【連続長編空想科学冒険活劇小説・時空警察官怪獣島遭難記】【第1章パルの冒険編】   作:シン・ホシノヒロミツ

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今回は非常に残酷な描写が含まれてますので閲覧注意です…  


第2話:健啖の悪魔と不思議な洞窟と巨大な刃爪(じんそう)

腰を強打し立ち上がろうとするも、電流が流れた様な腰痛が走り悶絶するパル

その目前には腹を空かし口から唾を垂らし近付くイビルジョー

その後ろには深さ14mの巨大足跡

絶体絶命の状況に陥ったパル、表情も青ざめ全身に多量の汗を流しながら後退る。

 

イビルジョーはパルに直進し滑り込む様に噛み付こうとするが、パルは右側に前転して回避すると左手をタイムシーバーにかざし道具を取り出そうとしている。

 

「あ…危なかった…何か無いか何か無いか…!!」

 

焦った表情でタイムシーバーに手をかざそうとするも束の間、イビルジョーの猛攻は留まる所か段々エスカレートして行く。

 

イビルジョーはパルに向かい左から右へ頭を奇数回ブン回しながら迫り来る、パルは腰を痛めている為走って逃げる事が精一杯だ

 

頭を奇数回ブン回すとイビルジョーは助走付けてパルに狙い定め両足でジャンプして飛び掛かる

 

パルは怯え奥歯を噛み締め瞼を強く閉じ、両手で頭を抱えしゃがみ込み死を覚悟する。

 

「うぅっ…もう駄目だ…お終いだ…!!」

 

しかし、イビルジョーは勢いよく飛び掛かったのかパルを飛び越し巨大な足跡に向かって飛び込んでしまう。

 

『ドスゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥウンッ!!』

 

「ギャアギャアギャアギャアギャアギャアギャアギャギャァギャァギャァ…!!」

 

バサバサバサバサバサバサバサバサバサバサバサバサバサ…

 

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド…

 

飛び掛かったイビルジョーの足音が森中に響き渡り

鳥達が悲鳴を上げ一斉に騒ぎ飛び立ち空へ逃げ、

着地時に発生した地響きの揺れで動物達も混乱し一斉に逃げ出す

 

『バギィッ』

 

「「グギャァァァァァァァァァッ!!」」

 

ズッドォォォォォォォォォォォォンッ!!

 

イビルジョーは勢い付き過ぎたのか着地する際、変な体勢を取り右足を捻挫して、大声を上げ足跡の中で横転している。

 

一方、死の恐怖に怯え、絶望感を抱いてしゃがんでいたパルは体制を整え腰痛に耐えながら立ち上がる。

 

「ん…?あれ!?助かった…!?」

 

パルはタイムシーバーから万病薬を取り出し腰痛を完治し、巨大な足跡で横転しているイビルジョーに銃を向け構えた。

 

「今うちにこれを打って暫くの間結束して動きを封じよう!」

 

 

パルがイビルジョーに向けた銃は「拘束銃」と言って、撃った相手の手足を縛り結束する特殊な銃である

そしてこの拘束銃はどんな凶悪犯罪者や兵器も封じてしまう程強力なのだ。

 

パルは拘束銃をイビルジョーに両顎と両足に2発打ち動きを封じると、その場から離れ逃げ出した。

 

拘束銃に結束されたイビルジョーはなかなか立ち上がれず倒れながらもがいている

 

イビルジョーから遠ざかったパルは何処か安泰出来る場所を探し辺りを見回している

 

「何処か安穏出来る場所はないか探してみよう、あの拘束銃の効果は長く保たないから急がなくちゃ!」

 

一方、巨大な足跡のイビルジョーを結束していた拘束銃の光弾がひび割れ、拘束が解除されるとイビルジョーは鼻をすすり、両顎をシャベルの様に地面に振りながら掘り始め地中へ潜って行く。

 

