【連続長編空想科学冒険活劇小説・時空警察官怪獣島遭難記】【第1章パルの冒険編】 作:シン・ホシノヒロミツ
イビルジョーの生首が洞窟の横穴を突き破り吹っ飛んで来て驚愕と恐怖に慄いたパル、その目前にイビルジョーより遥か巨大な生物が砂埃の中から現れ咆哮を上げるとゆっくり右足を下ろし、地響きを立てパルの方へ向かって来る。
パルはその迫力に押し潰され、後退りし絶叫する
「ば…化け物だ…化け物だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
パルが叫び逃げ出すと巨大生物は地震の様な地響きを立てパルを追い始める、巨大生物は嘴でパルを啄もうと頭を突っ込んでくる。
ドゴォォォォォンッ!!ズドゴォォォォォン!!
巨大生物による嘴の乱れ突きがパルを襲う、あまりの威力に地面が割れ、深さが5〜9mのクレーターが空いた。
パルも乱れ突きをかわすが巨大生物の嘴があまりにも巨大過ぎて回避するので精一杯である。
しかしながらパルは地下水の走力効果が続く限り樹海へ向かって走り出す
巨大生物もパルの気配を頼りに足者に転がっているイビルジョーの首を踏み潰し樹海へ向かう、道中邪魔な木々を鈎爪で切り倒し、並木を踏み倒しながらパルのいる場所へ向かって進行する。
樹木に巣を持っている鳥達は混乱し、うめき声を発し一斉に空へ飛び動物達も慌てて逃げ出している。
パルは背後から迫る巨大生物に振り向くと巨大な物体が勢いよくパルの方へ飛んで来る。
ゴォォォォォォォォォォ…ォォォォォォォォォォオオオオオズドォォォォォォォォォォンッ!!
「うわぁッ!?」
巨大生物によって切り飛ばされた樹木がパルの目前に
落ちて来るとパルは驚愕と同時に恐怖に支配され足がすくんでしまい腰を付いてしまう。
『『『『『『ギギャ゙ア゙ァ゙ァ゙ン゙ギュ゙ル゙ル゙ィ゙ゥ゙ゥ゙ゥ゙ゥ゙ン゙ッ゙!!』』』』』』
巨大生物はパルを追い詰めると鋭く巨大な鈎爪を振り出す
パルは前転をして回避し、直ぐ様体勢を整え倒れた樹木の影に潜みこんだ。
メキメキメキメキメキメキガリガリガリガリガリガリィィィィィィィィィィィィィィィィィィ…!!
巨大生物の鈎爪は土や岩を飛ばし地面を抉り痕跡を残した。
巨大生物はパルを見失ったのか周りに生えている樹木を鈎爪を振り込み切り倒している、パルはタイムシーバーから石ころ帽子と耳ばんと頑丈薬とパッドを取り出す。
両耳に耳ばんを付け石ころ帽子を被ると、頑丈薬を3錠出し地下水と一緒に含み、パッドで巨大生物の事を調べ始めた。
「刃爪怪獣テリジラス…かつて白亜紀に生息していたとされる恐竜・テリジノサウルスの生き残りが過酷な環境に適応しようと突然変異を繰り返し巨大化したと考察されている生物で、灰色の羽毛に覆われた羽毛恐竜のような外見をしている。
赤い鶏冠の生えた頭部は、爬虫類の様にギョロリと見開かれた青い両眼と、鋭い牙が並んだ嘴型の口を持つ肉食恐竜の如き凶悪な人相となっている。
また、光学迷彩のように体を透明化する能力も持っており、姿を消して敵に不意打ちを加える攻撃を得意とする。
原種のテリジノサウルスに本来このような能力があったとは到底考えられないため、「過酷な環境に適用し突然変異・怪獣化する過程で得た能力」だと推察している。
縄張り意識が非常に強く、見かけ通り性格は獰猛。テリジノサウルスの食性は諸説あるが、逃げ惑う動物を捕食しているような点から、肉食あるいは雑食と思われる(原種であるテリジノサウルスは植物食寄りの雑食で、狩りを行った形跡は無いらしい)。」
説明文を読んだパルはテリジラスが何故現れたのか思い当たる節があり察した直後顔が青冷めた。
「確かにあの洞窟の前に巨大な樹木のあの爪痕の様な痕跡と白骨死体があったな…アレはまさかアイツが縄張りの印として付けた印で、その縄張りに入った奴を仕留めた骨があの白骨死体なのか…?だったら僕とイビルジョーを追って殺す十分な理由にもなるぞ!!」
パルが倒木の影から顔を出すと、テリジラスに向かい光線銃を出し、出力を限界まで引き上げ戦いを挑もうとしている。
パルの顔には汗が流れ、額にシワを作り目付きを鋭く睨み真剣な表情を浮かべている。
(こうなったら一か八か、怖かったら怖いほど逆にそこに飛び込むんだ……男なら危険を顧みず、死ぬと分っていても負けると分っていても戦わなければならない時がある…それが今この時なんだ!! )
覚悟を決めたパルは光線銃を構え固唾を飲み、前へ走りながらテリジラスに向かい光弾を連射し始めた。
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおぉぉぉぉぉぉぉぉぉおッ!!」
パルは大声を上げてテリジラスに向けて光線銃を連射する
だが、テリジラスが歩く度発生する地響きの揺れで狙いが定まりにくく何発か外してしまう。
それでもテリジラスに連射をし続けているので何発かは命中してはいるが、テリジラスには全く通用してはいない。
