【連続長編空想科学冒険活劇小説・時空警察官怪獣島遭難記】【第1章パルの冒険編】 作:シン・ホシノヒロミツ
超空間にて黒いF117戦闘機に酷似したタイムマシンを追尾する巨大なシャチ型のタイムマシンによるチェイスが繰り広げられている。
「待てぇぇぇぇ!!」
シャチに酷似した超大型タイムマシン「ウォルキヌス」を操縦する一人の若い男性の声と、サイレンが超空間内に響き渡る。
ウォルキヌスのブリッジ(艦橋)内には薄紫の髪色と紫色の13世紀のヨーロッパの服装をした若い男性が怒号を上げている
彼はタイムパトロール隊員のパル、この物語の主人公だ。
パルは今、アートリア公国の絵画を大量に窃盗した怪盗ルヴァンを隊員達と共に追尾しているのだ。
「やれやれ…しつこいですね…」
F117型戦闘機に酷似したタイムマシン「カラミティ」を操縦している正義奇獣水差し男爵と酷似した仮面と服装をした初老の男、怪盗ルヴァンが呟いた。
「まぁ良いでしょう、彼はまだ若い…身を引き裂く程の無念を見せつけないといけませんね。」
と余裕のある独り言を呟くと、ウォルキヌスからスナッチャーネットがカラミティ目掛け発射された。
ネットはカラミティに命中し、カラミティは拘束され動きを封じられている。
パルはウォルキヌスのブリッジ(艦橋)から超空間に出てカラミティの中を通り抜けフープを使い、コクピットへ侵入しルヴァンを身柄を抑えた。
「日本時刻午前9時、場所は超空間内、ルヴァンの身柄を確保!!」
パルがルヴァンの身柄を拘束し、手錠を掛ようとした…その時である
「ブラボーブラボー…流石若きタイムパトロールの隊員ですねぇ…、私の偽物を使った囮とも気付かずに確保するなんて。」
何処からか両手を叩き拍手をしている音と中年男性の声が聞こえてくる、パルは焦った表情を取りながら超空間の辺りを見回す
「ど…何処にいるんだ…出て来いルヴァン!!」
パルが辺りを見回し叫ぶと中年後ろから男性の声が返事を返した
「ここですよ、お坊っちゃん。」
パルが声の聞こえる後ろを振り向くと、タイムパトロール隊員が拍手をしながら立っていた…だが、様子がおかしい
「ま…まさかお前が…」
タイムパトロール隊員の顔を剥ぎ本物のルヴァンが姿を現した
「そうです、今までタイムパトロール隊員を装いあなたを罠へ誘導したのですよ、【敵を欺くには先ず味方から】ってね…。」
ルヴァンが真実を話すとパルはルヴァンの偽物を確認した
「こ…これは…コピーロボット…!?鼻先のスイッチに肌色の絵の具で塗られている…、僕はこんな簡単な仕掛けの罠に騙されていたのか!?」
パルが落胆した姿勢を取り悔しむと、ルヴァンは不敵な笑いを見せ、何かを仕込む仕草を見せる
「さぁ、そろそろ仕上げと行きましょう。」
ルヴァンはズボンの左ポケットからハンドスピナーの様な物を取り出す。
「この装置は一体…ルヴァン!!お前は何を持っているんだ!!」
パルはルヴァンが持っている物体を見てルヴァンに問いかけた
「これはアナザーディメンション・タイド、解りやすく言えば異世界転送収集砲といえば良いでしょう」
「これを使って何をするつもりだ…!?」
「私を追ってお疲れの様ですからバカンスへ招待しようとしているのです、他の隊員達の様にね。」
ルヴァンはアートリア公国以前にもへ大量窃盗した際、多くのタイムパトロール隊員をアナザーディメンション・タイドを使用し、異空間の渦に吸引し別世界へ誘拐していたのである
今22世紀では、怪盗ルヴァンを追跡した隊員達が謎の失踪をし行方不明になる事件が多発していたのだ、パルはルヴァンに対し怒りを露わにしている
「最近タイムパトロール隊員が謎の失踪し行方不明になる事件が多発しているのはお前がその装置で誘拐したからなのか!?」
「だとしたら何でしょうか?」
「発動前に阻止して逮捕する、そして別世界に飛ばされた仲間を全員救出するんだ!!」
「では私も阻止される前に君をバカンスへ招待させてあげましょう」
パルはウォルキヌスに乗り込みもう一度ルヴァンにスナッチャーネットを発射する、
しかしルヴァンはヒラリマントでスナッチャーネットをかわしアナザーディメンション・タイドを作動する。