一方パルは、自身の安地を求めて森の周りを走りながら探し辺っている最中、入り口の高さが4mもある横穴を発見する。

 

「この洞窟で一休みをしよう、もうクタクタだ…。」

 

パルがその洞窟へ向かって走り出した…その時だった。

 

ニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブニブゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

 

「…!?何だ何だ!?揺れが激しいし地面が盛り上がってるぞ!?」

 

突如、激しい地鳴りが起こり、地震の様な揺れがパルを襲い、足元の地面が盛り上がった。

パルが盛り上がった足元から遠ざかると

地面から瓜類の果実と大型獣脚類の容姿を足して割った大型生物が顔を出し現れた、パルはその大型生物を見た瞬間顔が一瞬で青ざめた。

 

「しまった!拘束解除まで間に合わなかった…!!」

 

パルが目のあたりにした生物は、拘束したイビルジョーだった。

 

イビルジョーは自身の嗅覚を頼りにパルの匂いの嗅ぎ付けていたのだ、

イビルジョーは洞窟の前に立ちはだかると顔の周りを赤黒い煙状のエネルギーで包み、全身の筋肉を浮かび上がらし瞳を赤く光らせ世にも恐ろしい形相に変わり、

怒り喰らう様な荒々しく悍ましい声で咆哮を上げた。

 

『『『グオ゙ォ゙ォ゙ォ゙ォ゙ォ゙ォ゙ォ゙ォ゙ォ゙ォ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ア゙ッ゙!!!!』』』

 

咆哮を上げたイビルジョーは、息を大きく吸うと赤黒い高熱のブレスをパルに向かって薙ぎ払う。

 

「おわぁッ!!」

 

パルはブレスをうつ伏せの姿勢を取り間一髪ブレスを回避すると左手をタイムシーバーに翳して表が藍色で裏側が黒いマント状の布を取り出す。

 

「よし、一発で出たぞ!これで…おぉっと!!」

 

パルがマントを取り出すがイビルジョーの猛攻は徐々にエスカレートしてゆく

イビルジョーの口から垂れた唾がパルに向かい飛び散る

 

ジュゥゥゥッ!

 

「ぐわぁぁあッ!!」

 

イビルジョーの唾がパルに右肩に付着し服が溶ける、その中の右腕の皮膚が溶け出し流血してしまう。

 

「グルルルルォォォォォォォォォォォォォ!!」

 

パルの血の匂いを嗅いだイビルジョーは興奮し荒々しい声を上げ興奮し更に凶暴性を増した、尻尾で薙ぎ払うと噛み付きと隙のない攻撃を繰り出しながらパルを追い詰める。

 

イビルジョーが再びパルのもとへジャンプで伸し掛かろうとするとパルは左腕で青いマントを振りかざし、イビルジョーのジャンプ攻撃をかわす。

 

「これでどうだぁ…!!」

 

『グォォォォッ!?』

 

ゴォォォォォォォォォォォ…ズッドォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォンッ!!

バキバキバキバキバキバキバキバキバキズズゥゥゥゥゥゥゥウンッ!!

 

かわされたイビルジョーはパルを通り越すと奥深くの森林に突っ込んだ。

森林の木々が凄まじい音を立て何本も薙ぎ倒されてゆく、因みにパルが取り出したマントは「タイムパトロール隊員支給用ひらりマント」であり、

通常のひらりマントより回避性能が高く破け難く燃え難い素質で出来ているのだ。

 

「ふぅ…助かった…今のうちにあの洞窟へ逃げ込もう、もう体力の限界だぁ…ハァハァハァハァ…でも…み…右腕が…」

 

森林へふっ飛ばされたイビルジョーは口を大きく広げ、下顎をシャベルの様に地面へ突っ込み巨岩を投げ飛ばした。

 

パルが洞窟へ向かいと走り出すと背後からイビルジョーが投げ飛ばした巨岩が迫ってくる

 