「駄目だ!全然役に立たない!!」
最大出力で撃っている光線銃のバッテリーの消耗が激しくなり、所持しているジャンボガン・ショックガン等全ての銃をテリジラスに向け銃声を森に轟かせ撃ちまくる。
「これならどうだ!!」
全弾テリジラスに命中し、銃の弾薬の爆発に発生する煙に包まれる。
それを見たパルはテリジラスにダメージを与えた事を確信した
「やったか!?」
包まれた煙が晴れるとテリジラスの姿が露わになった。
しかし、テリジラスには全身傷一つも付いてはいない、あれ程撃っても通用してはいなかったのだ。
「あれ程撃っても傷一つ付いていないなんて…それ程皮膚が頑丈なのか…だったら!!」
パルはテリジラスとの距離を取るため走りながら全身ではなくテリジラスの目玉目掛けてジャンボガンやショックガンそして熱線銃を発砲した。
しかし流石に身長が45mもある巨大生物の目玉を銃弾で撃つのは至難の業であり、地震の様な地鳴りを起こす為見上げて発砲するのも精一杯だ。
「クソッ揺れも激しくて目玉に全然当たらない!!」
パルは目玉目掛け打ちまくっているが中々命中もしてはいない。
だが、紛れで発砲したジャンボガンの銃弾が左眼へ一発だけ命中する。
『『『『『『ヴァ゙ォ゙ォ゙ォ゙ギギャィ゙ィ゙ィ゙ィ゙ィ゙ィ゙ングギュ゙ル゙ル゙ィ゙ゥ゙ゥ゙ゥ゙ゥ゙ン゙ッ゙!!』』』』』』
左眼に銃弾が着弾したテリジラスは悲鳴を上げ怯みだすと、我を忘れるほど怒り狂い、
周りに生えている木々を鈎爪で手当たり次第切り倒す。
パルも飛んで来る木々をかわしながらテリジラスに対し発砲を止めず撃ち続ける。
暫くしてテリジラスは落ち着きを取り戻し、我に返えり木々を切り倒すのを止めて、パルの撃つ銃弾の向かう方へ歩み寄る。
テリジラスは「自信に向かって飛んで来る豆みたいな物を追えばそこに獲物が居るのではないか」と考えていた。
「!?石ころ帽子を被っているのに気配を感じているのか?」
パルは攻撃を止め全速力で走り出し逃げ出した、パルの顔には冷や汗が滴っている、テリジラスの方に顔を向け走ったその矢先…
「うわぁッ!!」
太い木の根に躓き額の汗でふやけ、石ころ帽子が外れ飛んで行ってしまう、
パルは大急ぎで石ころ帽子を取り戻そうとしている。
「あぁっ石ころ帽子が外れた…!!アレが無いと存在がバレちゃう!!」
パルは外れた石ころ帽子に手を伸ばし掴もうとしたが、石ころ帽子を好物の岩と勘違いをした体長3mのコモドオオトカゲと酷似したイワクイトカゲに狙われる。
トカゲはパルが石ころ帽子を拾いタイムシーバーへ収納しようとする直前に、石ころ帽子に噛み付いた。
「こらっ離れろ!これは食べ物じゃないんだ!!これが無いと…た…大変な事になっちゃうんだ!!だから離してくれ!!離せ!!」
非常に焦った口調と表情をしたパルは石ころ帽子に噛み付いたトカゲの口を開けさせようと蹴りを見舞いするが、トカゲの顎の握力は非常に強く、石ころ帽子を離さない。
「どうしても離れないなら仕方が無い…手荒だけどこれを撃って強引に引き離す!!」
パルは試しにショックガンを最大出力に設定して光弾を放つ、しかし何発撃ってもトカゲには全く通用してはいなかった。
「駄目だ!全然通用しない!!コイツの皮膚が硬過ぎる!!」
パルはショックガンを収納し、石ころ帽子をトカゲが口を離すまで引っ張るが、トカゲはパルを振り払う為首を力強く激しく左右に振り回す
パルはトカゲの怪力に敵わずトカゲに振り回されている、しかし石ころ帽子を手に離さずガッチリと掴んでいる。
「うわぁぁぁぁあッ!!す…凄い力だ!!けど離すもんか!!」
パルはどんなに振り回されても石ころ帽子を離さなかったが、余りにもしつこいと思ったトカゲは石ころ帽子に獅噛み付くパルを力強く投げ飛ばす
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ…!!」
ふっ飛ばされたパルは100m先の樹木に叩き付けられるが頑丈薬のお陰で大事には至らなかった。
しかし、石ころ帽子が外れてしまい、テリジラスに気付かれてしまう。
「し…しまった!!」
テリジラスは鋭い爪でパルを切り裂こうと振り回し、
地響きを立てパルを追い掛ける
パルは瞼を強く閉じ奥歯を噛み締め全速力で駆け出して逃げ出す、しかしパルは息が切れてしまい足が鈍くなってしまう。
地下水の強走効果が切れてしまったのである。
パルは息を荒くなりながらも力を振り絞り走るが
テリジラスが勢いを付けてパルに迫る。
パルも走り続けてはいるが、地下水の効果が完全に切れてしまいもう体力の限界寸前まで来ている。
そんなパルの視線には光が反射して輝きを増している
琵琶湖の様な大きな湖が視線いっぱいに広がっている。
パルは引き返そうとすると行く手にテリジラスが迫りつつあり跡を引けない状態に陥った。
(こ…こうなったら一か八かだ、あの湖に飛び込もう!!
