まされてます(唐突)

追記:結局1ヶ月更新が止まってしまいました。早く出さないと…アンケートの結果、次話はマスター君とミクのお話になりました。更新をゆっっっくりお待ちください。


5.終わらない旅路への第一歩

 

「…はぁ、何か口直しを…」

「冷蔵庫にプリンがあったから、それでどうかな?」

「あ、本当?ありがと、リン。」

 

四人が食事を終えて少し経った頃。丁度片付けを終えたリンとミクは居間でくつろぎ、彼も何とかトイレから出てきた所だった。

 

「あれ、レンはいないの?」プリンを食べながら言う。

「うん!私は家具をもう選んだから、今はレンが選んでるんだ〜!」

「なるほどね…、ちなみに幾ら位になりそうとかある?」

「え?…えっと…二人で15万ぐらいは…多分…」

「……だろうなぁ…まぁ覚悟はしてたよ、二人分ならそれぐらいするよな、とはね…」物価高のご時世、何をするにもお金は掛かるものだ。

 

「…まぁそれより、そろそろ曲作りを始めようと思ってるんだ。」彼はスプーンを置き、少し真面目な表情で話す。

「おっ、いよいよだね?誰が歌うの?」

「はは、それはね…」

 

「そこで呑気に寝転がってる歌姫です!」

「ふぃ〜…はい?」

 

食事の片付け。リンとレン、ミクが協力してやったのだが…途中からミクは観戦モードになっていた。尚、その原因は彼女が洗おうとしていた皿が気づけば木っ端微塵になっていたからなのだが…

「天下の歌姫『初音ミク』なら、それはそれは素晴らしい歌声で曲を歌って頂けると思ってまして〜」

「マスター、おだてても何も出ませんよ〜?」

「歌ってくれたらネギ買ってくるy」「喜んでやらせて頂きます!」

 

そんな会話を聞いて、リンはミクに対しての考えを改めるのだった。

(…そっか、何かして欲しかったらネギを渡せばいいんだ…)

ちなみに間違ってはいない。

 

そしてミク達は、彼の自室へと向かった…

 

*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+

 

テーブルに置いてあるデスクトップPCを起動し、彼は椅子に座る。

「あれ、部屋に明かりとかないんですか?」

「うん、昼間は外からの日差しで充分だし、あんまり明るくても集中出来なくてさ。」

 

彼のPCの扱い方を見て、リンは聞く。「PCの扱い方、手慣れてるの?」

「毎日仕事で触るからね、気づいたらそれなりには。」

「確かマスター、楽器店でしたよね?」

「え、楽器店?ちょっと気になるかも!」

そんな二人を見て彼は少し考えた後、提案をする。

 

「今度休みの日にでも行ってみるか?」

「え、いいの!?行きたーい!」

「色んな楽器があるだろうし、是非見てみたいな!」

 

「よし、じゃあ決まりね…」マウスを止め、DAWソフトを起動し、ミクに手を差し出して言う。

「それじゃミク、PCに入ってみて。」

 

「はーい…」彼女の体が少しずつ素粒子としてPCに吸い込まれていく。

 

「…はぇー、始めてみたけど凄いな…リンも出来るの?」

「うん!まぁ私の場合レンと一緒じゃないとダメなんだけどね〜」

二人で1セットだからか?等と考えつつも、彼は体を再度PCの方に向ける。

 

『マスター、聞こえますか〜?』

「え、その中でも喋れるの?」

『はい!意思疎通は取れるので、何かあったら言ってくださいね!』

「了解…!」

 

音楽ソフトからボーカルエディタを選択し、彼はミクの声を調整したり、打ち込んだりしていく。

「…こんな声まで出せるんだ…」音域や声質の幅広さに、彼は驚いていた。そんな彼を見て、リンは考えに浸る。

 

「…凄い…」

その呟きに反応し、リンに聞く。「どうかした?」

「…普通なら、私もその中でマスターに調整されて、歌って…でもこうやって作る側を見れるのは、貴重だなぁって!」

「確かに…俺にとっても新しい事ばっかりだけど、君達にとっては殆どが新しい事だもんね…」

 