「たぁっ!!」

 

身の危険を察知したパルは即座に振り向きひらりマントを振って跳ね返すとイビルジョーの頭部に命中する、

頭部を強打したイビルジョーは猛進してパルに向かい滑り込みながら噛み付こうとするが、パルがひらりマントを振り回避する。

 

怒りが限界値を突破したイビルジョーは直立した体勢を取り、

盆踊りを踊る様な狂った挙動不審な動きをすると頭を激しく左右に振り縦一閃にブレスを吐きつける

 

流石のパルもイビルジョーの猛攻に対応するのもめいいっぱいである。

 

「うわぁッ!動きが激しすぎて回避するのも精一杯だ!!このままだと奴の餌食になる!!」

 

パルはひらりマントを左手だけで掴みブレスを跳ね返し回避しながら全速力で洞窟目指し走り出す、怒り狂うイビルジョーもパルに向かい口を開け猛進する。

 

洞窟の入り口の横穴が見えるとパルは奥歯にヒビが入り割れる程歯を食い縛りピッチを限界まで上げて走り出す、イビルジョーは強酸性の唾を流し血走った瞳をギラギラと光らせ高く飛び上がりパルを食べようと口を限界まで大きく開けた。

 

 

飛び上がったイビルジョーが頭をパルに向け一直線へ落下するがパルは洞窟へ辿り着き事なきを得た。

イビルジョーは頭を地面へ突っ込んでめり込んで暫くの間身動きが取れない状態に陥ってしまう。

 

パルは洞窟の奥へ進むと左手で流血した右腕を押さえ壁に寄っかかり座り込むが、

周りが暗く周りを歩く事すらままならなかった

 

「周りが暗過ぎて周囲を見渡すことが出来ないや、これじゃあ何があるのか把握出来ないぞ…そうだ!アレを使おう!!」

 

閃いたパルはタイムシーバーに左手を翳すと日光ゴケの種が入った霧吹きを取り出し辺りをコケを吹き掛け辺りを照らし始めた、周りのコケが段々洞窟内に広がり暗闇だった洞窟内がコケに照らされ周辺が姿を現して行く。

辺りを見回すと緑と青い水晶が無数に生えている洞窟内を小型生物や昆虫が這い回り

コバルトブルーに輝く地下水には魚や水生生物が泳いでいる。

 

そして、天井には大きく太く先端が鋭く尖った鍾乳石が何本も生え、大小問わず横穴が周りに空いている

更に東京ドームと同じ面積と天井の高さがあり広大かつ神秘的で非常に綺麗な光景がパルの目にいっぱい広がっている。

パルは洞窟内の大きな横穴の中に入りパッドの電源を立ち上げ、図鑑を開きイビルジョーやアンジャナフについて調べている

 

「僕を襲った大型生物はっと…あ、出た出た…えぇ…っと、【蛮顎竜(ばんがくりゅう)】アンジャナフか…

アイツはあんな名前だったのか…、性格は獰猛で攻撃を仕掛けずとも相手を見つけると攻撃してくる習性を持っている…へぇ…

なになに?怒ると【炎熱蓄積状態】になって両翼を広げ鼻を膨張し頭部を赤く染めて攻撃的になり、火炎放射を相手に吐き付けて攻撃し、周囲を焼き尽くす事もあるのか…

因みに危険度はSランク…って事はかなり危険なのかな?」

 

次にパルはイビルジョーの事を検索しようとするが、見た目でどう表現すれば良いのか分からかったので「ティラノサウルスとゴーヤを足して2で割った様な奴」と検索バーに入力して検索すると一発でイビルジョーが引っ掛かった、これにはパルも吹いて笑ってしまう。

 