「アナザーディメンション・タイド、作動する。」
ルヴァンは左手の中指と親指をくっつけこすりパチンッ!!と音を鳴らすと巨大な渦が発生し始めた、
渦は段々大きくなり始めて吸い込んでゆく
「何だ?何が起こっているんだ!?この渦は一体…ルヴァン!!お前は何をしたんだ!!」
パルがルヴァンに大声で怒鳴りルヴァンに問い詰めるとルヴァンは茶化す口調でパルにこう言い放つ
「さっき説明したじゃないですか、私に問おう前に先ずは貴方は脱出した方が良いのでは?まぁ無駄ですけどね。」
巨大な渦はパルが乗っているウォルキヌスを吸い込み始める、渦の吸引力は段々強くなっていく
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!す…吸い込まれるぅぅぅぅ!!」
ルヴァンは吸い込まれていくパルを嘲笑しながらパルにこう一言残し手を振り去ってゆく
「良い旅を」
パルはウォルキヌスの出力を限界まで上げ脱出を試みるが、最大出力を出しても渦から逃れる所かエネルギーが消耗してしまう
「し、しまった!!もうエネルギーが…う…うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
パルは巨大な異空間の渦にいとも簡単に飲み込まれてしまった、
激しい空間の揺れや艦内の空気変化の影響でパルの意識は遠のき気絶してしまう。
「…ん…ここは何処だ…?ん゙ん…!!?い…息が…く…ぐる゙じい゙…!!」
パルが異空間に呑まれ気絶している間、宇宙空間へ飛ばされてしまったのだそれ故に艦内に空気が無くパルは苦しんでいる。
「う…宇宙!?…そ…そうだ…せ…生命維持光線を使わないと…!!」
パルはウォルキヌスのコクピットから生命維持光線を取り出す、生命維持光線とは、陸海空宇宙空間や放射能や汚染された猛毒の大気に適応出来る光線で、タイムパトロール隊だけが専用できないひみつ道具である。
「はぁ…助かった…ってもう生命維持光線のバッテリーが無い!!ど、どうしよう…もう一つバッテリーが無いと半年には死んでしまう!!」
パルが慌てて生命維持光線のバッテリーを探しているその時、小惑星がウォルキヌス目掛けて迫ってくる
「わぁあ!!小惑星が迫って来たぁ!!」
小惑星が迫りパルは混乱しウォルキヌスをエンジンを起動し回避しようとするが、エネルギーはもう尽きてしまい回避すらままならない。
小惑星はウォルキヌスに強く衝突しまい、その反動で
別世界の地球に目掛け炎上しながら落下する。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!だ、脱出!!」
パルはウォルキヌスのブリッジ(艦橋)から【カプセル形緊急脱出テレポートシェルター装置】を作動させる。
パルはテレポートしてウォルキヌスを離れる
カプセル状のシェルターに覆われたパルはテレポート先の風景の周りを見回した
「ここは何処だ…緑色で何だかヌメヌメしていてそうな島だな…しかも島なのに…鼓動の様な音がしている!?」
パルがテレポートした先は辺り一面緑色でヌメヌメした表面に白い突起が多数ある奇妙な大陸が広がっている。
パルが空を見上げると大気圏に突入して炎上し、パーツを散乱させ急降下したウォルキヌスがあった、ウォルキヌスは目の前に浮かぶ孤島へ向かって墜落する。
ズドオォォォォォンンッ!!ボガァァァォォォァンッ!!
孤島へ墜落したウォルキヌスは轟音と爆発音を立て黒い煙を上げた
「あぁ…ウォルキヌスが…」
しばらくするとジェット機のエンジンの様な音を立てる物体が上空に現れた
「ん?…んん?」
大空を飛翔する海亀の様な巨大生物のキングトータス親子がパルの頭上を過る、パルは笑いながら驚愕するとキングトータス親子を目で追っている。
「か…亀!?しかも大きい…巨大な亀が空を飛ぶなんてあり得ない…きっと僕は疲れているんだ…ハ…ハハハハ…。」
暫くすると、奇妙な大陸から不気味な声がの様な音が響き渡る。
「ヴェッ…ヴェッッ…ヴェックショオオオオオオオオオオオンッ!!」
ブシュウウウウウウウゥン!!