もしかしたらあの時の地下水と同じ効果が出るかもしれない!!!)
そう懐で呟くと、パルは一か八かの賭けに出し、頭から湖の中へ飛び込んだ。
ザブゥゥゥン!!
激しく水飛沫を起こしパルが飛び込むと波紋が広がる、パルはテリジラスに気付かれない様水中に身を隠している。
パルが湖の水を飲むと地下水の時みたく疲労や傷が
パルが水中に身を隠しているとエンジン音の様な「ゴゴゴゴゴゴゴ」と音と地響きが水中に響き渡る、
テリジラスがこの湖の近くに迫って来ているのだ。
テリジラスは湖に立ち止まると湖の水面を見回し覗いている、大方パルを追って空腹が早まり獲物である魚を狙って腹を少しでも満たしたいと思っているのだろう。
パルの周りには様々な淡水魚や水生生物が泳いでいる、虹色に輝く鯉に赤黒い縞模様をしたヘラブナと全身が銅色で複眼が緑色のヤゴ、真っ赤なオタマジャクシに宝石の如く美しい光沢を光らせるゲンゴロウ、どれもパルよりも遥かに巨大である。
テリジラスは湖に頭を激しく突っ込み獲物を捕食し始める、頭を突っ込む度に激しい水飛沫と波が起こり水生生物が混乱し逃げ惑う、パルも水生生物達の混乱に巻き込まれて流されてしまう。
(テリジラス…!!まさかまた感付いて僕を襲っているのか!?)
魚や水生生物を貪り食うテリジラス、まだ食い足りなかったのかまた湖に頭を突っ込んだ。
パルもテリジラスに啄まれない様、巨大な嘴を避けながら泳ぎ回る。
テリジラスがパルを見つけると目の色が変わり啄みが激しくなる、パルも啄みをかわすのが精一杯だ。
だがテリジラスの啄みをかわす最中、巨大ヤゴがパルに対し下唇を素早く出し襲い掛かる。
巨大ヤゴはパルを捕食する為下唇を何度も素早く伸ばすがパルは反射神経を活かし回避すると、光線銃を巨大ヤゴに向け打ち出す。
巨大ヤゴは光線銃の光弾を受け絶命すると水面に浮かんだ。
しかしパルがヤゴに気を取られている一瞬の隙を突かれ、パルはとうとうテリジラスに啄まれてしまう、
「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあッ!!」
テリジラスに咥えられたパルは一声大きな悲鳴をあげるが、幸いにも切歯と犬歯の間に挟まれているかつ頑丈薬を予め飲んでいる為大事には至らなかったがナイフ状の歯に切り傷が付いてしまう、頑丈薬効果が切れ始めている。
その頑丈薬の効果が切れ始めている事に気が付いたパルは口が閉じる寸前に歯と歯の隙間を抜け、タイムシーバーからナゲーナゲナワを取り出し頭角目掛けて縄を投げよじ登り鼻頭に立つと、タイムシーバーの光弾と光線銃をテリジラスの右眼に発射してテリジラスの目を失明させた。
『『『『『『ギギャ゙ア゙ァ゙ァ゙ン゙ギュ゙ル゙ル゙ィ゙ゥ゙ゥ゙ゥ゙ゥ゙ン゙ッ゙!!』』』』』』
光弾が右眼に命中し失明するとテリジラスは驚き一声悲鳴を上げた。
悲鳴を上げて怯んだ隙を見てパルは湖へ飛び込みテリジラスから逃れようと必死に泳ぎ始める、
テリジラスは自身の右目を失明させたパルに怒りを喰らい鈎爪を振り回した、パルも命懸けでテリジラスから逃れようと泳ぐがテリジラスとか距離が全く縮まらない。
テリジラスはパルに鈎爪を振り翳そうとしていた
しかしその直後、パルの目線側に気泡が発生し始める。
気泡は最初は小さかったが後から大きくなっていく。
そして、水面が盛り上がり…
ドパァァァァァァァァァァンッ!!
大きな水飛沫を立て、鋭い目付きと巨大な獣脚類のシルエットをした巨大生物がパルとテリジラスの眼前に出現した、
巨大生物はテリジラスを睨むと鋭い歯を剥き出し威嚇している。
水面に出現した巨大生物は何か?目的は何か?その正体と目的は如何に?
次回へ続く。