「【恐暴竜(きょうぼうりゅう)】イビルジョー、他に類を見ない凶暴性と異常なまでの食欲を持つ事で知られる大型の獣竜種。

自らの生命活動を維持するために他のあらゆる生命を糧とするとして恐れられる特級の危険生物であり、

それが所以なのか《恐暴竜》とも呼称され、その出現と脅威を警戒されている。

濡れ光る暗緑色の鱗に覆われた体躯、異様に太く強靭に発達した後脚と尻尾、

そしてそれらと比較すると極端なほどに小さく退化した前脚が特徴。」

 

イビルジョーの説明欄を熟読しているパル、説明欄の半分を読み通すと、(ある説明文)に身の毛を弥立った

 

「自身の生命を維持する為、エネルギー源である動物性タンパク質を持つ物なら大小問わず目に入る物なら何でも食らい尽くす凶暴性を持っている。

また、イビルジョーの食欲によって絶滅した種まで存在する。

テリトリーの主を含めた地域一帯のモンスターを喰らい尽くすことで生態系を崩壊させてしまう。

それ故、全生態系にとって極めて危険な生物として全世界の生物学者に知られている…危険度はSSランク!?

随分恐ろしい奴だなぁ…。」

 

更にパルはイビルジョーの説明文を読むとあの恐ろしい風貌をした所以となる説明に目を向けると背筋が凍り付き顔が青ざめる。

 

「同胞同士の共食いや大型生物との闘いで喰らい続け長い年月を生きた事により【自身の満腹中枢が崩壊】し捕食本能や戦闘力が大幅に向上した個体が出現する事がある、それが【怒り喰らうイビルジョー】である…そうか…僕を襲った奴は自身の空腹を制御するリミッターが外れて、捕食本能が強くなり過ぎて

捕食と戦闘を繰り返すほど強大になっていくという恐ろしい特性を獲得してしまった奴だったのか!!」

 

パルがパッドで生物を調べていると

 

ズキィン

 

「くっ…!!あの時の傷が!!」

 

イビルジョーの唾液によって溶かされた右腕に激痛が走り多量の血液が流血する、パルは顔面に汗を流し右腕を抑えている

 

すると横穴の奥からキィキィと甲高い声と大きく羽ばたいている羽音が微かに聞こえてくる、パルは辺りを見回し警戒する素振りを見せる

 

「な…何だ…何が来るんだ…!!」

 

甲高い声と羽音が段々パルに近づく、声と羽音の主が現れるとパルは驚愕した。

 

「あ…アレは…コウモリ!?しかも物凄い群れだ!!」

 

パルが目にした物は無数の吸血コウモリ「グンタイチスイコウモリ」の群れだった、コウモリ達はパルの血の匂いを嗅ぎ付けてかつ超音波を頼りにパルに向かって飛んでくる、

パルも逃げようとするがもう体力の限界を超えもう歩けない状態だ。

 

その好機を逃さずコウモリ達はパルに噛み付き吸血をし始めた

 

ガブゥゥゥリャッチュウゥゥゥゥゥゥゥゥゥズズズズズズズズズズズ…

 

全身をコウモリに覆われて身動きが取れない状態になってしまい鋭い牙に噛み付かれ吸血されたパルは大声で悲鳴を叫んだ。

 

「ぐゔわ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙あ゙ッ゙!!」

 

 

パルが全身吸血コウモリに覆われ血を流がして倒れている中、

洞窟の外で頭を地面へ突っ込んでいたイビルジョーが地面にはまった頭を引っこ抜きパルが潜む洞窟の横穴にブレスを地面に吐き、無理矢理自身が通れるサイズに広げ洞窟に侵入した。

コウモリ達はパルから離れイビルジョーに向かい威嚇しながら飛んで行く

 

『『グルルォォォォォォォ!!』』

 

イビルジョーはコウモリの群れを払おうと体を一回転させ尻尾を振り回す

振り回した後、コウモリの群れをブレスの薙ぎ払いや噛み付きで振り払う、だがコウモリ達は減らず寧ろ数を増してイビルジョーに噛み付く。

 