そうして彼は、ベースやリズムを軽く打ち込みながら、曲を作っていく…

 

 

 

 

 

 

どれ程時間が経っただろうか。辺りはすっかり暗くなり、気づけばレンも彼の活動を傍から眺めていた。

…これを…こうして…

「ねぇマスター、もう深夜だよ?そろそろ休んだほうが…」

「いや、取り敢えずこのフレーズを完成させるまでは…」

 

そんな姿を見て、リンはレンに耳打ちする。

「ねぇレン。ごにょごにょ…

「ん、何?」レンは耳を傾け、話を聞いた後にニヤリとしてキッチンへ向かった。

 

 

誰かに届く音楽を作り、奏でるには果てしない努力が必要である。更に言えばセンス次第で必要な努力の量は変わってくる。無論、ボカロPとてそれは例外ではない。

 

彼は画面を見つめたまま、呟く。

「…一応吹奏楽でちょっとは音楽齧ったつもりだったんだけどなぁ…やっぱり満足いくクオリティを作るのは時間がかかるね…」

『…そうだろうね。きっとこの道を進むのは、凄く辛い事だと思うよ?』

「でも、俺はやるって決めたからさ。その道を進んでみるよ。」

 

リンはそんな彼の言葉に続けて言う。

「…まぁ、その夢を叶える為に私達はいるんだもん。とことん付き合うよ!」

 

画面とにらめっこしていた彼の机に、コーヒーが置かれた。

「はいマスター、ちょっと飲んだら?」

「あ、レン。ありがとう…」そして飲んだ瞬間、彼の顔が歪む。

 

かっっら!?しかも味ヤバいし…」

「あっはは、そりゃあ…塩入れたからね!」レンは笑いながら言う。

「嘘でしょ、もー…」

 

「…あ、やっとこっち見てくれたね。」

「え?…あぁ…」妙に首が痛い。ずっと画面を見ていたからだろうか。

「文句を言うならリンに言ってよ?発案はリンだし。」

「ちょっと、なんでそれ言っちゃうのさ〜…」頬を膨らませてレンを睨むが、本気で怒っている様子はない。

 

『マスター、疲れてる時に曲を作っても、良いものは出来ないと思いますよ?休んでください!』

「…そっか。そうだよな。よく考えたらミクとは2日、リン達とはまだあって1日しか経ってないのに…いきなり無茶しすぎたかな〜…」そう言って彼は欠伸をする。

 

少し間を開けて、彼は言った。

「ありがとね、皆。」そうして彼はPCを切り、ベッドへと向かった。

 

PCから出てきたミクは振り返った後、静かに呟いた。

…お休みなさい、マスター。

 

*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+

 

夜が明け始め、少しずつ太陽が昇って来た午前4時。ミクはベッドから起き上がり、縁側へと向かう。

(マスター、寝てるよね…リンちゃん達は…どっちでもいいか。)

 

夜風が彼女の頬に当たり、風鈴の音色も淑やかに響く。

そんな中、彼女は息を吸い込み、音を出す。

 

「_♪」

このメロディーは、先程男が打ち込んだ物。無論未完成なのだが、彼女はそのメロディーを何回も何回も、歌い続ける。

 

彼女が歌う度にその音色はより豊かに、美しくなり、聴きごたえのある物になっていく。…小一時間もすれば、まさに『電子の歌姫』の名に相応しい、圧倒的な歌声となっていた。

(マスターが私を…私達を買った理由は、分かってるし、さっきのマスターの様子を見てよく分かった。なら_)

「なら、私達もその熱量に負けない歌を歌わないと…って事、だよね?」いつの間に壁にもたれかかっていたレンが、心を読んだように話かけてくる。

 

「れ、レン君!びっくりしたぁ…。…その通りだよ。あんな時間作曲出来るのは、本当に熱意のある人だけだもの。」

「…それに…Voc.()達にとっては、マスターが満足するような歌を歌える事が、一番の喜びだからね。」

「…なーんだ、分かってるじゃん?」

「そのぐらい、VOCALOIDなら誰でも分かるよ。リンもルカも、MEIKOもKAITOも…僕達以外の歌い手も。」

 