巨大な大陸はいきなりクジラの潮吹きの如く高熱の水柱と強風を発生しパルを吹っ飛ばす。
「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!な…何だぁぁぁぁぁッ!?」
パルがテレポートした場所は、ガマクジラの背中にある鼻の穴の中だったのだ、
ガマクジラはパルが鼻の穴に詰まってしまいくしゃみを起こした際に発生した潮吹きで、パルを1kmまで吹っ飛ばした。
「え…えぇ!?僕はテレポートであの怪獣の鼻の穴の中に居たの!?っていうかこれどうするんだ!?」
1kmから落下している間、パルはカプセル状のシェルターの中で混乱している
空には巨大な翼竜ラドン群れ、
大海原には赤い鯨の様な巨大生物、ゴジラアクアティリスが海面を飛び出しブリージングをしている光景が広がる
その時…
ガチャァン!!
「えぇッな…何だ…何だぁ!?」
突然、餌と勘違いしたラドンの一匹がカプセル状のシェルターに包まれたパルの入ったカプセル状のシェルターを咥え孤島の方角へ向かってへ飛んで行く
「ぼぼぼぼ僕を食べてもおいしくないよぉ…頼むから食べないでぇぇぇぇえッ!!」
その叫びが通じたのか偶然か、ラドンはクチバシを開き真下にある孤島目掛けパルを放り投げた
パルは思わず悲鳴をあげ、更に混乱し始める
「ギャァァァァァァァァァァァアッ!!し…死ぬぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅウッ!!」
パルの精神はギリギリ崩壊寸前だった、高さ900mから落下している…
が、幸いにも重力コントロール装置が正常に作動している為、気圧の変化や重力には何も影響は無かった事が救いになった。
高さ500mを切ると自動安全装置が作動し始める、シェルター内をマシュマロ状のエアバッグみたいな物体が落下の衝撃に備えてパルを包む
ズドォォォォォォォンッ!!
シェルターは地上に落下したが、パルはエアバッグ状の物体に包まれていたお陰で大事には至らなかった。
パルはシェルターを解除するとコクピット内から外へ出てタイムシーバーでシェルターを収納した。
「ハァ…ハァ…ひ…酷い目にあった…にしても…ここは何処だろう…?」
パルが辺りを見渡すと砂浜と広大な海と、生茂った森が広がっている、そしてパルの足元にはパッドの様な物体が落ちている
「な…何だろう?誰かの忘れ物なのかな?」
パルは恐る恐るパッドを起動すると突然電源が付いた
「わぁッ!!ビックリしたァ!!」
Pパッドからは様々なデータが表示し始める、パルは「探索」と言うフォルダをタップした
「この探索ログのフォルダを見てみよう、ここは何処か分かるかもしれない…!!」
「探索」と言うフォルダをタップして開くとこんな文章が書いてあった
「私は自然環境調査員、圓谷英一(つむらやえいいち)私は今、目的地である歟萬爍禰島(ヤマトネ)島に上陸した。」
「や…やま…とね…島…?ここは歟萬爍禰島(ヤマトネ)って言うのか…。」
パルが迷い込んだ島は歟萬爍禰島(ヤマトネ)島と言う島だったのだ、更に探索ログにはこう書かれてある。
「この島で生き延びるには相当な運が必須である、
まして半年間生きれた者が居ても生存率は精々35〜5%と低い、
防具を纏っている為影響は無いが、ここは非常に猛毒な大気に覆われており、
我々より人智を超えた力を持ち巨樹より遥かに巨大な生物が多数生息している事が確認されている、
故に親から授かったこの命を無駄にしない様探索しよう、この島で人類は【最弱】の生物にあたるからな。」
探索ログの1ページ目を読み終えたパルはもう一度辺りを見渡す途中、ウォルキヌスのパーツのセンサーが突然強い反応を起こした。
「この反応…ウォルキヌス…!?ウォルキヌスはこの島に墜落したのか!?」
パルは森へ足を踏み入れようとしたその時
ズシィィィィィィン…ズシィィィィィィンッ…ズシィィィィイン!!
「な、何だ…!?じ…地震?!揺れが少し大きいぞ!?」
「「「グオォォォオォォォォォォォォオォンッ!!ヴバァォォォォォォォォォンッッ!!ギャオォォォォォォォォォォン!!」」」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁあッ!!な…何だぁ!?」
地震の様な縦揺れの地鳴りと爆薬の爆発音の様な足音と共に落雷の様な耳を劈く不気味な獣の声が島中こだました。
「い…今のはこの巨大生物の咆哮…!?この恐ろしい島の中にウォルキヌスとそのパーツが散らばってるのか…よし、この島へ入ろう!!」
パルは勇気を出して森へ足を踏み入れ奥へ進んだ。
今ここに、一人の時空警察官が別世界に存在する奇妙な島から脱出し、元に居た世界へ帰還する大冒険が始まったのだ。