『『グルルォォォォォォォギャァァァァア!!』』

 

コウモリの群れに噛み付かれたイビルジョーは悲鳴を上げるが、コウモリ達の牙はイビルジョーの血管には届いてはおらずただ噛み付く事しか出来ていない。

全身コウモリの群れで覆われているイビルジョーは怒り狂い、コウモリを払う為に洞窟の壁に体を数回衝突している

 

コウモリの群れから解放されたパルは噛み付かれた部分から出血し全身血塗れになり、立ち上がる事も不可能な位なダメージを負い、意識が朦朧し倒れながら左腕で地下水まで這い歩いた

 

「い…一か八か…あの地下水へ…行って…あの…水を…飲んで…みよう…何か…お…お…起こ…る…かも…しれない…!」

 

しかし、コウモリを払うイビルジョーが暴れた事により天井が崩れ、生えている鍾乳石が何本も落下して洞窟内は非常に危険な状態となっている。

落下した鍾乳石は地下水へ向かっているパルの目前にも落下するが大事には至らなかったが

イビルジョーの真上に生えた鍾乳石が落下する

しかし、イビルジョーはコウモリを払っているのか真上に気付いてはいない。

 

ドズゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥウン゙!!

 

大きな鍾乳石がイビルジョーの真上に落下するがイビルジョーの皮膚を微かにかするだけで大事には至らず済んでいる。

その中でパルは地下水に辿り着き、頭を地下水に突っ込みゴクゴクと飲み始める、すると…不思議なことが起こった。

 

「ンンッンンッ…ゴクッゴクッゴクッゴクッゴク…プハァッ…あれっ!?何だろうこれは…身体中の傷が全部消えて血も止まっている…それに疲れも感じない…!!」

 

地下水を飲んだパルの身体中の傷や疲労が完全に癒え

たのだ、パルは瀕死の状態からなんとか息を吹き返しが地下水の効果に驚いている、

パルはタイムシーバーから瓶を取り出し地下水を汲むとタイムシーバーに収納すると辺りを見回している

 

「ハァ…一時はどうなるかと思ったな…、ん…!?えぇ!?い…イビルジョー!?何でアイツが居るんだ!?

しかもコウモリ達に全身覆われてる!?」

 

洞窟内に居るイビルジョーに驚愕し、思わず大声が出てしまったパル、イビルジョーはパルの声を聞いたのかパルを睨むみつけた、

パルはイビルジョーに睨まれると蛇に睨まれた蛙の如く背筋が凍って動けなくなってしまう

 

(し…しまった…気付かれた!!)

 

イビルジョーはブレスでコウモリの群れを薙ぎ払い

大声で咆哮を上げた

 

「グヷォ゙ォ゙ォ゙ォ゙ォ゙ォ゙ォ゙ォ゙ォ゙ォ゙オ゙ン゙!!゛」

 

イビルジョーの凄まじい声量が響いたのか洞窟の天井に生えている鍾乳石が何本も落下している、

コウモリは混乱し洞窟の外へ一斉に飛び立った。

咆哮を上げたイビルジョーは直ぐ様パルを見つけると追い始める。

 

パルはイビルジョーを見つめ一目散に全速力を上げ逃げ出す、

地下水を飲んだ影響か、パルがどんなに走っても疲労が感じる事はない。

イビルジョーも必死にパルを追うが、パルがイビルジョー自身が通り辛い横穴へ逃げ込んでしまっていて手こずっている。

 

パルは一切イビルジョーに目線を合わせず正面を向き我武者羅に走り続けている、するとパルの目前に光が差している横穴が見えた。

 

「あそこが出口か…でもどうして我武者羅に走っているのに一切疲労を感じないんだろう…あの地下水を飲んだからなのかな?」

 

パルがイビルジョーを振り切りながら横穴へ向かったその時

 

ズゥゥゥゥゥン…ズゥゥゥゥゥン…ズゥゥゥゥゥン…

 