ミクとレン。二人の間に見える確かな信頼。これはリンとレンでも、ミクとリンでも勿論変わらない物。

「これから宜しくね、レン君!」

「こちらこそ、ミク!」

 

彼女達はどんな時も、調律主(マスター)の期待に応えるために、歌い続けるのだ。

 

 

 

「…取り敢えずミクは料理の腕前をどうにかして欲しいけどね…」

「え〜?上手く出来たと思ったのになぁ…」

 

…歌以外の能力は、期待に応えられるかは分からない…

 

*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*+

 

ジリリリリリ

ジリリリリリ

ジリリリリリ

「…まだ寝たい…」

 

「マスター、起きてください!もう7時ですよ!」

時刻はすっかり朝7時。楽器店での仕事がある彼はミク達と目覚まし時計によって起こされようとしていた。

 

「まだ…大丈夫だから…二度寝する…」

「ま、マスター…」

「ねぇレン、マスターの耳元で全力で叫べば起きてくれるかな?」

「うー、多分マスターは永眠するんじゃないかn」

「マスターーーー!!!!」

 

「「ギャッ!?」」

「!△■☓?√?£!」

 

ミクが本気で叫ぶ。少し離れていたリン達でも驚いたのだが、当の彼は…

 

「…鼓膜破れたかと思った…耳鳴りがぁ…」

「あ、ごごめんなさい!?」

「そりゃ僕達が全力で叫んだら耳鳴りぐらい鳴るよ、ミク…」

「大丈夫!全力じゃなく本気だから!」

「それ、虫が苦手な人にゴキ◯リとコオロギを並べて出して『ゴキ◯リよりコオロギの方が可愛いよ!』って言ってるような物j」

「やめてリン、想像しちゃうから…っ!!」レンは声を震わせながら必死に言う。

「わぁ、レン君可愛い〜」

「…なんで例えがこうもリアルなんだろ…」

反応は三者三様。怖がっている男子に可愛いとか言う悪魔(ドS)が居た気もするが気のせいだろう。

 

 

結果的に叩き起こされた彼は、観念したように支度を始めるが…

「あっ、そうだ。はい、皆にこれ…」

そう言って、彼はミク達それぞれに5000円札を渡す。

「えっ、いいの!?」「わ、5000円札…!」「え、いいんですか?」

「うん。俺がいない時暇だろうし、今はあんまりあげられないけど好きに使ってよ!」

「わーい、ありがとうマスター!」リンは嬉しそうだ。

 

そうして彼は自宅を出ようとしたのだが、そんな中ミクから話かけられる。

「あの、マスター!私スマホにも入れるんですけど…ついて行っても、良いですか?」ミクは若干上目遣いで彼に言う。

 

「…なるほど、良いよ。その代わり急に話しかけてきたりしないでよ?誰かにバレたら面倒だしね。」ミクの上目遣いに一瞬目を奪われかけたが、昨日の闇鍋を思い出して落ち着く。

「…今何か考えました?」

「いや?…それじゃ、行こうか。」

 

そうしてミクはスマホに入り、彼は扉を開ける。

 

「それじゃ、行ってくるね。」

 

「「行ってらっしゃい!!」」

 

そして、扉は閉まった_

 





レン→落ち着いていて他2人より隙が無いように見えて大の虫嫌い。普段はリンを守りつつ守られつつのスタンスだが、虫関係に関しては完全に守られる側になる。なお怖がっている姿は可愛い。

リン→レンと反対に虫はいけるタイプ。部屋にハエが入って来ただけで怖がるレンに対して「大袈裟だなぁ」と思いつつも、そんなレンを信頼してる。なお常時可愛い。

ミク→壊滅的な料理の腕前や若干天然な部分もあるが、VOCALOIDの頂点に立つ歌姫として周囲を引っ張っていく実力を持つ。ちなみに虫は普通ぐらい。流石にGはダメらしい。
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