「何だ…?…地震!?…でも揺れが激しくもないしこれは一体何なんだ?」

 

震度1の小刻みな地震揺れを感じ、パルは一旦立ち止まる。

その直後、背後からイビルジョーがパルに向かい突っ込んで来る

 

「グオォォォォォォォォォォッ!!」

 

イビルジョーはパルに大きく口を開け噛み付こうとするがパルはギリギリかわし逃げ出す。

 

「さっきの揺れはイビルジョーのではないな…だとするとアイツよりも巨大な生物が接近しているのかも!?」

 

と呟き横穴へ一直線へ向かい走り出すパル、イビルジョーもしぶとくパルの後を追い回す。

 

そんな中

 

ズシィィィィイン…ズシィィィィイン…ズシィィィィイン…ズドォォォォォォォォォォォォォォォォォォォンッ!!

 

地震の様な揺れと爆発音の様な足音が段々と近づいて来る

 

 

音が近付く度に揺れが激しくなり鍾乳石の落下も激しくなり走るのもやっとの中、パルは遂に出口へ抜け出した。

イビルジョーは横穴に体当たりをして出口の穴を広げようとしているがイビルジョーの背後には自身以上の巨影が近付いて来る。

 

洞窟外のパルはその巨影が起こす強い揺れに腰を付いてしまう

 

「何だ何だ!?震源が移動しているぞ!?それに揺れが強くて立てない!!」

 

更に洞窟内から金属音と黒板にフォークを立てて擦った音の様な耳を劈く凄まじい声量の鳴き声が轟いた。

 

『『『『『『ギギャ゙ア゙ァ゙ァ゙ン゙ギュ゙ル゙ル゙ィ゙ゥ゙ゥ゙ゥ゙ゥ゙ン゙ッ゙!!』』』』』』

 

余りの声の大きさによりパルは両耳を塞ぎしゃがみ込む

 

「うわぁぁぁッ!!凄まじい声だぁ!!鼓膜が破れるだけじゃ済まない!頭蓋骨にヒビが入る!!」

 

耳を劈く凄まじい声が轟くと何かを引き裂いた音とその餌食になった生物の断末魔が洞窟内に轟き渡る

 

『『『『ピギョエェェェェェェェェェェァアオンッ!!』』』』

 

 

ザシュゥゥゥッ!!グチャァツ!!バチュゥン!!グチャァツ!!

 

ドガァァァァァァバゴォォォン!!

 

凄まじい断末魔と引き裂いた音が響き渡ると大きな何かが洞窟の外から飛んで来る

 

ドサァァッ!!ベチャァッ!!ゴロゴロ…

 

その飛び出した物体はまるで深緑色の大型生物の頭部だった、パルはその物体を見て身震いし、背筋が凍り付く。

 

「あ…あれは…い…イビルジョーの…生首!?」

 

洞窟の外から飛び出したのはイビルジョーの頭部だったのだ、そしてそのイビルジョーを八つ裂きにした元凶が洞窟の壁をブチ破り現れる

 

ガラガラガラガラドドォォォォォォォンッ!!

 

巨大生物がブチ破る際に崩壊する落石がパルに向かい落下してくる

 

「うわぁぁぁッ!!危ない!!」

 

パルがひらりマントで落石を回避すると、砂埃から身長45mで全身が鉄の様に黒光る鱗で覆われたテリジノサウルス科の生物に酷似した巨大生物が姿を現した。

パルはその迫力に腰が抜け座り込む。

この生物は果たして何が目的なのか、パルに対し何を考えているのか

巨大生物は頭を大空に向け咆哮を上げた

 

『『『『『『ギギャ゙ア゙ァ゙ァ゙ン゙ギュ゙ル゙ル゙ィ゙ゥ゙ゥ゙ゥ゙ゥ゙ン゙ッ゙!!』』』』』』

 

次回へ続く…

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